くじゅう坊ガツル湿原は、
大分県西部に位置し、
周囲を九重連山に囲まれた高原性湿原
(約53ヘクタール)
です。
当社は、
坊ガツル湿原の保全及びその一帯に生息する希少植物の保護のため、
環境省や竹田市、
九重の自然を守る
会など、
地域の方々との協働により、
長年途絶えていた野焼き活動を2000年に再開しました。
現在は、
九電みらい財団(2016年5月設立)
が中心となり、
野焼き活動のほか、
外来種駆除活動や隣接する平治岳
(当社社有地)
のミヤマキ
リシマ植生保護活動などの環境保全活動を行っています。
なお、
当該湿原は、
多様な地質・地形を反映した希少な生態系を有することから、
2005年に、
国際的に重要な湿地の
保全を目的とする
「ラムサール条約」
に登録されています。
草刈機の使用方法を実技指導 安全意識を高める安全講習会の様子
かん木や雑草が生い茂ることを防ぎ、
植物の新しい芽
立ちを促すことで、
湿原の環境を維持する野焼き活動を
実施しています。
野焼き時の周囲への延焼を防ぐ防火帯を準備する
「輪
地切り」と「輪地焼き」
を毎年8月から9月にかけて実施し、
翌年3月に湿原全体に火をつける
「本焼き
(野焼き)」を行
います。
2017年度は、
地域の方々や九電グループ社員と家族
など、
のべ345名のボランティアの方々に参加いただき
ました。
九電みらい財団では、
野焼き活動の指導者が今後不足
するおそれがあるため、
2016年度から九電グループ社
員を対象に野焼き活動の担い手となるリーダーの養成
研修を行っています。
この研修は、
活動の経緯や安全講
習などの座学と草刈機の扱い方などの実技指導で構成
されており、
2017年度は約20名の九電グループ社員が
受講しました。
くじゅう坊ガツル湿原一帯における環境保全活動
宮崎支社 企画・総務部
総務・地域共生グループ
原が守られていること
を実感しま
した。
今後も、
ずっ
と先まで坊ガツル湿原の美しさ
を守り続けられるよ
う、
地道に活動に参加していきたいと考えて
います。
また、
現在私は、
当社主催の環境教育活動やボラ
ンティ
ア活動の企画運営を担当していますが、
坊ガツ
ル野焼き活動で得たノ
ウハウや心構え
を、
担当業務に
も活か
していきたいと思っています。
私は山登り
が趣味で、くじゅうへの登山を通じて坊
ガツル湿原の美しさを感じてきました。
坊ガツル湿原
における野焼き活動を知り、
湿原維持に貢献したい
とい
う思いか
ら、
2016年度か
ら活動に参加
し、2017年度には
「坊ガツル野焼き
リーダー養成研修」
も受講しました。
宮崎か
らの参加は大変ですが、
いざ活動に参加してみる
と、
これまで活動を続けてきた先輩方や、
関係
者の皆さ
まの長年の取り組みによって、
坊ガツル湿
ずっと先まで、
坊ガツルを守り続けたい
西 本 和 樹
に し も と か ず き
活動の充実に向けた取組み
野焼き活動
防火帯を準備するための輪地切り
の様子
湿原全体が炎に覆われる本焼き
(野焼き)の様子48 九電みらい財団のホームページはこちら
(www.kyuden-mirai.or.jp)
ひ いじ
社会との協調4 【社有林によるCO2吸収固定】
社有林により吸収固定されるCO2は、
木材として利用
するために伐採された木々が吸収しているCO2量1.7万トンを差し引いても、
社有林全体で125.8万
トンと算定して
います。
生物多様性に配慮しつつ九州の豊かな自然を守り続けていくため、
社有林や発電所緑地の適切な管理や、
九州で絶
滅が危惧される身近な動植物を保護するための取組みを推進しています。
当社は、
水力発電の安定した水源確保を目的として、
阿蘇・くじゅう国立公園区域内を中心に4,447ヘクタールの社
有林を適切に維持管理し、
水源
かんよう
涵養やCO2の吸収など、
森林の持つ公益的機能の維持・向上に努めています。2005年3月には、
適正な森林管理が行われていることを認証するFSC
(森林管理協議会)の「森林管理認証(注記)」を、
国内の電
力会社で初めて取得しました。
社有林のスギ材の一部については、
新国立競技場オリンピックスタジアムのスタンド観客席を覆う大屋根の木材と
して供給しています。
社有林(山やま下した
池周辺
[大分県由ゆ布ふ市])生物多様性の保全
高山植物
「ミヤマキリシマ」
(大分県準絶滅危惧種)の植生に支障となる木
(ノリウツギ等)
を伐採し、
希少種を
保全するための活動を実施しています。
また、
山の草花が踏み荒らされたりしないよう登山道
の整備も行っています。
2017年度は、
4月と11月に実施し、
九電グループ社員
やOBを含む184名のボランティアの方々に参加いただ
きました。
従来の活動に加え、
ラムサール条約で求められている
「保全」と「活用」
の観点から、
登山道入口への外来植物の
種子の持ち込みを防ぐマッ
トを設置したほか、
湿原を守
るためのルール、
周辺のガイドマップや四季の花々など
を掲載したリーフレッ
トの制作・配布を行っています。
外来植物の種子除去マッ
ト リーフレット支障木の伐採 登山道の整備
坊ガツルリーフレットの制作・配布
ミヤマキリシマの保護、
登山道整備活動
社有林等の適正管理
(注記)森林管理協議会
(FSC、
本部
ドイツ)
が、
環境に配慮した森林管理に対して発行する認証49単位:万トン-CO2
しかく 社有林によるCO2吸収固定量71.971.978.078.0
木材と
して利用
した木々のCO2
吸収量
1.7万トン
120.1
120.1
127.5
125.8
125.8
(注1)
森林調査に基づく実測値から日本国温室効果ガスイ
ンベントリ算定方法に基づき算定
(注2)
'01年度までのCO2吸収量には樹齢15年以下の若木分は含ま
ない'16120.2
120.2
'15 '17'01'91 (年度)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /