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2019年度
テレビ長崎 番組審議会概要
第 536 回番組審議会
第 536 回番組審議会は、2019 年 4 月 10 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2019 年 3 月 19 日(火)19 時 00 分〜19 時 55 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 石川 由香里 柴田 守 大川 綾 近久 宏志 内田 輝美 山﨑 健
以上 8 名
放送事業者側の出席は 12 名
審議の冒頭、報道制作局次長の赤木健一郎が、番組が 2017 年度から KTN テレビ長崎が取り組む子
育て応援キャンペーン
「Lovebaby」
の一環として制作されたことを説明。
番組ディレクターの石橋亮
一は、子育て世代の営業局員や報道部アナウンサーらと企画・取材を進め、全国の取り組みを知るき
っかけとなるような、家族で見てもらえるような番組作りに努めたと述べた。
(委員からの主な意見)
「Lovebaby 長崎パパママ応援団〜はぐくむ未来〜」
(2019 年 3 月 19 日(火)放送)について
・Lovebaby のネーミングがいいと改めて思った。・「パパママ応援団」というタイトルの割には、パパ・男性はあまり出てこず、子育てを母と子の問
題に矮小化しているのではないかと感じた。
・他県の取り組みの紹介について、子育て真っ只中の人たちには「よその町はいいなぁ」で終わって
しまう。今、長崎で子育てに悩んでいる人にダイレクトに届く情報が必要だと思う。
・長崎県内の取り組みが少なかった。
もっといろんな事例の紹介があると思って見ていたので期待外
れだった。各自治体で様々な子育て関連事業をしていたとしても、知らなければ利用できず、当事者
は悩みを抱え込んでしまう傾向にある。利用へのハードルを低くするのもテレビの役割の一つであ
ろう。
・誰に何を伝えたいのか、よくわからない、物足りない、深みのない、取材不足な番組で終わってし
まっていた。
・タレント安めぐみさんの起用は、ほんわかとして幸福感が漂っていて良い雰囲気だった。反面、子
育て中というが、その大変さが伝わってこないところもあった。
・解説の佐藤拓代さん(医師・大阪母子医療センター)の解説がわかりやすかった。一方で、長崎県
内の事情に詳しい解説者を開拓してほしかったという希望もある。
・問題提起の部分(待機児童の数や施策の効果など)のデータ、根拠を具体的に、しっかり示すべき
であった。
コメントや文字スーパーに言葉足らずで分かりにくいところがあった。
・Lovebaby の取り組みの一つである「はじめてばこ」
(誕生を祝って、子育てグッズ等の贈り物が入
った箱を届けるもの。箱はその後、成長過程の思い出の品などを入れてもらう仕組み)の中身が少し
分かってよかった。もっと説明してもよかった。
などの意見が出た。
第 537 回番組審議会
第 537 回番組審議会は、2019 年 5 月 8 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2019 年 4 月 2 日(火)19 時 00 分〜20 時 00 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 石川 由香里 柴田 守 大川 綾 近久 宏志 内田 輝美 山﨑 健
以上 8 名
放送事業者側の出席は 12 名
審議の冒頭、番組プロデューサーで報道制作局次長の赤木健一郎は番組について「開局 50 周年にあ
たり企画したもの。1KTNの元気な姿をお見せする、250 年の歩みを振り返る、3新キャラクタ
ー「はっちゃKもの」をお披露目する、の3つのテーマで制作にあたった」と説明。ディレクターの
松永悠作は開局 50 周年のキャッチコピーが「はっちゃKTN」であることを踏まえ、
「これまでと変
わって、はっちゃけていきたい、その思いを表現したかった」と述べた。
(委員からの主な意見)
