63 九州電力では、経営ビジョンや行動憲章に示す
とおり、九電グループ全体で、「お客さま、株
主・投資家、社会、従業員の満足度を高めること
により、自らの企業価値を持続的に創造し、社会
とともに発展」したいと考えています。
このため、CSRへの取組みについても、九電
グループとしてのマネジメントサイクルの確立が
必要であると考え、2006年8月にグループ経営協
議会のもとに、新たに「グループCSR推進部
会」を設置するとともに、当部会において、「九
電グループCSR行動計画」を策定しました。
2007年度以降は、この行動計画をもとに、PD
CAサイクルを確実に実施し、九電グループ全体
でのCSRへの取組みを推進していきます。
▼2007年度九電グループCSR行動計画における部会各社必須の取組み
コンプライアンス経営・定期的なコンプライアンス委員会の開催・九電グループ社員の意識調査の実施・九電グループイントラネットによる情報共有化
情報公開と
コミ
ュニケーション・決算公告等適切なIR活動の実施・グループ情報発信計画件名の深堀り・社内コミ
ュニケーション活動の継続実施
人権尊重と
労働環境整備・九電グループ合同人権研修等各種研修会への積極参加・セクハラ防止策の徹底・法定高年齢者継続雇用の確実な達成・従業員の意欲・能力向上策の実施
安全第一主義の取組み・作業災害、
交通事故災害防止策の徹底・定期健康診断の実施及びフォローの実施・過重労働防止対策の実施・職場環境対策の実施
環境経営 ・
九電グループ環境活動計画のとおり
(P34参照)
地域・社会共生活動 ・
各種地域活動への積極的参加
グループCSR推進部会の概要
役 割
構 成
○しろまるグループ本社としての九州電力のCSR に関する方針、計画等の周知
○しろまる九電グループCSR行動計画の策定
○しろまる部 会 長:九州電力(株)総務部長
○しろまる構成会社:47社(2007年3月末)
▼グループ全体でのCSR推進体制図
取締役会 社長
環境委員会
コンプライアンンス
委 員 会
グループ総務・企画部会 グループ経営に関する事項 など
グループ営業推進部会 グループ営業推進 など
グループCSR推進部会
コンプライアンス など
グループ人事労務部会 グループ合同研修 など
グループ環境経営推進部会 グループ環境活動計画 など
グループ海外事業推進部会 海外事業案件検討 など
グループ技術開発推進部会 技術開発活動 などCSR推進会議
グループ経営
協議会
常 務 会
九電グループ全体での取組推進
九電グループにおけるCSRへの取組み
九州電力グループは、エネルギーを中核とした商品・サービスの提供を通
じ、自らの企業価値を持続的に創造することにより、社会とともに発展するこ
とを目指しています。
九州電力CSR報告書 2007 64▼九州電力グループの概要
(2007年3月末)
子会社
関連会社
連結子会社
持分法適用会社
◆だいやまーく◇お客さま情報通信事業
その他の事業
◆だいやまーく九州通信ネットワーク
(株)
◆だいやまーく
(株)
キューデンイ
ンフォコム
◆だいやまーくニシム電子工業
(株)
◆だいやまーく九電ビ
ジネスソリ
ューショ
ンズ
(株)
◆だいやまーく九州ネットワークサー
ビス
(株)
◇鹿児島光テレビ
(株) (株)
コアラ
当 社
(光ファ
イバ心線貸
し事業)◇(株)
ジェイ・リライツ◇九州環境マネ
ジメント
(株)
◆だいやまーく
(株)キャ
ピタル・キューデン
その他
当 社
(不動産賃貸事業)
環境・リサイクル事業
生活サービス事業 (株)
九州アイ・エス・オー審査登録機構
福岡新都心開発
(株)
◆だいやまーく
(株)
電気ビル
◆だいやまーく
(株)
キューデン・グッドライフ◆だいやまーく
(株)
キューデン・グット
ライ
フ東福岡
◆だいやまーく
(株)
キューデン・グッドライ
フ熊本
◆だいやまーく
(株)
キューデン・グッドライ
フ鹿児島
◆だいやまーく
(株)
九電ビ
ジネス
フロント
◆だいやまーく森林都市
(株)
◆だいやまーく
(株)
九電オフィスパー
トナー
◇九州住宅保証
(株)
◇九州高原開発
(株)◇(株)
九電ホームセキュリティ◇(株)
九電シ
ェアー
ドビ
ジネス
◇メ
ディ
カルサポー
ト九州
(株)◇(株)
九州字幕放送共同制作センター◇(有)
オーク
設備の建設・保守
資機材等の調達
当 社
(ガス供給事業、
