環 境 に 優 し い 企 業 活 動 を 目 指 し て
200 1年度 九州電力環境アクションレポート
s u s t a i n a b l e・・・・・・ 目 次
2001年度 九州電力環境アクションレポートの範囲と編集方針
この報告書は,九州電力株式会社の2000年度(2000年4月1日〜2001年3月31日)の活動結果をもとに
作成したものです(一部将来の活動予定,グループ企業の活動状況を含んでいます)。作成に当たっては,環境
省発行の「環境報告書ガイドライン(2000年度版)」を参考としました。
前回の報告時と比べて追加・改善した取り組みは,以下のとおりです。
環境経営,環境会計,グリーン調達及び九州電力環境顧問会の意見等の新規追加
次回発行は,2002年8月頃を予定しています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1・・・・・・ 2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10・・・・・・ 12・・・・・・・・・・・・・ 18・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26・・・・・・ 30・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40・・・・・・・・・ 41・・・・・・・・・・・・・・・・ 42ごあいさつ
2001年度 環境アクションレポー
トの概要
I 環境経営の推進 1.九州電力環境憲章 2.推進体制 3.環境アクションプラン 4.環境会計
II 環境活動への取り組み 1.概要 2.温室効果ガスの削減に向けた取り組み 3.循環型社会形成への取り組み
ー ゼロエミッションへの挑戦 ー 4.地域環境との共生 5.社会との協調III 社外の方々のご意見 ー第三者評価ー
用語の解説IV 資料編
九州電力企業行動憲章
会社概要
組織図
環境を巡る歴史と九州電力のあゆみ
環境・エネルギー関係の資料 1ごあいさつ
2001年9月
これまでの私たちの暮らしは,
地球環境が本来持っ
ている健全な循環システムの働きと,
その潤沢な資源
の活用によって支えられてきました。
しかし,
近年の人類の活動は,
地球温暖化やオゾン
層の破壊など地球規模での環境問題を深刻化させ,それに対する全世界的な対策が喫緊の課題となってお
ります。
そのような状況のなか,
私たちはエネルギー
産業の一翼を担う電気事業者の社会的責務として,より環境に配慮した企業活動,
いわゆる環境経営を推進
してまいります。
電気事業は,
その事業活動において,
CO2の排出な
ど多様な環境負荷を発生しておりますが,
当社は,従来からその低減対策を大きな経営課題として取り上げ,
環境保全活動に積極的に取り組むとともに,
その結果
を公表し,
多方面からのご意見を承ってまいりました。
今回,
更に環境経営の視点を強化し,
活動の心構え
や方向性を示す
「九州電力 環境憲章」
の制定や,
環境
活動を継続的に改善していく環境マネジメントシス
テムの全社展開など,
より充実した環境活動への取り
組みを行うこととしました。
この環境アクションレポートは,
今回で第5回目の
発行となりますが,
今後,
新たに取り込む環境経営の
視点に立って取りまとめたものであります。
今後も,
より多くの方々との環境コミュニケーショ
ンを通して,
環境活動をさらに充実していきたいと考
えております。
皆さまの率直なご意見・ご感想をお待ちしております。
九州電力株式会社
代表取締役社長 22001年度 環境アクションレポートの概要
環境経営の推進
(P4〜P9)
九州電力は,環境問題への取り組みが,自らの存在と事業活動に必須の条件であることを認識し,すべ
ての事業活動において環境に優しい活動を実践することにより,企業としての社会的責任を果たしていき
ます。
1.九州電力環境憲章 (P4)
九州電力は,「九州電力環境憲章」(2001年2月制定)に基づき,環境活動に取り組んでいます。
2.推進体制 (P5〜6)
経営資源の活用を含む環境活動戦略を審議するため,「環境委員会」を設置し,また全事業所で環境管理
者を任命するなど社内体制を強化しました。また,外部からの評価をいただく 「九州電力環境顧問会」 や,
九電グループでの環境経営を推進するための 「グループ会社環境経営推進協議会」 を設置しました。
さらに,支店,営業所など事業形態毎のモデル事業所で,2002年までにISO14001の認証を取得します。
さらに,2004年度までに,ISOに準拠したシステムを全社に展開する予定です。
3.環境アクションプラン (P7)
「地球環境問題への取り組み」,「循環型社会形成への取り組み」,「地域環境との共生」,「社会との協調」
の4つの柱からなる環境アクションプランを策定し,全社をあげて環境活動を展開しています。
4.環境会計 (P8〜9)
環境活動コストとのその効果,環境活動が収益に与える影響の正確な把握,利害関係者への環境活動へ
の取り組み状況の公表手段として,2000年度から環境会計への取り組みを進めており,今回は,環境活
動コストを掲載しています。I環境活動への取り組み (P10〜P29)II(注記) ( )内は1990年度と比較した変化割合を示す
CO2排出量(万
トン‐CO2)
CO2排出原単位(kg‐CO2/kWh)
CO2排出抑制量(万
トン‐CO2)
原子力利用率(%)
火力発電熱効率(発電端,%)
風力発電設備容量(kW)
太陽光発電設備容量(kW)
新エネ電力購入量(百万kWh)
2,390(さんかく4%)(注記)
0.317(さんかく29%) (注記)
4,95085.840.4
1,750325372
くろまる地球温暖化防止の主要な環境負荷の実績
項 目 2000年度実績
1.概要 (P10〜11)
九州電力は,事業活動と環境負荷発生の関連を
定量的に明らかにし,CO2排出原単位や産業廃棄
物リサイクル率など主要な環境指標については,
中期(2003年度)目標を定め,その低減に努めてい
ます。
2.温室効果ガスの削減に向けた取り組み
(P12〜P17)
九州電力は,CO2の削減については,原子力の 3 「九州電力環境顧問会」でいただいた環境活動全般にわたるご意見は,これからの九州電力の環境活動に
活かしていきます。
【前回レポートのアンケート結果】 (P30)
【九州電力環境顧問会での主なご意見】 (P31)
社外の方々のご意見 ー第三者評価ー
(P30〜P31)IIIくろまる産業廃棄物リサイクル等の実績 産業廃棄物発生量(万トン)
産業廃棄物リサイクル量(万トン)
産業廃棄物リサイクル率(%)
項 目 2000年度実績61.840.465推進を基本に,発電設備の効率向上,風力・太陽光発電の推進等に努めるとともに,グリーン電力制度の
創設や,太陽光発電設置者への費用助成,余剰電力の購入などさまざまな普及支援を展開しています。
3.循環型社会形成への取り組み
―ゼロエミッションへの挑戦―
(P18〜P20)
事業活動に伴い発生する廃棄物は,発生量の抑制
に努めるとともに,廃棄物リサイクルに向けた事業
化にも取り組んでいます。
特に,廃棄物については,ゼロエミッション実現に向けて,リサイクル率の向上に努めています。
(2003年度目標:産業廃棄物リサイクル率 90%以上,古紙リサイクル率100%)
また,環境への負荷の少ない物品を調達する「グリーン調達」の制度構築について検討を進めています。
4.地域環境との共生 (P21〜25)
発電所の設備の運用にあたっては,大気汚染,水質汚濁,騒音,振動などについて,法令はもとより関
係自治体との環境保全協定を締結・遵守しています。
また,オゾン層保護を目的とした特定フロン等の排出量ゼロ(2003年度目標)を2000年度に達成しま
した。化学物質は,それぞれの事業所で適正に管理を行い,PRTR制度の積極的な取り組みやダイオキ
シン類を排出する廃棄物焼却炉の廃止,PCBの適正な保管・管理に努めています。
5.社会との協調 (P26〜29)
環境アクションレポート,見学会,講演会及びマスメディア等を通じて,環境情報の積極的公開と公聴
活動によりコミュニケーションを推進しています。
さらに,植林活動の全社展開として 「九州ふるさとの森づくり」 による100万本植林を進めるなど,環
境月間,ふれあい旬間などにおいて地域における諸活動を展開するとともに,グリーンヘルパーの育成や
地域で行われる諸行事への参加など,地域における環境活動を積極的に支援しています。 4 九州電力は,環境問題への取り組みが,自らの存在と事業活動に必須の条件であることを認識し,すべ
ての事業活動において,豊かな環境の実現を目指して環境に優しい活動を実践し,企業としての社会的責
任を果たしていきます。
このため,九州電力環境憲章の制定,九州電力環境顧問会の設置,社内推進体制の充実を図るなど,事
業活動全般にわたって企業の成長と環境を両立させる環境経営を推進しています。
九州電力環境憲章は,企業理念(ヒューマンな九州を創る企業体)に基づき,推進すべき環境活動につ
いて,その心構えや方向性を示したものです(2001年2月制定)
。九州電力は,この憲章に基づき環境活
動に取り組んでいます。
1.九州電力環境憲章
企 業 理 念1 九州電力は,
永遠にエネルギーの火を燃やし続けます。
2 九州電力は,
地域とスクラムを組み,
真に豊かな社会とはなにかを考え,
行動します。
3 九州電力は,
時代の空気を先取りする,
ダイナミックな企業風土をつくります。
九 州 電 力 環 境 憲 章
社 長
1 すべての事業活動において,
環境保全意識の重要性を認識します。
しろまる環境問題への取り組みが,
自らの存在と事業活動に必須の条件であることを認識します。
2 すべての事業活動において,
豊かな環境の実現を目指します。 しろまる地球温暖化の防止や自然環境の保全に努めます。 しろまる地域社会に貢献する環境活動を積極的に展開します。 しろまる廃棄物の削減,
再資源化に取り組み,
循環型社会の形成を推進します。
3 すべての事業活動において,
環境情報公開を積極的に推進します。 しろまる事業活動における環境情報を積極的に公開するとともに,
多くの方々とのコミュニケーションを図 ります。
平成13年2月15日 5本店各室部東京支社総合研究所原子力発電本部原子力発電所火力発電本部電力輸送本部お客さま本部事業開発本部立地環境対策本部汽力発電所建設所
社 長
常務会
経営管理室九州電力環境顧問会ご意見
連携
報告 環境監査くろまる運営体制
くろまるPDCAサイクルPLAN[環境部]
CHECK
[環境部]DO[本部
(部)・室・支店等]
ACTION
[環境委員会・
常務会]
全社目標,経営資源の配分等を
取りまとめた
環境アクションプランの策定
環境アクションプラン
に基づいた
環境活動の実行・管理
(全室部・事業所に環境管理者設置)
環境活動実績の評価
個別活動の見直し
環境活動の評価
監 査
[経営管理室]
社外有識者の意見
[環境顧問会]グループ会社環境経営推進協議会 九州電力は,環境経営を推進するため,全社一丸となった推進体制を構築しています。
くろまる 全社の環境活動戦略を総合的に検討する「環境委員会」を設置しています。環境委員会での審議事項は,
常務会の承認を受け,全社の環境経営方針となります。
くろまる 環境活動全般に関して外部評価をいただき,今後の環境活動推進の参考とさせていただくため,社外有
識者の方々と意見を交換する「九州電力環境顧問会」を設置しています。
くろまる 環境活動の結果については,経営管理室でチェックを行い,PDCAサイクルを確立しています。
くろまる さらに,九電グループとしての環境経営の推進を図るため,「グループ会社環境経営推進協議会」を設
置し,グループ全体の経営資源を活用した環境活動戦略を検討します。
2.推進体制支 店営業所・電力所等 環境委員会 6(1)環境委員会
九州電力は,経営層と直結した環境管理体制を構築することにより,環境経営を強力に推進します。
くろまる
環境委員会では,経営資源を環境経営にどの程度配分するかなど,環境活動の戦略及び環境アクション
プランを審議・立案します。
(注)2001年4月,従来の地球環境問題検討委員会を環境委員会に改組しました。
くろまる
環境委員会は,副社長を委員長とし,関係常務・室部長で構成しています。
くろまる
環境委員会の審議事項は,常務会の議を経て,各本部
(部)
・支店の事業計画に反映され,具体的環境活
動として全社において実施されます。
くろまる
また,2001年度には,全室部・事業所に,環境活動の徹底,活動状況の管理を行う
「環境管理者」
を任命しました。
(2)九州電力環境顧問会
九州電力は,環境経営の推進において,お客さ
まの声を聞くことは重要と考えています。
くろまる
環境顧問会は,その一環として2001年4月に
設置したもので,いわば九州電力の環境経営に対
する外部評価委員会です。
くろまる
環境顧問会は,九州各県,各界の有識者8名の方々
を委員としています。
くろまる
第1回環境顧問会における各委員からのご意見は,P31に記載しています。
(3)環境マネジメントシステム
九州電力は,全社において効率的かつ効果的な環境マネジメントシステム(EMS)の構築を目指します。
くろまる 支店・発電所・電力所・営業所などその機能は,それぞれ大きく異なるため,事業形態毎にモデル事
業所を選定し,ISO14001の認証を取得します。
その成果をもとにISO準拠システム
(EMS)を作成し,全社に展開します。
くろまる 1997年7月,松浦発電所において,国内の電
力会社で初めてISO14001の認証を取得しました。
現在,全火力発電所で,松浦発電所を参考にした
ISOの準拠システムを展開中です。
