特 集2プルサーマルへの取組み
玄海原子力発電所3号機で2010年度までを目途にプルサーマルを実施する計画を進めています。
当社は,玄海原子力発電所3号機で2010年度
までを目途にプルサーマルを実施する方針を決
定し,2004年5月28日に佐賀県及び玄海町へ
安全協定に基づく事前了解願いを提出するとと
もに,国(経済産業大臣)に原子炉等規制法に
基づく原子炉設置変更許可申請書を提出しました。
これに対し,2005年9月7日には,厳正な安
全審査を経て経済産業大臣から原子炉設置変更
許可をいただきました。
地元の了解に向けては,事前了解願い提出以降,
プルサーマルの必要性や安全性について地域の
皆さまにご理解いただくため,当社は様々な理
解活動を続け,2006年3月26日に佐賀県及び
玄海町から事前了解をいただくことができました。
今後は,2010年度までのプルサーマル実施を
目指してMOX燃料の加工・輸送などの手続き
を進めていきますが,各段階において関係法令
等を遵守するとともに,適切な品質保証活動を
行い,安全対策に万全を期します。
今後とも原子力発電所の安全確保を最優先に,
積極的な情報公開に努め,地元の皆さまのご理解,
ご協力を得ながらプルサーマル計画を着実に進
めてまいります。
2004年 4月28日
5月28日
2005年 2月10日
2月20日
8月29日
8月30日
9月 7日
10月 2日
12月25日
2006年
2月 7日 3月26日
当社は,
玄海原子力発電所
3号機で2010
年度まで
を目途に実施することを決定
佐賀県及び玄海町へ安全協定に基づく事前了解願いを提出するとと
もに,
国へ原子
炉等規制法に基づ
く原子炉設置変更許可申請書を提出
原子炉設置変更許可申請について,
経済産業省か
ら原子力委員会及び原子力安全
委員会へ諮問
当社主催のプルサーマル公開討論会を玄海町で開催
原子力安全委員会 答申
原子力委員会 答申
国が原子炉設置変更許可
国主催のプルサーマルシンポジウムを玄海町で開催
佐賀県主催のプルサーマル公開討論会を唐津市で開催
佐賀県が玄海3号機プルサーマル計画の安全性について取りまとめ
(知事記者会見)
佐賀県及び玄海町が安全協定に基づ
く事前了解
主なプルサーマル理解活動
主な経緯
当社主催の公開討論会の模様(2005年2月20日)
事前了解文書を受け取る松尾社長
くろまる訪問,説明活動
くろまる公開討論会
くろまる講演会,イベント
くろまる新聞広告
くろまる雑誌広告
くろまるテレビ,ラジオCM など61九州電力CSR報告書2006 特集2 プルサーマルへの取組み
プルサーマルの必要性について
プルサーマルを実施することにより,回収し
たプルトニウムを再利用することでウラン資源
の有効利用を図るとともに,再処理により高レ
ベル放射性廃棄物の低減を図ることができます。
また,当社は,既に当社の原子力発電所で発
生した使用済燃料を再処理し,回収したプルト
ニウムを保有しており,核不拡散の観点から,
着実に平和利用する必要があります。
プルサーマルの安全性について
原子力発電所で使い終わったウラン燃料
(使用済燃料)
の中には,まだ燃料と
して再利用できる
「プル
トニウム」
という物質が含まれています。
この使用済燃料を再処理してプル
トニウムを取り出し,ウランと混ぜ
て新しい燃料
(MOX燃料)
を作り,それを現在使われている原子炉(サーマルリアクター)
で使用して発電するのが
「プルサーマル」
です。
玄海3号機では,全燃料集合体193体のうち,最大で全体の4分の1程度(48体)のMOX燃料を使う計画です。
(注記)
「プルサーマル」
とは,プル
トニウムのプルとサーマルリアクターの
サーマルをとってつく
られた言葉です。
〔プルサーマルとは〕
プルサーマルで使われる燃料です。ウランとプル
トニウムを酸化物の
形で混ぜて
(混合酸化物:Mixed Oxide)
作られるため,
略してMOX(モックス)
と呼んでいます。
〔MOX燃料とは〕
しろまる現在の原子力発電所でも,原子炉の中ではウ
ランの一部がプルトニウムに変化して燃えて
います。(プルトニウムによる発電量:全体
の30%)
しろまるプルサーマルでは,最初から燃料にプルトニ
ウムが含まれていることから,プルトニウム
による発電の割合が多くなります(プルトニ
ウムによる発電量:全体の50%)が,安全に
運転できることが国によって確認されています。
しろまるプルサーマルは,1960年代からフランス・
ドイツ・ベルギーなどヨーロッパを中心に,
安全に実施されています。
しろまるMOX燃料固有の特性に起因するトラブル
事例は報告されていません。
しろまる玄海原子力発電所3号機のプルサーマル計
画については,国による安全審査を受け,
安全に実施できることが確認されています。
原子燃料サイクル
現在の原子力発電
ウランによる発電量70%30%
プルトニウムによる発電量
ウランによる発電量50%( )
全燃料の4分の1を
MOX燃料と
した場合
(ウラン燃料だけの場合)50%プルトニウムによる発電量
プルサーマル
2,300
2,200
2,100
2,000
1,900
1,8003002001000
(体)スウェーデン日本オランダインドイタリアアメリカスイスベルギードイツフランス(1基)3(2基)6(1基)7(2基)10(2基)70(6基)91(3基)304(3基)305(15基)
1,828
(21基)×ばつ燃料の数:4,894本

(2004年12月末現在)
(出所:資源エネルギー庁 原子力2005)
ウラン燃料 MOX燃料
現在の
原子力発電の燃料
プルサーマルの
燃料
燃えやすいウラン
約4%
燃えにくい
ウラン
約96%
使用済み燃料から
取り出した燃えやすい
プル
トニウム
約6%
モックス
使用済み燃料から
取り出した
燃えにくい
プル
トニウム
約3%
燃えにくい
ウランなど
約91%
濃縮工場
ウラン鉱山
再処理工場
使用済燃料中間貯蔵施設
(リサイクル燃料備蓄センター)
MOX燃料加工工場
ウラン燃料加工工場
原子力発電所
高レベル放射性廃棄物処分施設 低レベル放射性廃棄物処分施設
濃縮ウラン
天然ウラン
回収ウラン
放射性廃棄物
(高レベル)
放射性廃棄物
(低レベル)
ウラン燃料
使用済燃料
(リサイクル燃料)使用済燃料(リサイクル燃料)使用済燃料(リサイクル燃料)
プルトニウムリサ イ ク ル MOX燃料62九州電力CSR報告書2006

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