21 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
当社は、
「九州電力の思い」
のもと、長期的な視点で社会的に有意義な事業活動を行っていくことが、すべてのス
テークホルダーの皆さまにとって価値を持続的に生み出していくと考えています。こうした事業活動を適切に遂行
していくため、
経営上の重要な課題として、
コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。
経営マネジメント
コーポレート
・ガバナンスの基本的な仕組み
用 語 集
コーポレート・ガバナンス
コンプライアンス
ステークホルダー
内部統制
【具体的な取組み】
くろまる 独立性の高い社外取締役の選任による経営に対する監督機能の強化
くろまる 内部監査組織との連携による監査役の監査の実効性確保
くろまる 取締役と執行役員による監督と執行の役割の明確化
くろまる コンプライアンス経営の徹底
くろまる 本部や支社等への執行役員の配置による意思決定の迅速化
くろまる 中立性を維持した内部監査体制の充実
くろまる 原子力等重要設備の保安活動については、
別途専任組織を設置
▼コーポレート・
ガバナンスの体系図
監査
連携
会計監査相当性
の判断
選任・解任
報告
会計に関する監査
選定・解職・監督
重要案件の
付議・報告
指示 報告
統轄・指示
内部監査
実施状況の
モニタリング
選任・解任 選任・解任
報告
付託
株 主 総 会
取締役会
社 長
経営会議内部監査組織
本部、支社
グループ会社等コンプライアンス委員会監査役会会計監査人
監査役室( )・経営監査部・原子力・保安監査部
【コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方】
九州電力は、
取締役会と監査役会を設置するガバナンスを基本として、
会社業務の適正を確保するための
体制の整備に係る基本方針
(内部統制の基本方針)
を定め、
継続的な体制の充実に努めています。 22九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2014経営マネジメント
▼各会議体等の概要
体 制 役 割
メンバー
(2014年3月末現在)
開催頻度等
取締役会
・企業経営の重要事項の決定
・職務の執行状況の監督・全取締役16名
(うち社外取締役1名)
原則月1回
(2013年度18回開催)
経営会議・取締役会決定事項のうちあらかじめ協議を必要
とする事項の協議
・執行上の重要な意思決定・社長、
副社長、
常務執行役員、上席執行役員18名
原則週1回
(2013年度40回開催)
監査役会・取締役の職務の執務状況全般に関する監査
➡取締役会などの重要な会議への出席
➡執行部門、
連結子会社等からのヒアリング
➡事業所実査➡法令や定款に定める監査に関する重要事項の
協議、
決定
全監査役6名
(うち社外監査役3名)
(注記)
監査役の職務を補助するた
めの専任の組織として監査
役室
(12名)
を設置
原則月1回
(2013年度16回開催)
内部監査組織・各部門・事業所における法令等の遵守や業務執
行状況等の監査・保安活動に係る品質保証体制及びこれに基づく
業務執行状況等の監査・経営監査部
(21名)・原子力・保安監査部
(12名)
(注記)業務として常時実施
用 語 集
コンプライアンス
内部統制
【内部統制の基本方針の概要】1 取締役の職務執行の
法令等への適合を確保するための体制
くろまる 
取締役会による経営上重要な事項の審議・決定、取
締役及び執行役員の職務執行の監督
くろまる 
取締役、執行役員及び従業員がコンプライアンスを
推進する仕組み
くろまる 
反社会的勢力からの不当要求に対する関係の遮断
くろまる 取締役及び執行役員の職務執行に対する監査役の勧
告・助言の尊重2 取締役の職務執行に係る
情報の保存・管理に関する体制
くろまる 
情報の適正な保存・管理体制と情報セキュリティの確保3 
リスク管理に関する体制
くろまる 
経営における重要リスク、個別案件のリスク等への適
切な対応
くろまる 
非常災害や社会的信用を失墜させる事態、その他会
社経営、社会へ重大な影響を与える事象に対する危
機管理体制4 取締役の職務執行の効率性を確保するための体制
くろまる 
適正かつ効率的な業務執行体制及び責任と権限の明
確化5 従業員の職務執行の
法令等への適合を確保するための体制
くろまる 
コンプライアンス委員会等による企業倫理・法令等の
遵守の推進
くろまる 
全ての事業活動の規範となる行動憲章、行動指針の
浸透・定着
くろまる 
財務報告の信頼性の確保
くろまる 
中立的組織による法令遵守や業務執行状況等に関す
る内部監査の実施
くろまる 
原子力等重要設備の保安活動については、専任組織
による内部監査の実施6 企業グループにおける
業務の適正を確保するための体制
くろまる 
企業グループの経営状況の把握、コンプライアンス
の推進及び緊密な情報連携7 監査役の職務執行の実効性を確保するための体制
くろまる 
監査役を補助する専任組織としての監査役室の設置
くろまる 
監査役スタッフの取締役からの独立性の確保
くろまる 
監査役への報告に関する体制の確保
くろまる 
その他監査役の監査の実効性を確保する体制
23 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
リスクマネジメント
経営に重大な影響を与えるリスクについては、
リス
ク管理に関する規定に基づき、定期的にリスクの抽出、
分類、
評価を行い、
全社及び部門業務に係る重要なリス
クを明確にしています。各部門及び事業所は、明確にさ
れた重要なリスク及び個別案件のリスク等への対応策
を事業計画に織り込み、
管理しています。
また、
非常災害などの事象が発生した場合に迅速、的確に対応するため、予めその対応体制や手順等を規定
に定めるとともに、
定期的に訓練等を実施しています。
企業グループにおける業務の適正の確保
企業グループにおける業務の適正の確保について
は、グループの基本理念、経営姿勢等を示した
「九州電
力グループ経営の基本的な考え方」
を制定し、グループ
経営を推進しています。加えて、
グループ会社の経営状
況を把握するため、グループ会社に事業計画や実績の
報告を求めるとともに、当社の経営に重大な影響を及
ぼすおそれのある事項については、グループ会社との
事前協議を行っています。
企業グループの公正な事業活動を推進するため、グ
ループ会社と一体となったコンプライアンス教育等を
実施し、
「九州電力グループ行動憲章」
の周知・浸透を図
るとともに、グループ各社において、行動指針の策定や
内部通報窓口の設置等の促進を行っています。
また、企業グループ内における相互の緊密な情報連
携のため、重要なグループ会社で構成する
「九電グルー
プ社長会」
をはじめとした各種会議体を設置するとと
もに、企業グループの情報ネッ
トワークの活用を図っ
ています。
さらに、当社内部監査組織によるグループ会社の監
査を行っています。
危機管理
様々な危機への備えとして、危機管理体制を整備し、
リスクが顕在化した場合
(危機発生時)
の影響の極小化
に努めています。
具体的には、危機管理官
(副社長)
及び危機管理担当
部長を設置するとともに、
各本部及び各支社に危機管理
担当を設置し、
危機発生時の情報共有や連携を図ること
としています。
また、
「リスク
・危機管理対策会議」
を適宜開催し、
リス
ク管理と危機管理との連携強化、
危機発生時における対
応策の検討を行うとともに、専門的・先進的な知見を有
する社外専門家による支援体制を整備しています。
なお、2013年の夏には、記録的猛暑に伴い危機管理
対策総本部を設置
(8月19日〜23日)
し、電力需給ひっ
迫を回避するための供給力確保や節電要請など、
全社を
挙げた緊急的な対応を実施しました。
用 語 集
原子燃料サイクル
コンプライアンス
地球温暖化
当社グループ(連結)の経営成績、財務状況等に影響を
及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものが
あります。
くろまる 
電気事業を取り巻く制度変更等
くろまる 
原子力発電を取り巻く状況
くろまる 
販売電力量の変動
くろまる 
燃料価格の変動
くろまる 
原子燃料サイクルに関するコストくろまる 
地球温暖化対策に関するコストくろまる 
電気事業以外の事業
くろまる 
金利の変動
くろまる 
情報の流出
くろまる 
自然災害等
くろまる 
コンプライアンス
▼公表している事業等のリスク
(2014年4月現在) 24九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2014経営マネジメント
これまで10数年間、経営品質の向上
(TQMの推進)
に取り組んできましたが、
このたび新しい組織風土改革・業務改革の取組み
「みらいプロジェク
ト」
を始めたことか
ら、具体的な施策はその一部として展開することとしま
した。
しかし、
経営環境の大きな変化にも耐え得る経営体質
を確立するため、お客さま視点に立ち、経営全般にわた
る継続的な改善改革を通じて、経営品質を高めていくと
いう基本的な姿勢は変わりません。
今後も、
「お客さま本位」、「社会との調和」、「社員重視」、「独自能力の形成」
という基本的な理念のもとに、更な
る経営品質の向上に努めていきます。
経営品質向上の取組みについて
▼経営品質向上の基本的理念
*1 社員重視:社員の独創性と能力の伸長により、お客さま
に満足を提供する社員の知的創造を育む企業風土
*2 独自能力の形成:革新的な見方・考え方・方法により、
