九州電力 CSR 報告書 2010
持続可能な社会形成に向け、
責任あるエネルギー事業者としての
社会的使命を果たしていきます。
トップメッセージ
お客さまの快適で環境にやさしい毎日に
貢献していくという使命を果たし続けます。
九州電力は、
1951年の創立以来、
お客さ
まの日々の
生活、
そして地域社会の発展に欠く
ことができない電気
を、安全を再優先に安定してお届けすることを社会的
使命と
して、
地域社会との協調のもと、
日々の設備の保
守点検はもとより、
技術開発、
電源多様化、
業務効率化
など様々な取組みを進めてきました。
一方、
九州電力グループをとりま
く経営環境は、
景気
に持ち直しの動きがみられるものの、デフレの影響や
雇用情勢の悪化等が懸念されるなど、依然と
して先行
きの不透明な状況にあり
ます。
さらに、長期的には、世
界的なエネルギー需要の増大に伴うエネルギー資源
の確保の困難化や地球環境問題の重要性の高ま
りな
ど、
大き
く変化していく
ものと考えられます。
このため、当社は、2009年3月、経営環境の大きな
変化と、
設備の形成に長期間を要する電気事業の特性
を踏まえ、長期的な経営の方向性を示す
「長期経営ビ
ジョン」
を策定するとともに、あわせて、
このビジョンの
実現に向けて、当面の施策の方向性を示す
「中期経営
方針」
(2009〜2011年度)
を策定しました。
今後と
も、
これらのビジ
ョン・方針に基づき、
責任あ
るエネルギー事業者と
して、お客さまの快適で環境に
やさ
しい毎日に貢献していきたいと考えています。
将来を見すえた電力の安定供給と
地球環境問題への対応に取り組みます。
エネルギーの長期安定確保及び国が目指す低炭素
社会の実現に向けて、
原子力を電源の中核と位置づけ
推進するとともに、太陽光や風力などの再生可能エネ
ルギーを積極的に導入します。
また、設備の高効率化
や、
高経年化への対応など長期的に安定した効率的な
設備形成を進めます。
特に、原子力につきま
しては、安全・安定運転の徹
底と積極的な情報公開を行うとと
もに、2019年度を目
途とする川内原子力発電所3号機の開発に向け、地域
の皆さ
まにご理解と
ご協力をいただける
よう、地域に密
着した理解活動に取り組みます。
また、
2009年12月に
開始した玄海原子力発電所3号機におけるプルサーマ
ルにつきまして
も、
安全運転を最優先に着実に実施しま
す。
さらに、原子力発電所の使用済燃料貯蔵能力の増
強や、
中間貯蔵施設の設置に向けた調査・検討を進め
ます。
また、
太陽光など分散型再生可能エネルギーの普及
拡大に伴い、
電圧・周波数変動への対策を進めるとともに、
将来の大量普及時において
も高品質・高信頼度
の電力供給を維持できる次世代電力システムの検討
を進めます。
九州やアジア、
世界における
持続可能な社会づくりへ貢献します。
太陽光発電や電気自動車の導入推進など環境にやさしい事業活動に率先して取り組むとともに、
地域の特
色を活かした再生可能エネルギーの開発など、お客さ
まや地域社会との協働による取組みを進めます。
また、
アジアを中心に、
当社の保有する技術やノウハ
ウを活かした高効率の火力や地熱・風力等の再生可
能エネルギーによる発電事業、
省エネルギー・環境関
連コンサルティング事業などを展開し、エネルギーの
安定供給やCO2排出量削減に取り組みます。 さらに、
地域・社会の皆さ
まに信頼していただけるよう、
コンプライアンス意識の向上に取り組むとともに公
正な事業活動を推進し
ます。 九州電力 CSR 報告書 2010
次代のニーズに対応した働き方の改革や
組織づくりを進めます。
少子高齢化の進展や従業員の年齢構成の変化など
が、
これからの業務運営に与え
る影響を踏まえ、
業務運営・
組織体制の見直しを進めていき
ます。
また、
ワーク・ライフ・バランスの充実や女性の活躍推進など、社会
や従業員の新たなニーズに対応するとともに、従業員
一人ひと
りが能力を最大限に発揮し、
働きがいを得て、
成長していく組織を目指し
ます。
安全第一主義を徹底し、
安全文化を醸成します。
事業活動の基本である安全につきま
しては、従来か
ら災害の未然防止に向けた取組みを進めてきました
が、2009年度には、川内原子力発電所における定期
検査中に死傷事故が発生しました。
事故の概要や再発防止策については、本報告書に
おいて詳細をご報告しておりますが
(P.16参照)
、二度
と悲惨な事故を起こさないよう、安全推進・管理体制
の見直しや教育・研修の充実など、グループ会社、委
託・請負先などと一体となって、
事故の再発防止と安全
第一主義の徹底を図り、社会安全確保のための設備
対策はもとより、公衆安全や作業従事者の安全確保を
最優先する安全文化を醸成していき
ます。
皆さまとのコミュニケーションを深め、
一緒に考え、
行動します。
CSRへの取組みを更に充実させていくため、
この
「九州電力CSR報告書」
の発行など、様々な機会を通
じて、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さ
まの
「声」
をお聴かせいただいています。
お寄せいただ
いたご意見やご要望につきましては、今後の取組みに
反映させることとしています。
貴重なご意見ありがとうご
ざいま
した。
特に、
今回の報告にあたっては、
皆さ
まからいただい
たご意見等をもとに、
皆さ
まが重要と考え
る事項を抽出
し記載しています。
また、皆さまの関心が高い事項につ
いては、
新たにリーフレットを作成し、
情報発信を行うこととしました。
今後も、
皆さまとのコミュニケーシ
ョンを通して、CSRへの取組みを更に充実させるとともに、持続可能な社
会の実現に向けて、お客さまや地域の皆さま
と一緒に
なって考え、
行動していきたいと考えています。
皆さま、どうぞ忌憚のないご意見を賜りますようお願
い申し上げます。
2010年6月
九州電力株式会社
代表取締役社長

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /