平成29年度第2回保安検査(再処理施設)における指摘事項に係る事業者対応方針

1資料 1
(2017 年 10 月 30 日改定)
平成 29 年度第 2 回保安検査(再処理施設)における
指摘事項に係る事業者対応方針
しろまる改定にあたって
平成 29 年度第 2 回保安検査(再処理施設)における指摘事項に係る事業者対応方
針(資料 1)を 9 月 26 日に提出し、その後、設備を管理下に置くための活動を実施し
ていく中で、より抜けなく合理的な方法を検討してきた。
その結果、設備を管理下に置く活動は、これまで安全上重要な設備を優先して 10
月末までに、安全上重要な設備以外の設備を 12 月末までに実施する方針としていた
が、
現場にある全ての設備を抜けなく確認するため設備を区分することなく部屋単位、
エリア単位で網羅的に確認していく方針に変更する。また、設備を継続的に維持・管
理するために、設備を管理下に置く活動は、以下に示す STEP1〜3 に区分して本活動
を段階的に実施していくこととし、設備を全て把握し、その設備の状態が把握できた
段階(STEP1)が、設備が維持管理された状態の第一段階であると考える。STEP2,3
については、継続してしゅん工までに実施することとし、設備の健全性を継続的に維
持するとともに保守管理を実施していく。
STEP1:設備を全て把握し、設備の状態を確認するとともに保守管理計画がある
かどうかを確認する。
STEP2:設備を適切に維持・管理する観点で保守管理計画が適切なものとなって
いるか再確認する。
STEP3:全設備に対する保守管理計画を策定し、設備の健全性を継続的に維持・
管理する。
再処理施設および廃棄物管理施設の全設備について、
12 月末までに STEP1 を実施し、
引き続き STEP2,3 の取り組みに着手する。なお、安全上重要な設備を含む部屋等の
STEP1 については、11 月中の終了を目標とするとともに、その後、速やかに STEP2,3
の取り組みに着手する。
また、北陸電力(株)志賀原子力発電所での雨水流入事象に係る指示文書を受けた
再調査については、設備を管理下に置く活動の一環として実施していくとともに、貫
通部に対する止水措置の妥当性確認について、評価に使用できる記録類を掘り下げ、
視点をより深くして評価を行っていること、
評価にあたっては複数の目でチェックし
ていること等により、調査終了時期を 10 月末から 12 月末へ変更する。
1. 非常用電源建屋非常用ディーゼル発電機 B 補機室への雨水浸入への対応方針
(1)現状の問題点
2017 年 8 月 13 日に、
非常用電源建屋と隣接する配管ピット B の燃料油配管(安全上重要な設備である非常用ディーゼル発電機に燃料を供給する配管)の壁貫通
部を通して非常用電源建屋に水が浸入した。非常用電源建屋に浸入した水は、当 2該配管ピットに溜まった雨水であり、配管ピット内部に設置されている燃料油配
管が水没していた。
これらの原因は、配管ピット点検口の止水用パッキン、コンクリート蓋の止水
用コーキング、非常用電源建屋と配管ピット躯体との接合部にある止水処置が劣
化して配管ピットに浸入した雨水が、非常用電源建屋と配管ピットの燃料油配管
の壁貫通部における配管と止水板の隙間を埋めるコーキングのひび割れを通して
非常用電源建屋に浸入したためと考えた。
壁貫通部のコーキングの再施工および配管ピット内点検のため、
8 月 24 日に配
管ピット B の、9 月 8 日に配管ピット A のコンクリート蓋を開放したが、台風 18
号の接近に備えて、9 月 16 日にコンクリート蓋を閉止し、止水用コーキングを再
施工した後、防水テープを施工した。また、配管ピット点検口については、防水
テープを施工した。配管ピット上には防水シートを施工することとしたが、防水
シートの納品が間に合わないことから、再処理工場長は、応急的に防炎シートと
ブルーシートによる止水措置を講じることとした。また、非常用電源建屋と配管
ピット躯体との接合部についてもコーキングを実施したが、配管ピット内に雨水
が浸入していることを 9 月 18 日に確認した。
このため、
9 月 19 日に非常用電源建屋と配管ピット躯体との接合部に対し、吸
水材
(ポリグラウト)
による止水を行ない、
再度コーキングを実施するとともに、
9 月 20 日に配管ピット内の壁と床との接合部のコーキングを実施したが、配管ピ
ット内に再度雨水が浸入していることを 9 月 21 日に確認した。
コンクリート蓋を開放し雨水浸入箇所を確認したところ、雨水はコンクリート
蓋とピット躯体との隙間および配管ピット内の壁と床との接合部から浸入してい
た。
9 月 24 日に配管ピット B 点検口下のピット内に水が浸入していることを確認し
た。
以上を踏まえた現状の問題点は、以下のとおり。
a. 保守管理
当該配管ピットは内部に雨水が入らないよう防水性を有する設計としてい
たが、2003 年の設置以降、管理担当課長は、配管ピットの防水性を点検対象
としていなかったため、配管ピット点検口の止水用パッキン等の劣化に気付
くことができなかった。燃料油配管自体も点検対象としていなかった。
これは、再処理施設において一部の設備が管理された状態となっていなか
ったためである。
(保安規定:第 74 条 保守管理に係る計画及び実施)
b. 巡視・点検
当該配管ピットは、2004 年から運転員(委託員)による巡視・点検の対象
となっていたが、巡視・点検の主旨や目的を踏まえた点検方法が明確となっ
ていなかったことから、燃料油配管のフランジ上部に設置された点検口では
なく、給油口から点検がなされていた。
また、2005 年の運転管理課長(当時)による巡視・点検マニュアルの改定 3において、2 箇所の点検対象(配管ピットおよび隣接するケーブルピット)を
1 つにまとめて記載したこと、
および点検対象の名称が現場に表示されていな
かったことから、2007 年以降、運転員(委託員)はケーブルピットのみを点
検し、その結果を配管ピットの点検結果としていた。
(保安規定:第 25 条 巡視・点検)
c. 雨水の再浸入
台風 18 号の接近に備えた配管ピットへの止水措置については、
ユーティリ
ティ課長は、防水シートの納品が間に合わないことから、防水テープ、防炎
シートおよびブルーシートにより応急的に止水措置を講じたが、雨水の浸入
を防ぐことができなかった。
また、ユーティリティ課長は、配管ピットへの雨水浸入経路である、非常
用電源建屋と配管ピット躯体との接合部、および配管ピット内の壁と床との
接合部にコーキングを実施したが、雨水の浸入を防ぐことができなかった。
(保安規定:第 74 条 保守管理に係る計画及び実施)
d. 指示文書関連(その1)
当該壁貫通部は、配管と止水板の隙間を埋めるコーキングにより止水処置
をしているが、北陸電力(株)志賀原子力発電所での雨水流入事象に係る原
子力規制委員会からの指示文書を受けた調査では、ユーティリティ課長は、
当該壁貫通部についてはコーキングを確認できる配管ピット側からの目視確
認をせずに、設計図書による止水処置施工法の確認結果と非常用電源建屋内
部からの目視確認結果から止水処置がなされていると報告した。
指示文書の主旨に従えば、最大限の努力をして現場確認を行うべきであっ
たが、再処理工場長が承認した社内の調査計画書では、目視確認が困難な場
合は設計図書のみで確認する計画としていた。
また、
ユーティリティ課長は、
当該配管ピット点検口からはファイバースコープによる目視確認が可能であ
ったが、実施しなかった。さらに、調査計画書および報告書が適切な内容と
なっているかについて、雨水対応会議(保安規定第 10 条(業務の計画及び実
施)に基づく計画書に規定する会議体、議長:再処理事業部長)で十分にチ
ェックできておらず、再処理事業部長は、報告内容の問題点に気付くことが
できなかった。
(保安規定:第 10 条 業務の計画及び実施)
e. 指示文書関連(その2)
非常用電源建屋非常用ディーゼル発電機 A 補機室の配管ピット A の燃料油
配管の壁貫通部に、配管ピットからの漏えいが明らかな漏えい痕があること
を 9 月 22 日に確認した。北陸電力(株)志賀原子力発電所での雨水流入事象
