Action to Zero led by Japan and UAE 岸田総理スピーチ

内閣総理大臣の岸田文雄です。COP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)が開催されているここドバイの地で、世界全体でのネット・ゼロ実現に向けて、日本の技術が大きく貢献できることを紹介できますこと、大変うれしく思っています。Action to Zero。このイベントのタイトルが、この場にいる我々の強い決意を示しているのだと思っています。
本年7月に、私はUAE(アラブ首長国連邦)を訪問し、日本の技術も活用して中東地域を脱炭素のグローバル・ハブとする構想や、先端技術分野での協力の枠組みを、ムハンマド大統領と共に立ち上げました。今日、その具体的な成果として、日本企業と、そしてUAE企業との間で、MOUが締結されたことを改めてうれしく思っています。
私は、G7広島サミットの議長として、経済成長とエネルギー安全保障を確保しながら、各国の事情に応じた多様な道筋の下で、全ての国がネット・ゼロという共通の目的を目指すことを確認いたしました。日本は、脱炭素という変化を力に変えていきます。そして、その力で、残された大きな2つの課題、すなわち、産業の脱炭素化と成長を続けるアジアの脱炭素化、この二つに挑戦してまいります。
先日、マーク・カーニーGFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)共同議長と日本でお会いする機会がありました。GFANZとの連携も含めて、日本は、世界の産業脱炭素化をリードしてまいります。
来年から、国際認証を受けたGX(グリーン・トランスフォーメーション)経済移行債の発行を開始いたします。世界初の国としてのトランジションボンドであるGX経済移行債は、産業界やアジアにおける同様の取組の呼び水になることが期待されます。2050年までの4,000兆円とも言われるアジアのGX投資に、世界の資金を集めていくきっかけとしていきます。アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想を通じて、プロジェクトを伴う具体的な形で貢献してまいりたいと考えています。COPからAZECへ。今月中旬には、東京で、初めてのAZEC首脳会談を開催いたします。
Action to Zero。課題解決力を成長のエンジンに。脱炭素は日本にとって成長のチャンスであると思っています。日本の金融力・技術力をフル活用して、アジアや中東の各国とも協力しながら、共に脱炭素と経済成長を実現してまいります。本日は誠にありがとうございました。

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