「はっちゃKTN 開局 50 周年スタートスペシャル」(2019 年 4 月 2 日(火)放送)について
・全体として明るいトーンで、1 時間、楽しく、さらりと見ることができた番組だった。
・50 年前のニュース映像や懐かしい番組が興味深かったが、コーナーとして短く感じた。
・安田大サーカス・クロちゃんのゲスト起用について、番組をまとめていく適応力・技術の高さが感
じられ、さすが全国放送に出ている、と思わせた。その反面、他の番組を思い起こさせるような演出
もあり、クロちゃんの出演部分の演出については、もう少し考えたほうがよいと思った。
・番組全体に落ち着きがなくて楽しめず、うるさい感じで、内輪のお祭り騒ぎを見せられたようだっ
た。また、内容を詰め込み過ぎという印象を持った。
・開局 50 周年の番組であるが、安直さやいい加減さを感じた。バラエティといえども、作り手の真
摯な姿勢が感じられなかった。
・この番組で、
KTNに大きな変化をもたらそう、
がんばっていこうという意気込みは伝わってきた、
気さくなテレビ局というのはよく出ていた。
などの意見が出た。
第 538 回番組審議会
第 538 回番組審議会は、2019 年 6 月 12 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2019 年 5 月 6 日(月)15 時 50 分〜17 時 48 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 石川 由香里 柴田 守 大川 綾 近久 宏志 山﨑 健 以上 7 名
放送事業者側の出席は 10 名
審議の冒頭、番組プロフデューサーの報道制作局次長・赤木健一郎がこの番組が 5 分番組『パワス
ポ!N』
(2018 年 4 月から毎週日曜日 17 時 25 分から放送)の「総決算的」なものであり、
「2020
年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて県内のアスリートの応援番組として制作した」と
述べた。また、番組ディレクターの磯部翔は「スポーツに関心がない人にも楽しんでもらいたいと
明るいタッチで作った」と説明した。
(委員からの主な意見)
「パワスポ!N〜2020、その先へ〜」(2019 年 5 月 6 日(月)放送)について
・番組内で紹介された競技種目・選手が多岐にわたり、充実感・満足感があった。
・オリンピックをめざす将来有望な選手がこんなにも県内にいるとは驚いた。また、スポーツを通
じて人間の生きざまを感じさせられ、感銘を受けた。
・VTRゲストで、五輪銀メダリストの柔道家・篠原信一さんは、トークが軽快で現場の雰囲気を
和ませていて良かった。柔道場では雰囲気がガラッと変わって適切なアドバイスを示していて、番
組にとても合っていたと思う。
・体操の内村航平選手や柔道の永瀬貴規選手など、スランプ時の苦悩の姿も描かれていて、KTN
の継続的で熱心な取材で信頼関係を築いたことがよくわかった。
・詰め込み過ぎで説明が足りないと感じるところもあった。人数が少なくてイレブンが揃わない離
島・宇久高校サッカー部の話題など、もう少し見たい、と思う気持ちもあった。
・パラリンピック競技の紹介が少ないように思った。このような番組でパラアスリートを紹介して
欲しかった。
・スタジオの演出にもう少し工夫が欲しかった。出演している高校生アスリートがプレーしている
映像を紹介して欲しかった。
・約2時間の番組は、散漫な感じで長いと感じた。
「体力測定」のコーナーは、よくわからなかっ
た。
・強弱がついた構成で、担当記者たちが「勝手に」県内アスリートたちを表彰したり、適したスポ
ーツを科学的に見つけるための「体力測定」をしたり、楽しめる構成で、全体としてまとまりはよ
かったと思える。
などの意見が出た。
第 539 回番組審議会
第 539 回番組審議会は、2019 年 7 月 10 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2019 年 5 月 28 日(火)19 時 00 分〜19 時 55 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 石川 由香里 柴田 守 大川 綾 近久 宏志 山﨑 健 内田 輝美
