(参 考)


シビアアクシデントへの対応に関する措置の実施について(報告書概要)
平成23年6月7日に受領した経済産業大臣指示文書「平成23年福島第一原子力発
電所事故を踏まえた他の原子力発電所におけるシビアアクシデントへの対応に関する措
置の実施について(指示)」を受け、以下の指示項目について取り組むとともに、その
実施状況を報告した。
1.中央制御室の作業環境の確保(図−1)
・全交流電源喪失時において、中央制御室の作業環境を確保するため、高圧発電機車
からの電源供給により、中央制御室非常用空調設備を運転し、中央制御室内の空気
を浄化できるよう手順書を整備するとともに、訓練を実施している。
2.緊急時における発電所構内通信手段の確保(図−2)
・発電所構内の通信手段として配備しているページング設備は、全交流電源喪失が発
生した場合でも各設備が有している蓄電池により一定期間の通信機能の確保は可能
であるが、長期間の通信機能を確保するため、高圧発電機車から電源を供給する。
・また、緊急安全対策で操作する安全上重要な機器があるエリアにおいては、携帯型
有線通話装置(乾電池式)を用いることにより通話が可能である。
3.高線量対応防護服等の資機材の確保及び放射線管理のための体制の整備(図−3)
1高線量対応防護服の配備
放射線防護をより確実なものとするため、高線量対応防護服(タングステン入
り)を配備する。(平成23年6月30日まで)
2原子力事業者間での相互融通の確立
高線量対応防護服や個人線量計などの資機材についても、必要に応じ原子力事
業者間で相互融通できる仕組みを確立している。
3緊急時の放射線管理要員の拡充
緊急時に放射線管理を行う要員については、従来から本店や他の原子力発電所
から応援できるよう定めているなど体制を整備している。
4.水素爆発防止対策(図−4)
・万一、炉心損傷等により生じる水素が、原子炉格納容器外で多量に滞留することを
防止するため、全交流電源喪失時において、高圧発電機車からの電源供給により、
アニュラス排気設備を用いて水素を放出する手順書を整備するとともに、訓練を実
施している。
・また、更なる安全性向上を目的として、原子炉格納容器内の水素を低減する設備
(静的触媒式水素再結合装置等を検討)を3年程度で設置する。
5.がれき撤去用の重機の配備(図−5)
・緊急安全対策に使用する高圧発電機車等の通行障害となるがれき等の排除について
は、既に配備したフォークリフトにより可能であるが、更なる効率化を図るため、
ホイールローダを配備した。 以 上
図−1 中央制御室非常用空調設備概略図(玄海原子力発電所3,4号機の例)MMMダンパ
中央制御室空調ファン
中央制御室
空調ユニット
中央制御室非常用循環ファン
中央制御室
非常用循環
フィルタユニット
中央制御室循環ファン
中央制御室非常用空調設備
中央制御室
屋内 屋外
高圧発電機車
仮設ケーブル
非常用母線
図−2 緊急時における通信手段(玄海原子力発電所3,4号機の例)
地震・津波による長時間の全交流電源喪失や浸水
事務所
通信機械室
通信機械室
中央制御室
高圧
発電機車
携帯型
有線通話装置
(乾電池式)
ページング装置
事務所
浸水防止
措置建屋
フィルタによる
よう素除去
中央制御室非常用空調設備
・高圧発電機車よりページング装置に電源を供給
・携帯型有線通話装置(乾電池式)を配備
図−3 高線量対応防護服(例)
(例)高線量対応防護服
(タングステン入り)
〇重量:約9.1kg
〇遮へい能力:約20%
しろまる配備数:玄海20着、川内10着
図−4 アニュラス排気設備
原子炉
格納容器
アニュラス部(注記) 排気筒
アニュラス排気設備
原子炉
外部
遮へい壁
空調ユニットM高圧発電機車
屋内 屋外
非常用母線
仮設ケーブル
図−5 ホイールローダ
(注記)アニュラス部:外部遮へい壁と原子炉格納容器の間にある密閉された円筒状の空間。事故時にアニュラス排気設備
で原子炉格納容器から漏えいした空気を浄化する。
しろまる仕 様(玄海原子力発電所の例)
全 長:4035mm
全 幅:1570mm
高 さ:2565mm
機 体 質 量:2.1t
最大掘起力:1.9t
バケット容量:0.4m3

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