くろまる 1999年3月に川内原子力発電所,2001年3
月に人吉電力所,2001年8月に小丸川発電所建
設所(水力)でISO14001の認証を取得しました。
今後,玄海原子力発電所,あるいは他の17電
力所にISO準拠システムを展開します。
くろまる 長崎支店,佐賀営業所で,2002年にISO14001の認証を取得し,そのシステムを参考にして,
2004年度までにISO準拠システムを全事業所に展開します。
環境顧問会
(2001年8月31日開催)
ISO審査風景
(小丸川発電所建設所) 73.環境アクションプラン
九州電力は,毎年,環境アクションプランを策定し環境活動を展開するとともに,環境アクションレポ
ートとして公表しています。
環境アクションプランでは,「地球環境問題への取り組み」,「循環型社会形成への取り組み」,「地域環境
との共生」,「社会との協調」の4つの柱からなる「環境行動方針」のもと,主要な環境活動の目標値,環境活
動重点項目を定め,全社をあげて取り組んでいます。(1
) 環境行動方針と環境活動重点項目
地球環境問題への取り組み
循環型社会形成への取り組み
地域環境との共生
社会との協調
は,環境活動重点項目
くろまる 温室効果ガスの削減に向けた取り組み ・
電力供給面での取り組み ・
新エネルギーの推進 ・
省エネルギーへの取り組み ・ SF6ガスの排出抑制
くろまる ゼロエミッションへの挑戦 ・
産業廃棄物 ・
一般廃棄物 ・
リサイクル事業化への取り組み
くろまる グリーン調達の推進
くろまる 発電所,変電所等の環境保全
くろまる 周辺環境との調和
くろまる コミュニケーション
くろまる 地域における活動への取り組み
くろまる 国際協力
くろまる 社員の意識高揚
:原子力発電の推進,発電設備の効率向上
:風力・太陽光発電の自社設置,助成・支援
:送配電ロスの低減,蓄熱システム,電気温水器等の普及,日常業務における省エ
ネルギー(オフィス電力,電気自動車,エコドライブ)
:SF6ガスの回収強化
:3Rの促進と適正管理,リサイクルシステムの確立
:分別回収の徹底,古紙全量リサイクルの実施
:九電グループでのリサイクル事業の推進
:すべての資材と取引先を対象とした「グリーン調達」制度の構築
:環境アセスメント,大気汚染,水質汚濁,騒音などの防止,オゾン層の保護,
環境モニタリング,放射性廃棄物の管理,化学物質の管理
:発電所の緑化,設備形成における周辺環境との調和
:見学会,講演会の実施
:緑化活動の全社展開,清掃奉仕活動ほか
:海外電気事業者との交流,海外プロジェクトの実施・支援
:研修,講演会,環境情報の提供 84.環境会計
九州電力は,2000年度から環境会計を導入し,把握した環境活動に関するコストやその効果について,
環境活動展開の意思決定に役立てるとともに,公表していきます。
2000年度は取り組みの初年度であったこともあり,環境会計のコストの集計に止まりました。集計結
果は投資が約150億円,費用が約600億円で,それぞれ当社の総投資額の5%,総費用額の5%となって
います。その詳細は右表の通りです。
今後は,コストに対する効果把握の考え方の確立を進めるとともに,次年度の環境活動予算管理に活用
することで、より効果的な環境活動を推進することにしています。
《参考》
環境活動コス
ト算定の考え方
【コスト算出対象となる活動の定義】
事業活動に伴って生じる環境への悪影響(環境負荷)の発生防止, 発生抑制, 影響除去, 発生
した被害の回復,またはこれらに資する取り組み。
(補足定義)
くろまる 上記活動には, 社内の安全・衛生に関わる活動は含めない。(作業場の粉塵対策など)
くろまる 上記の「環境負荷の発生防止, 発生抑制, 影響除去, 発生した被害の回復, またはこれらに
資する取り組み」については, その取り組みが結果的に環境への影響を低減するものであっても,
事業活動という観点から当然進められるもの(地球温暖化防止における原子力発電所や,高効率
火力発電所の建設など)は除外する。
くろまる 同様に, 社会的にすでに標準的な環境活動であり, かつその活動に特別な費用の増加を伴わ
ないものは除外する。(低騒音変圧器・電動機など)
【環境活動コストの定義】
事業活動から発生する環境負荷を抑制すること等を目的としたコスト。各環境活動コストの「投資」,
「費用」は次のように定義しています。
くろまる 投 資:環境保全を目的とした設備投資など資産計上されるものへの当該年度の支出。
くろまる 費 用:環境設備の減価償却費やリース代, 修繕費, 維持運営費及び環境目的の委託費,人 件費などの当該年度の支出。
コストは環境会計ガイドライン(環境省)に基づきつつ,より理解しやすいよう,用途毎に細かく分類しました。
環境会計ガイドライン(環境省)に基づき,各支出の目的の環境保全度合いに応じ,全額計上,差額計上,按分計
上などして環境活動コストを算定しました。 9(1)2000年度環境活動コスト環境活動コス
ト分類
公害防止
地球環境保全
排煙処理
(脱硫,脱硝, ばいじん処理装置)
など
発電所の排水処理, 漏油対策, 温排水対策など
世界銀行炭素基金出資金, 省エネ, 新エネ設備導入,
新エネ余剰電力購入, グリーン電力制度,太陽光支援制度,
SF6排出抑制など
ハロン代替対策, フロン等回収対策
社屋の中水道設備費用
産業廃棄物削減,
リサイクル費用
処理費用
一般廃棄物の減量化, リサイクル, 処理
資源循環
グリーン調達
主なコス
ト内容 投資478530071317110052001325000014791320.4440.42201535625010.61562019200.20.359593
費用
合計
(参考)
(単位 :億円)―― ―
当社総投資額 2,813 億円
当社総費用 13,064 億円
大気汚染防止
水質汚濁防止
発電, 変電, 送電設備騒音対策
騒音・振動防止
温暖化防止
オゾン層保護
節水対策
産業廃棄物対策
一般廃棄物対策
廃棄物処理装置等の費用
放射性廃棄物対策
使用済核燃料ピッ
ト, キャスク保管設備費用,
再処理引当金
使用済核燃料再処理
グリーン調達実施で発生した追加的費用
環境活動の管理
環境関連資格取得費用, 環境教育・研修費用, 人件費
環境活動組織費用
環境関連研究
CO2対策, 廃棄物有効利用など
環境保全関連
発電効率改善など
発電時環境負荷抑制
送配電ロス率改善など
送配電時環境負荷抑制
送配電線地中化など周辺環境との調和を図るため特別に
設計・計画に要した費用
社会活動
当社保有地緑化に関するコスト環境損傷対応 公害健康被害補償制度による汚染負荷量賦課金
当社総投資額,総費用に占める割合
構内緑化
景観・都市空間確保
環境月間行事に要する費用
環境月間
各事業所が地域で行う環境セミナーなど
地域の環境活動支援
環境アクションレポー
ト, ホームページ作成費用など
環境情報公開
ISO14001取得, 維持費用など
ISO, EMS構築費用
環境アセスメン
ト, 環境負荷物質の監視・測定費用,
PRTR対応コスト環境負荷測定・監視
5% 5%
* 2000年度の九州電力の環境活動コストを記載しています。なお,四捨五入のため合計値は合わないことがあります。
(2)効果の把握
環境活動コストに対応する「効果面」については,さまざまな考え方があり今後その定義や,算定方法
についての検討をさらに進め,環境会計制度の充実を図っていくことにしています。なお,現時点におけ
る効果を反映したものとして,環境負荷の実績があり,P11に1998年度から2000年度までの主な環
境負荷の実績を記載しています。 101.概要
九州電力は,電気を作りお客さまへお届けするために,多くの資源を投入しています。その結果,環境
負荷物質が発生しています。具体的には,
くろまる 発電におけるCO2,SOx,NOx,石炭灰などの産業廃棄物,放射性固体廃棄物,排水など
くろまる 建設時における廃材,汚泥などの産業廃棄物
くろまる 業務運営において,発生する古紙などの一般廃棄物
所内電力量
34億kWh
他社からの購入量
82億kWh
うち新エネルギー
4億kWh
送配電ロス
さんかく43億kWh
揚水用電力量
さんかく3億kWh
お客さまへの販売電力量
753億kWh
当社オフィスの使用量
1.1億kWh
くろまる
車両用燃料
ガソリン,
軽油
4千s
くろまる
CO2排出量2,390万トン‐CO2
くろまる
産業廃棄物埋立処分量
213千トン
くろまる
車両用燃料に伴うCO2排出量
1.0万トン‐CO2
くろまる
SOX排出量
0.8万トン (火力発電所からの排出量)
くろまる
NOX排出量
0.6万トン (火力発電所からの排出量)
くろまる
放射性固体廃棄物
2,364本
(200r
ドラム缶相当)
事業活動 環境負荷低減活動
インプッ
ト 環境負荷
くろまる
紙などの
消耗品
くろまる
一般廃棄物
248万トンLNGLPG
約111トン(注記)
620万トン
(注記)ウラン重量
水 力 発 電
地 熱 発 電
風力・太陽光発電
41億kWh
15億kWh
火 力 発 電
原 子 力 発 電
300億kWh
395億kWh
[自然エネルギー]
くろまる
火力発電用燃料
くろまる
原子力発電用燃料
くろまる
発電用工業用水
石炭 393万トン
重油 50万s
原油 20万s
II 環境活動への取り組み
くろまる
排水
279万トン
II 環境活動への取り組み
(1)事業活動と環境負荷発生の関連 11(2)環境負荷の実績と目標
【2000年度実績の前年度との比較】
くろまるCO2排出量は,
約160万トン増
(7%増),使用端CO2原単位は,
0.012kg‐CO2/kWh増
(4%増)
となりました。
これは,
販売電力量
の3%増加
(731億kWh →753億kWh)
により,
石炭火力発電の比率が増加
(17%→20%)
したためです。
なお,
国際的な基準年
である1990年度と比較すると,
CO2排出量は4%減,
CO2排出原単位で29%減となっています。
くろまる特定フロン等排出量は,
作業着の洗浄方法を
ドライクリーニングから水洗いへ変更するなどの対策を進めたため,
排出量はゼロとな
りました。*1:
1990年度のCO2排出量及び使用端CO2排出原単位はそれぞれ2,
500万
トン‐CO2と0.448kg‐CO2/kWh*2:
2001年度供給計画に基づく見通し *3:
電気事業は,
「電気事業における環境行動計画」
において,
2010年度使用端CO2排出原単位を1990年度比20%程度低減させる目標
を定めている。*4:
新エネルギーとは,
太陽光発電,
風力発電,
廃棄物発電を指す*5:
一部事業所実績からの推定値*6:
特定フロン消費量+四塩化炭素消費量500474人人539475
500以上
500以上
エネルギー管理士有資格者数
公害防止管理者有資格者数619490P29主要な環境活動について目標値を定め,
環境負荷の低減に努めています。地球環境問題への取り組み循環型社会形成への取り組み地域環境との共生項 目 単 位
kg−CO2/kWh%%kWkW
百万kWh%万kW
百万kWh%0.32379.839.8
1,7503002715.618.411077
0.30584.040.4
1,7503253245.622.110993 0.34程度*3
84程度
40程度
3,250335原則購入
5.6程度36104以下
97以上
実 績
1998年度 1999年度 2003年度
目 標
使用端CO2排出原単位
原子力利用率
火力発電所熱効率
(発電端)
風力発電設備容量
太陽光発電設備容量
新エネルギーからの電力購入量*4
送配電ロス率
蓄熱システム負荷設備容量
オフィス電力使用量
機器点検時のSF6ガス回収率SOx(硫黄酸化物)
排出原単位
[火力発電電力量当たり]NOx(窒素酸化物)
排出原単位
[火力発電電力量当たり]
原子力発電所周辺公衆の
線量評価値(1年当たり)
産業廃棄物リサイクル率
古紙回収リサイクル率
特定フロン等排出量*6%%
g/kWh
g/kWh
トン
ミリシーベルト44ー0.330.231.00.001未満67ー0.300.233.60.001未満
0.31785.840.4
1,7503253725.425.310895
2000年度6540*50.290.2300.001未満
90以上1000.3程度
0.2程度
ゼロ
0.001未満CO2(二酸化炭素)
排出量*1万トン−CO2 2,320 2,230 2,390 2,700程度*2P23P21P14P12
掲載
ページP19P22P18P17P17P16P12P13P16 12
日本で発生する温室効果ガスの約9割はCO2となっており,その4分の1は電気事業から発生しています。
くろまる 九州電力の2000年度のCO2排出量は,2,
390万トン‐CO2で,日本全体の約2%です。
くろまる 1990年度以降10年間で,九州電力の販売電力量は約1.4倍になりましたが,CO2排出量は,0.96倍
に止まっています。これは,主に原子力発電所2基(236万kW)の開発により削減されたものです。
くろまる 別の指標でいえば,お客さまが使用する電力量当たりのCO2排出量(使用端CO2排出原単位)は,
0.71倍となります。
2.温室効果ガスの削減に向けた取り組み(1)電力供給面での取り組み
【原子力発電の推進】
九州電力は,安全性の確保を最重点として,社会の方々のご理解とご協力を得ながら原子力発電の開発・
利用を進めていきます。2000年度の原子力利用率は,85.8%となり,1999年度から1.8ポイント向上
しました。
◇ ライフサイクルで見た電源別CO2排出原単位
CO2は,発電時の燃料燃焼以外に,発電所
の建設や燃料の採掘・輸送・精製・廃棄物の
処理などエネルギーの使用に伴っても発生し
ます。燃焼や工事等のライフサイクル全体で
のCO2発生量を,その発電電力量で割ったも
