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111 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 015
厳しさを増す経営環境を踏まえ、
費用・投資について、
安全・法令遵守・安定供給を確保しつつ、
徹底した効率化・
コス
ト削減にグループ一体となって取り組んでいます。
財務状況
2014年度決算概要
連結収支概況
当社グループにおきましては、電気事業において、原
子力発電所の停止が長期化する中、徹底した経営効率
化に取り組んでいますが、
原子力を代替する火力燃料費
等の増大により、依然として厳しい収支・財務状況が続
いています。
このような状況のもと、2014年度の連結収支につき
ましては、収入面では、電気事業において、販売電力量
の減少はありましたが、前年度の期中に実施しました電
気料金の値上げや燃料費調整の影響による料金単価の
上昇などにより電灯電力料が増加したことや、再エネ特
措法交付金が増加したことなどから、
売上高
(営業収益)
は前年度に比べ4.6%増の1兆8,734億円、経常収益は
4.6%増の1兆8,900億円となりました。
一方、
支出面では、
グループ一体となったコス
ト削減に
取り組む中、
電気事業において、
燃料価格の下落による燃
料費の減少などはありましたが、再生可能エネルギー電
源からの購入電力料が増加したことや、火力発電所など
設備の点検・補修のための修繕費が増加したことなどか
ら、
経常費用は1.3%増の1兆9,637億円となりました。
以上により、
経常損益は前年度に比べ、
577億円赤字
幅が縮小し736億円の損失となりました。
また、資産の売却などの特別利益が減少したことや、
税制改正の影響などにより繰延税金資産の一部を取り
崩したことに伴い法人税等調整額が増加したことなど
から、当期純損益は185億円赤字幅が拡大し1,146億
円の損失となりました。
▼連結収支比較表 (単位:億円、%)
2014年度 2013年度 増 減 前年比
営業収益
(売上高) 18,734 17,911 823 104.6
営 業 外 収 益 165 155 10 106.7
経 常 収 益 18,900 18,067 833 104.6
営 業 費 用 19,167 18,869 298 101.6
営 業 外 費 用 469 511 さんかく42 91.8
経 常 費 用 19,637 19,381 255 101.3
( 営 業 損 益 ) (さんかく433) (さんかく958) (525) ―
経 常 損 益 さんかく736 さんかく1,314 577 ―
特 別 利 益 24 534 さんかく509 4.7
法 人 税 等 403 207 195 194.0
少 数 株 主 利 益 14 15 さんかく1 93.2
当 期 純 損 益 さんかく1,146 さんかく960 さんかく185 ―
(注)
さんかくは損失を示す 112九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 015財務状況
CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2015
連結収支における事業別の業績
電気事業
売上高は、販売電力量の減少はありましたが、前年度
の期中に実施しました電気料金の値上げや燃料費調整
の影響による料金単価の上昇などにより電灯電力料が
増加したことや、再エネ特措法交付金が増加したことな
どから、前年度に比べ5.3%増の1兆7,218億円となりま
した。一方、営業費用は、燃料価格の下落による燃料費
の減少などはありましたが、再生可能エネルギー電源か
らの購入電力料が増加したことや、火力発電所など設備
の点検・補修のための修繕費が増加したことなどから、
1.9%増の1兆7,903億円となりました。
以上により、
営業
損益は、
531億円赤字幅が縮小し684億円の損失となり
ました。
▼セグメン
ト別の業績
(内部取引消去前) (単位:億円、%)
2014年度 2013年度 増 減 前年比
電気事業
売 上 高 17,218 16,348 870 105.3
営業損益 さんかく684 さんかく1,216 531 ―
エネルギー
関連事業
売 上 高 1,866 1,710 156 109.2
営業損益 109 103 6 105.9
情報通信
事業
売 上 高 965 897 68 107.6
営業損益 114 113 ― 100.7
その他の
事業
売 上 高 257 271 さんかく14 94.8
営業損益 36 32 4 112.6
(注1)
「電気事業」
は、当社事業から附帯事業を除く
(注2)
さんかくは損失を示す
エネルギー関連事業
売上高は、発電所における補修工事及び設備保全
業務受託の増加などにより、前年度に比べ9.2%増の
1,866億円、営業利益は、
プラン
ト工事に係る売上原価
の増加などもあり、
5.9%増の109億円となりました。
情報通信事業
売上高は、
情報システム開発の受託増や電気通信機器
販売の増加などにより、前年度に比べ7.6%増の965億
円、
営業利益は、
ブロー
ドバン
ドサービスに係る費用の増
加などもあり、
前年度並みの114億円となりました。
その他の事業
売上高は、不動産販売に係る収入の減少などにより、
前年度に比べ5.2%減の257億円、
営業利益は、
賃貸建
物の減価償却費の減少などにより、12.6%増の36億円
となりました。
113 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 015
〔2013年度〕 〔2014年度〕
料金原価織込
効率化額
〔2013年度単年〕
さんかく1,410
効率化の
深掘り
さんかく1,520億円
効率化の
深掘り
さんかく1,790億円
2013年度
効率化実績
さんかく2,930
料金原価織込
効率化額
〔2014年度単年〕
さんかく1,350 2014年度
効率化実績
さんかく3,140
当社は、
2013年春の料金値上げ時に織り込んださんかく1,400億円/年
(2014年度単年度:さんかく1,350億円)
の経営効率
化に取り組んでいます。 2014年度は、資機材調達コス
トの低減をはじめとした恒常的な効率化の着実な実施と深掘りに取り組むとともに、
原子力発電所の全基停止による収支悪化影響を緩和するため、
緊急的な措置として、
安全確保・法令遵守・安定供給
に直ちに影響しない範囲を見極めながら、
実施時期・工程の精査による工事の繰延べや一時的な業務の中止などの短
期限定のコス
ト削減への取組みを可能な限り実施しました。
その結果、短期限定の取組みを中心としたさんかく1,790億円の深掘りを加え、合計でさんかく3,140億円のコス
ト削減を行う
とともに、
99億円の資産売却益を計上しました。
▼経営効率化実績
(2014年度単年) 項 目
効率化実績
(2014年度単年)
〔A〕+〔B〕
料金原価織込効率化額
(2014年度単年)
〔A〕
効率化の深掘り
(2014年度単年)
〔B〕
料金原価織込効率化額
(2013〜2015年度平均)
修繕費 さんかく980 さんかく230 さんかく750 さんかく320
諸経費等(注記)1
( )内は諸経費を再掲
さんかく710
(さんかく380)
さんかく210
(さんかく200)
さんかく500
(さんかく180)
さんかく220
(さんかく200)
人的経費 さんかく370 さんかく440 +70 さんかく480
燃料費・購入電力料(注記)2
さんかく740 さんかく250 さんかく490 さんかく180
減価償却費
(設備投資)
さんかく340 さんかく220 さんかく120 さんかく230
合 計
[燃料費・購入電力料除き]
さんかく3,140
[さんかく2,400]
さんかく1,350
[さんかく1,100]
さんかく1,790
[さんかく1,300]
さんかく1,400億円規模
【査定さんかく307億円を含む】
(注記)1
諸経費、
固定資産除却費、
損害保険料など
(注記)2
燃料費・購入電力料は、
2014年度が原子力発電所の稼働がなく、
需給バランスが料金原価の想定と大き
く異なることから、
一定の前提を置い
て算定
▼資産売却実績
項 目
売却実績 (注記)3
(2014年度単年)
売却実績 (注記)3
(2013〜2014年度累計)
〔A〕+〔B〕
値上げ認可時計画
(2013〜2015年度累計)
〔A〕
深掘り額
〔B〕
固定資産 102
(98) 419 (369) 100 319
有価証券 3
(1) 424 (303) 40 384
合 計 105
(99) 843 (672) 140 703
(注記)3
売却実績の( )内は売却益等
▼経営効率化実績の推移
経営効率化への取組み
(億円)
(億円)
(億円) 114九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 015財務状況
CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2015
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
原価との差
さんかく756
(さんかく37%)
震災前比
さんかく630
(さんかく33%)
震災前比
さんかく865
(さんかく46%)
原価との差
さんかく613
(さんかく37%)
原価との差
さんかく175
(さんかく11%)
震災前比
さんかく255
(さんかく15%)
震災前比
さんかく442
(さんかく28%)
震災前比
さんかく384
(さんかく23%)
原価との差
さんかく292
(さんかく18%)
2,022
1,266
1,644
1,031
1,479
1,760
1,896
1,598
1,423
