119 九州電力 CSR 報告書 2013
これらの取組みを着実に実施し、ステークホルダーの皆
さまから信頼され、
選ばれる企業を目指してまいります。
第三者意見を受けて
CSR報告書に記載した内容の信頼性を高めるため、昨年
に続き、九州国際大学の後藤教授に客観的な立場からの評
価をお願いしました。
ご意見をいただいた
「経営の効率化」
や、
「原子力発電所の
再稼働に向けた取組み」
につきましては、中期経営方針に掲
げる重点的な取組みとして、
しっかりと実践してまいります。
また、
当社では、
コンプライアンス経営の観点から
「九州
電力グループ行動憲章」
を定めています。
この憲章は、CSRの観点とほぼ重なる内容を含みますので、この憲章に基づ
く実践の中でPDCAをまわし、
充実を図ってまいります。
電気料金の値上げと経営の効率化
電気料金は、企業等について本年4月以降平均11.94%、
家庭について5月以降平均6.23%の値上げがそれぞれ実施
されました。
各企業はこの値上げ分を企業努力によって吸
収せざるを得ないのが現実ですし、地方自治体も予算のや
りくりや契約の見直しによって対応する考えです。
こうした地域の状況に照らし、
九電としても経営の徹底し
た効率化に努めていただきたいと思います。
CSR報告書で
は、今後3年間の効率化計画
(平均1,400億円規模)
が示され
ていますが、
これらが確実に実行されることを期待します。
原発の再稼働と 選ばれる企業 を目指して
トップメッセージで原子力発電所の早期の再稼働につい
て言及している点、
及び消費者によって 選ばれるしなやか
で強い企業 を目指すと宣言している点が注目されます。
前者に関連して、特集1
『原子力発電所の安全・安心への
取組み』
などで詳しく説明されています。
本年7月18日ま
でに新
「規制基準」
(原子力規制委員会)
が施行されるのを
受け、九電は第一ステップとして川内原発1、2号機の審査
を速やかに申請する旨の報道に接しました。
地方自治体に
よる
「地域防災計画」
(原子力災害編)
の整備も必要ですし、
とりわけ発電所から出る放射性廃棄物は果たして管理・処
理できるものであるかについての疑念から、再稼働に反
対・慎重の論議があることも確かです。
昨年度のCSR報告書では、原子力は
「もともと危険なも
の。
だからこそ、安全のため、あらゆる努力をする」
という
認識が示されていました。
この点の再認識をベースに再稼
働に反対・慎重な論議に対しても情報の提供と説明を試
み、真摯に対話の接点を探っていく姿勢が大事であるよう
に思います。
後者の 選ばれるしなやかで強い企業 を目指すという
宣言は九電の望ましい将来像を表していて、興味深いもの
があります。
承知のように、国政レベルでは電気事業法の
改正による電力システム改革、すなわち先行的な電力小売
りの完全自由化、そして将来的な発送電分離の実施が俎上
に載っています。
今後、
新電力
(PPS)
の供給比率は次第に高
まっていくでしょう。
安くて安全な電気エネルギーを選び
たいという消費者の当然の願望に応えるべく、九電として
2020年度には太陽光・風力の導入見通しを700万kWに再
設定し、6月には平治岳地熱発電の可能性を探る地表調査
を開始することなどが報じられています。
この宣言は九電の将来像を端的に語ったものですが、そ
の具体的取組みは今後における全社挙げての課題であり
ますし、
次年度以降のCSR報告書ではこの観点を大きな柱
としてまとめ上げていく必要があるように思います。
CSR行動原則の設定
本年度のCSR行動計画は昨年度の実施状況とステ−ク
ホルダ−の意見を踏まえつつ策定され、項目ごとにPDCA
サイクルを推進していこうとする意欲が伝わってきます。
先ずは、
この点を評価したいと思います。
こうしたPDCAサイクルの推進のためには、
九電にとっ
てCSRとは何かという点について、
より明確にしておくこ