以上 8 名
放送事業者側の出席は 12 名
骨肉腫の少女の学生生活、
脚の切断や病気の再発など闘病の姿を追った番組について、
番組ディレク
ターの角亮史は審議の中で「少女と 4 年前に出会い、取材をスタートした。少女は自分の姿を通じ
て、見ている人に勇気を与えたいと話していた」と取材の経緯を説明。番組プロデューサーで編成局
の佐藤博之はこの番組が 2 年前に九州・沖縄の系列局との共同制作番組「ドキュメンタリー九州」で
放送した同名番組の続編で、今回は FNS ドキュメンタリー大賞のエントリー作品であると述べた。
(委員からの主な意見)
「笑って進むよ」(2019 年 5 月 28 日(火)放送)について
・脱毛など隠すことなく撮影に応じていて、少女がよく頑張っているなぁと思った。
・前作の「ドキュメント九州」と比べ、分かりにくい表現がなくなり、洗練された印象があった。
・少女を見守る家族や友人、知人、義足の製作者の思いまで、継続的で丁寧な取材が行われていた。
・再発の恐怖の中で生きる姿を淡々と、しかし、力強くとらえていた。ただ、病気と闘いながら揺れ
動く少女の心をもう少し表現して欲しかった。
・多感な頃の姿を追いかけていて、本人や家族など周りの本当の気持ちはどうだったのか。前向きな
発言があ
ったが、どこまで本心だったのか。心の負担があったのではないか、気になった。
・がん経験者からすると、自分の病状と重ね合わせてしまい、心苦しさも感じた。
・女優・西田尚美さんのナレーションは落ち着いていて理想的であった。
・私たちが共生する社会は、障害者や闘病中の人など多様な人のためにあるのだろうか。マイノリテ
ィの人たちとどのように共生していくのか、考えさせられた。
・ただでさえデリケートな問題。多感な時期でこれから少女自身の気持ちの変化もあるだろう。病気
も大変な状況で、
取材者との関係も変化していくだろう。
視聴者として今後も少女が大人になり生活
する姿を見てみたい、という気持ちもある。しかし、少女の気持ちを最優先に・・・制作側の「作りた
い」との思いもわかるが、
「見守る」あるいは「引く(取材を控える)
」ということもあっていい。
などの意見が出た。
第 540 回番組審議会
第 540 回番組審議会は、2019 年 9 月 11 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2019 年 8 月 9 日(金)9 時 55 分〜11 時 25 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 大川 綾 近久 宏志 山﨑 健 内田 輝美 以上 6 名
(順不同・敬称略)
石川 由香里 柴田 守 以上 2 名
放送事業者側の出席は 12 名
審議番組「被爆74周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典〜伝えたいナガサキ〜」は、長崎原爆の
日(8 月 9 日)に平和祈念式典にあわせて放送された。番組は 2 部構成で、前半はカトリック浦上
教会の信徒である被爆者を中心に、秋に予定されているローマ法王の長崎訪問に期待する思いを描
いたミニドキュメンタリー。後半は平和祈念式典の生中継で、番組ディレクターで報道部の本田舞
は「式典は長崎にとって特別なもの。会場に来られない人のためにも、ありのままを伝えようと制
作した」と説明した。
(委員からの主な意見)
「被爆74周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典〜伝えたいナガサキ〜」(2019 年 8 月 9 日(金)放
送)について
・全体的にはよくまとまっており、番組名にふさわしい厳かなものであった。
・ミニドキュメンタリーはバランスよくコンパクトでよかった。
・式典中継のゲストの被爆者の話と、式典の司会者の声が重なり、とても気になった。式典の進行
を綿密に調べることで解決できたのではないかと残念。
