2023年4月20日
日本原燃株式会社
再処理事業所構内(管理区域外)における
車両からの火災の発生について(原因と対策)
2023年1月28日に発生しました、再処理事業所構内(管理区域外)における消防車両からの火災の発生について、今般、原因と対策を取りまとめました。
【原因】
車両メーカーによる調査の結果を踏まえ、火災の原因は、エンジンヘッドカバー下部のシール部から漏れ出したエンジンオイルが、高温の排ガスラインに触れて発火し、周辺の可燃性の部材等に延焼したものと推定しました。
エンジンヘッドカバーからオイルが漏れ出した原因は、ブローバイガス還元装置※(注記)1内で、ブローバイガスに含まれる水分が結露・凍結したことで、ガス経路が閉塞し、エンジン内部圧力が上昇したためと推定しています。
ブローバイガス還元装置内に結露し溜まった水分は、十分な暖機運転をすることで蒸発するものですが、当該消防車の使用状況は、毎日のエンジン始動確認による短時間の起動のみで、ほとんど走行しておらず、このようなエンジン負荷の軽い運転では、本来蒸発するはずの水分が蒸発しなかったものと推定しています。
車両メーカーによると、ブローバイガス還元装置内の凍結によるエンジンオイルの漏れは、寒冷地では前例があったものの、火災まで至った事象は確認されていないとのことです。
その他の車両系統(電気系、燃料系、排気系、ブレーキ系)に、異常はありませんでした。
- ※(注記)1:ピストンの隙間から漏れ出た未燃焼ガス、エンジンオイルのミストおよび空気を含んだガス(ブローバイガス)からエンジンオイルを分離しエンジン内に戻す装置
【再発防止対策】
上記の発生原因を踏まえ、当社で保有する消防車に対して、以下の対策を実施します。
- 毎日始動確認を行う消防車は、運転手常駐のもと十分な暖機運転を行うとともに、冬季(11月〜3月)は、週に1回、30分程度の走行を行い、ブローバイガス還元装置内に水分が残らないようにします。
- 冬季は、ブローバイガス還元装置内の水分の有無の目視確認を月に1回※(注記)2行います。目視確認の結果、水分の混入が確認された場合は、暖機運転の時間および走行時間・頻度の見直し等を検討します。
- ※(注記)2:3ヶ月に1回の車両の法定点検頻度を参考に、それより高い頻度を設定
<添付資料>
<本件に関するお知らせ済み内容>
以上