とが必要です。
例えば、CSRの取組みを具体的に展開する
うえでの行動原則を策定し、全社員が共有する規範として
おくことも一つの方法だと思います。
社外の方からの評価
第三者意見
「CSR報告書2013」
(当社ホームページで公開)
に対する意見
九州国際大学 客員教授・
(前)
学長
厚生労働省 福岡労働局 参与
後藤 勝喜氏
九州電力株式会社
代表取締役副社長 CSR担当
鎮西 正直 120九州電力 CSR 報告書 2013
2013 Corporate Social Responsibility Report
伝わる CSRダイジェストのための意見交換会
学生の方々からの意見を受けて
「CSR報告書を分かりやすくしたい」
という思いから、報告書の作成過程に
おいて、
初めてこのような意見交換会を行いました。
学生の方々からは、
ただ
分かりにくい箇所を指摘するだけでなく、
「どうしたら分かりやすい表現や
デザインになるか」
という具体的なアイデアを活発に出していただき、読者
の方々に 伝わる 報告書にすることができたのではないかと感じています。
今回いただいたご意見は、
今回だけに留まらず、
当社の情報全般においても
活用し、
お客さまに 伝わる 情報発信を心がけていきたいと考えています。
今回は、
見た目の分かりやすさだけでなく、
学生と九電社員が
「伝えたい思い」や「伝わ
らない思い」
を正直に交わし、
深く対話できたことに大きな意味があったと思います。学生も九電社員も、
その一人ひとりが、
九州という同じまちに生きる
「市民」
です。
その事実
を互いに受け入れ、正直に気持ちを交わし、対話を重ねていく。
そういう機会を継続し、
発せられた声に互いが応じながら、次の世代へ希望を託すこと。
それが今を共に生きる
「市民」
としてのぼくらが持つ、
当然の責任だと思います。
今後も、
九州電力には信頼を築く挑戦を貫いてほしい。
そして、
ぼくらのまちである九
州の未来に、
一緒に明かりを灯していきたいです。
意見交換会での主な指摘
だいやまーく
見出しや図表を見ただけで、
内容が理解できるように工夫してほしい
だいやまーく
記載内容は全般的な話ではなく、
部分的であっても、
具体的な事例で説明された方が
分かりやすい
だいやまーく
専門用語はなるべく使わず、
やむを得ない場合は、
当該ページに注釈をつけてほしい
だいやまーく
フォントや行間にメリハリをつけた方が、
単調にならなくていい
だいやまーく
各ページごとにテーマカラーを決めて、
同系色で統一してほしい など
読者に 伝わる CSRダイジェストとするために、
読者の目線を取り入れることを
目的とした、
学生の方々との意見交換を行いました。
【 実 施 時 期 】
2013年4月〜5月
【参加いただいた方】
九州大学 統合新領域学府
ユーザー感性学専攻の大学院生15名
【ファシリテーター】
九州大学 専任講師 田北 雅裕 氏
今回の意見交換会を通じて
参加した学生の声
だいやまーく お役所的で堅いイメージ
だいやまーく 閉鎖的で近寄りにくい
だいやまーく 社員の顔が見えて、
親しみを持てるようになった
だいやまーく 話してみたら、
ちゃんと話が分かる人だった
だいやまーく 社員の方々の、
仕事に対する熱い思いが伝わってきた
だいやまーく
形式だけの意見交換ではなく、
本気で誌面を分かり
やすくしたいという意思を感じた
だいやまーく 想いを伝える ことの大切さを感じた
だいやまーく
社員の方々が、
本気で 変わろう 会社を変えよう
としていることが伝わった
Q 参加する前の九州電力に対する印象は?
Q 参加した後の九州電力に対する印象は?
Q そのほか感じた感想は?
九州大学のみなさんと
ファシリテーター
[進行役]
九州大学 統合新領域学府
ユーザー感性学専攻 専任講師
田北 雅裕 氏

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