1,586
1,294
1,419
1,520
1,678
1,573 1,679
1,518
1,137 1,134 1,131
1,065
料金原価
(2014年度単年)
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
料金原価
(2014年度単年)
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
料金原価
(2014年度単年)
震災前比
さんかく436
(さんかく28%)
原価との差+3(+0%)
原価との差+66(+6%)
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
原価との差
さんかく756
(さんかく37%)
震災前比
さんかく630
(さんかく33%)
震災前比
さんかく865
(さんかく46%)
原価との差
さんかく613
(さんかく37%)
原価との差
さんかく175
(さんかく11%)
震災前比
さんかく255
(さんかく15%)
震災前比
さんかく442
(さんかく28%)
震災前比
さんかく384
(さんかく23%)
原価との差
さんかく292
(さんかく18%)
2,022
1,266
1,644
1,031
1,479
1,760
1,896
1,598
1,423
1,586
1,294
1,419
1,520
1,678
1,573 1,679
1,518
1,137 1,134 1,131
1,065
料金原価
(2014年度単年)
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
料金原価
(2014年度単年)
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
料金原価
(2014年度単年)
震災前比
さんかく436
(さんかく28%)
原価との差+3(+0%)
原価との差+66(+6%)
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
原価との差
さんかく756
(さんかく37%)
震災前比
さんかく630
(さんかく33%)
震災前比
さんかく865
(さんかく46%)
原価との差
さんかく613
(さんかく37%)
原価との差
さんかく175
(さんかく11%)
震災前比
さんかく255
(さんかく15%)
震災前比
さんかく442
(さんかく28%)
震災前比
さんかく384
(さんかく23%)
原価との差
さんかく292
(さんかく18%)
2,022
1,266
1,644
1,031
1,479
1,760
1,896
1,598
1,423
1,586
1,294
1,419
1,520
1,678
1,573 1,679
1,518
1,137 1,134 1,131
1,065
料金原価
(2014年度単年)
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
料金原価
(2014年度単年)
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
料金原価
(2014年度単年)
震災前比
さんかく436
(さんかく28%)
原価との差+3(+0%)
原価との差+66(+6%)
人的経費
人的経費については、
役員報酬の減額、
賞与の支給見送り、
基準賃金の引下げ
(課長以上の管理職平均さんかく7%、一般
社員平均さんかく5%)、 当社保有の保養所の全廃などにより削減を行っています。
その結果、
2014年度の人件費は2013年度とほぼ同程度の1,131億円となり、
震災前の3か年平均と比べさんかく442億円(さんかく28%)
減となりました。
修繕費
修繕費については、
競争拡大などによる資機材調達コス
トの低減に取り組むとともに、
個々の設備実態・運用をきめ細か
く精査した上で、
点検・修繕内容の見直しや、
点検周期の延伸などの効率化を行っています。
2014年度は、更に短期限定の取組みと
して、昨年度に引き続き、設備の監視強化などの補完措置を講じながら、安全
確保や法令遵守等、
事業継続のために直ちに必要な工事以外を原則停止するとともに、
需給ひっ迫を勘案した火力発電所
の定期検査繰延べなどを含めると、
震災前の3か年平均と比べさんかく630億円
(さんかく33%)
減の1,266億円となりま
した。
諸経費
諸経費(注記)
については、業務委託範囲・内容の見直しをはじめと
した業務全般にわたる効率化に加え、広告宣伝費等の普
及開発関係費や研究費などを中心に、
中止・繰延べ・規模縮小等により削減を行っています。
2014年度は、
原子力関係の委託費・旅費などの増加要因があるものの、
業務全般にわたる効率化に努めるとともに、継続可能な範囲で業務の繰延べ・規模縮小を行ったことから、
震災前の3か年平均と比べさんかく255億円
