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121 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
厳しさを増す経営環境を踏まえ、
費用・投資について、
安全・法令遵守・安定供給を確保しつつ、
徹底した効率化・
コス
ト削減にグループ一体となって取り組んでいます。
財務状況
2013年度決算概要
連結収支概況
2013年度におきましても前年度に引き続き、電気事
業において全ての原子力発電所が停止し、
依然として厳
しい収支・財務状況が続いております。
このような状況のもと、2013年度の連結収支につき
ましては、収入面では、電気事業において、電気料金の
値上げや燃料費調整の影響による料金単価の上昇など
により電灯電力料が増加したことや、再生可能エネル
ギーの固定価格買取制度に基づく交付金が増加したこ
となどから、売上高
(営業収益)
は前年度に比べ15.9%
増の1兆7,911億円、
経常収益は15.8%増の1兆8,067
億円となりました。
一方、
支出面では、
電気事業において、
修繕費の効率
化や人的経費の削減などコス
ト削減に努めましたが、為
替レートの円安の影響により燃料費が増加したことや、
再生可能エネルギー電源からの購入電力料が増加した
ことなどから、
経常費用は2.5%増の1兆9,381億円とな
りました。
以上により、
経常損益は前年度に比べ、
1,997億円赤
字幅は縮小しましたが1,314億円の損失となりました。
また、経営合理化の一環として不動産や有価証券を
売却したことや、
退職給付信託を設定したことに伴い特
別利益に534億円を計上したことなどから、当期純損
益は2,363億円赤字幅が縮小し960億円の損失となり
ました。
▼連結収支比較表 (単位:億円、%)
2013年度 2012年度 増 減 前年比
営業収益
(売上高) 17,911 15,459 2,452 115.9
営 業 外 収 益 155 141 13 109.6
経 常 収 益 18,067 15,601 2,465 115.8
営 業 費 用 18,869 18,453 416 102.3
営 業 外 費 用 511 459 52 111.3
経 常 費 用 19,381 18,913 468 102.5
( 営 業 損 益 ) (さんかく958)
(さんかく2,994)(2,036) ―
経 常 損 益 さんかく1,314 さんかく3,312 1,997 ―
特 別 利 益 534 ― 534 ―
法 人 税 等 207 さんかく21 229 ―
少 数 株 主 利 益 15 3 12 429.4
当 期 純 損 益 さんかく960 さんかく3,324 2,363 ―
(注)
さんかくは損失を示す
用 語 集 122
九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014財務状況
CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2014
メガソーラー
連結収支における事業別の業績
電気事業
売上高は、電気料金の値上げや燃料費調整の影響に
よる料金単価の上昇などにより電灯電力料が増加したこ
とや、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づ
く交付金が増加したことなどから、前年度に比べ16.1%
増の1兆6,348億円となりました。営業損益は、
為替レー
トの円安の影響による燃料費の増加や、再生可能エネル
ギー電源からの購入電力料の増加はあったものの、売上
高の増加に加え、修繕費の効率化や人的経費の削減な
どコスト削減に努めたことにより、1,910億円赤字幅が
縮小し、
1,216億円の損失となりました。
▼セグメン
ト別の業績
(内部取引消去前) (単位:億円、%)
2013年度 2012年度 増 減 前年比
電気事業
売 上 高 16,348 14,083 2,264 116.1
営業損益 さんかく1,216 さんかく3,126 1,910 ―
エネルギー
関連事業
売 上 高 1,710 1,606 103 106.5
営業損益 103 25 77 402.1
情報通信
事業
売 上 高 897 945 さんかく48 94.9
営業損益 113 76 37 149.2
その他の
事業
売 上 高 271 272 さんかく1 99.5
営業損益 32 24 7 131.8
(注1)
「電気事業」
は、当社事業から附帯事業を除く
(注2)
さんかくは損失を示す
エネルギー関連事業
売上高は、
発電所補修工事やメガソーラー新設工事の
増加、ガス販売による収入増などにより、前年度に比べ
6.5%増の1,710億円、営業利益は77億円増の103億
円となりました。
情報通信事業
売上高は、携帯電話事業者向けデータ伝送サービス
の収入増はありましたが、情報システム開発の減少など
により、前年度に比べ5.1%減の897億円となりました。
営業利益は、コスト削減に努めたことや光ファイバ心線
貸し事業の減価償却費の減少などにより、49.2%増の
113億円となりました。
その他の事業
売上高は、前年度並みの271億円、営業利益は、賃
貸建物の減価償却費の減少などにより、前年度に比べ
31.8%増の32億円となりました。
123 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
当社は、
2013年春の料金値上げ時に織り込んださんかく1,400億円/年の経営効率化に取組んでいます。
2013年度は、
依然として原子力発電所の停止が続き、
かつてない厳しい経営状況にあるため、
修繕費や諸経費の
一時的な繰延べなど、
短期限定のコス
ト削減や可能な限りの資産売却に全社一丸となって取り組みました。
その結果、
短期限定の取組みを中心としたさんかく1,100億円の深掘りを加え、
さんかく2,500億円程度の費用削減を行うと
ともに、
700億円程度の資産売却を計上しました。
▼2013年度 経営効率化の実績
項 目 効率化実績
料金原価織込
効率化額
〈2013年度単年〉
原価との差
原価からの
深掘り額
主な取組み内容
(短期限定の取組みを含む)
修繕費 さんかく1,080 さんかく470 さんかく610
・点検周期の延伸化
・修繕工事の一時的な中止・繰延べ・規模縮小
諸経費等(注記)1
さんかく670 さんかく210 さんかく460
・業務委託範囲・内容の見直し・普及開発関係費、
団体費、
研究費、
委託費等の中止・繰延べ
・規模縮小
・資材調達や委託発注時における競争発注の導入拡大
人的経費 さんかく480 さんかく480 0
・役員報酬の減額
・基準賃金の引下げ、
年間賞与支給ゼロ
・福利厚生等の見直し
・採用数の抑制
需給関係費
(燃料費等)
[さんかく400]
(注記)2
[さんかく60] [+3,820]
・LNG・石炭等燃料調達コス
トの低減
・電力取引市場からの電力調達の積極的活用
減価償却費
(設備投資)
さんかく220 さんかく190 さんかく30
・設計基準、
仕様の見直し
・一時的な工事中止・繰延べ・規模縮小
・資材調達や工事発注時における競争発注の導入拡大
合 計
[需給関係費含み]
さんかく2,450
[さんかく2,850]
さんかく1,350
[さんかく1,410]
さんかく1,100
[+2,720]―(注記)1 
諸経費、
固定資産除却費、
損害保険料など
(注記)2 
需給関係費は、
2013年度が原子力発電所の稼働がなく、
需給バランスが料金原価の想定と大き
く異なることから、
一定の前提を置いて算定
▼2013年度 資産売却等の実績
項 目
売却実績
〔売却益等〕
売却計画
(値上げ認可時)差(深掘り額)
内容
固定資産 317
〔271〕 100 +217
・九電記念体育館用地、
九州エネルギー館、
桜坂研修所,
城南クラブ
(社外対応施設)、恵比寿荘、
社宅跡地等
有価証券 421
〔302〕 40 +381
・株式、
会員権の売却
・株式の退職給付信託
合 計 738
〔573〕 140 +598 ―
経営効率化への取組み
(億円)
(億円)( )LNG
(液化天然ガス)
用 語 集 124九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014財務状況
CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2014
人的経費
人的経費については、役員報酬の減額や社員の基準
賃金の引下げ、当社保有の保養所の全廃などにより削減
を行っています。
2013年度は、
厳しい経営状況を踏まえ、
年間の賞与支
給を会社創立以来初のゼロとしました。
需給関係費
需給関係費については、燃料調達価格の引下げや電
力取引市場からの調達量の拡大、計画外停止の未然防
止などによる石炭・LNG火力の高稼働運転などのコスト低減策に取り組んでいます。
しかしながら、
2013年度は、
原子力発電所の再稼働遅
延に加え、円安やLNG等の燃料価格上昇、渇水等の影
響により需給関係費は大幅な増加となりました。
コス
ト増分 +4,220億円 効率化 さんかく400億円
(内訳)
・原子力再稼働遅延
+2,540億円
・燃料価格変動
(円安等)
+1,010億円
・再エネ買取り、
渇水他
+670億円
(内訳)
・燃料調達
さんかく140億円
・需給運用・電力取引
さんかく260億円
▼2013年度 需給関係費の増減内訳
修繕費
修繕費については、設備の高経年化対策などの増加
要因はあるものの、
個々の設備実態・運用をきめ細かく精
査した上で、点検・修繕内容の見直しや、点検周期の延
伸などの効率化を行っています。
2013年度は、更に短期限定の取組みとして、安全確
保や法令遵守等、事業継続のために直ちに必要な工事
以外を原則停止した結果、過去30か年で最低水準の
1,031億円となりました。
諸経費
諸経費(注記)
については、
業務委託範囲・内容の見直しをは
じめとした業務全般にわたる効率化に加え、広告宣伝費
等の普及開発関係費や研究費などを中心に、
中止・繰延
べ・規模縮小等により削減を行っています。
2013年度は、
原子力発電所の安全対策
(解析業務等)
などの増加要因があるものの、 短期限定の取組みとし
て、情報システム改修の繰延べなど、一時的な業務の中
止・繰延べ・規模縮小を可能な限り実施しました。
(注記)
廃棄物処理費、
消耗品費、
補償費、
賃借料、
委託費、
普及開発関
係費、
養成費、
研究費、
諸費の9費目20121,76020131,479
2009 2011
2010 (年度)
(億円)
2,000
1,0005001,50001,759
1,951
1,031
▼修繕費の推移20101,52020131,419
(注記)廃棄物処理費、
消耗品費、
補償費、
賃借料、
委託費、
普及開発関係費、
要請費、
研究費、
諸費の9項目
2009 2011
2010 (年度)
(億円)
2,000
1,0005001,50001,552
1,753
1,294
▼諸経費の推移LNG(液化天然ガス)
用 語 集
用 語 集
125 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
設備投資
設備投資については、原子力発電所の更なる安全性
向上対策や設備の高経年化対策などの増加要因はあ
るものの、個々の設備実態・運用をきめ細かく精査し
た上で、設計仕様や実施時期の見直しなどの効率化を
行っています。
2013年度は、
更に短期限定の取組みとして、
安全確
保や法令遵守等、事業継続のために直ちに必要な工事
以外を原則停止した結果、
原子力発電所の安全対策除
きでは、過去30か年で最低水準の1,331億円となりま
した。
その他投資
新規事業及び燃料上流権益への投資については、
LNG 上流権益などの供給力確保に関するもの以外は
原則として凍結・繰延べを行っています。
資機材調達コス
トの低減
資機材調達については、全社をあげて競争拡大等に
よるコスト低減に取り組み、2013年度のコスト低減率
は震災前に対しさんかく11%
(さんかく520億円)
となりました。
また、
社外専門家の視点を取り入れた
「調達改革推進
委員会」
(2014年2月設置)
を活用し、資機材調達コス
トのさらなる低減に取組んでいます。
今後の経営効率化の取組み
2013年4月に公表しました経営効率化計画
「3か年
平均さんかく1,400億円規模」
の達成に向け、
まずは取り組ん
でいきます。
資産売却につきましては、
相当額を2013年度に売却
したことから、2014年度の計画値はありませんが、売
却益を見込めるものについて、あらゆる視点から再度
洗い出ししていく考えです。
原子力発電所の再稼働の見通しが依然として不透
明な状況であることから、効率化の深掘りに取り組んで
いきます。314750267866
1,331
〔2,197〕20124847976564877
〔1,985〕2013383722417
〔1,599〕
(注記)1 設備投資は附帯事業を含む
(注記)2
〔 〕
内は、
原子力安全対策を含む合計
2009 2011
2010 (年度)
(億円)
3,000
1,000
2,0000その他
流通
電源
原子力安全対策
(電源)5946389879847882,3695882,210
1,522
1,937
▼設備投資額の推移
▼料金原価織込効率化額
▼調達改革推進委員会の構成(2014年4月末現在)
項 目 効率化額
〈2014年度単年〉
修繕費 さんかく230
諸経費等 さんかく210
人的経費 さんかく440
減価償却費
(設備投資)
さんかく220
需給関係費
(燃料費等)
[さんかく250]
(注記)
合 計
[需給関係費含み]
(注記)
さんかく1,100
[さんかく1,350]
(注記)
(注記)
料金原価織込みの原子力利用率62%を前提としているため参考値
委員長 津上 賢治 【代表取締役副社長】
社外委員
江幡 誠 氏 【株式会社日立国際電気 取締役会長】 【株式会社三菱東京UFJ
銀行 監査役】
徳田 勇治 氏 【トヨタ自動車九州株式会社 常務取締役】
阿部 幸裕 氏 【株式会社日本ビジネスクリエイト 代表取締役社長】
社内委員
佐藤 尚文
【常務執行役員 業務本部長】
伊﨑 数博
【常務執行役員 発電本部長】
山﨑 尚
【上席執行役員 電力輸送本部長】
(億円)
原子力利用率LNG(液化天然ガス)

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