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番組審議会報告

ホーム 番組審議会報告 第589回番組審議会 2024年7月10日

第589回番組審議会 2024年7月10日

第589回番組審議会は、2024年7月10日にテレビ長崎本社で開催され、下記の番組について審議を行った。

審議議題番組 私たち、転校しました〜日本一15回のバレー部
2024年5月28日(火) 19時00分〜19時54分放送

出席委員(順不同・敬称略)

田崎 智博
内田 輝美
近久 宏志
前田 徹
藤岡 良規
河村 有教
北村 由香
樋口 聡子
以上 8名

欠席委員(順不同・敬称略)

なし

審議の概要

(注記)この番組は、2023年9月に30分番組を制作、その後、新たな取材映像やインタビューを加え、再構成した番組。

  • 女子高生が、バレーボールを通して成長していく姿を、ドキュメントとして作るという点では、とても良かった。やはり前回の30分では見せられないところがあったと思うので、前回より、大崎高校の部分とか、地域の人たちのことがたくさん入っていて、また、大学生になった彼女たちことが織り込まれていて、とても素敵な感じで、爽やかさもある番組になったと、全体としてはいいと思っている。たくさんの地域の人たちからの応援とか、いろいろあったのが描かれていてよかったのと、最後に、大学生になった彼女たちが、「西海市にいつか戻りたい」みたいな形で言ってくれていたこと、それを映して番組に加えることができたことは、まち起こしという点からもとてもよかったのではないか。
  • 大げさな表現を使わずとも、選手たちが監督を慕っているということが、言葉の端々から伝わってきた点がよかった。地域の人たちとの交流や、大崎高校野球部の件を紹介することで、部活動による地域活性化という面をうまく伝えている点もよかった。
  • 何で九州文化学園のバレー部が廃部になったのだろうとか、定年退職とともに監督が異動しないといけないのかという、いわゆる大人の事情という部分が非常に見ていて引っかかったが、1時間見て終わると、それはそれで置いておいて、事実、彼女たちがバレーに打ち込んでいるという事実を淡々と、うまくドキュメントとしてまとめた番組だったと思う。今回よかったのが、30分番組と比べたときに、地域の人たちの思いだとか、彼女たちが地域のイベントに参加している姿、これが入っていたのがよかったですし、よく取材を受けてくれたと思ったのは、九州文化学園の理事長さん、あそこは取材の賜物ではないかと思っている。
    やはり引っかかるのが、監督が言っている「真実(こころ)」のバレーって、「真実(こころ)」のバレーの神髄というのが何なのかなというのが非常に気になっていて、車で移動するときに、今回の主役3人が乗っていて、井上監督についていこうと思った一番の理由は、という問いに対して、先生が西彼杵高校に行くと聞いたときに、自分たちのことを第一に考えてくれていると感じたという答えを言っているが、あまり答えになっていない答えというか、そこが一番引っかかっている。ここも「真実(こころ)」のバレーにつながって、人として成長できるとかいうところだと思うが、そこが結局「真実(こころ)」のバレーに最後は行きつくところなので、そこにもうちょっとこだわってほしかったと思う。「真実(こころ)」のバレーって、多分教えられるのが、試合ではなくて練習のところだと思う。練習とか普段の生活。普段の生活については、寮生活とか学校生活のシーンは多かったが、日常の練習風景があまりにも少なかった。そこで先生がどのような指導をしていて、彼女たちがどのような練習をしているのか、というところが、多分「真実(こころ)」のバレーにもつながってくるので、そこをもうちょっと深堀りして映すことができれば、一番よかったのではないか。
  • 生徒視点がいいという、番組のつくり方に関して、そこの部分がより鮮明になっていて、生徒たちの爽やかさとか、ひたむきさ、そういった印象は変わらずに、より純粋さが増していて、そこに、前回は、なかった、いろいろな周りを取り巻く大人の方々のインタビューが入っていたことで、大人の事情みたいなものも反面浮かび上がるところもあり、ある種の問題意識もある番組に仕上がったのではないか、というふうに視聴した。