空調事業、
蓄電池事業)
エネルギー事業
エネルギー関連事業
卸電気事業
◇戸畑共同火力
(株)
◇大分共同火力
(株)
◆だいやまーく九州林産
(株)
◆だいやまーく西日本プラント工業
(株)
◆だいやまーく九電産業
(株)
◆だいやまーく西日本技術開発
(株)
◇西日本環境建設
(株)◇(株)
九電工
◇西九州共同港湾
(株)◇(株)
九建
◇西技工業
(株)
◆だいやまーく
(株)
キューキ
◆だいやまーく九州計装エ
ンジニアリ
ング
(株)
◆だいやまーく光洋電器工業
(株)
◆だいやまーく西日本空輸
(株)◇(株)
キューヘン
◇九州高圧コ
ンクリー
ト工業
(株)
◇西日本電気鉄工
(株)
◇誠新産業
(株)
日豪ウラ
ン資源開発
(株)
◆だいやまーく
(株)
キューデン・イ
ンターナショナル
◆だいやまーく大分エル・エヌ・ジー
(株)
◆だいやまーく北九州エル・エヌ・ジー
(株)
◆だいやまーく西日本環境エネルギー
(株)
◆だいやまーくパシフィック・
ホープ・シッピング・リミテッド◆だいやまーく長島ウインドヒル
(株)
◆だいやまーく
(株)
福岡エネルギーサー
ビス
◇みやざきバイ
オマスリサイ
クル
(株)
◇キューデン・イ
リハン・ ホールディ
ング・コーポレーション◇
(株)
福岡クリー
ンエナジー
◇九州冷熱
(株)
◇エレクトリ
シダ・アギラ・デ・トゥクスパン社
北九州エコエナジー
(株)
フーミー3・BOT・パワー・カンパニー
エレクトリ
シダ・ソル・デ・トゥクスパン社
総合エネルギー事業
電気事業
一般電気事業当 社九電グループにおけるCSRへの取組み
九州電力CSR報告書 2007 65 九州通信ネットワーク(株)(QTNet)は、九州
エリアにおいて、九州電力が所有する光ファイ
バネットワークを活用し、個人のお客さまには
インターネット接続サービス「BBIQ」や電話
サービス「BBIQ光電話」を、また法人のお客さ
まには広域イーサネット・サービス「VLAN」
などの通信サービスを提供しています。
少子高齢化が進む中、安心・安全への対応や
経済の活性化などの社会的課題を解決するた
め、現在我が国では、「いつでも、どこでも、
何でも、誰でも」ネットワークに簡単につなが
る「ユビキタス社会」の実現に向けた取組みが
進められており、情報通信分野はますます重要
な社会インフラになってきています。
このような中、QTNetは、ライフラインであ
る光電話を提供しており、お客さまに安心して
ご利用いただけるよう、通信の信頼度維持・向
http://www.qtnet.co.jp/
情報通信事業 Information and telecommunications
上に着実に取り組んでいます。
また、今後は中小企業のIT化が急速に進展し
ていくと考えられ、地場のお客さまに選んでい
ただけるよう、最適なソリューションの提案を
進めています。
このような取組みを通じ、今後とも、地域社
会の発展に貢献したいと考えています。
地域密着型ポータルサイト
このほか、ソフト面でのサービスとして、
「九州の ! (発見・驚き・喜び・感動)
があるサイト」をコンセプトとし、九州のオ
リジナル情報発信や九州に密着したコミュニ
ティサービスを提供する無料ポータルサイト
「九州の環 Q−ring」を開設しています。わhttp://www.q‐ring.jp
九州電力CSR報告書 2007
鶏ふん焼却発電施設
「みやざきバイオマスリサイクル」
近年のライフスタイルの多様化により、環境
問題への意識の高揚による地球環境や省資源問
題に対する社会的な要請が強まっています。
このような状況において、当社は「環境とエ
ネルギー」をテーマとして、地球環境や省資源
の問題解決を行うため、自治体等の行う新・省
エネルギー施策のお手伝いやビジョン策定、バ
イオマス発電事業をはじめとする各種発電事
業、リサイクル事業の具体化など、お客さまや
地域社会への貢献を目指した企業活動を展開し
ています。
また、環境、省エネルギー、経済性の観点か
ら、最良なエネルギー提案やエネルギー利用の
効率化を行う省エネルギーサービス(ESCO)
などのエネルギー総合有効活用についての提案
も行っています。
なかでも、宮崎県において営業運転を開始し
ている鶏ふん焼却によるバイオマス発電事業
は、地元産業の振興に繋がる循環型エコシステ
ムの確立やRPS法を活かしたビジネスモデルな