のが右図です。
原子力発電は,これらの間接的な排出も含
め,すべての段階を総合的に評価してもCO2
の排出量が少ない特長があり,地球温暖化対
策として非常に優れた発電方式です。
くろまる販売電力量とCO2排出量
販売電力量 CO2排出量0100200300400500600700
800 3,000
2,500
2,000
1,500
1,0005000
(年度)
(億kWh) (万
トン‐CO2)1990558 643 667 690 699 720 731
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
2,500
2,710
2,550
2,850
2,190
2,320 2,230 2,390753くろまる発電電力量構成比と使用端CO2排出原単位01990 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000(年度)204060801000.10.00.20.30.40.5(%) (kg‐CO2/kWh)
原子力 水力+地熱 火力他 排出原単位331057565054
42 45 45446 9938 374845 46 4641* 玄海原子力4号機運転開始
0.448
0.422
0.383*0.413
0.317
0.314 0.323
0.305
温室効果ガスの削減に向けた取り組み
電力中央研究所報告書より作成
くろまる電源別のCO2排出原単位
発電燃料燃焼 設備・運用
石炭火力 石油火力 太陽光 風力 原子力 地熱 水力
LNG火力 LNG
コンバインド00.20.40.60.81
(kg‐CO2/kWh)
0.975
0.887
0.088
0.704
0.038
0.478
0.130
0.408
0.111
0.742
0.608
0.519
0.053 0.029 0.022 0.015 0.011
(注)発電燃料の燃焼に加え,
原料の採掘から発電設備等の建設・燃料輸送・精製・運用・保守等
のために消費されるすべてのエネルギーを対象としてCO2排出量を算定。
原子力については,
現在計画中の使用済み燃料国内再処理・プルサーマル利用
(1回リサイクルを前提)・高レベル
放射性廃棄物処分等を含めて算出。
なお,
ウラン濃縮に伴うCO2排出量は,
海外・国内での実施比
率をベースとして算出しているが,
全て国内で濃縮したと仮定すると,
原子力の値は0.010となる。910
10 10 13◇ 原子力発電によるCO2排出抑制効果
(寄与率64%)
くろまるCO2排出量とCO2排出抑制効果
(注記)抑制量試算の考え方:原子力,
水力,
新エネ,
LNGなどによる電力量をLNG以外の火力発電で賄ったと仮定して算出。
実際のCO2排出量 CO2排出抑制量19902,620
2,50019972,190
4,79019982,320
4,69019992,230
4,78020002,390
4,950
熱効率向上,
10% 送配電ロス低減
13% LNG火力
64% 原子力
〔2000年度 寄与率〕
13% 水力,
地熱,
新エネ 9%熱効率向上,
送配電ロス低減
LNG火力 12%
原子力 60%
〔1990年度 寄与率〕
水力,
地熱,
新エネ19%
(年度)
(単位:万
トン‐CO2)
火力発電所総合熱効率
(実績)
(年度)(%)36384042444648501976 1980 1984 1988 1992 1996
2000
火力機の熱効率最高値
(設計値)
複合発電方式の導入
39.52 40.05 40.25 40.66
43.04
46.6238.149.0040.4くろまる九州電力の火力発電所熱効率推移
(発電端)
◇ 核燃料のリサイクル(プルサーマル計画)
日本は,2010年までに累計で16〜18基の原子力発電所でプルサーマルを実施する計画であり,九州
電力も,2010年までの早い時期に実施することを目標に検討を進めています。
くろまる 使用された使用済燃料は,燃え残りのウランと新しくできたプルトニウムを含んでいます。
くろまる 使用済燃料から回収したウラン,プルトニウムを再利用することは,循環型社会の趣旨に沿ったもので
あり,エネルギー確保の観点からも非常に有効です。
くろまる 「プルサーマル」とは,使用済み燃料を再処理して取り出されたウランとプルトニウムとを酸化物の形
で混合したMOX(Mixed Oxide:混合燃料)燃料を,現在稼働している原子力発電所で利用することを
指します。
くろまる 「プルサーマル」は,フランス,ドイツ,ベルギーなどのヨーロッパ諸国を中心に世界各国で,既に
30年以上にわたり問題なく実施されています。
【発電設備の効率向上】
九州電力は,火力発電の熱効率の向上によりエネルギーの有効利用を進め,燃料使用量を少なくするこ
とによって,温室効果ガスの排出削減に努めています。
くろまる 火力発電所の熱効率向上は,発電用燃料の使用削減となり,CO2,SOx,NOxなどの排出抑制につな
がります。
くろまる 九州電力は,ガスタービンと蒸気タービンの2
つを組み合わせたコンバインドサイクル(複合)
発電方式の採用などにより火力発電の熱効率の向
上を図っています。
くろまる 2000年度の火力発電熱効率は,新大分発電所(コ
ンバインドサイクル発電方式)など高効率発電所
の高稼働により,前年度と同じ水準(40.4%)
を維持しています。
温室効果ガスの削減に向けた取り組み 14(2)
新エネルギー
(風力・太陽光など)
の推進
くろまる 2000年度の購入電力量は,風力発電が1,357万kWh
(15件)
,太陽光発電が1,
069万kWh(7,6 4 2 件)
,廃棄物発電が 348百万kWh
(18件)となっています。0246810121416182005001,0001,5001994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
(件) (万kWh)
(年度)01 1349151122821,357
くろまる九州電力の風力発電からの電力購入実績
購入電力量 契約件数
くろまる九州電力の新エネルギー発電設備容量0500
1,000
1,500
2,000
2,500
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000(kW)(年度)
風力 太陽光 燃料電池25022550250230502502605085029050
1,7503001,7503251,750
50 5032550
温室効果ガスの削減に向けた取り組み01,0002,0003,0004,0005,0006,0007,0008,00002004006008001,0001,200
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
(件) (万kWh)
(年度)
購入電力量 契約件数7,6423,73585437 126 3231,460892003951,069くろまる九州電力の太陽光発電からの電力購入実績0246810121405010015020025030035040016181994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
(件) (百万kWh)
(年度)12511 111213141618132 138165267317348
くろまる九州電力の廃棄物発電からの余剰電力購入量の推移
購入電力量 契約件数
【お客さまからの電力購入】
くろまる お客さまが設置している風力,太陽光発電の余
った電力を,九州電力が販売する電力料金と同じ
単価 で 購 入 し て い ま す 。 事 業 用 風 力 発 電 は ,
2,000kW未満はメニュー単価で,2,000kW
以上は入札により購入しています。
また,清掃工場の廃熱を利用した廃棄物発電は,
メニュー単価で購入するようにしています。
風力・太陽光などの新エネルギーは,それぞれ
に天候の影響を受けやすい,エネルギー密度が低い,
発電コストが高いなどの課題があります。しかし,
九州電力は,自社設備として設置するとともに,
お客さまからの電力購入,費用助成などを積極的
に行っています。
【風力・太陽光発電の自社設置】
九州電力は,自社の事業所などに2000年度末までに,2,
075kWの設備を導入しています(風力発電:
6基 1,
750kW,太陽光発電:21か所 325kW)。 15【風力・太陽光発電への助成・支援】
◇ グリーン電力制度(2000年10月導入)
くろまる この制度は,自然エネルギーの普及促進への貢献を希望されるお客さまと九州電力とで「九州グリー
ン電力基金」を創設し,この基金から太陽光発電や風力発電の施設に対して助成を行い,自然エネルギ
ーのより一層の普及促進を図るものです。
くろまる 基金の管理・運用は,透明性を確保するため「
(財)
九州地域産業活性化センター(KIAC)」が行い
ます。
くろまる 九州電力は,お客さまから集まった拠出金(1口500円/月)と同額程度を寄附するほか,制度のPR
や申込受付,拠出金の口座振替の代行などを行います。
くろまる 2001年8月末時点で3,552口のご加入をいただいています。
くろまる 2001年度は,以下の要領で2,
900万円を助成することが決まっています。
◇ 環境NGOによる一般家庭への太陽光発電普及活動への協力支援
くろまる 九州電力は,環境NGO「再生可能エネルギー推進市民フォーラム西日本」が実施している太陽光発
電普及活動を助成・支援しています。
くろまる 2000年度末までの助成実績は,助成件数255件,総発電容量約900kW,助成総額1億4,
600万
円となりました。
くろまる2001年度助成概要(総額 2,900万円)
助成対象
助成規模
助成単価
太 陽 光 発 電
九州内の学校や公民館等の公的施設に
設置されるもの
141kW
(1助成先の上限20kW)
10万円/kW
風 力 発 電
2001年度に九州電力が実施した大規模
風力発電入札の落札者
49,750kW
(2001年度落札分)
0.05円/kWh
(3年間,
実績助成)
くろまる市民フォーラムによる太陽光普及活動
太陽光発電パネルの設置状況
内 容
1999年度
九州内の一般家庭
(個人)
で太陽光発電設備の設置を
される方にその費用の一部を助成
2000年度
助成単価
系 統 連 系
独 立 系
系 統 連 系
独 立 系
20万円/kW
最大3kW
最大300W
3万円/100W 5万円/100W
助成規模
助成件数及び
総発電容量
89件
299kW
166件
599kW
温室効果ガスの削減に向けた取り組み 16(3)
省エネルギーへの取り組み
省エネルギーは,単なるエネルギー使用の 抑制 ,我慢 ではなく,必要なエネルギーを 無駄を省い
て効率的に使用すること ,即ち エネルギー利用の効率化 であるという考え方を基本としています。
九州電力は,送配電ロスの低減による効率的なエネルギーの輸送,お客さまへの高効率機器・蓄熱シス
テムの普及による効率的なエネルギー利用の推進,オフィスでの不用照明の消灯,電気自動車の導入など
の省エネルギー活動を積極的に展開し,環境負荷の低減に努めています。
【送配電ロスの低減】
九州電力は,送配電ロスの低減により効率的なエネルギーの輸送を行い,省エネルギーに努めています。
くろまる 2000年度の送配電ロスは,1999年度から0.2ポイント改善し,5.4%となりました。
くろまる送配電ロス率の各国比較
出典:海外電気事業統計2000年版, 日本は電気事業便覧2000年版
アメリカ
(1998)
カナダ
(1997)
ドイツ
(1997)
イタリア
(1998)
日本
(1999)
九州電力
(2000)
イギリス
(1998)
フランス
(1997)(%)0109876543215.78.3 8.06.94.36.65.45.4(年度)(%)02468107.55.41976 1980 1984 1988 1992 1996 2000
くろまる九州電力の送配電ロス率推移
くろまる九州電力の蓄熱システム契約の推移05000510152025301,000
1,500
1994 1995 1996 1997 1998 1999
(件) (万kW)
(年度)2000契約件数 蓄熱システム負荷設備容量42210.6 11.914.316.018.422.125.34985987078601,1021,464
【蓄熱システム,電気温水器等の普及】
九州電力は,効率的なエネルギー利用のため,深夜電力を使う「蓄熱システム」や「電気温水器」など
の普及拡大に努めています。
◇ 蓄熱システム
くろまる 蓄熱システムは,ビルや工場の空調などに必要
な冷温熱を,深夜電力を使って氷や温水などの
形で蓄熱槽に蓄え,昼間に利用するシステムです。
2000年度末の蓄熱システムの契約件数は,
1,464件(負荷設備容量25.3万kW)です。
温室効果ガスの削減に向けた取り組み 17【日常業務における省エネルギー】
九州電力は,社員一人ひとりが,日常業務においても省エネルギーを徹底します。
◇ オフィス電力量の削減
不用照明の消灯,空調温度の適正管理,近隣階へのエレベーター利用の自粛等の省エネルギー活動を実
施しています。
くろまる 「日常の省エネ・省資源活動の実践プラン」を作成し,活動に取り組んでいます。
くろまる 2003年度までの削減目標を設定し,省エネ活動を実施しています。
◇ 電気自動車の導入
九州電力は,1986年より電気自動車の開発・社内導入を積極的に推進しており,1999年に開発した
国内最大級の発電所構内見学用の電気バス1台をはじめ,計25台の電気自動車を導入しました。
くろまる 2001年度は,電気自動車の保有台数を60台とする予定です。
九州電力は,電力機器の一部に絶縁材としてSF6を使用していますが,その開放点検では,内部に密封
されているSF6ガスを極力大気中へ排出しないように努めています。
くろまる SF6ガスは,絶縁性能に優れているため,一部
の電力機器に使用されています(SF6に代わる有
効な絶縁ガスがないため,その使用が不可欠です)。
ガス回収率(再使用率)は,ガス回収装置の
順次導入により,1997年度の40%が,2000
年度には95%まで向上しました。
2000年度は,点検対象のSF6ガス量22.8ト
ン(CO2換算で,54.5万トンの温室効果)のうち,
21.7トン(同51.9万トン)を回収しました。(4)SF6ガスの排出抑制
SF6ガス回収状況
くろまる九州電力の深夜電力契約の推移0 0200501994 1995 1996 1997 1998 1999
(万口) (万kW)
(年度)2000契約口数 契約電力
(万kW)
136.7
143.4
151.0
158.4
166.4
175.4
186.4403020101801601401201008060402040.3
30.7 32.0
33.4 34.8 36.438.1◇ 電気温水器
くろまる 電気温水器は,従来の電気ヒーターによるも
のに加え,ヒーターの3倍の効率が得られるヒー
トポンプ給湯機や,多機能ヒートポンプなど,
より効率的な電気給湯機が商品化されています。
2000年度末の電気温水器の契約口数は,
40.3万口(契約電力186.4万kW)となりました。
温室効果ガスの削減に向けた取り組み 183.循環型社会形成への取り組み −ゼロエミッションへの挑戦−
(1)産業廃棄物
九州電力は,循環型社会の形成に向けて,発生抑制(Reduce),再使用(Reuse),再利用(Recycle)の3R
を促進し,ゼロエミッションの達成に向けた取り組みを進めています。
くろまる 産業廃棄物,一般廃棄物のリサイクル率を向上します。
くろまる グループ企業と協力したリサイクルの事業化やリサイクルシステムの確立を進めます。
くろまる 現時点の技術でリサイクルできない廃棄物については,適正な管理と処理を行います。
くろまる 将来は,ゼロエミッションを目指すこととし,当面2003年度までにリサイクル率を90%以上とします。
石炭灰は,セメント製造原料として活用を拡大するほか,地盤改良材などへの利用についての研究等を
進めています。
さらに,九電グループとしてのゼロエミッションの取り組みを,「グループ会社環境経営推進協議会」に
おいて検討しています。
くろまる九州電力の産業廃棄物発生量とリサイクルの推移(千トン) (%)800700600500400300200100080706050403020100
発生量 リサイクル量 リサイクル率4851994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 (年度)4348 44
67 65560670
466 458
216 23828522320044261829540445 43
くろまる九州電力の石炭灰発生量とリサイクルの推移(千トン)6005004003002001000(%)706050403020100
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 (年度)
352.829104.02599.725316259
332.2
206.8
102.8
106.1
120.530 403.8
484.5
340.4 341.7
発生量 リサイクル量 リサイクル率
481.3
286.1
石炭灰
石こう
汚泥
金属屑
廃コンクリート電柱
その他
合計
481.392.116.813.89.14.5617.678%15%3%2%1%1%100%286.192.11.513.39.12.3404.459%100%9%97%100%50%65%発生量(千トン) 排出割合 リサイクル率
リサイクル量(千トン)
目 標
(2003年度)
総合
リサイクル率
90%以上
将来は,
ゼロ
エミッション
を目指す
くろまる種類別産業廃棄物発生状況
(2000年度)
事業活動で発生する産業廃棄物には,石炭灰,排煙脱硫装置の副産物である石こう,排水処理等から出
る汚泥,金属屑,廃コンクリート電柱などがあります。
くろまる 2000年度は,全体で62万トン発生し,1999年度から約18万トン増加しました。
これは,石炭火力発電所の稼働率が向上し,石炭灰の発生量が約15万トン増加したためです。
全体のリサイクル率については, 1999年度と同程度の約65%となっています。
循環型社会形成への取り組み 19 事業活動で発生する一般廃棄物には,古紙(コピー用紙,新聞紙等)や空き缶,空き瓶,ペットボトル,
生ごみなどがあります。
くろまる 古紙は,全社で2000年度に約2,000トン発生しましたが,古紙回収ボックス設置による常時回収や
定期的な回収によるリサイクルに取り組んでおり,738トン(約40%)を回収しました。
一方,使用量の削減とともに再生紙の利用促進を進めており,コピー用紙とトイレットペーパーは,
ほぼ全量再生紙を使用しています。
くろまる 2002年度からは,全事業所において古紙の100%リサイクルシステムを確立します。
古紙以外の廃棄物は,分別回収の徹底に取り組んでおり,生ごみは,食堂などが設置されている大量発
生事業所において,堆肥化装置の導入促進を検討しています。
建設汚泥の固化処理プラント(
「平成13年度リサイクルモデル工事」
建設副産物リサイクル広報推進会議認定)
人工軽量骨材の製造装置
(2)一般廃棄物
循環型社会形成への取り組み
【建設汚泥のリサイクル】
くろまる 小丸川発電所建設所(水力)の建設工事で発生す
る汚泥は,セメント又は石灰で固化処理し,造成
地の盛土材などとして,リサイクルを行っています。
【石炭灰のリサイクル】
くろまる 石炭火力発電所では,石炭灰を焼結して高強度・
高品質の土木・建築用の人工軽量骨材を製造して
います。
くろまる古紙回収状況
(2000年度)
回収方法 回収量(トン)
文書整理
新聞,
雑誌
段ボール
その他
古紙回収ボックス
期末文書整理
合 計218170111 21218738
くろまる再生紙使用実績
(2000年度)
使用量
再生紙使用量
再生紙使用割合
コピー用紙551トン528トン96%トイレッ
トペーパー
23.7万ロール
23.1万ロール97% 20
「グリーン調達」
のコンセプト+ = 総合
評価
価 格
品質・性能
納 期
従来の評価基準 環 境 面 の 評 価 基 準
取引先の評価基準・ISO14001の取得状況・環境活動への取り組み
状況など
資材の評価基準・製造及び使用時の省資源,
省エネルギー配慮・リユース,
リサイクル,適正処理への配慮・有害化学物質の不使用
削減への配慮 など
九州電力は,九電グループ企業等と協力して廃棄物をリサイクルし,再資源化する事業をはじめました。(3)リサイクル事業化への取り組み(4)グリーン調達の推進
くろまる使用済蛍光管リサイクルのイメージ くろまる機密文書リサイクルのイメージ
九州電力は,既に事務用文房具やOA機器消耗品,作業服などについて,環境配慮製品の優先購入を実施
しています。更にその対象をすべての資材と取引先に拡大するためのグリーン調達制度の構築について検
討を進めています。
くろまる この制度は,調達量の削減(リデュース)を図るとともに,品質,価格,納期などの従来からの評価に,
取引先の環境への取り組みや
調達する資材の環境負荷とい
った環境面での評価を加える
ことによって,総合的な観点
から調達判断を行うものです。
循環型社会形成への取り組み
【使用済蛍光管リサイクルの事業化】
くろまる 「株式会社ジェイ・リライツ」を,2000年5月
に設立しました。
回収された使用済蛍光管を分別・粉砕した後,
ガラス,金属,水銀等に分け,再資源化します。
【機密文書リサイクルの事業化】
くろまる 「九州環境マネジメント株式会社」を2001年5
月に設立しました。
機密文書を,回収〜機密抹消〜溶解処理し,万
全のセキュリティのもとで,リサイクルします。
発電所
堆肥
生物性廃棄物発酵
(1次2次)
発電所の緑化
【火力発電所内の廃棄物による堆肥化の研究】
くろまる 発電所から発生する貝,
海草類等を堆肥化するシス
テムを研究しています。
くろまる廃棄物による有機堆肥に関する研究 214.地域環境との共生
九州電力は,発電所等の設置にあたっての環境影響評価,電力設備の運用における公害の防止と適正な
管理,さらに周辺環境との調和など,環境保全に積極的に取り組んでいます。(1)環境アセスメン
ト(環境影響評価)
【大気汚染対策】
火力発電所から排出するばい煙に対しては,世界最高水準の対策を行っています。
くろまる 2000年度の排出原単位(火力発電電力量あたりの排出量)は,硫黄酸化物(SOx)0.29g/kWh,窒素酸
化物 (NOx)0.23g/kWhとなりました。
◇ SOx削減対策
しかく 硫黄分の少ない重原油の使用
しかく 硫黄分を含まない液化天然ガス(LNG)の使用促進
しかく 排ガス中からSOxを除去する排煙脱硫装置の設置
◇ NOx削減対策
しかく ボイラー等の燃焼方法の改善
二段燃焼方式の採用
排ガス混合燃焼方式の採用
低NOxバーナー・燃焼器の採用
しかく 排ガス中からNOxを除去する排煙脱硝装置の設置
◇ ばいじん削減対策
しかく ばいじんを発生しないLNGの使用推進
しかく 排ガス中からばいじんを除去する高性能集塵 装置の設置
九州電力は,環境影響評価法に基づき,発電所
の建設にあたっては,その周辺環境の保全を図る
ため,自然環境(海域,陸域,大気)や社会環境
の調査を行い,発電所の建設が周辺環境に及ぼす
影響を事前に予測・評価し,その結果に基づいて
環境保全のための適切な措置を講じています。 (2)大気汚染,水質汚濁,騒音などの防止
くろまる九州電力のSOx,
NOx排出原単位(火力発電電力量当たり)
くろまる世界各国のSOx,
NOx排出原単位(火力発電電力量当たり)
出典:環境とエネルギー
(電気事業連合会)0.700.29
1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
(年度)0.23(g/kWh)0.34SOx NOx0.80.60.40.2 04.62.24.15.41.98.33.02.30.94.21.8
0.24 0.290.290.232.0アメリカ
(1997)
カナダ
(1996)
イギリス
(1996)
フランス
(1996)
ドイツ
(1997)
イタリア
(1995)
日本
(1999)
九州電力
(2000)
(g/kWh)9876543210
SOx NOx
発電所などの設備の運用にあたっては,大気汚染,水質汚濁,騒音,振動などについて,法令はもとよ
り関係自治体と環境保全協定を締結・遵守しています。
地域環境との共生
海域調査の状況 22 オゾン層の破壊を防ぐため,特定フロン等の排出削減に取り組んでいます。(3)オゾン層の保護
【水質保全対策】
くろまる すべての火力・原子力発電所では,機器及び構内からの排水を排水処理装置で処理し,水質を確認のうえ,
放水しています。
くろまる 火力・原子力発電所で使用する冷却水(海水)は,放水口付近の海水との温度差を少なくするため,深層か
らより低温度の海水を取水しています。
【騒音・振動防止対策】
くろまる 低騒音・低振動型設備の採用や消音器・防音壁の設置,屋内への設置などの対策を行っています。
くろまる 建設工事にあたっても,低騒音・低振動型の機械を選定するなどの対策を行っています。
くろまる 作業着の洗浄方法をドライクリーニングから水
洗いに変更するなどの対策を進め,2000年度は,
特定フロン等(特定フロンと四塩化炭素)の排出
量はゼロとなりました。
今後も,空調冷媒や消火設備等に使用されてい
る代替フロンやハロンなどの排出削減に取り組み
ます。(4)環境保全の管理
【環境モニタリング】
しかく 環境監視計器による常時監視
しかく テレビカメラにより状況監視
しかく パトロールによる状況監視
しかく 定期的な測定・分析調査の実施
しかく 関係箇所への環境データ報告
くろまる 発電所の周辺環境については,発電所,関係自
治体,周辺企業などの連携により,厳格に管理さ
れており,これまで留意するような環境事故は発
生していません。
(注1)
特定フロン等とは,
特定フロン及び四塩化炭素を示す。
(注2)
充填量は,
装置内に充填されている量,
消費量は補充などで実際に使用した量を示す。108642019957.75.98.17.55.92.92.2
0.9 1.13.60.801996 1997 1998 1999 2000 (年度)(トン)
くろまる特定フロン等の充填量と排出量
充填量 排出量
発電所等は,周辺環境の監視や化学物質の管理など,環境保全の管理を徹底しています。
地域環境との共生 23◇ 原子力発電所周辺の環境放射線モニタリング
空間放射線量や海水,農作物,海産物などの環
境試料中の放射能の測定を行っています。
くろまる 九州電力は,この測定結果を県に報告しており,
県ではこれらを学識経験者の指導と助言を得な
がら検討・評価を行った後,広報誌等を使って定
期的に公表しています。
くろまる 原子力発電所周辺の人が受ける放射線量は,年
間0.001ミリシーベルト未満となっており,法
定線量限度の1ミリシーベルト/年及び原子力安
全委員会が定める目標値0.05ミリシーベルト/
年を大きく下回っています。
くろまる川内原子力発電所付近の放射線調査状況
モニタリングステーション
モ ニ タ リ ン グ ポ スト
モ ニ タリン グ ポ イント
県 当 社1km川内原子力
発電所
川内市
串木野市10km7km5km3km
玄海原子力発電所