・ゲストの被爆者など、経験した人しか語れないセリフがあり、生の言葉の強さを感じた。
・実際に式典に参列したが、被爆者による「平和への誓い」の後、会場では拍手が巻き起こり、そ
の余韻には重いものがあった。しかし、番組ではアナウンサーの語りが入り、その余韻が台無しに
なってしまったと思った。
・この 1 年で亡くなった人のエピソードを追う VTR があり、そのコメントで故人を思い出した。
丁寧に紹介されていてよかった。
・89 分の時間を取って原爆・平和に関する特別番組を放送し続けていることを評価したい。視聴者
に改めて戦争、原爆、平和を考えさせる機会になっている。
・被爆の記憶の継承のためにも、繰り返しを恐れずに残すもの、伝えるものをどんどんやっていく
という姿勢が必要だ。
・番組編成の都合で、式典の途中で番組が終了してしまう。なぜ式典を最後まで中継しないのか、
「尻切れトンボ」
「中途半端」の感があり、残念だった。
などの意見が出た。
第 541 回番組審議会
第 541 回番組審議会は、2019 年 10 月 9 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2019 年 8 月 20 日(火)19 時 00 分〜19 時 54 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 石川 由香里 柴田 守 大川 綾 近久 宏志 山﨑 健 内田 輝美
以上 8 名
放送事業者側の出席は 8 名
審議番組「海を渡った屏風の謎〜出島絵師。川原慶賀〜」は、KTN開局 50 周年記念として制作。
番組では、2018 年にオランダで発見された屏風絵「長崎湾の出島の風景」
(川原慶賀作)について、
描かれた経緯や背景を海外取材を交えながら追った。
審議の冒頭、
制作を担当した取締役の大浦勝は
「歴史ある長崎の知らない世界を掘り起こすのもKTNの使命ではないかと考え、
取り組んだ」
と番
組の制作意図を述べた。
(委員からの主な意見)
KTN開局 50 周年記念「海を渡った屏風絵〜出島絵師・川原慶賀〜」
(2019 年 8 月 20 日(火)放送)
について
・非常に面白く、質の高い番組に仕上がっていた。冒頭から惹きつけられ、最後までワクワクしなが
ら見ることができた。
・その時代に思いを馳せることができる、
当時の生活のリズムや空気や風景やにおいも感じられるよ
うで楽しかった。
・屏風絵について、日本人やオランダ人、朝鮮人が描かれていることや日本画の画法とあわせて西洋
の手法も取り入れていること、
描かれた船の入港の記録から屏風の制作時期を特定するなど、
的確で
詳細な解説がよかった。・「八曲一隻」
(8 枚から成る)の屏風の裏打ちに、江戸時代の大福帳の古紙が再利用されていたこと
など、とても興味深かった。京都からいらした修復士の話をもう少し詳しく聞きたかった。
・歴史に詳しくない人でも興味を惹きつける番組ではなかったか。一方で、
番組内で使っている時代
用語は誰もが知っている、
という前提でよかったのだろうか。
たとえば
「絵師」
という職業について、
誰でも知っているのか、
どこから説明しなければいけないのか、
など番組を見る人たちの
「共通認識」
はどのあたりか、気になった。
・川原慶賀の人物像について、緻密で人懐っこさを描いていたのに、番組最終盤で「豪胆な人だった
らしい」というインタビューが出てきて、
「あれ?」と思った。
・地元劇団による再現ドラマが挿入されていたのが、理解の助けになりよかった。ただ、ドラマは推
測部分なので、断定するイメージにつながることには注意した方がよいと思った。
・映像が美しく、海外の街の様子なども良かった。
・住宅メーカーの「提供番組」だが、途中のCMも美しく、本編の番組を邪魔せず好感を持った。
・ぜひ、屏風絵が長崎に「里帰り」し、展覧会を開催してほしいと思った。
・テレビ局が長年培ってきた、円熟した力が発揮されており、取材力・見せ方など非常に優れた番組
だった。
などの意見が出た。
第 542 回番組審議会