どが評価され、2005年度に農林水産省農村振興
局長賞、2006年度に新エネルギー財団会長賞を
受賞しました。
これからも、これまでに培った技術ノウハウ
を活用し、省資源・省エネルギーの実現と地球
環境保全に貢
献できるよう
企業活動に取
り組んでいき
ます。
http://www.neeco.co.jp/
〜自然と共生するよりよい環境を追求し、
人と地球が調和する総合エネルギー産業を目指します〜
Energy
総合エネルギー事業
事業を通じた社会的責任の達成 66 我が国では、使用済みとなった蛍光管は大半
がリサイクルされることなく、焼却または埋立
処分されています。
また、蛍光管には微量ながら水銀が入ってお
り、将来の環境への影響が懸念されています。
これらの社会的課題に対し、九電グループの
(株)ジェイ・リライツでは、企業や学校、自治
体(各ご家庭からの排出分を含む)等から使用
済蛍光管を回収し、可能な限り元の原材料(ガ
ラス、蛍光体、水銀、金属類)に戻し、再資源
化するとともに、これら再生原料を使用したリ
サイクル蛍光管を社外委託製造し、販売してい
ます。
この使用済蛍光管リサイクル事業と2006年
10月から開始した使用済乾電池のリサイクル事
業を通じ、今後とも「循環型社会の形成」や
「環境汚染防止」といった社会的課題の解決に
向け、積極的に取り組んでいきます。
http://www.j‐relights.co.jp/
トップスター写真
九電ケアタウン
(福岡県福津市) グランガーデン鹿児島
(鹿児島市)
グランガーデン熊本
(熊本市)
▼使用済蛍光管リ
サイ
クル事業のイメー
ジ図
商品紹介 トップスター
2002年から販売している業務用再生蛍光管
「よか
ランプ」
に加え、
2005年からは、
省エネタイプのグ
リーン購入法適合商品である
「トップスター」
を販売
しています。明るさ、
寿命等は、
他の製品と同等です。http://www.kyuden‐gl.jp/
高齢社会を迎える中、お客さまに老後の豊か
で利便性の高い生活の場を提供することを理念
として、地域コミュニティと共生する新しい
「都市居住型スタイルのシニアマンション」
と、充実した医療支援体制を含む安心で快適な
シニアライフを過ごしていただけるサービスを
提供する「シニアマンション(介護付)事業」
を展開し、これまで、福岡県福津市、熊本市、
鹿児島市の3箇所で営業を開始しています。
今後は、これまで各施設の建設・運営で得た
ノウハウを新規地点の開発や新たな介護・福祉
関連事業へ活用し、『都会の真ん中に居を構
え、いつも時代の刺激を感じながら便利さと安
心に囲まれて暮らす』そんなアクティブなシニ
アライフを提案していきます。
シニアの皆さまの元気で生きいきとした、自
由で活力に満ちた生活を一生懸命支えていきた
い、それが私たちの思いです。
グループ力を結集して、
安心で快適なシニアライフを
お客様
企 業
自治体
回 収
分別破砕
リサイクル
リサイクル
蛍光管
L i f e s e r v i c e
生活サービス事業
E n v i r o n m e n t a n d r e c y c l i n g
環境・リサイクル事業九電グループにおけるCSRへの取組み
九州電力CSR報告書 2007 67九電工のCSR
九電工では、九電工グループ各社が、本来事業を通じて社会の持続的発展に貢献していくこと
が九電工の社会的責任であると考えています。
また、この社会的責任を達成するため、「従業員一人ひとりが、企業理念や行動憲章の趣旨を
理解し、日常業務のなかで社会を意識して行動すること」が大切であると考えています。
CSR活動のなかでも、全ての企業活動の前提と
なるコンプライアンスについては、九電工グルー
プが社会の信用を得るためにも最も重要な事項で
あると考え、積極的にコンプライアンス活動を推
進しています。
具体的には、社長を委員長とするコンプライア
ンス委員会を毎月開催し、PDCAサイクルを実践す
るとともに、全従業員を対象としたコンプライア
ンス教育を継続的に実施しています。
また、相談者のプライバシーを確保した「グルー
プ・コンプライアンス相談窓口」を社内に設置
し、業務上の不法行為等に関する相談を受け付け
ています。
コンプライアンス活動の推進
「本業」を通じたCSR
■しかく工事の設計・施工の品質向上