川内原子力発電所
1998年度
0.001未満
0.001未満
1999年度
0.001未満
0.001未満
2000年度
0.001未満
0.001未満
くろまる原子力発電所周辺の放射線量評価結果
(単位:ミリシーベル
ト/年)
【放射性廃棄物の管理】
放射性廃棄物には,原子力発電所で発生する低レベル放射性廃棄物と使用済み燃料を再処理する段階で
発生する高レベル放射性廃棄物があり,それぞれ管理・処分が異なります。
◇ 低レベル放射性廃棄物の管理
くろまる 気体状,液体状のものは,処理装置による処理後,放射能を測定し安全を確認した上で大気や海に放
出します。
くろまる 処理された濃縮廃液は,アスファルトなどで固め,ドラム缶に密閉します。
くろまる 固体状のものは,焼却や圧縮により容積を減らし,セメントなどで固めてからドラム缶に密閉します。
これらのドラム缶は,発電所内の固体廃棄物貯蔵庫で厳重に保管した後,日本原燃(株)の低レベル
放射性廃棄物埋設センター(青森県六ヶ所村)に搬出・埋設処分され,人間の生活環境に影響を与えなく
なるまで管理されます。
くろまる九州電力の低レベル放射性廃棄物累計貯蔵量
単位:本
(200r
ドラム缶相当)
発電所内貯蔵量 搬出量*
玄海原子力発電所
川内原子力発電所
合 計
18,074 (16,933)
9,689 (8,466)
27,763 (25,399)
5,936 (5,600)

5,936 (5,600)
2000年度末の累計
(カッコ内は1999年度末)
*低レベル放射性廃棄物埋設センターへの搬出分
大気へ
原子力発電所
固体廃棄物
貯蔵庫にて
一時保管
くろまる低レベル放射性廃棄物の処理概要安全確認
海へ安全確認
濃縮廃液
処理装置
処理装置
液体
作業着の洗浄水や床の
洗浄水など
気体
タンクのカバーガス,復水器の排ガスなど
固体
古くなった作業着や交
換した機器など
低レベル放射性廃棄
物埋設センターで埋
設処分
焼却・圧縮により減容し
てセメントなどで固め
てドラム缶に入れる
アスファルトなどで固
めて
ドラム缶に入れる
地域環境との共生 24【化学物質の管理】
九州電力で取り扱う化学物質は,ほとんどが火力・原子力発電所で使用するものであり,それぞれの事業
所で関係法令に基づいた適正な管理を行っています。
◇ PRTR制度
日本では,1999年7月に「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善に関する法律(化学物
質管理促進法)」が公布され,2001年4月より事業者による把握が義務づけられ,2002年度から国の集計
結果が公表される予定です。
くろまる 九州電力では,従来から自主的に当該物質について調査集計するとともに結果を公表しています。
2000年度の集計結果は,次のとおりです。*1:廃棄物としての移動量*2:ダイオキシン類は種類によって毒性が異なるため,
2,3,7,8‐四塩化ジベンゾパラジオキシンに換算した毒性等量
(TEQ)
で表記。
(注)PRTR(Pollutant Release and Transfer Register:環境汚染物質排出・移動登録)制度とは,事業者が対象化学物質ごとに事業所から
の排出量や廃棄物としての移動量を把握し,その結果を報告する制度であり,事業者の自主管理の促進と社会全体として化学物質の環境リ
スク対策促進を図るものです。
くろまるPRT
R自主調査実績
(2000年度)2* 2*1*物質
番号
物質名 主な用途等 取扱量
環境への排出量 1999年度
(参考)
大気 水域 土壌 取扱量 排出量 移動量
移動量124179213253311353HCFC‐123
ダイオキシン類
CFC‐113ヒドラジン
マンガン及びその化合物
リン酸
トリス
(ジメチルフェニル)
廃棄物焼却炉
洗浄剤
給水処理剤
排煙脱硫装置触媒
空調用冷媒
タービン制御油1.10トンーー
31.17
トン 2.31
トン ー3.61
トン
34.12
トン
2.31
トンー 3,605.0kg
0.8kg
135.8kg7.77トン
0.1kg
140mg‐TEQ ー4.1kg 0000 0 00 00ー096kg0ー00ー000
230mg‐TEQ
ー 0 0
7,800kg 10,744kg8.41トン
◇ ダイオキシン類
九州電力は,これまでダイオキシンを排出するとされる廃棄物焼却炉約300基を廃止しました。現在保
有の廃棄物焼却炉54基(特定施設)については,法で定められた排出規制値以下での運用を行っています。
◇ PCB
くろまる 九州電力は,保有するPCB使用機器(高圧変圧器,コンデンサ類1,509台)を専用の倉庫等で厳重に保管・
管理しています。
くろまる これらは,「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(2001年7月施行)の処理期限
(2016年)までに無害化処理を行う予定です。
地域環境との共生
ー ー ー 25(5)
周辺環境との調和
九州電力は,設備形成にあたって周辺の自然景観に配慮するとともに,緑地の形成など環境施策の展開
に取り組んでいます。
【発電所の緑化】
緑に包まれた発電所をつくるエコロジー緑化を
推進しています。
くろまる 発電所等の立地では,土地の改変や樹木の伐採
範囲を最小限にとどめるほか,地域の気候風土に
適した樹木を植樹しています。
2000年度の緑化率は,火力発電所平均で約
25%,原子力発電所平均で約40%となっています。
【設備形成における周辺環境との調和】
発電所・変電所建物の外観,鉄塔の塗装などにつ
いて,周辺景観との調和に配慮しています。
地域環境との共生
豊前発電所
(1989年工場緑化推進功労者内閣総理大臣賞受賞)
新地変電所
(長崎市) 26◇ 環境月間記念講演会(港発電所)
大牟田市で,こどもエコクラブの皆さんによる日頃の活動成果の発表や,「知っておきたい環境問題」
をテーマとした学識経験者による講演を実施しました。
◇ 「女性のための香りの講座とエネルギー講座」(大分支店)
学識経験者による環境問題講演会と合わせて,オリジナル香水の作り方など香りの講座を開催しました。
【講演会】
環境月間(6月)やふれあい旬間(10月)で,一般のお客さまを対象に環境・エネルギー関連の講演会
等を実施しています。講演会の実施事例は以下のとおりです。また,エネルギー問題や環境問題に関する
小中学校の授業や自治体等主催の講演会に,講師を派遣しています。
◇ 森づくりに関するシンポジウムと植物観察会(本店)
くろまる「市民参加による森づくり」をテーマとした学識経験者による基調講演や森づくりについてのパネルデ
ィスカッションを実施しました。
シンポジウム風景 植物観察会
社会との協調(1)コミュニケーション
5.社会との協調
九州電力は,環境アクションレポート,見学会,講演会及びマスメディア等を通じて,環境情報を積極
的に公開するとともに,幅広い公聴活動により皆さまとのコミュニケーションを推進しています。
【見学会】
地球温暖化問題に有効な原子力発電の開発・利
用をはじめとした環境問題への取り組みをご理解
いただくため,発電所施設,玄海エネルギーパー
ク等のPR施設での見学会を積極的に実施してい
ます。
玄海エネルギーパーク
(2000年3月31日 玄海原子力発電所内にオープン) 27社会との協調
◇ 女子畑いこいの森づくり(大分支店日田電力所)
2000年5月,同所が管理する女子畑ダム周辺
3,000Gの土地にシイやカシ,タブなどの苗木一
万本を植林しました。
くろまる 九州各地から約900名が参加しました。
くろまる 徹底したフィールド調査により,その土地本
来の植物群落を見極めて,自然本来の森を早期
に育成する植林方法を取っています(横浜国立
大学名誉教授の宮脇昭理学博士が提唱された「ふ
るさとの木によるふるさとの森づくり」を実践
したものです)。
くろまる 「女子畑いこいの森づくり」は「九州ふるさと
の森づくり」の一環として継続実施します。
お な ご は た
宮脇博士の実践指導(2)地域における活動への取り組み
連絡先:〒810‐8720 福岡市中央区渡辺通2丁目1番82号九州電力
(株)
環境部 環境総括グループ
TEL092‐726‐1530 FAX092‐761‐7368
九州電力のホームページからも申し込めます。
ホームページア
ドレス http://www.kyuden.co.jp/
九州電力は,環境月間,九州ふるさとの森づくりなどに取り組むとともに,グリーンヘルパーの育成や
地域で行われる諸活動への参加など地域の環境活動を支援しています。
【2000年度環境月間における植林】
九州電力は,地域における植林活動を積極的に実施しています。
くろまる 苗木5万6千本を,街頭配布及び公共機関へ寄贈しました。
くろまる 30の事業所で,苗木1万4千本を植樹しました。
【創立50周年記念「九州ふるさとの森づくり」による100万本植林】
九州電力創立50周年を記念して,2001年度から10年間で100万本を植林する「九州ふるさとの森
づくり」を九州の各地で展開していきます。
◇「どんぐりの森をつくろう」
プロジェクト
(本店)
もともと九州の大部分は,シイやカシなどの常緑
広葉樹で覆われていました。
九州電力は,この自然本来の森を再生するため,
森や公園,神社に残るシイやカシの木のどんぐりを
地域の皆さまとともに,拾い,育て,植林するプロ
ジェクトに取り組んでいます。2000年度にはどん
ぐり拾いと合わせどんぐりを使った工作教室を開催し,
2001年度からは育てた苗木の植林を「九州ふるさ
との森づくり」の中で行う予定です。現在,協力い
ただける方を募集しております。ご希望の方には,
どんぐり拾いや植林のご案内を差し上げます。
どんぐり拾いに参加した子供たち
植林風景 28【奉仕活動】
地域の清掃活動や稚魚の放流,発電所内に設けたふれあい農園の開放などを行いました。
ラブアース2000での福岡市三苫海岸の清掃 小学生との稚魚放流(熊本県苓北町 富岡ふるさと海岸)(3)国際協力
交流協定調印式
左端が九州電力鎌田社長 右端がフィ
リピン電力公社プーノ総裁
【グリーンヘルパーの育成支援】
九州電力は,1998年からNPOを通して,緑の育成に関する専門知識を持った「グリーンヘルパー」の
育成研修への支援活動を行っています。
くろまる 現在までに,4地区(熊本,福岡,佐賀,大分)で研修を開催し,修了者数は245名。
くろまる 2001年度は,宮崎,鹿児島地区で養成研修を開催。
くろまる 2001年度からは,「グリーンヘルパー」の活動の場として,「九州ふるさとの森づくり」へ参加して
いただくこととしています。
九州電力は,海外の電気事業者との情報交換や
専門家の派遣,研修生の受け入れ,技術支援など
の国際協力を通じて,海外の環境保全を支援して
います。
【フィリピンでの発電事業】
ルソン島南東部タナワン地点の地熱,ルソン島
中央部のイリハン火力(出力120万kW,ガスコン
バインド)などの事業を進めています。
【中国山東電力集団公司「黄台石炭火力発電所7号機熱効率改善プロジェクト」の実施】
九州電力は,92年4月に中国の山東電力と交流協定を締結し,技術交流の一環として,98年6月から「黄
台(ホアンタイ)石炭火力発電所7号機(出力30万kW)熱効率改善プロジェクト」に取り組んできました。
くろまる 熱効率は,33.17%から37.57%に改善しました。
くろまる 石炭使用量を年間約9万トン削減し,燃料費を約3億円節減しました。
社会との協調 29(4)
社員の意識高揚
環境ダイジェスト 九州電力は,環境活動に関する研修や情報提供を充実させ,社員一人ひとりの環境意識の高揚を図って
います。
【研修・講演会】
社員向け講演会,社内外講師による環境講話など積極的に社内研修を実施しています。その実施事例は
以下のとおりです。
くろまる 本店にて,「資本市場が評価する企業の環境への取り組み」をテーマとした環境研修会を実施しました。
くろまる 長崎支店佐世保電力所で,「自然林伐採と自然環境保護の調和」をテーマとした自然環境勉強会を実施
しました。
【環境対策の専門家育成】
通信教育受講料の補助制度,公的資格祝金制度などの諸制度を設けて,公害防止管理者やエネルギー管
理士など社員の環境関連の資格取得を支援しています。
【情報提供】
社内テレビや社内新聞で,環境問題に関する国内外のニュース等を紹介するとともに,環境情報誌によ
る継続的な情報提供を行っています。
◇ 環境情報誌「環境ダイジェスト」による社員への情報提供
毎月発行しており,記載内容は以下のとおりです。
しかく 環境に関する社会の動向,ニュース
しかく 社内での新たな取り組み
しかく 自治体等の環境関連施設の紹介
しかく 様々な環境活動をされている方々のエッセイなど
くろまる これは,年間のCO2排出量を約21万トン(改善前:180.9万トン‐CO2/年→改善後:159.7万トン
‐CO2/年)削減したことになります。
【世界銀行炭素基金への参加】
九州電力は,京都メカニズムの制度活用のノウハウを先行して取得することを目的として,世界銀行炭
素基金(PCF:Prototype Carbon Fund)に参加しています。
社会との協調 30 昨年10月に発行した
「2000年度 九州電力環境アクションレポー
ト」
のアンケー
トを通じて,
自治体,
環境NGO,
一般の方々
から九州電力の環境活動のあり方について,
貴重なご意見を頂きました。
アンケー
トの送付数は,
1,107件,
ご回答数は214件
(回答率19%)
でした。
1.前回レポー
トのアンケー
ト結果
質問:九州電力の環境保全への取り組み,
または環境アクションレポートの内容についてご意見,
ご要望等ありました
らご記入ください。Q4.質問:環境アクションレポート
(2000年度版)
について,
どう感じられましたか?
(一つずつ選んで下さい)
質問:九州電力の環境保全への取り組み
について,
どう評価されますか。
質問:今回のレポートから評価できる活動を3つ選んでください。Q1.Q2. Q3.103わかり
やすい
ややわかり
やすい
ややわかり
にくい
わかり
にくい
普通
(人)1201008060402004148130くろまるレポー
トのわかりやすさ
多い やや多い やや少ない 少ない
ちょ
うどよい
(人)1801601401201008040200161691816くろまる写真・図表の量
多い やや多い やや少ない 少ない
ちょうどよい
(人)1601401201008060402001101512812
くろまる説明文の量
(人)140120100806040200
十分評価
できる
評価できる あまり評価
できない
評価
できない
普通042212556くろまる当社の取り組みへの評価
くろまる当社の環境保全活動で評価できる項目23699329957834523357374 5
(人)1009080706050403020100
原子力の
開発・利用
省エネ等の
エネルギー
有効利用
太陽光・風力発電
の推進
研究開発 廃棄物の
削減・リサイクル
リサイクル
に関する
研究開発
発電所等
の環境
保全対策
有害物質・
ダイオキシン
等の削減
一般への
広報・情報
提供活動
地域の
ボランティア
活動への参加
植樹活動の実施・支援
国際協力 社員の
意識高揚
【寄せられた代表的なご意見,
ご要望】・専門用語が多く理解しづらい。・太陽光発電,
風力発電などの新エネルギーの推進に力をいれ
てもらいたい。・省資源・リサイクル等の地域環境問題への対応については,九州電力の地域,
行政との連係がますます重要となってくると思う。
【ご意見,
ご要望への対応】・「専門用語が多く理解しづらい」
とのご要望については,
説明
には平易な言葉を使い,
読み易い環境アクションレポートとな
るよう心掛けました。
さらに専門用語の解説をまとめた
「用語
の解説」
を32ページ以降に記載し,
読みやすい環境アクショ
ンレポー
トとなるよう努めました。・風力発電,
太陽光発電などの自然エネルギーの更なる普及を
はかるため,
2000年10月に
「グリーン電力制度」
(15ページ)
を導入しました。・今までも,
紙のリサイクル活動,
清掃活動,
植林活動等を地域の
皆さま,
自治体等と協力して実施してきましたが,
更に充実さ
せるよう検討する方針です。
以上,
ご意見等の内容及びその対応につきましては,
紙面の
都合上,
一部のご紹介となりましたが,
今後も,
皆さまのご意見,
ご要望を参考にして,
さらに取り組みを充実させていきたいと
考えています。
III 社外の方々のご意見 −第三者評価−
III 社外の方々のご意見 −第三者評価− 31 2001年8月31日に
「第1回九州電力環境顧問会」
を開催し,
九州電力の環境問題への取り組みや
「2001
年度 環境アクションレポー
ト」
について,
様々なご意見をいただきました。
主なご意見を紹介します。
2.九州電力環境顧問会での主なご意見
九州電力環境顧問会委員
(50音順,敬称略)
赤木 衛
浅野 直人
石窪奈穂美
沢田 孝雄
鶴田 暁
福泉 亮
吉田 寛
吉田 順子
著述業
福岡大学法学部長 中央環境審議会委員
生活ジャーナリスト読売新聞 西部本社 経済部長
(社)
日本環境測定分析協会 常任理事
福岡県立修猷館高校 教諭
コピーライター
こども環境ネッ
トワーク
「もしもし地球」
代表
(1)環境経営の取り組みについて
しろまる環境経営の取り組みは高い評価ができると思う。九
州のリーディング企業として, 環境への企業姿勢で他
企業の模範となり, その認識を植え付けるような意識
をもって, 積極的に取り組むべき。
しろまる環境への取り組みもビジネスの視点で捕らえ, グルー
プ企業を含めた経営資源の有効活用に向け, 積極的な
研究開発を図るべき。
(2)地球環境問題への取り組みについて
しろまる電気事業者として需要の抑制という経済活動に反す
る面での省エネや新エネ普及などの取り組みを, どう
バランスをとって, どこまでやっていくのか, 十分検
討するとともに, このことを, 体系的に整理し, より
多くの方々の理解が得られるようにPRに努めるべき。
しろまるCO2以外の温室効果ガス(SF6など)についても,
実際の削減量(数値)を明確にすべき。
しろまる植林活動については, 従来のメセナ的な捕らえ方では
なく, CO2吸収源としての位置付けで, 事業活動とし
て展開を図るべき。
しろまる風力, 太陽光など新エネルギーの本質的な供給能力な
どに対する一般の人々の認識は低い。もっと, エネル
ギーの供給コスト, エネルギー密度, 安定性などを体
系付け, 正確で分かり易い情報発信を展開するべき。
しろまるグリーン電力制度のグリーン拠出金の1口500円/月
については, 最近の一般家庭での経済情勢からは厳し
い状況にある。普及促進の検討の中で, この金額の是
非についても検討をしてもらいたい。
(3)循環型社会形成への取り組みについて
しろまる廃棄物の抑制やリサイクルへの取り組みに止まらず,
グループ企業を含めて, 環境資源を事業活動の中で積
極的に活用(使用)していくことを, 検討すべき。
(4)社会との協調について
しろまるコミュニケーションについては, リスクコミュニケー
ションの視点で, 十分検討すべき。
しろまる植林活動などは, もっと市民と密着して, 例えば, 地域
での小さな市民活動を支援し, その活動をPRするな
どすべき。
しろまる環境活動は, 地域経済や市民と一体となって, これら
を指導しリードする形で進めてもらいたい。
しろまる環境アクションレポートは, 一般の人々が気軽に読め
るように, オシャレなもの, また哲学を入れたキャッ
チフレーズなどを盛り込んだものを作ってもらいたい。
しろまるこれからは, 企業の利益抜きで, 市民, NGOなどと一
体となれる活動への支援, また将来のための環境教育
などを進めてもらいたい。
しろまる学校教育において, 環境教育の需要は増えてきており,
エネルギー問題等に関する副読本の作成や里山の見
学施設の設置, さらに実際にエネルギーの業務に携わ
る人からの指導をしてもらうための窓口の開設など
を行ってもらいたい。
これらの貴重なご意見は,これからの九州電力の環境
活動に活かしていきたいと考えています。 32用語の解説あお
しろまる ISO
International Organization for Standardization の
略で,
世界約100か国の標準化組織で構成され,
ネッ
トワ
ークや工業関係の国際標準化,
国際規格化を行う国際機関(非政府機関)
であり,
ジュネーブに本部がある。
日本は,1952年から
「日本工業標準調査会」
(JISC)
が参加している。P2,6,9,20,41いうえ
しろまる ISO14001
国際標準化機構
(ISO)
が定めている環境管理に関する国
際規格ISO14000シリーズの一つで,
環境管理システム
の要求事項を規定したもの。
企業や団体が自主的に環境
管理に取り組み,
継続的に環境負荷を低減させていくこと
を目的としている。P2,6,9,20,41しろまる 硫黄酸化物
(SOx) 二酸化硫黄
(SO2),無水硫酸
(SO3)
などの総称。
化石燃
料の燃焼時に,
燃料中の硫黄分が酸化されて発生する。人の健康に悪影響を与えたり生活環境に被害を及ぼすため,
大気汚染防止法の規制対象物質となっている。P10,11,13,21,41しろまる 一般廃棄物
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
で定められた
「産
業廃棄物以外の廃棄物」。具体的には,
家庭や食堂,
商店,事務所などから排出される台所ごみ,
紙くずなどのこと。P7,9,10,18,19しろまる ISO準拠システム
ISO14001の認証取得は行わないが,
その要求事項に準
拠して構築された環境管理システムのこと。P2,6
しろまる ウラン
元素記号U,
原子番号92の金属元素で,
天然にも存在する。
原子力発電では,
ウランの同位元素のうち,
核分裂を起こし
やすいウラン235を使用するが,
天然ウランの大部分は,
核分裂を起こしにくいウラン238である。
天然ウランには,
ウラン235は0.7%程度しか含まれていない。P10,12,13しろまる エネルギー管理士
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
に基づいて,
一定規模以上の工場などに選任が義務づけられている有
資格者。
法に基づき,
エネルギーの使用方法の改善および
監視などの業務を行う。P11,29
しろまる エコ
ドライブ
走行中のガソリンの使用量や排出ガスの排出量を減らす
ため,
無用なアイ
ドリングをしない,
経済速度で走行するな
ど環境にやさしい運転をすること。P7P10,12,13,21,41
しろまる エコロジー緑化
良質な土壌を盛り土し,
地域の環境にあった従来樹種の小
さな苗木を密植,
混植
(いろいろな種類の苗木を混ぜて植栽)
することで,
自然の森を早期に育成する方法のこと。P25しろまる オゾン層
オゾン濃度が高い大気の層のことで,
地表からの高さが約
20〜25kmの上空に厚さ約20kmにわたっている。
太陽
光に含まれる有害な紫外線の大部分を吸収する働きをし
ている。P3,7,9,22,41しろまる 温室効果ガス
地球の表面温度は,
太陽から流れ込む日射エネルギーと,
地球自体が宇宙に向けて出す熱放射とのバランスによっ
て定まる。
太陽から流入する日射については,
ほとんどが
可視光及び赤外線であり,
大気を素通りして地表面で吸収
される。
日射によって加熱された地表面は赤外線の熱放
射をするが,
大気中には赤外線を吸収する性質を有する
「温
室効果ガス」
といわれるガスがあり,
地表面からの熱をいっ
たん吸収してしまう。
温室効果ガスを含む大気によって吸
収された熱の一部は地表面に下向きに放射され,
一部は大
気上層に上向きに放射される。
このように日射に加えて大
気からの下向きの放射による加熱があるため,
地表面はよ
り高い温度となる。
この効果を
「温室効果」
という。
京都議
定書では,
二酸化炭素
(CO2),メタン
(CH4),一酸化二窒素(N2O),ハイ
ドロフルオロカーボン
(HFC),パーフルオ
ロカーボン
(PFC),六フッ化硫黄
(SF6)
の6物質が温室
効果ガスとして削減対象とされている。P2,7,12,13,31しろまる 液化天然ガス
(LNG)
メタン
(CH4),エタン
(C2H6)
を主成分とする天然ガスを,
マイナス162°Cに冷却して液体にしたもの。
LNG船と呼
ばれる特殊な船舶で輸送され,
荷揚げ後に再度気化して発
電用燃料などとして使用する。 33しろまる 環境経営
環境保全への配慮を企業活動の重要な側面としつつ,企業の持続的な成長を目指す経営などをいう。P2,4,5,6,18,31
しろまる 環境月間
環境省が主唱して,
6月を環境月間と定めており,
環境保全
に関する国民の認識と行動を促すためさまざまな行事が
行われている。
九州電力も,
6月を環境月間とし,
全社的に
緑化活動,
清掃奉仕活動等の行事を行っている。P3,9,26,27
しろまる 環境活動コスト環境破壊や環境保全に関連して発生する諸費用のことを
いう。
たとえば,
環境破壊は何らかの環境被害をもたらす
ことになるため,
それに関連する被害補償や被害修復の費
用など,
各種の費用が発生する。
逆に,
環境保全を進めるにも,
それに関連した環境保全投資や環境インフラス
トラクチュ
アの整備など,
やはり各種の費用が必要となる。P2,8,9しろまる 環境負荷
ある活動に必要なもの
(エネルギー,
原材料,
部品など),活
動に伴って発生する歓迎されざるもの
(廃棄物,
排水,
排ガス,
騒音など)
および有用なアウ
トプット(製品,
サービス)
など
全てが環境負荷である。P2,8,9,10,11,16,20しろまる 環境会計
企業等が,
持続可能な発展を目指して,
社会との良好な関
係を保ちつつ環境保全への取り組みを効率的かつ効果的
に推進していくことを目的として,
事業活動における環境
保全のためのコス
トとその活動により得られた効果を可
能な限り定量的
(貨幣単位又は物量単位で表示)
に把握(測定)し,分析し,
公表するための仕組み。P2,8,9しろまる 環境配慮製品
製造から廃棄に至る製品のライフサイクル全体において,
環境負荷の低減を考慮した製品のこと。P20しろまる 京都議定書
1997年12月,
京都で開催された気候変動枠組み条約第
3回締約国会議
(COP3)
において採択されたもので,対象となる温室効果ガスを二酸化炭素
(CO2 ),メタン
(CH4),一酸化二窒素
(N2O),ハイ
ドロフルオロカーボン
(HFC),パーフルオロカーボン
(PFC),六フッ化硫黄
(SF6)
の6種類とし,
旧ソ連,
東欧を含む先進国全体の排
出量を2008年から2012年の5年間の平均で,
1990年
の実績から
(HFC,PFC,SF6については,
1995年を基準
とすることも可),少なくとも5%削減することを決定した。
各国の削減率は,
日本さんかく6%,
アメリカさんかく7%,
EUさんかく8%,その他の国8%削減〜10%増加と国別に決められている。P41P13
しろまる 核燃料のリサイクル
原子力発電所で使用されるウラン燃料は,
鉱山で採鉱され
てから各製造工程を経て,
ウラン235の濃度2〜4%の核
燃料となり,
原子炉で使用される。
一定時間燃焼させると
ウラン235の割合が減少し,
燃焼しにくくなるので,
使用済
み燃料として取り出し,
再処理工場で燃え残ったウラン
235と核変換によってウラン238から生じたプルトニウ
ムとを回収する。
これらを再び燃料に加工して使用する流
れのことをいう。きしろまる 環境保全協定
地方自治体と一定規模以上の工場・事業場とが公害の防
止等に関する取組の内容について結ぶ協定。P3,21
しろまる 環境マネジメン
トシステム
(EMS) 企業等の組織が,
自主的・継続的に環境への負荷低減する
ための環境管理を,
環境方針・計画の策定,
実施および運用,
点検,
見直しといったPDCAサイクルを通じて行う仕組み
のこと。P6,9
しろまる
(財)
九州地域産業活性化センター
(KIAC)
九州地域における産業活性化に関するグラン
ドデザインの
調査・研究,
プロジェク
トの発掘及び事業化可能性調査,プロジェク
トに対する支援等を行うことにより,
九州地域の産
業の活性化を図ることを目的として設立された財団法人。P15しろまる 気候変動枠組み条約
地球の気候系に対し危険な人為的干渉を及ぼすことにな
らない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定
化させることを究極的な目的とした条約。
1991年2月か
ら政府間交渉会議が開かれ,
1992年5月9日にINC
(気候
変動枠組み条約交渉会議)
で採択され,
1994年3月に発