に係る原子力規制委員会からの指示文書を受けた調査において、当該の壁貫
通部を撮影した写真にも、配管ピットからの漏えいが明らかな漏えい痕があ
ることを同日に確認した。
ユーティリティ課長は、当該写真が添付された調査結果を確認することな
く承認し、調査結果を取りまとめて報告書を作成した技術課長も、当該写真 4を確認することなく、雨水対応会議に報告した。なお、報告書には現場写真
は添付していなかった。
また、
同じく 9 月 22 日に、
同建屋非常用ディーゼル発電機 B 補機室の燃料
油配管の下面に、壁貫通部からの漏えいの可能性のある液垂れ痕があること
を確認した。
保安検査において当該調査においては、非常用電源建屋非常用ディーゼル
発電機補機室側からの、現場確認は実施した旨の説明をしたが、実際には、
写真を撮っただけで適切な調査は実施していなかったという、事実と異なる
説明を再三繰り返した。
これらの点に関しても、報告書が適切な内容となっているかについて、雨
水対応会議で十分にチェックできておらず、再処理事業部長は、報告内容の
問題点に気付くことができなかった。このため、問題がない旨の事実と異な
る報告書を作成し、原子力規制委員会に報告した。
(保安規定:第 10 条 業務の計画及び実施)
当該の部屋は、運転員(委託員)による 1 日 1 回の巡視・点検の対象とな
っていたが、当該の壁貫通部の漏えい痕に気付かなかった。
(2)事象発生から現在までに実施した安全確保対策
a. 配管ピットに溜まった雨水を速やかに排水した。
(配管ピット B:8 月 14 日、
配管ピット A:8 月 15 日実施済み)
b. 配管ピットと非常用電源建屋の燃料油配管の壁貫通部については、コーキン
グの再施工によりひび割れの補修を実施した。
(配管ピット B:8 月 24 日、配
管ピット A:9 月 13 日実施済み)
c. 第 2 非常用ディーゼル発電機の起動確認を実施し、機能の健全性を確認した。
(9 月 8 日実施済み)
d. 配管ピット A,B のコンクリート蓋を開放して、配管ピット内部の配管・フラ
ンジ・サポートの手入れを実施し、配管の外面腐食点検、UT 肉厚測定、フラ
ンジ部のトルク確認および隙間測定、
サポート板厚測定を実施し、
異常のない
ことを確認した。
(9 月 13 日実施済み)
e. 9 月 16 日にコンクリート蓋を閉止し、止水用コーキングを再施工した後、防
水テープを施工した。また、配管ピット点検口については、防水テープを施工
した。
配管ピット上には防水シートを施工することとしたが、
防水シートの納
品が間に合わないことから、
再処理工場長は、
応急的に防炎シートとブルーシ
ートによる止水措置を講じることとした。
また、
非常用電源建屋と配管ピット
躯体との接合部についてもコーキングを実施したが、
配管ピット内に雨水が浸
入していることを 9 月 18 日に確認した。
このため、
9 月 19 日に非常用電源建屋と配管ピット躯体との接合部に対し、
吸水材(ポリグラウト)による止水を行ない、再度コーキングを実施するとと
もに、9 月 20 日に配管ピット内の壁と床との接合部のコーキングを実施した
が、配管ピット内に再度雨水が浸入していることを 9 月 21 日に確認した。 5f. 配管ピット B 点検口からの点検を 8 月 18 日
(配管ピット A は 9 月 1 日)
から
開始するとともに、
巡視・点検マニュアルを改正し、
配管ピット
(点検口含む)、ケーブルピットを 1 回/1 日の巡視・点検対象として明記するとともに、雨水
浸入の有無を点検項目として追加した。
(9 月 8 日改正済み)
g. 巡視・点検マニュアルと整合する名称を現場へ表示した。
(9 月 8 日実施済み)
(3)直接原因
現状の問題点について要因分析を行った結果、明らかになった直接原因は、以
下のとおり。
a. 問題点(1)a.について(保守管理)
・管理担当課長や保修担当課長は、配管ピット点検口の止水用パッキンおよ
び燃料油配管を始め、一部の設備を管理した状態としていなかった。
b.問題点(1)b.について(巡視・点検)