お客さまが求める価値を生み出す独自の能力を形成し
ていくこと
お客さま本位
社員重視
社会との調和 独自能力の形成*2*2*1*1
25 九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
当社は、
「しなやかで強い会社」
となるためのあらゆる取組みの土台である組織風土と業務運営の改革を推進するた
め、すべての従業員、すべての経営層が参加する
「みらいプロジェク
ト」
を立ち上げ、全社一丸となって様々な活動を展
開しています。
組織風土改革・業務改革の推進
「みらいプロジェクト」
の概要
組織風土改革が
「積極的に変革に取り組もう、私たち
が変わっていこう」
という気運を促し、業務改革が
「従業
員の自信、
そして、
良い組織風土につながる」
という好循
環の輪を回していく 「みらいプロジェク
ト」
は、
このような考えのもと、それ
ぞれの職場そして経営層が、その役割や特性を踏まえ
て、
自律的かつ継続的に取り組んでいる組織風土改革と
業務改革の活動の総称です。
【2013年度の主な活動】
様々な対話の展開
職場や役職を越えた対話活動を展開し、
本音で語り合
うことで、
相互理解を通じた価値観の共有や好事例の展
開により、
社員の意識改革や業務の改善改革につなげて
います。
また、従来から取り組んでいる
「経営ト
ップ層と社員と
の対話」
では、
少人数での対話
(スモールミーティング)を中心に、
経営課題や日頃の課題認識について、
活発な意
見交換を行っており、その結果を業務運営に反映させて
います。
2013年度は、計107事業所で実施し、約4,000名の
社員が参加しました。その中では、
「お客さまのお役に立
つ情報を分かりやすくタイムリーに発信すべき」、「本店と
現場との双方向のコミ
ュニケーションにより、
情報や意識
の共有を図っていくことが重要」
など、変革につがる様々
な意見が出されました。
▼みらいプロジェクト▼社長と社員との対話
(スモールミーティ
ング)
の様子
組織風土改革 価値観や方針
の共有など
業務改革 全社的な業務
改革の推進
「好循環」
成功体験が職場や社員の自信となり、
更に良い組織風土として定着
良い組織風土が業務を変えよう
という気運や積極性を促す 26九 州 電 力 C S R 報 告 書 2 014
CORPORATE SOCIAL RESPONSIBILITY REPORT 2014経営マネジメント
業務改革に関わる取組みの推進
従来から各職場における改善改革活動に取り組んで
いますが、2013年度からは、既存業務のストップ
(一時
停止)、スクラップ
(取り止め)、シンプル
(簡素化)
等に力
点を置き、部門レベル、全社レベルでの業務改革の取組
みを進めています。
また、これらの取組みを全社一体となって推進するこ
とで、従業員の業務改革意識の更なる醸成を図ってい
ます。
▼事業所の取組み
(倉庫内の5S(注記)
活動)

資機材を効率よく取り出せるように改善した事例▼CF
Tの検討の様子
▼各事業所での改善事例
年末のご挨拶の際にお渡ししていた童画カレンダーの廃止
に伴い、
事業所内での対話によって考案されたアイデア
長崎営業所
『手づくりカレンダー』
鳥栖営業所
『似顔絵付き付箋紙』
つながるサイ
ト を
通じた情報共有
各事業所での改善事例CF
T(注記)
による課題検討の取組み
全社的な課題に対し、
関連する組織に捉われない柔軟
で多面的な発想を活かし、よりスピード感を持って対応
するため、CFTを有効活用し、課題検討に取り組んでい
ます。
(注記)CFT:クロス・ファンクショナル・
チーム
(部門横断検討チーム)
2013年度は、次の課題
(テーマ)
について、検討を完
了し、
社内に提言を行いました。(1)社員の声の分析・提言
前記の対話等で出た社員の課題認識についてそ
の背景や原因を分析し、社員のモラール維持・向上
の視点も踏まえ、経営施策や業務改革につながる提
言を実施(2)お客さまの声の把握及び経営への反映
これまで以上にお客さまの声を聴き、
経営施策や
業務改革につなげるとともに、その結果をお客さま
にお伝えする取組みや体制について検討(3)円滑な情報発信・情報共有の推進
本店から現場まで、必要な情報がスムーズに伝
達・共有されるよう、社員の意識改革やルールの見
直しを検討し、
全社で展開
それぞれの活動を全社で共有
支社エリアにおける各事業所の実状に合わせた独自
の取組みなどの情報を、全社で共有する
「つながるサイ
ト」
を立ち上げ、取組みへの素朴な賛意の表明や好事例
の水平展開などに活用しています。
(改善前)
(注記)5S:整理、
整頓、
清掃、
清潔、躾(JIS Z8141
「生産管理用語」
の定義)
(改善後)

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