効した。P41か
しろまる 環境アセスメント
(環境影響評価) 環境に大きな影響を及ぼすおそれがある事業について,その事業の実施に当たりあらかじめその事業の環境への影
響を調査,
予測,
評価し,
その結果に基づき,
その事業につい
て適正な環境配慮を行うことである。
わが国においては,
環境影響評価法等に基づき,
道路やダム,
鉄道,
発電所など
の事業者が行う対象事業について,
地域住民や専門家,環境担当行政機関が関与する手続が実施されている。
環境
汚染を未然に防止するための重要な手段の一つである。P7,9,21,41 34さししろまる 京都メカニズム
(柔軟性措置)
京都議定書において,
国際的に協調して温室効果ガスの削
減目標を達成するための制度として導入された仕組みで
あり,
1 排出量取引
(Emissions Trading)
:先進国間で,
排 出 枠を 権 利として 売 買,2 共 同 実 施
( J I:J o i n t
Implementation):先進国が,
共同で排出削減プロジェク
トを実施。
貢献度に応じて削減量を配分,
3クリーン開発
メカニズム
(CDM:Clean Development Mechanism):先進国が途上国の排出削減プロジェク
トに協力し,
先進国
がその削減量を譲受の仕組みがある。
P29 しろまる コンバインドサイクル
(複合)
発電
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた複合発電方
式で,
ガスタービンの排熱を排熱ボイラで回収し,
その発生
蒸気で蒸気タービンを回すシステムのこと。P13,28,41こ
しろまる 高レベル放射性廃棄物
使用済燃料からウランとプル
トニウムを回収する再処理施
設において,
再処理の過程で発生した放射性物質の濃度が
高い廃液を処理してできたガラス固化体のこと。P12,23
しろまる 公害防止管理者
「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」に基づいて,
一定規模の工場に選任が義務付けられている有
資格者。
工場から排出されるばい煙,
汚水や振動,
騒音など
を原因とする公害を防止するための技術的業務を行う。P11,29
しろまる 再生可能エネルギー推進市民フォーラム西日本
(REPW)
1999年6月19日設立。
環境・エネルギー問題への関心
が高く,
太陽光発電の普及促進に取り組んでいる九州内の
複数の環境NGOで構成する団体。
構成する主なNGOは,
西日本リサイクル運動市民の会,
グリーンコープふくおか
連合など。P15しろまる 産業廃棄物
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,
燃えがら,
汚泥,
廃油,
廃酸,
廃アルカリ,
廃プラスチックなど19種類の廃棄物を
いう。
大量に排出され,
また,
処理に特別な技術を要するも
のが多く,
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
により,
その適正な処理が求められている。P2,3,7,9,10,11,18しろまる シーベルト(Sv)放射線の量を表す単位の一つで,
放射線による人体への
影響を表す単位である。
1ミリシーベルトは1シーベルト
の1/1000である。P11,23
しろまる 自然エネルギー
太陽エネルギー,
地熱,
風力,
潮力など自然現象から得られ
るエネルギーのこと。
化石燃料や核エネルギーに比べて,
環境負荷が小さくクリーンなエネルギーとされている。P10,15,30しろまる 四塩化炭素
無色の液体で,
クロロホルムに似た特異臭がある。
引火性,
爆発性はないが,
吸入または皮膚呼吸により中毒作用を現し,
消化器系および神経系に障害を起こす。
主な用途は,
消火剤,
溶剤,
ドライクリーニング用などである。P11,22
しろまる 循環型社会
有限な資源の永続性を確保するため,
「大量生産・大量廃棄」
型の経済社会を見直し,
あらゆるものを資源として循環し,
またはさまざまなかたちで繰り返し利用するとともに,廃棄するものを最小限とすることで,
環境への負担を少なく
した社会のこと。
2000年度には基本的な枠組みを定める「循環型社会形成推進基本法」
から個別のリサイクル法
まで,
法律が一体的に整備された。P2,3,4,7,11,13,18,31,41けくしろまる グリーン電力制度
自然エネルギーの更なる普及を目的として,
消費者・発電
事業者・電力会社が協力し,
社会全体としての普及を図る
制度のこと。P3,9,15,30,31,41
しろまる グリーン調達
市場に供給される製品・サービスの中から環境への負荷
が少ないものを優先的に購入・調達すること。P3,7,9,20
しろまる 系統連系
発電設備を商用の電力系統に接続すること。P15しろまる グリーンヘルパー
「緑のまちづく
り交流協会
(NPO法人)」が
「緑の町づく
り」
を推進する地域活動のリーダー育成を目的として行う養
成研修を受講・修了した人に与えられる称号。P3,27,28 35すそ
しろまる 常緑広葉樹
葉が広く平たく,
落葉しないで一年中緑色をしている樹木。P27しろまる 新エネルギー
資源の制約が少なく,
環境負荷の小さいクリーンなエネル
ギー。
太陽,
風力,
地熱,
水力などの
「自然エネルギー」,ごみ
焼却廃熱や下水熱などの
「リサイクルエネルギー」,コージ
ェネレーション
(燃料を燃やして発電する際に生じる余っ
た蒸気や熱水を暖房・冷房などに利用するシステム)
などの「高効率エネルギー」
がある。P2,7,9,11,13,14,30,31,41しろまる 使用端CO2排出原単位
CO2排出原単位とは,
1kWhの電気を発電,
または使用す
る際に排出されるCO2排出量のことであり,
特に使用端
CO2排出原単位とは,
販売電力量1kWhあたりのCO2排
出量,
即ちお客さまが九州電力の電気を1kWh使用される
際のCO2排出量のことを指す。P11,12 しろまる 線量評価値
環境中に放出された放射性物質による発電所周辺公衆の
受ける線量を評価した値。
わが国では,
法令値
(1mSv/年)
を満足することはもちろんのこと,
原子力安全委員会が定
める目標値
(0.05mSv/年)
を大きく下回っている。P11,23せしろまる 3R
Reduce
(発生抑制),Reuse
(再使用),Recycle
(再資源化)
の頭文字のことで,
その順番は廃棄物処理に対する優先順
位を示している。P7,18
しろまる 世界銀行炭素基金
(PCF) 出資者(国・
企業)
からの資金を,
発展途上国や市場経済移
行国
(旧東欧)
における温室効果ガス削減プロジェク
トに
投資し,
これによって得られた温室効果ガス削減量を出資
者に配分する目的で世界銀行が設立した基金
(2000年
1月に発足)。P9,29,41
しろまる ゼロエミッション
「エミッション」
とは英語で排出の意。
ゼロエミッションとは,
産業の製造工程から出る廃棄物を,
別の産業の再生原料と
して利用する
「廃棄物ゼロ」
の生産システムの構築を目指
すこと。
地球サミッ
トで
「持続可能な開発」
が採択された
のを受けて国連大学が提唱。
国連大学では,
具体化を目指
す企業に人材を派遣,
経済産業省ではゼロエミッションの
考えを取り入れた
「エコタウン構想」
を発表するなど,
積極
的に推進をしている。
また,
工場などのゼロエミッション化
に積極的な民間企業も増えてきている。P3,7,18しろまる 石炭灰
石炭には5〜30%程度の灰分が含有するため,
石炭火力
発電所等で燃焼した後,
その残さとして発生するものである。
この石炭灰は,
集じん装置で集められたいわゆるフライア
ッシュとボイラ底部で回収される溶結状の石炭灰を砕い
たクリンカアッシュとに大別される。P10,18,19しろまる 送配電ロス率
発電所から送電した電力のうち,
送電線・配電線で失われ
る電力が占める割合のこと。P9,11,16しろまる 代替フロン
特定フロンに含まれる塩素の一部、
または全てを水素で置
き換えたもの。HCFC(ハイ
ドロクロロフルオロカーボン)、HFC
(ハイ
ドロフルオロカーボン)
があり、
特定フロンに比
べオゾン層破壊の程度が小さく
(オゾン層破壊係数は、
HCFCは、
CFCの1/20〜1/60、
HFCはゼロ)
なるが、温室効果の問題が残っている。P22たちしろまる ダイオキシン類
塩素を含む有機化合物のうち、
ポリ塩化ジベンゾ‐パラ‐ジ
オキシン
(PCDD),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル
(コプラナーPCB)
の総
称で,
塩素の付く位置、
数により、
毒性の異なる224種類が
ある。
動物実験から、
強い急性毒性を持つことが明らかに
されているほか、
人に対して、
がんや奇形を引き起こす可
能性があるといわれている。
主に物が燃えるときにできる
物質であり、
その多くが廃棄物の焼却に伴い発生している
と考えられている。P3,24P2,6,7しろまる 地球環境問題
オゾン層の破壊,
酸性雨,
地球温暖化など,
その被害・影響が
国境を越えて地球規模にまで広がっている問題と,
開発途
上国における熱帯林の減少や野生動物種の減少など,その解決のために先進国等による国際的な取り組みが必要
とされる問題のことであり,
地球的視野にたって取り組ま
れるべき環境問題である。P2,4,8,9,26,41
しろまる 地球温暖化
人間活動の拡大により二酸化炭素,
メタン,
亜酸化窒素など
の温室効果ガスの大気中の濃度が増加し,
温室効果が強め
られて地表面の温度が上昇すること。
しろまる 蓄熱システム
夜間につくった冷熱または温熱を蓄熱槽に蓄え,
昼間にそ
れを利用するシステム。P7,11,16 36とて
しろまる 窒素酸化物
(NOx) 一酸化窒素(NO),
二酸化窒素
(NO2)
などの総称。
窒素
を含む燃料の燃焼のほか,
燃焼時に空気中の窒素が酸化
されることにより発生する。
有害物質として,
大気汚染防止
法の規制対象物質となっている。P10,11,13,21
しろまる 電気自動車
バッテリー
(蓄電池)
に蓄えた電気でモーターを回転させ
て走る自動車。
自動車からの排出ガスは一切なく,
発電所
での排出ガスを考慮しても低公害である。
また,
走行騒音
も大幅に減少する。P7,16,17しろまる 低レベル放射性廃棄物
原子力発電所などから発生する古い作業着,
手袋,
交換し
た機器など,
放射性物質の濃度が低い廃棄物のこと。P23しろまる 特定フロン
フロンとは、
メタン、
エタン等の炭化水素にフッ素及び塩素
が結合した化合物の総称。
特定フロンとは、
約20種類の
フロンのうちでも、
特にオゾン層を破壊する力の強いフロ
ン11、
12、
113、
114、
115の5種類を指す。P3,11,22しろまる 独立系
発電設備を商用の電力系統に接続せず,
単独で使用すること。P15ね
しろまる 熱効率
火力発電所において,
燃料の燃焼によって得られた熱エネ
ルギーのうち,
有効に電気となった割合を表すときに用い
る数値。P2,11,13,28
しろまる 排煙脱硫装置
火力発電所のボイラなどで,
化石燃料を燃焼した際に発生
する排ガス中の硫黄酸化物
(SOx)
を煙突から大気中に排
出する前に除去する装置のこと。P9,18,21,41
しろまる 排煙脱硝装置
火力発電所のボイラなどで,
化石燃料を燃焼した際に発生
する排ガス中の窒素酸化物
(NOx)
を煙突から大気中に排
出する前に除去する装置のこと。P9,21,41しろまる 排出原単位
1kWhの電気を発電または使用する際に排出されるCO2 ,
NOx, SOxなどの量のこと。P2,11,12,21ひしろまる ハロン
二フッ化臭素メタン、
三フッ化臭素メタン等の臭素を含む
含フッ素炭化水素の総称。
現在ハロンは主として消火設備
の消火剤として使用されており,
引火爆発の危険がなく、消火能力が大きい,
電気火災にも安心して使用できる,
炭酸ガス、
窒素ガスなどの窒息性のガスに比して危険性が少ないな
どの特長をもつ。P9,22
しろまる 発電端熱効率
熱効率は,
燃料の燃焼によって得られた熱エネルギーのうち,
有効に電気となった割合を表すときに用いる数値である。
特に発電端熱効率とは,
発電所で実際に発電した電力量を
有効に電気になったものと見なした場合の熱効率を指す。P2,11,13しろまる ばい煙
大気汚染防止法は,
次の物質を
「ばい煙」
と定義し,
排出基
準を定めている。(1)燃料その他の物の燃焼に伴い発生する硫黄酸化物(2)燃料その他の物の燃焼または熱源としての電気の使
用に伴い発生するばいじん(3)物の燃焼,
合成,
分解その他の処理
(機械的処理を除く)
に伴い発生する物質のうち,カドミウム・塩素等人の健康ま
たは生活環境に係わる被害を生ずるおそれがある物質で
政令で定めるもの。P9,21
しろまる PCB
(ポリ塩化ビフェニル)
炭素と水素と塩素からなる有機塩素化合物で,
ベンゼン環(亀の甲)
が2つつながった骨格の水素(H)が塩素(CI)で置
換されたものの総称。
1929年に初めて工業製品化され
て以来,
その安全性,
耐熱性,
絶縁性を利用して電気絶縁油,
感圧紙等,
様々な用途に用いられてきたが,
環境中で難分
解性であり,
生物に蓄積しやすくかつ慢性毒性がある物質
であることが明らかになり,
生産・使用の中止等の行政指
導を経て,
1974年に化学物質審査規制法に基づく特定化
学物質
(現在では第一種特定化学物質)
に指定され,
製造
及び輸入が原則禁止された。P3,24
しろまる
ドラジン
アンモニア臭を有する無色・発煙性の油状液体。
空気中で
発煙し,
金属・金属酸化物,
多孔性物質と激しく反応し火災
や爆発の危険をもたらす。
発電所では,
発電用ボイラーの
給水処理剤
(溶存酸素除去剤)
として使用している。P24は 37ふほしろまる PDCAサイクル
1方針・計画の作成
(Plan)
2その実施と運用(Do)
3点検と是正措置
(Check) 4経営層による見なおし
(Action)
という手順をくり返し,
サイクルを重ねるごとに,
より高い目的や目標を達成していくシステムのこと。P5しろまる PRTR制度
有害性のある化学物質の環境
(大気,水,土壌)
への排出量
及び廃棄物に含まれての移動量を,
政府が事業者からの届
出や推計に基づき,
集計し,
公表する仕組みのこと。P3,9,24,41
しろまる 放射性廃棄物
各種原子力施設において発生する放射性物質を含む廃棄物。
放射性廃棄物は,
原子力発電所などから発生する作業着や
その洗濯排水などの低レベル放射性廃棄物と,
再処理工場
において使用済み燃料から燃え残りのウランやプル
トニウ
ムを抽出した後に発生する高レベル放射性廃棄物とに大
別される。P7,9,23も
しろまる MOX燃料
使用済み燃料を再処理して回収したプル
トニウムとウラン
とを酸化物の形で混合した燃料のこと。P13ろりしろまる リン酸
トリス
(ジメチルフェニル)
水素,
炭素,
酸素,
リンから構成されている微黄色の透明な