・ ユーティリティ課長は、配管ピットの巡視・点検の主旨や目的を踏まえた
点検方法を明確にしていなかった。
・巡視・点検マニュアルで 2 箇所の点検対象
(配管ピットとケーブルピット)
を 1 つにまとめて記載したため、運転員(委託員)は、点検すべき場所の
特定ができなかった。また、点検場所の表示もされていなかったため、点
検場所を特定できなかった。
・点検口は、点検に当たってボルトを外すことが必要な構造となっていた。
c.問題点(1)c.について(雨水の再浸入)
・再処理事業部長以下は、設備・環境変化に対するリスク管理が十分ではな
く、あらゆる手段を具体的に提案・検討して雨水浸入防止を図ることにつ
いての強い危機意識を持った業務遂行が出来ず、対応が後手に回り、雨水
浸入を繰り返してしまった。
・事象発生後、配管ピットの雨水浸入防止措置を含む復旧計画について、再
処理事業部長は雨水対応会議、再処理安全委員会および品質・保安会議に
おける審議を行わなかった。
・配管ピットについて、再処理事業部長は、可能性のあるすべての雨水浸入
経路に対する浸入防止措置を講じられなかった。
d.問題点(1)d.について(指示文書関連(その1))・再処理工場長が承認した社内の調査計画書では、目視確認が困難な場合は
設計図書のみで確認する計画としていた。
・当該配管ピット点検口からはファイバースコープによる目視確認が可能で
あったが、ユーティリティ課長は目視確認を実施しなかった。
・調査計画書および報告書が適切な内容となっているかについて、雨水対応
会議で十分にチェックできておらず、再処理事業部長は、報告内容の問題
点に気付くことができなかった。
e.問題点(1)e.について(指示文書関連(その2))・社内の調査計画書では、「机上にて確認した貫通部のシール材、貫通対象 6物、およびシール材の亀裂・損傷等の有無」を現場で確認することとして
おり、調査担当者に、漏えい痕の有無の確認を意識させる内容ではなかっ
た。
・巡視・点検マニュアルでは、非常用ディーゼル発電機補機室の漏えいを点
検項目としていたが、壁貫通部は点検項目としていなかった。
(4)直接原因を踏まえた対応方針
a. 問題点(1)a.について(保守管理)
(a)配管ピットの防水性に関係する設備および配管ピットに設置している安全
上重要な設備について、ユーティリティ課長は 9 月末までに全数把握(機
器リスト作成および現場確認)
、健全性確認および保守管理計画の策定を実
施する。
(9 月 29 日実施済み)
(b) 管理下に置かれていない設備を管理下に置くための全数把握および健全
性確認、ならびに保守管理計画の策定を実施することとし、再処理事業部
長は、9 月末までに全体の計画書を策定する。再処理事業部長は、全体の計
画、進捗の管理、活動の妥当性を確認する会議体(保安規定第 10 条(業務
の計画及び実施)に基づく計画書に規定する会議体、議長:再処理事業部
長)を設ける。
(9 月 27 日実施済み。なお、全数把握等の実施方法を再検討
し 11 月上旬までに改定予定)
なお、d.に示す北陸電力(株)志賀原子力発電所での雨水流入事象に係る
指示文書を受けた再調査については、
設備を管理下に置く活動の一環として
実施する。
(c)全体の計画書は、上記会議体事務局および各課長が作成し、各部長および
再処理工場長が審査し、再処理事業部長が承認する。再処理事業部長は、
承認に当たり、保安上の妥当性について再処理/貯蔵管理安全委員会にお
ける審議を受ける。さらに、計画書は、品質・保安会議において審議し、
再処理事業部長は、審議結果を尊重して承認する。
(9 月 27 日実施済み)
(d-1)各課長は、12 月末までに再処理施設の全設備の全数把握、状態確認を実
施するとともに、保守管理計画の状況を確認し再処理施設の全設備を管理
下に置く。但し、安全上重要な設備を含む部屋等については、11 月中の終
了を目標とする。その後、保守管理計画の策定を実施していく。
(d-2)各課長は、12 月末までに廃棄物管理施設の全設備の全数把握、状態確認
を実施するとともに、保守管理計画の状況を確認し廃棄物管理施設の全設