第 542 回番組審議会は、2019 年 11 月 13 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2019 年 9 月 7 日(土)15 時 55 分〜16 時 25 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 石川 由香里 柴田 守 大川 綾 山﨑 健 内田 輝美 以上 7 名
(順不同・敬称略)
近久 宏志 以上 1 名
放送事業者側の出席は 10 名
審議番組「ドキュメント九州 島を駆ける 8 人のサッカー部」は、県立宇久高校(佐世保市)で部
員不足のため 8 人で試合に挑むチームを 1 年にわたり追いかけたもの。過疎化で少子化が進む「し
ま」の現状や親子のつながり、島から社会へと巣立つ青春を描いた。
番組プロデューサーの大石久貴は「去年の県高総体(インターハイ予選)で注目し、継続取材した」
と制作過程を説明。初めてドキュメンタリー制作に取り組んだディレクター・松永悠作は「8 人しか
いないのに勝てるのか?勝つために頑張れる原動力は何か、
と知りたくて取材を進めた。
反省すべき
点は多いが、
これからも良い番組を作れるようにこの経験や審議会での意見を活かしていきたい」と述べた。
(委員からの主な意見)
「ドキュメント九州 島を駆ける 8 人のサッカー部」
(2019 年 9 月 7 日(土)放送)について
・思春期の揺れる思い、スポーツに一生懸命になる爽やかさが伝わり、感動する部分もあった。
・全体的には淡々と事実を紹介していて、平板という印象。伝えたいものは何だったのか、本質的な
ところを描ききれておらず、
物足りなさを感じた。
島の厳しい現実や後継者不足などを取り上げるの
に「30 分」という番組時間は短い。
・部員不足は宇久高校だけのことではない。なぜ、
「宇久高校の」、「サッカー部の」
、彼らを取材した
のか。もっと、地域性、背景、登場人物を描けていればよかった。
・高齢化や若者の流出が進んでいる状況は、
「地方の縮図」を見ているようだった。
・番組の随所に出てくる海のマリンブルー、
空のスカイブルーが素晴らしく、明るいイメージを受け
た。
「テレビの力」は存分に発揮されていた。
・市町村合併で町役場がなくなり、部員の父が本土に単身赴任、という「しま」の描き方はうまいと
思った。一方で、宇久高校の部活動はかつて全国レベルの活躍をしたこともあり、そのあたりの取材
が足りなかった。・課題だけが投げられていて、
それだけで終わると弱い。
見ている側に
「どこでも起こっているよね」
と思わせてしまうのは残念。どういうストーリーを描くのか、もっと考える必要がある。
などの意見が出た。
第 543 回番組審議会
第 543 回番組審議会は、2020 年 1 月 8 日 ホテルニュー長崎で開催され、下記番組について審議し
た。
放送日時 2019 年 11 月 2 日(土)15 時 30 分〜16 時 25 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 柴田 守 近久 宏志 大川 綾 山﨑 健 内田 輝美 以上 7 名
(順不同・敬称略)
石川 由香里 以上 1 名
放送事業者側の出席は 10 名
審議番組「栄光の地ローマ〜フランシスコ法王からのメッセージ〜」は、2019 年 11 月にローマ教皇
フランシスコが長崎を訪問するのにあわせて制作。カトリック教会やローマと「長崎」とのつながり
を、
バチカンや日本国内に残る貴重な史料に触れながらまとめたほか、
教皇の独占インタビューを盛
り込んだ。
番組制作を担当した東島尚志(KTNソサエティ常務取締役)は、38 年前のヨハネ・パウロ二世の
長崎訪問でも番組に関わった経験を持つ。東島は、番組審議会の冒頭、
「県民のみなさんに情報を届
け、訪問を歓迎する機運を醸成できれば」と 1 年をかけて準備を進めたと話した。また、教皇の独占
取材は日程が決まらず
「やきもき」
したが、
結局は与えられた持ち時間を超え、
核兵器廃絶や殉教地・
長崎への思いを聞くことができたと取材のエピソードを振り返った。
なお、ローマ教皇の呼称については、外務省が今回の来日(2019 年 11 月 23 日〜)をもって「法