液体。
可燃物としては分類されていないが,
火炎下では燃
焼分解し,
有毒を発生する。
火源を除くと自己消火する。発電所では,
タービン制御油として使用している。P24しろまる 六フッ化硫黄(SF6)
フッ素と硫黄の化合物で,
天然には存在せず工業的に生産
される。
化学的に安定で,
絶縁性に優れているため,
電気事
業では,
遮断器の絶縁ガスなどに使用している。
二酸化炭
素の23,900倍の温室効果をもつとされている。P7,9,11,17,31しろまる プルサーマル
原子力発電所で使用された使用済燃料を再処理して取り
出されたプル
トニウムとウランとを酸化物の形で混合した
燃料をMOX
(Mixed Oxide:混合燃料)
燃料といい,
これ
を現在稼動している原子力発電所で利用することを指す。P13 38
IV 資料編
IV 資料編
九 州 電 力 企 業 行 動 憲 章
1電気の安定供給
エネルギー供給の根幹を担う電気事業の使命を自覚し,低廉で良質な電気の安定供給とサービスの向上に努める。
2安全の確保
電気事業の推進に当たっては,安全意識の高揚に努め,公衆安全及び作業従事者の安全の確保を最優先する。
3環境保全
地球環境問題,資源のリサイクルなど幅広い視野に立って,事業活動全般にわたり環境保全に取り組む。
4地域社会への貢献
地域の経済・文化の発展が当社事業の基盤であることを認識し,地域振興支援活動を積極的に推進するとともに,
メセナ活動などを展開し,地域社会へ貢献する。
5コミュニケーション活動
地域のお客さま,株主の皆さまに対し,当社の経営状況について積極的かつ公正な情報の開示を行うとともに,
広聴・広報活動を一層充実強化するなど,広く社会とのコミュニケーションを図る。
6誠実かつ公正な事業活動
人権の尊重と倫理観の涵養に努めるとともに,政治・行政との健全かつ正常な関係を保つなど,誠実かつ公正な
事業活動を遂行する。
7明朗な企業風土づくりの推進
従業員のゆとりと豊さを実現し,快適で働きやすい環境を確保するとともに,従業員の人格,個性を尊重する。
8法令遵守
法令やルールを遵守することはもとより,市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的な勢力とは断固として
対決する。
9本憲章の精神の徹底
経営トップをはじめ各組織の責任者は,自らの役割として本憲章の精神の徹底に努める。法令違反その他本憲章
に反するような事態が発生した場合は,経営トップ自ら問題解決に当たり,原因究明,再発防止に努める。また,
社会への迅速かつ的確な情報公開を行うとともに,権限と責任を明確にしたうえで自らを含めて厳正な処分を行う。
当社は,電気を安定的に供給し,地域社会に貢献するという使命を達成するため,全社一丸となり,強い
意志と責任感をもって業務に邁進しております。
また,当社は公益事業としての強い自覚のもとに,誠実かつ公正な事業運営を展開することにより,地域
の皆さまとの厚い信頼関係の構築に努めております。
このような事業活動を更に推進するため,ここに「九州電力企業行動憲章」を制定するものであります。
九州電力企業行動憲章 39くろまる主要事業所所在地
くろまる主要供給設備
凡 例
水力発電所
(5万kW以上)
揚水発電所(純揚水発電所)
火力発電所
原子力発電所
地熱発電所
内燃力発電所
主要変電所,開閉所
50万V送電線
22万V送電線
他社設備
発電所の数値は出力(kW)
を示す
平土野2,000
沖永良部島
新知名19,100
与論島
与論2,210
新与論5,600
徳之島奄美群島
与路104
口之島150
中之島200
諏訪之瀬島160
悪石島110
小宝島60
宝島200
喜界島
新喜界
8,100
喜界
2,100
竜郷51,600
名瀬21,000
奄美大島
古仁屋4,750
池地170
新徳之島15,350
亀津7,500
平島110トカラ列島佐須奈5,100
豊玉42,800
厳原8,600
芦辺17,500
小呂島190
新壱岐24,000
玄海原子力
3,478,000
至中国電力
新小倉
2,112,000
苅田375,000
豊前1,000,000
大分500,000
新大分2,295,000
有川10,800
新有川50,000
福江第二
21,000
福江8,000
苓北700,000
松浦700,000
相浦875,000
唐津
875,000
天山600,000
木佐木
鳥栖
西福岡
東福岡
門司
筑豊
柳又61,900
八丁原110,000
大岳
12,500
松原50,600
熊本
三池
北熊本
南熊本
大平500,000
甑島第一9,750
塚原62,600
諸塚50,000
岩屋戸
51,100
上椎葉
90,000
西大分
海崎
一ツ瀬180,000
柏田
大霧30,000
大淀川第一
55,500
都城
南九州
川内
川内原子力
1,780,000
甑島第二1,200
黒島240
山川
30,000
竹島90
硫黄島300
大淀川第二
71,300
南宮崎
大隅
鹿児島
新鹿児島
霧島
種子島第一18,000
新種子島24,000
口永良部島400
苅田
若松
上津役
古賀
南福岡
北九州

大村
156,000
宇久3,000
山家 中央
北佐賀
唐津
港156,000
八代
人吉
高野
北長崎
長崎種子島屋久島
西谷
到津対馬壱岐
川内
1,000,000
武雄
西九州
住吉
大分
豊前
東九州
脊振
諌早
滝上25,000
赤坂
槻田
日田
新日向
東佐世保
速見
くろまる売上高の推移 くろまる販売電力量の推移 くろまる従業員数の推移
・資 本 金:2,373億円
・本店所在地:福岡県福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号13,600199613,81014,10913,89313,93614,1141997 1998 1999 2000(年度)
(億円)13,80014,00014,20014,2001996 1997 1998 1999 2000
(年度)
(人)14,40014,60014,8006401996 1997 1998 1999 2000(年度)
(億kWh)680720760・設立年月日:1951年5月1日
・供給区域:福岡県,佐賀県,長崎県,大分県,熊本県,宮崎県,鹿児島県
会社概要
(2001年3月31日現在)69069972073175314,57214,60914,44514,42814,348 40
原子力発電本部
火力発電本部
電力輸送本部
お客さま本部
事業開発本部
立地環境対策本部
電源立地部
環 境 部
送変電立地部
原子力管理部
原子力建設部
火 力 部
工 務 部
営 業 部
配 電 部
広 報 部
総 務 部
経 理 部
資 材 部
燃 料 部
土 木 部
秘 書 課
事業開発部
経営企画室
経営管理室
人事労務部
電子通信部
総合研究所
監 査 役 室
情報システム部
エネルギー利用効率部
系統運用部
原子力発電所
汽力発電所
建 設 所 (送変電)
建 設 所 (発電所)
支 店
東 京 支 社
営 業 所
電 力 所
地熱発電所
取締役会
株主総会
監査役会
監 査 役
取 締 役
副 社 長
社 長
会 長
常務取締役
常 務 会幹部合同会議部長会議
玄海/川内
苅田/松浦/苓北/小丸川
北九州/福岡/佐賀/
長崎/大分/熊本/
宮崎/鹿児島
新小倉/豊前/松浦/大分/
相浦/港/大村/新大分/
苓北/川内/苅田/唐津
八丁原/大岳/大霧/
山川/滝上
(18カ所)
(85カ所)
組織図
(2001年7月1日現在) 41環境を巡る歴史と九州電力のあゆみ
1951 九州電力発足
1967 大岳発電所が運転開始 (事業用地熱発電として国内初)
1969 公害防止協定を締結
(苅田発電所)
1971 集合高煙突を採用
(新小倉発電所)
1972 電気集じん器を採用
(苅田発電所)
1972 総合排水処理装置を採用 (苅田発電所)
1973 立地環境本部と環境部を設置
1973 初めての環境アセス資料を国及び
福岡県に提出
(豊前発電所)
1974 排煙脱硫装置を採用
(苅田発電所)
1975 原子力発電が運転開始 (玄海原子力発電所)
1977 LNG発電が運転開始 (新小倉発電所)
1978 環境週間行事を開始 (1992年から環境月間)
1978 排煙脱硝装置を採用 (新小倉発電所)
1982 エネルギーを考える広場 「九州エネルギー館」
開館
1983 海洋温度差発電の実証試験を開始 (徳之島)
1986 風力発電の実証試験を開始 (沖永良部島)
1987 太陽光発電の実証試験を開始 (苅田発電所)
1989 海外炭専焼火力が運転開始 (松浦発電所)
1989 米国出版社マグローヒル社の国際
環境保護賞を受賞
(松浦発電所)
1990 地球環境問題検討委員会を設置
1990 LNGコンバイン
ドサイクル発電が
運転開始
(新大分発電所)
1992 風力, 太陽光, 廃棄物発電からの
余剰電力購入開始
1992 環境アクションプランを策定
1993 福岡エネルギーサービス
(現西日本
環境エネルギー)
が地域熱供給を開始 (福岡シーサイ
ドももち地区)
1994 燃料電池発電の実証試験を開始 (新小倉発電所)
1996 環境アクションレポー
トを公表
1997 ISO14001認証取得 (松浦発電所:国内電力会社で初)
1998 オフィスエコクラブ活動開始 (鹿児島支店)
1999 新エネルギー
(風力,太陽光)
への
費用助成開始
1999 世界銀行炭素基金
(PCF)
に参加
2000 環境影響評価法施行後,初めての
環境影響評価書を通産省に届け出 (松浦発電所2号機)
2000 玄海エネルギーパークオープン
2000 グリーン電力制度の導入
2001 環境憲章を制定
2001 九州電力環境顧問会を設置
1967 公害対策基本法公布
1968 大気汚染防止法,騒音規制法公布
1970 公害国会で14法が制定,改正 (廃棄物処理など)
1971 環境庁設置
1972 四日市公害裁判判決
1973 環境庁が環境週間を開始 (1991年から環境月間)
1973 工場立地法改正
(緑化等が義務化)
1973 公害健康被害補償法公布
1974 硫黄酸化物に係る総量規制を導入
1977 通産省が発電所の環境アセス強化
1979 省エネルギー法公布
1981 窒素酸化物に係る総量規制導入
1988 オゾン層の保護に関する法律公布
1990 政府が地球温暖化防止行動計画
策定
1991 リサイクル法公布
1991 経団連地球環境憲章を制定
1992 通産省が各業界に環境に関する
ボランタリープラン策定を要請
1993 環境基本法公布
1994 環境基本法計画告示
1995 容器包装リサイクル法公布
1996 電気事業における環境行動計画
策定
1997 経団連環境自主行動計画公表
1997 環境影響評価法公布
1997 地球温暖化対策推進本部設置
1998 省エネルギー法改正
1998 地球温暖化対策推進大綱策定
1998 地球温暖化対策推進法公布
1999 地球温暖化対策に関する基本方針
策定
1999 化学物質管理促進法
(PRTR法)
公布
1999 ダイオキシン類対策特別措置法公布
2000 グリーン購入法公布
2000 循環型社会形成推進基本法公布
2000 新環境基本計画告示
2001 省庁再編に伴い環境省発足
1958 米国がマウナロア山
(ハワイ)
で大気中
CO2濃度測定開始
1969 米国が国家環境政策
(NEPA)
制定
1971 ラムサール条約 (水鳥保護のための湿地保全)
1972 ローマクラブ
「成長の限界」
発表
1972 国連人間環境会議(ストックホルム会議)
1972 ロン
ドン条約 (廃棄物の海洋投棄防止)
1972 国連環境計画
(UNEP)
設立
1973 ワシン
トン条約 (野生生物取引規制)
1985 オゾン層保護に関するウィーン条約
1987 オゾン層を破壊する物質に関する
モン
トリオール議定書
1988 気候変動に関する政府間パネル (IPCC)
設置
1989 有害廃棄物の越境移動と処分の
規制に関するバーゼル条約
1990 IPCC第1次評価報告書発表
1992 気候変動枠組み条約
1992 生物多様性条約
1992 環境と開発に関する国連会議 (地球サミット:
リオデジャネイロ)
1995 気候変動枠組み条約第1回締約国
会議
(COP1:ベルリン)
1995 IPCC第2次評価報告書発表
1996 COP2
(ジュネーブ)
1996 環境マネジメン
トシステム規格 (ISO14001)
発行
1997 COP3
(京都議定書採択,京都)
1998 COP4
(ブエノスアイレス)
1999 COP5
(ボン)
2000 世界銀行炭素基金運用開始
2000 COP6
(ハーグ)
2001 COP6再開会合
(ボン)
九州電力
国内動向
国際動向 42環境・エネルギー関係の資料
名 称パンフレット類ビデオ
主な内容
九州電力環境アクションレポート「環境に優しい企業活動を目指して」
九州電力の環境活動への取り組みを紹介
九州電力の現状と課題をわかりやすく解説
家庭でできる小さな省エネルギーのおすすめ
原子力発電やエネルギー,
地球環境問題に関連
するさまざまな事項についてわかりやすく解説
子育て中の若い女性を対象にエネルギーや
地球環境問題をわかりやすく解説
エネルギー利用の効率化に関する九州電力の
活動内容などを解説
ビル・工場でできる小さな省エネルギーの
おすすめ
小中学生を対象に発電の仕組みや環境問題
などを解説
小中学生を対象にエネルギーや地球環境問題
などをマンガでわかりやすく解説
タレン
トのチューヤンが九州を旅行しながら,
九州電力の環境保全への取り組みを紹介
自然エネルギーの開発状況と課題について
わかりやすく解説
環境保全への取り組みを含む九州電力の
ホームページ
小学生を対象に発電の仕組みや地球環境から
見た原子力発電の必要性をアニメーションで
わかりやすく解説
FOR GOOD TOMORROW
エネルギー利用の効率化を目指して
ビル・工場の省エネルギー
レッツ省エネルギー
サグルくんの電気事件簿
アース・エイド・ストーリー
チューヤンの九電的環境旅行
オイ
ドーン王国を救え!ENERGY特捜部 X
九州電力のホームページ
http://www.kyuden.co.jp/
上記資料をご希望の方は,
下記までご連絡下さい
九州電力株式会社 環境部環境計画グループTEL(092)
761‐3031
(代),FAX
(092)
761‐7368
九州電力環境アクションレポー
ト概要版
くらしとエネルギー
かたらい
ほびある
〒810‐8720
TEL(092)761‐3031
福岡市中央区渡辺通二丁目1番82号
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九州電力
(株)
環境部 環境計画グループ
九州電力ホームページ http://www.kyuden.co.jp/
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再生紙を使用しています。

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