LNGバンカー船の柔軟な定係地確保に向けて 〜LNGバンカー船の停泊時の基準について案を取りまとめ〜

発表日

令和7年10月29日

概要

海上保安庁は、LNGバンカー船が定係地の岸壁に停泊する場合の基準((注記))について、関係官庁及び関係団体で構成される第二回調査研究委員会を開催した結果、安全性を低下させず、基準(立入禁止区域・火気使用制限区域)の見直しが可能である旨の結論を得たことを踏まえ、見直し案を取りまとめました。

((注記))LNGバンカー船が定係地の岸壁に停泊する場合の基準
LNGバンカー船が停泊許容量(注記)1を超えて定係地の岸壁に停泊する場合の安全対策(注記)2として、立入禁止区域や火気使用制限区域の設定、消防設備等の設置及び安全管理体制の確保等に関する基準を定めています。

(注記)1 港則法で定める危険物を積載した船舶が特定港において停泊する場合、積載している危険物の量について、岸壁ごとに定める停泊許容量を遵守する必要があります。

(注記)2 停泊許容量を超えた量を積載している場合には、必要な安全対策等を遵守することで停泊を認めています。

本文

1.見直しの背景

船舶の低・脱炭素化に向けてLNG燃料船の導入が進む中、LNGバンカー船(燃料供給船)が今後増えることが見込まれています。
LNGバンカー船が定係地の岸壁に停泊する場合の各種安全対策については、令和3年度に取りまとめられた基準を遵守するよう指導してきたところですが、「LNGバンカー船の周囲30メートル以上の範囲に物理的障壁によって立入禁止区域並びに火気使用制限区域を設定する」ことが、定係地の確保をする上で支障となっており、関係業界から見直しの要望が出されているところです。
そのため、安全性を低下させないことを前提に、見直しの可否を検討するための調査研究委員会を開催しました。

2.検討の手法及び結論

従来、危険物に関する規制等のあり方については、取り扱われる当該危険物の量、性状や危険の程度に主眼を置いて検討してまいりましたが、第二回調査研究委員会において、LNGバンカー船のタンク自体の信頼性や安全性に着目して検討を行った結果、停泊中のLNGバンカー船においては「LNGが漏洩・漏出する事態は想定する必要がない」との結論を得ました。

3.見直し案の内容

委員会での結論を踏まえた見直し案の内容は次のとおりです。

(1)「火気使用制限区域」の設定は要しない

LNGの危険性を考慮し、LNGバンカー船の周囲30メートルに「火気使用制限区域」を設けるよう指導してまいりましたが、今後、当該区域の設定は要しないこととし、付近での喫煙や火気の使用について注意喚起を行うことで足りるものとしました。

(2)「周囲30メートル以上の立入禁止区域」の設定まで要しない

火気使用制限区域(周囲30メートル)が適切に設けられるように、LNGバンカー船の周囲30メートル以上の範囲に物理的障壁によって立入禁止区域を設定するよう指導してまいりましたが、上記(1)に伴い、立入禁止区域の範囲については、「一般人の出入状況などの岸壁環境を考慮の上、LNGバンカー船への部外者の接近・侵入防止のために必要と判断する範囲(方法は任意)」で足りるものとしました。

4.今後について

上記見直し案の内容について、現在、パブリックコメントの募集を行っています。募集結果を考慮し、令和7年12月頃を目途にLNGバンカー船の停泊における基準を改定する予定です。
また、本年12月頃を予定している第三回調査研究委員会では、新たに、LNG以外のメタノールやアンモニアを積載したバンカー船が定係地の岸壁に停泊する場合の安全対策について検討します。

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