3 九州電力 CSR 報告書 2013
お客さまの声に真摯にお応えし、
信頼され選ばれる
しなやかで強い九州電力を目指します。 「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランドメッセージ
とする
「九州電力の思い」
のもと、責任あるエネルギー
事業者と
して、
安定した電力・エネルギーをお客さ
まに
しっかり
とお届けすることを使命に、事業活動を進めて
おり
ます。 こう
した中、福島第一原子力発電所における深刻な
事故を契機に、
原子力発電の安全性などに対する信頼
が大き
く揺らぎ、
当社におきまして
も、
全ての原子力発電
所が停止し、
大変厳しい電力需給が続くとと
もに、
収支・財務状況が急速に悪化してまいりました。
これらの事態に対処するため、お客さまからの節電
への多大なご協力のもとに、需給両面において最大限
の努力を行い、どうにか電力の安定供給を果たすとともに、数次にわたる緊急経営対策を実施し、収支の改
善に努めてまいりました。
しかしながら、原子力に代替する火力燃料費等の増
大は緊急経営対策によるコストの削減を大き
く上回り、
これ以上の財務の悪化は、電力の安定供給を困難に
するとの判断に至ったことから、やむを得ず電気料金
の値上げを実施させていただきました。
具体的には、規制部門のお客さまにつきましては、本年5月1日から平
均6.23%の値上げを、自由化部門のお客さ
まにつきましては、
4月から順次、
平均11.94%の値上げを実施し
ており
ます。
お客さまには、大変厳しい経済情勢の折、多大なご
負担をお願いすることにつきまして、誠に心苦し
く、深く
お詫び申し上げます。
当社といたしま
しては、今後と
も、徹底した経営の効
率化と電力の安定供給に全力で取り組むとともに、原
子力発電の安全性や電気料金などに対していただい
たお客さまの声に真摯にお応えし、社会から信頼され
る企業を目指してまいり
ます。
また、国のエネルギー政策の見直しや電力システム
改革などの変化に的確に対応してまいり
ます。
このような観点から、本年4月、今年度から2015年
度までの3か年における経営の方向性と重点的な取組
みを
「中期経営方針」として取りま
とめま
した。
今後、以
下の課題に重点的に取り組んでまいり
ます。
重点的な取組み
お客さまの生活や企業活動、
地域社会を支え、
皆さまとともに持続的発展を目指すため、
あらゆる面で徹底的な効率化を図ってまいります
厳しい収支状況が続く
なか、
一層の財務の悪化を回
避するとともに、
小売全面自由化など電力システム改革
に的確に対応し、
電気事業者と
しての責務を果たしてい
くため、グループ一体となったコスト管理と徹底した効
率化に取り組んでまいり
ます。
それによ
り、
安定的な収支
構造の実現を図り、お客さまをはじめとするステークホ
ルダーの皆さ
まへの価値提供を果たしてまいり
ます。
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メッセージ 4九州電力 CSR 報告書 2013
2013 Corporate Social Responsibility Report
具体的には、
需給関係費の削減に向け、
卸電力市場
を通じた安価な電力調達や、シェールガスの動向など
燃料情勢を踏まえた経済的な燃料調達に取り組んでま
いり
ます。
また、
安全・法令遵守・安定供給に関わるコスト
を検
証し、
競争原理に基づく資機材調達の拡大や業務全般
にわたる効率化を進めることによ
り、設備投資や修繕
費、
諸経費などのよ
り一層の削減に努めてまいり
ます。 さらに、
ビジネスパートナーと一体となった効率化の
推進や技術力の維持向上、グループ会社の経営体質
強化に取り組んでまいり
ます。
大きく変化する環境下でも、
お客さまに
良質で安定した電力をお届けしてまいります
全ての原子力発電所が停止し、
厳しい需給状況が続
く中、
需給両面からあらゆる対策に取り組み、
電力の安
定供給に努めてまいり
ます。
原子力発電につきましては、エネルギーセキュリティ面や地球温暖化対策の観点から、
その重要性は変わら
ないと考えており
ます。
当社といたしましては、世界最高
水準の安全性を目指し、
原子力規制委員会が定める新
規制基準への的確な対応はもとより、更なる安全性向
上のための自主的な取組みを進めてまいります。
併せ
て、地域の皆さまにご理解をいただく活動を積極的に
行い、
早期の再稼働に向け最大限努力してまいり
ます。
当面の供給対策といたしま
しては、火力発電設備等
の安全・安定運転を徹底するとと
もに、
需給動向を踏ま
えた電力取引市場の活用など機動的に供給力を確保
してまいり
ます。
また、太陽光発電などの再生可能エネルギーにつきましては、グループ一体となって積極的に開発するとともに、大幅に増加しております連系申込みに円滑に対
応し、
電力品質の維持にも努めてまいり
ます。
一方、
需要面の対策といたしましては、
エネルギーの
効率的利用に向けた料金メニューやサービスのご提
案など、お客さまや地域と協働したピーク需要抑制や
省エネルギーの推進、
需給状況などに関する情報公開
の充実などに取り組んでまいり
ます。 さらに、
各種電源の特性や将来の燃料動向などを踏
まえた最適な電源構成の検討や、電力システム改革を
見据えた競争力のある電源確保に向けた検討を進め
てまいり
ます。
社会に開かれ、
社会から信頼される企業を
目指した取組みを推進してまいります
ステークホルダーの皆さまからの信頼は、事業運営
を行っていく上での基盤であり、
信頼される企業を目指
して、
皆さ
まの声を業務運営に反映するとと
もに、より一
層の企業活動の透明性向上などを通じて、
CSR経営の
徹底に努めてまいり
ます。
具体的には、当社の取組みや電気事業に関する情
報をよ
り分かりやすくお伝えするとともに、お客さまをは
じめとする皆さまの声を真摯にお聴きし、
ご意見・ご要
望を事業活動に適切に反映してまいり
ます。
また、
社外有識者などによる客観的・専門的な視点を
取り入れた適切な業務運営を徹底するとともに、透明
性が高く、お客さまの視線に立った社会貢献活動に取
り組んでまいり
ます。
当社といたしましては、
電気事業に対する社会やお客
さまの意識の変化への感度を高めて、
これからの社会
ニーズに新たな発想で臨機応変にチャレンジし、自ら
変わっていく
ことで、
お客さ
まから信頼され選ばれるしな
やかで強い企業を目指してまいり
ます。
皆さまの
「声」
をお聴かせください
当社では、
2006年より「九州電力CSR報告書」
を発
行し、ステークホルダーの皆さまの
「声」
をお聴かせい
ただくとと
もに、お寄せいただいたご意見につきま
して
は、
今後の取組みに反映させ、
更なる充実を図ってまいりま
した。
今回も、
この報告書をステークホルダーの皆さま
との
コミュニケーションのツールと
して、あらゆる機会を活
用した対話活動を展開することによ
り、皆さまの
「声」を経営に反映してまいり
ますので、どうぞ、
忌憚のないご意見・
ご要望を賜り
ますよう、
よろしくお願い申し上げます。
2013年6月
九州電力株式会社
代表取締役社長

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