王」から「教皇」へと変更した。これにあわせ、KTNテレビ長崎でも「教皇」を使用し始めた。し
かし、本番組は変更前の 11 月 2 日に放送したため全編を通して、
「法王」の呼称を使用している。
(委員からの主な意見)
「栄光の地ローマ〜フランシスコ法王からのメッセージ〜」
(2019 年 11 月 2 日(土)放送)について
・アジアへの宣教を命じた部屋などが残っている、ということは初めて知った。
面白いと単純に思っ
た。
・長崎の信者が、山に 3 度登るとローマに 1 度詣でたことになると憧れたエピソードなど長崎とロ
ーマとのつながりが、興味深かった。
・長崎とキリスト教との関係がコンパクトにまとまっていた。
・ローマ教皇フランシスコのインタビューは、取材ができただけでも、とても価値がある。教皇がカ
メラマンにも握手を求めるなどチャーミングな人柄も撮影できていて、親近感が沸いた。一方で、核
兵器廃絶など世界の問題を語るときの憂いを帯びた表情は胸に響いた。
・教皇の取材は苦労したと思う。高い取材力・構成力に基づいて制作された番組だと思う。
・潜伏キリシタンの子孫や被爆した信者など、長崎の人の思いをもう少し紹介してもよかった。
・教皇の来日は「殉教地」と「被爆地」としての長崎、という 2 つの視点があった。殉教地としては
きめ細かな内容だったが、
「被爆地・長崎」としての視点については弱く、誤認を与える恐れのある
内容もあった。
・特定の宗教を取り上げるのはどうか、と懸念したが、抑制のきいた内容だった。
・教皇の訪日前に放送していて、県民の盛り上がりをもたらす一助になったと評価する。
・タイトルの「栄光の地ローマ」の意味がなかなかわからず、違和感もあった。番組の核は「これ」
だとわかるタイトルの方が視聴者は興味がわくと思う。
などの意見が出た。
第 544 回番組審議会
第 544 回番組審議会は、2020 年 2 月 12 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2019 年 12 月 27 日(金)16 時 50 分〜18 時 30 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 柴田 守 近久 宏志 大川 綾 山﨑 健 内田 輝美 以上 7 名
(順不同・敬称略)
石川 由香里 以上 1 名
放送事業者側の出席は 10 名
審議番組『KTN Live News it! 令和元年スペシャル』は、ローカルニュースの 2019 年の総まとめと
して放送された。放送日である 12 月 27 日は『Live News it!』レギュラー放送が年内最終日にあた
り、午後 5 時台の全国ニュースをローカル放送に差し替えて番組を制作・編成した。
審議会の冒頭、番組ディレクターの疋田涼(報道部)は、
「今年何があったのか、とあわせて、年末
の今、どうなっているのか」をコンセプトに制作したと説明した。番組では「新幹線開業」
「東京五
輪・パラリンピック」
「石木ダム」
「日韓関係(対馬からの報告)」「ローマ教皇の長崎訪問」をメーン
に構成。2019 年から始めたインターネットのニュース配信サイトでのアクセス数を参考に、興味・
関心が高かったニュースもランキングで紹介した。
「KTN Live News it! 令和元年スペシャル」
(2019 年 12 月 27 日(金)放送)について
・新幹線問題など知っているようで知らないことを取り上げていたと思う。
・新幹線駅の工事が進む長崎駅を、
ドローンを使って上空から中継したのは全体像が分かってよかっ
た。一気に興味を引いた。再開発を立体的に具体的に見せていて、これはテレビの強みでもある。
・石木ダムや対馬の現状については取材で得たことを分かりやすくまとめていた。
・インターネットでのニュースアクセスランキングは、斬新だと思った。しかし、不祥事など暗いニ
ュースが多かった。
実社会とネットでの関心は異なると考えられ、
ネットのアクセスランキングは注
意して取り扱うべきだろう。
・番組全体として、テンポもよく、リズムもよく、分かりやすく、構成も良かった。単調にならない
ように工夫していると思った。
・番組は、ローカルの差し替えで「特番」をして、
「全国ニュース」、「きょうのローカルニュース」、再び「特番」となっていて、頭の切り替えがしにくかった。
・夕方の放送では、腰を据えて見られず、長時間番組でもあったので、各項目の細かな放送時間をラ
インナップで紹介してほしかった。
・キャスターのコメントについて、その人間性や親しみやすさを感じさせる。特にローカルだからこ
そ、できる親しみやすさの演出があると思う。それだけに、厳しい(一方的な)コメントは受け手側
のことも十分に考えて発せられるべきで、番組内にそのようなコメントがあった。
・2019 年を記録するには足りないところがあった。具体的には大きな選挙 2 つ(統一選と参院選)、消費増税(8%から 10%へ)
、諫早湾干拓、カネミ油症問題、V・ファーレン社長交代など。元号の変
わり目、時代変わりに「時代性」をどう取り上げるか、継続している地域の問題にローカル局がどう
向き合うかについて課題を残した。
・それぞれの事案について、中・長期にどうなのか、そういう取材も必要だったのではないか。もっ
と深く掘れた(深く取材できた)のではないか。大きな転換期を迎えたといえる 1 年のまとめ番組と
しては、項目が多すぎた。
・石木ダム(時代変化の中でダムの必要の是非)
、自然災害などにおいて、今までの常識やルールは
何だったのかという非常に有意義で大事な問題提起をしていた。
などの意見が出た。
第 545 回番組審議会
第 545 回番組審議会は、2020 年 3 月 11 日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。
放送日時 2020 年 2 月 22 日(土)15 時 25 分〜15 時 55 分
(順不同・敬称略)
菊森 淳文 田崎 智博 柴田 守 石川 由香里 近久 宏志 大川 綾 山﨑 健
内田 輝美 以上 8 名
放送事業者側の出席は 10 名
審議番組『ドキュメント九州 gift 〜写真を残す〜』は、九州・沖縄のフジテレビ系列で放送する『ド
キュメント九州』の本年度 KTN では 3 作目として制作・放送した。雲仙市で写真館を営むカメラマ
ンの男性が、遺影での使用も視野に入れた「いい写真」を撮る活動を追ったもので、
「終活」や「生
前遺影」
をテーマに描かれた。
番組のタイトルにもなった
「ギフト」
は活動名であり、
審議会の中で、
番組ディレクターの山口史乃は
「その方が亡くなった後も、
その人らしい写真を残すのは家族へのギ
フトになると思う」
と説明。
山口ディレクターは
「いかに死ぬか、
など大きなことを言うのではなく、
この番組では写真が『生きた証』になると思いますよ、というメッセージが伝われば」と制作趣旨を
述べた。
(委員からの主な意見)
「ドキュメント九州 gift 〜写真を残す〜」
(2020 年 2 月 22 日(土)放送)について
・全体的には上手にまとめてあったが、あまりにもさらっとしていて人間くささがない、平板で物足
りない印象を受けた。・「終活」
「人物」
「生前遺影」・・・何を中心にしたいのか、焦点がぼやけていた。
・気負わず、淡々と描いているのは良かったとも思う。・「ギフト」は、
「終活」を前向きに捉えられるいい取り組みだと思うが、生前遺影は既によく知られ
た話で、なぜ、いま、これを取り上げたのか、番組内では根拠が薄かった。
・主人公がスマートすぎて、インタビューなどでも熱い思いを引き出しきれておらず、心に響くもの
がなかった。
・情報としては受けとめるが、見たいのはそこじゃないし、見せたいのはそこではないだろう、とい
う思いを持った。
・夢をかなえて、地元に U ターンして個性を生かした仕事をしている、などもっとさまざまな切り
口があったのではないか。
・ドラマ性や人物、ストーリーへの共感がないと、番組はただの宣伝番組のようにも見えてしまうの
で注意しなければならない。
・取材したものをそのまま番組にした、という感じで、もっと深く、もっと取材力を養って取り組む
ことを期待したい。
などの意見が出た。

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