3 九州電力 CSR 報告書 2012
お客さ
まや社会からの信頼の再構築を目指し、
企業活動の透明化や組織風土の改善、
電力の安定供給に、
全社一丸となって取り組みます。
トップメッセージ
昨年の東日本大震災は、わが国の経済・社会
に甚大な被害を及ぼし、
さらに東京電力福島第一
原子力発電所での深刻な事故の発生に伴い、原
子力利用やエネルギー供給のあり方など、
エネル
ギー政策全般に関して、
国レベルでの議論が、現在進められており
ます。
このような中、原子力発電所の運転停止に伴
い、
昨年の夏・冬に引き続き、
今年の夏においても電力需給のひっ迫が予想されたことから、やむを
得ず、
お客さまには、
7月2日から9月7日の間、一昨年の使用最大電力からさんかく10%程度以上の節
電をお願いいたしま
した。
当社では、
廃止予定の火力発電所の運転再開をは
じめ、
あらゆる供給力確保対策に取り組むとともに、
お客さ
まの使用最大電力の抑制につながる電気料
金メニューの新設などの対策を実施いたしました。
お客さ
まには、こう
した厳しい電力需給の状況を
十分ご理解いただき、
節電目標の達成に向けて多
大のご協力をいただきま
した。
おかげさ
まをも
ちま
して、
ご心配をおかけしました
計画停電を実施することな
く、
この夏の電力需給の
安定を確保するこ
とができました。
この場をお借りして、
お客さ
まには、
改めて厚く御礼を申し上げます。
さて、
当社におきま
しては、
全ての原子力発電所
の停止に伴い、今後も厳しい電力需給が続き、経
営収支も一段と厳し
くなることが予想されます。こう
した状況に的確に対応していくためには、喫緊の
課題を明確にし、
これに重点をおいた取組みを進
めていく
ことが重要と考え、
「平成24年度経営方
針」
では、
「信頼再構築に向けた取組み」
「電力安
定供給の確保」
「経営収支の改善に向けた緊急経
営対策の推進」
の3点を中心にした取組みを着実
に推進することとしま
した。
お客さまや社会からの信頼の再構築に向け、
企業活動の透明化などに全社一丸で
取り組みます。
当社は、昨年6月の
「経済産業省主催の県民説
明番組への意見投稿呼びかけ」
問題などによ
り、お客さまからの信頼を大き
く損なう
ことになり、
お客さ
まに多大のご心配とご迷惑をおかけしたことにつ
いて、
ここに改めてお詫び申し上げます。
当社は一連の事象を真摯に反省し、今後同様
の事象を再発させると社会からの退出を余儀なくされるという強い危機感のもと、企業活動の透明
化や組織風土の改善、
コンプライアンスや危機管
理体制の強化など、再発防止に向けた対策に全
社一丸となって取り組んでおり
ます。
各支社で開催した
「お客さまとの対話の会」では、当社の事業活動について厳しいご意見やご助
言をいただきました。
今後も、フェイス・トゥ・フェイ
スの
「顔」
の見え
る対話活動を全社的に展開し、お客さまからいただいたご意見、
ご要望をこれから
の業務運営に適切に反映するとともに、丁寧な情
報発信に一層努めてまいり
ます。
責任あるエネルギー供給事業者として、
電力の安定供給に強い使命感を持って
取り組みます。
原子力発電については、福島第一原子力発電
所の事故によ
り、安全性に対する社会の信頼を大きく損ねる結果となり、
原子力発電に携わる事業者として、
この事態を大変重く受け止めており
ます。
当社は、安全の確保を前提と
して、エネルギー
セキュリティ面や地球温暖化対策の面などから、
原子力発電の重要性は依然変わらないものと考え
ており、
原子力発電所の更なる信頼性の向上に取
り組んでまいり
ます。 4九州電力 CSR 報告書 2012
2012 Corporate Social Responsibility Report
また、再生可能エネルギーについて
も、太陽光
発電や風力発電の導入目標を昨年度計画から
50万kW拡大し、
2020年度までに合計300万kWとし、当社グループ一体となって、積極的な開発・
導入に取り組んでまいり
ます。
併せて、再生可能エネルギーの大量導入に備
えたスマートグリッドに関する技術開発を進めるとともに、スマート
メータの導入促進やヒート
ポンプ
などの高効率機器の推奨など、お客さまの節電や
省エネにつながる取組みを推進してまいり
ます。
なお、
エネルギー供給や原子力利用などに関す
る国のエネルギー政策の方向性が固ま
り次第、これに適切に対応してまいり
ます。
経営収支の改善に向け、
徹底した効率化・
コスト低減に取り組んでまいります。
一段と厳しさを増す経営環境を踏まえ、
費用・投
資の水準について、
リスク評価を十分に行い、安全・
法令遵守・安定供給を確保しつつ、
工事の繰延
べなど短期的対策を含む徹底した効率化・コスト
削減にグループ一体となって取り組んでまいり
ます。
今年度は
「緊急経営対策」として、
昨年度計画か
ら1,200億円規模の削減に取り組んでおり、具体
的には、
工事の実施時期、
範囲、
工法等を見直し、
設備投資や修繕費などを削減するとともに、燃料
の調達コストの低減や諸経費の削減などにも取り
組んでまいり
ます。
グループを挙げてCSRの推進に取り組みます。
九州電力グループでは、エネルギーを中核とした商品やサービスを提供することを通じて、快適
で環境にやさ
しい社会の実現に貢献することを経
営の基本理念と
し、
グループを挙げてCSRの取組
みを展開しているところであり
ます。
今後と
も、お客さまの意識や社会環境の変化へ
の感度を磨き、
しっかり
と社会のニーズを捉え、コンプライアンス経営や情報公開などのCSRの取
組みを一層推進してまいり
ます。
皆さまの
「声」
をお聴かせください。
当社では、
2006年より「九州電力CSR報告書」
を発行し、ステークホルダーの皆さまの
「声」
をお
聴かせいただくとと
もに、
お寄せいただいたご意見
につきま
しては、
今後の取組みに反映させ、
更なる
充実を図ってまいりました。
今回も、
この報告書をステークホルダーの皆さ
まとのコミュニケーションのツールと
して、あらゆ
る機会を活用した対話活動を展開することによ
り、
皆さまの
「声」
を経営に反映してまいり
ますので、どうぞ、
忌憚のないご意見・ご要望を賜り
ますよう、よろしくお願い申し上げます。
2012年9月
九州電力株式会社
代表取締役社長

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