(さんかく15%)
減の1,423億
円となりま
した。
▼修繕費の推移
▼諸経費の推移
▼人的経費の推移
(注記)廃棄物処理費、
消耗品費、
補償費、
賃借料、
委託費、
普及開発関係費、
養成費、
研究費、
諸費の9費目の合計
(億円)
(億円)
(億円)
用 語 集
115 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 015
燃料費・購入電力料
燃料費・購入電力料については、
燃料調達価格の引下
げや電力取引市場からの調達量の拡大、計画外停止の
未然防止などによる石炭・LNG火力の高稼働運転など
のコス
ト低減策に取り組んでいます。
しかし、
2014年度は、
原子力発電所の再稼働遅延に伴う
自社火力の焚き増しや他社からの追加調達に加え、
円安によ
る燃料価格上昇等による影響から、
大幅な増加となりました。
このことから現在もなお、燃料調達価格の引下げや火
力発電所の補修期間短縮など、
燃料費・購入電力料の効
率化に絶え間なく努めているところです。
▼2014年度 燃料費・購入電力料の増減内訳
コス
ト増分 +5,170 効率化 さんかく490
(内訳)
・原子力再稼働遅延 +4,430
・燃料価格変動
(円安等)
+780 ほか
(内訳)
・燃料費 さんかく220
・購入電力料 さんかく270
設備投資
設備投資については、原子力発電所の更なる安全性
向上対策などの増加要因はあるものの、
競争拡大などに
よる資機材調達コス
トの低減に取り組むとともに、
個々の
設備実態・運用をきめ細かく精査した上で、
設計仕様、実施時期を見直すなどの効率化を行っています。
2014年度は、更に短期限定の取組みと
して、設備の老
朽更新などについて、不具合発生時の安定供給へのリスク
を再評価のうえ、
一時的に繰り延べるなどのコス
ト低減を行
なった結果、
原子力安全対策除きでは、
震災前3か年平均と
比べさんかく662億円
(さんかく30%)
減の1,566億円となりました。
資機材調達コス
トの低減
資機材調達については、全社をあげて競争拡大等に
よるコスト低減に取り組んでおり、2014年度のコスト
低減率は、目標を上回るさんかく12%を達成し、競争発注比
率は、
25%と着実に進展しています。
また、
2014年2月に、
他産業出身者等の社外専門家
を委員にお迎えして
「調達改革推進委員会」
を設置し、
徹底した資機材調達コスト低減を進めています。
今後の経営効率化の取組み
2013年4月に公表した経営効率化計画
「3か年平均
さんかく1,400億円規模」
の達成に向け、
着実に取り組んでいき
ます。
資産売却については、
電気事業の運営に直接関係しな
い資産について可能な限り売却することとしており、
社宅
跡地等について引き続き売却に取り組んでいきます。
2015年度も、
期首時点で原子力発電所の再稼働がな
く、
当面は厳しい経営状況が続くことから、
効率化の深掘
りに引き続き取り組んでいきます。
▼料金原価織込効率化額
▼資機材調達コス
ト低減の目標と実績
項 目 効率化額
〈2015年度単年〉
修繕費 さんかく280
諸経費等 さんかく220
人的経費 さんかく510
減価償却費
(設備投資) さんかく300
燃料費・購入電力料 さんかく220(注記)
合 計
[燃料費・購入電力料除き]
さんかく1,530
[さんかく1,310]
(注記)
原子力発電所の稼働状況により変わるため参考値 (料金原価織込みの原子力利用率66%を前提)
(億円)
原子力利用率LNG(液化天然ガス)
2011年度
(震災前)
の水準
《目 標》
2013〜2015年度平均
コスト低減
さんかく10%
【主な取組み】
・仕様、工法の見直し
・競争発注の拡大、競争原理を活用した
発注方式の工夫 など
《実 績》
2014年度
コスト低減
さんかく12%
今後もさらなる深掘りへ
震災前3
か年
実績平均
(2008〜2010年度)
2011年度
実績
2012年度
実績
2013年度
実績
料金原価
(2013年度単年)
2014年度
実績
原価
との差
さんかく579
(さんかく27%)
震災前比
さんかく662
(さんかく30%)
震災前比
さんかく933
(さんかく42%)
原価
との差
さんかく750
(さんかく37%)
2,228
1,890
〔1,938〕
料金原価
(2014年度単年)
1,479
〔1,556〕
1,295
1,566
原子力
安全対策717原子力安全
対策 520
2,145
2,045
〔2,528〕
〔2,161〕
〔2,283〕
〔2,665〕
原子力安全対策 48 原子力安全対策 77
原子力
安全対策866原子力安全
対策 483
注1 設備投資は附帯事業を含まない 注2
〔 〕
内は、
原子力安全対策を含む合計
▼設備投資の推移
(億円)
(億円)

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