  • 基本的には、高校生の青春ストーリーを軸にして、爽やかさを維持しつつも、この転校劇に関わる大人の言葉を聞くと、やはり何かおかしいよねということに引き戻されていく、この感覚が絶妙だなという気がして、単に美談だけにまとめず、どこまで意図されたかはわからないが、見る人が見ると、やはりこの転校って何かおかしくないという問題意識も残る作り、その塩梅が絶妙で、おそらく言えるところぎりぎりを狙われたのかなというところで、すごくそこはお見事だなと思った。視聴者が番組にうまく引き込まれるという感じだと思った。
    放送時間についても、平日の午後7時からで、とても見やすい時間、こういった時間帯にこういう番組をもっと見たいなと感じた。本当にいい番組を見せていただいたと思っている。
  • 30分では窮屈だったのではないか、ということを去年の秋にも申し上げた気がする。
    それが今回60分になって、生徒たちの心情にしても、地域の温かい視線にしても、より分厚く、丁寧に描かれていたという印象を受けた。それから、特に、地域の皆さんの表情とかが増えたことで、この番組がスポーツと地域の幸せな形とか、幸せな可能性であるとかということを実はよく示している、発端は発端として、そういう幸せの可能性を示している事案なのだということが、よく表現できていたと思う。
    いろいろな事情はありながら、若い人達が一つの大きな目標に向かってひたむきに努力するというのは、いろいろあれこれ言わずに、それだけで美しいというのは、二度見ても美しいとやはり思った。
  • 今回の番組で良かったのは、それぞれの立場(選手、保護者、先生、地域の方々)で語られる言葉が、とてもキラキラして、偽りがなく、大袈裟に飾られることのないものだったこと。
    地域活性化というキーワードで切り取ったことも、良かったと思う。専門家やそれぞれの立場のコメントを挟み込んだことも良かったと思う。
    行政側(西海市)と、子どもたちの思いは、同じ方向を見ているとは思いませんが、これからの「地域活性化」の参考になり得るかもしれない...との希望は、この番組が提示してくれたのではないか。
    19時からの放送ということで、幅広い世代の方が視聴したと思う。彼女たちの思い、送り出す側(九州文化学園)の思い、受け入れた側(学校や地域)の思いが、誇張されることなく、番組中に溢れていて素晴らしかった。
  • 最高の素材に、最高の番組づくり。とても見応えのあるいい番組だった。監督が65歳をきっかけに学校を移る、彼女たちは、監督を慕いそれについていく、西海市が歓迎する、彼女達は地域の人たちに深く感謝し結果で応えようと奮闘する、その時系列と心の動きがとてもわかりやすく、ドラマチックに番組が展開した。
    様々なキーワードに、大変勉強させられた。「バレーだけじゃ無い。人として成長する。」、「当たり前だったことは、決して当たり前ではなく、周囲の協力があってこそのもの」、この2つのフレーズは、全ての人が根底に持ちながら生きるべきなのではないかと思う。
    生き方の教訓をくれるテレビ番組は多数あるが、地元の身近なコンテンツでのそういう教えは番組を視聴する子どもたちには、よりリアルに響くだろうし、人を導く立場の人にとっても、スポーツや仕事から何を学ぶのか?という、教育のその先のもっと大切なものへの気づきに繋がるものだと感じた。この番組に教えられることは多かった。
  • 各選手、指導者の監督、学校の近くに住む地域の人々のコメントや西海市市長(行政)、九州文化学園理事長等のコメントも所々に入れられていた点も、それぞれが西彼杵高校バレー部に対してどのような思いを持っているのか、視聴者にもそれぞれの思いが伝わる制作者側の配慮ある構成のように思った。
    卒業し、大学に進学し、大学バレー部で活躍している3名の西彼杵高校のバレー部についての振り返りのコメントは、視聴者の一人として大変興味を持ちながら視聴した。ただ、監督の目にみえないところを大事にする「真実(こころ)のバレー」の神髄とは何か、本番組で描ききれたのか(視聴者に伝わったのか)といえば、少々疑問に思われる。欲を言えば、「真実(こころ)のバレー」の神髄について浮彫化するような、もうひとさじ、「塩、コショウ」が必要のように思った。

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