九電工は、工事の設計・施工に関して、法令等
に基づく建築基準を遵守し、安全性を確保するこ
とはもちろんのこと、ISO9001(品質マネジメン
ト)に基づく安全、品質における社内検査体制の
充実を図るとともに、当社の技術・技能力を高
め、高品質の「総合設備」をお客さまに提供でき
るよう取り組んでいます。
都城市総合文化ホール
(電気設備)
イオン伊都ショッピングセンター
(空調管設備)
ホテルアービック鹿児島
長崎鹿町ウィンドファーム
医療分野における画像遠隔診断システム事業〈(株)
ネット・
メディカルセンター〉
財団設立による病院経営の参画
〈医療・
介護・
教育研究財団〉
九州の観光振興も視野に入れた温泉宿予約サイト
「温泉ぱらだいす九州」
の運営〈(株)
九電工コミュニケーション〉
地域観光振興の一助のためのビジネスホテル事業〈(株)
スリーイン〉
少子化・
晩婚化に対応した結婚仲介業〈(株)
九電工ネットプロデュース〉
障害者雇用の推進〈(株)
九電工フレンドリー〉
「風力発電事業」
をはじめ、
エネルギー有効利用の技術に関する事業〈(株)
新エネルギー企画〉
しかしながら、2006年度には、社員が海外子会
社に出向していた際、不正競争防止法違反に該当
するとして略式命令を受けるという事例が発生し
ました。今後、二度と不法行為を起こさないよ
う、従業員教育をはじめとするコンプライアンス
活動を確実に実践することとしています。
■しかく九電工グループにおける主なCSR事業
2006 年度の主な取組み
○しろまる
「九電工グループ・
コンプライアンスマニュアル」
の制定
○しろまる従業員教育の実施 ・
九電工グループ・
コンプライアンス研修
(3 回) ・
新入社員コンプライアンス導入研修 など
○しろまるコンプライアンス講演会の開催 ・
「特定商取引コンプライアンスセミナー」
九州電力CSR報告書 2007 68九電グループにおけるCSRへの取組み労働安全衛生の取組み
環境問題への取組み
■しかく災害ゼロの達成に向けた安全活動
九電工、関係会社及び協力会社における従業員
の災害を根絶するため、労働安全衛生法など関係
法令の遵守はもとより、作業安全基準の徹底をは
じめ、パトロールや安全衛生教育を継続して実施
しています。
■しかく交通災害防止
交通災害防止活動の推進及び飲酒運転禁止の徹
底を行っています。
■しかく従業員の健康管理
産業医、保健師(健康相談室)との連携を密にし
て、体と心(メンタルヘルス)の健康管理の指導
と衛生教育を実施しています。
地域社会との共生活動
■しかくさわやかコミュニティ旬間
九州電力の
「お客様ありがとうございますキャン
ペーン」
とタイアップのうえ、
毎年10 月に「さわや
かコミュニティ旬間」
として、
会社と従業員が一体
となって地域社会貢献活動を行っています。
公共福
祉施設等の点検・
清掃、
バザー用品等の寄贈、NPO等との連携活動などに取り組んでいます。
■しかく地域スポーツの振興 「陸上競技部」
の諸活動をはじめ、
地域のプロ・アマスポーツへの後援などを通じ、
地域スポーツの振
興に貢献しています。
九州電力の「グループ環境経営推進部会」のメ
ンバーとして、様々な取組みを行うとともに、総
合建設事業者として循環型社会形成に向けたリサ
イクル活動などを積極的に行っています。
■しかく推進体制
環境管理担当の取締役を委員長とする環境委員
会を設置し、環境経営の推進状況について定期的
に 委 員 会 を 開 催 す る ほ か 、 九 電 工 本 社 で は 、
ISO14001を取得し、その方針に従い、九電工グ
ループ全体での環境保全に関するPDCAサイクルを
確立しています。
■しかく環境保全活動
具体的な目標値を定めた環境活動計画を毎年度策定
のうえ、一般廃棄物の排出量削減やグリーン調達を推
進するほか、技術部門では、環境配慮型設計の開発や
風力・太陽光発電の普及などに取り組んでいます。
また、建設工事に伴う産業廃棄物については、建設
リサイクル法に基づいた分別・リサイクル処理を行う
とともに、廃棄処理法に基づき、廃棄処理業者にマニ
フェスト(廃棄処理に関する帳票)を交付し処理の流
れを確認するなど、法令に基づいた不法投棄や環境汚
染の防止を図っています。
熊本支店 熊本城壁清掃
北九州支店 嘉穂劇場清掃
http://www.kyudenko.co.jp/
九州電力CSR報告書 2007