経済財政諮問会議
令和6年5月23日、岸田総理は、総理大臣官邸で令和6年第6回経済財政諮問会議を開催しました。
会議では、中長期の重点課題のうち、生涯活躍と少子化への対応及び社会保障の強靱(きょうじん)化について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「人口減少が加速する中でも、豊かさと幸せを実感できる持続可能な経済社会を実現していくためには、生産性の向上、労働参加の拡大、出生率の引上げを通じて、人口減少による成長の下押しを克服していくことが必要不可欠です。あわせて、国民が成長の恩恵を実感できるよう、全世代型の社会保障制度の構築や成長と分配の好循環の実現を通じて、誰もが活躍できるウェルビーイングの高い社会を実現していかなければなりません。
このため、こども未来戦略に基づき、少子化対策を抜本的に強化するとともに、子供や子育て世帯を社会全体で支える気運の醸成を図ってまいります。男女、若者・高齢者を問わず、誰もが希望に応じて働き続けられるよう、不本意非正規の解消や、男女間賃金格差の是正、いわゆる『年収の壁』への対応、全世代を対象としたリ・スキリングの強化に向けた必要な方策を、骨太方針に盛り込んでまいります。
また、社会保障が、成長と分配の好循環を支える柱として機能していくには、これまでと同様、社会保障給付費対GDP(国内総生産)比の上昇基調に対する改革に取り組み、効率的で強靱な社会保障制度を構築していくことが重要です。
医療DX(デジタル・トランスフォーメーション)や社会保障分野でのイノベーションの創出に向けた取組を進めるとともに、地域医療構想や一人当たり医療費の地域差半減など医療費・介護費の適正化に向けた改革を前進させていきます。
具体的には、政府を挙げて、医療DXを推進します。電子カルテの導入や標準化、全国医療プラットフォームの構築、医療情報の二次利用に向けた環境整備等を進めるとともに、薬価制度において費用対効果の高い革新的新薬への重点化を図ります。
19日には山形県の地域医療連携推進法人を視察しましたが、地域医療構想について、国民目線に立ってかかりつけ医機能が発揮される制度整備を進めつつ、地域の医療提供体制が効率的で質の高いものとなるよう、都道府県の責務の明確化を含め、実効的な仕組みを構築いたします。偏在是正のため、効果的な手法のベストミックスを検討いたします。
医療費適正化と持続可能な保険制度の運営に向けて、保険者等の取組を強化します。国保については、都道府県内保険料水準の統一を徹底し、都道府県のガバナンス強化を柱に、保険者機能の強化等を進めてまいります。
新藤大臣、武見大臣、加藤大臣においては、本日の議論も踏まえて、骨太方針に向けた施策の具体化を進めてください。」