備を管理下に置く。但し、安全上重要な設備を含む部屋等については、11
月中の終了を目標とする。その後、保守管理計画の策定を実施していく。
(e)各課長は全数把握として、現場に存在する全設備を網羅的に抜けなく確認
し、これまで把握していなかった設備がないか確認していく。現場確認に
おいて、セル内、干渉物等の撤去が必要な箇所、および高所で狭隘な箇所
などの理由で目視確認ができない場合は、施工記録、検査記録などから代
替確認する。 7(f)
再処理施設および廃棄物管理施設の全設備を管理下におくための本活動は、
再処理事業部長のもと、再処理工場長を実施責任者として、社内外の協力
を得て、再処理事業部の各部・各課が実施する。
(g)本活動の活動結果は、上記会議体事務局および各課長が作成し、上記会議
体構成員による確認の後、各部長および再処理工場長が審査し、再処理事
業部長が承認する。再処理事業部長は、承認に当たり、保安上の妥当性に
ついて再処理/貯蔵管理安全委員会における審議を受ける。さらに、本結
果は、品質・保安会議において審議し、再処理事業部長は、審議結果を尊
重して承認する。
b. 問題点(1)b.について(巡視・点検)(a)当該配管ピット以外にも巡視・点検の必要な箇所に漏れがないかを確認し、
管理担当課長は、必要に応じて巡視・点検等のマニュアルを改正し、管理
された状態にする。
(12 月末まで)(b)本活動の計画および活動結果は、
上記 a.の活動の計画および活動結果に含
める。
(c)配管ピット点検口については、運転員の負荷軽減の観点から、ユーティリ
ティ課長は、11 月末までにさらに容易に巡視・点検ができる構造に改善す
る。
(d)上記(c)の計画および結果は、ユーティリティ課長が作成し、共用施設部
長および再処理工場長が審査し、再処理事業部長が承認する。再処理事業
部長は、承認に当たり、保安上の妥当性について再処理安全委員会におけ
る審議を受ける。さらに、本計画および本結果は、品質・保安会議におい
て審議し、再処理事業部長は、審議結果を尊重して承認する。
c. 問題点(1)c.について(雨水の再浸入)
(a)再処理事業部長以下は、リスク管理や強い危機意識を持った業務遂行に欠
けていたことを再認識し、自らの悪さを見出す活動(事例研修、ディスカ
ッションなど)を実施する。
(b)上記(a)の活動の計画および結果は、再処理計画部長が作成し、再処理事
業部長が承認する。再処理事業部長は、承認に当たり、保安上の妥当性に
ついて再処理/貯蔵管理安全委員会における審議を受ける。さらに、本計
画および本結果は、品質・保安会議において審議し、再処理事業部長は、
審議結果を尊重して承認する。
(c)ユーティリティ課長は、9 月 25 日までに次の応急措置を実施する。
・ コンクリート蓋を開放した状態で送風機により配管ピット内を乾燥さ
せた後、ピット内の雨水浸入箇所へコーキングを行う。
(9 月 22 日までに実施済み)
・ 配管ピットおよびコンクリート蓋のコーキング、防水テープ、防炎シ
ートおよびブルーシートの養生を実施する。
(9 月 22 日までに実施済み)
・ 配管ピット周辺地盤を掘削し、ピット内にかかる地下水圧の低減を図
る。
(A 系は 9 月 22 日までに実施済み。B 系は 9 月 24 日までに実施済 8み。)・ ピット上部にやぐらを組み、
ブルーシートで覆う。
(A 系は 9 月 23 日ま
でに実施済み。B 系は 9 月 25 日までに実施済み。)(d)配管ピットへの雨水浸入は、非常用電源建屋と配管ピット躯体との接合部
にある止水処置の劣化が原因となった可能性もあることから、ユーティリ
ティ課長は、10 月末までに次の恒久対策を行う。なお、次の恒久対策の内
容は、本対策の計画に係る(e)の審議結果に基づき必要に応じて見直す。
・ 配管ピット周辺地盤を掘削して、ピット躯体および取合部の目視確認
を実施する。
・ 雨水浸入防止の強化のため、ピット躯体および取合部止水板への防水
措置を施工する。
・ 雨水の排水およびピット周辺地盤の雨水浸透防止のため、ピット周辺
地盤にコンクリート舗装を施工する。コンクリート舗装には、排水用
勾配を設ける。
・ 配管ピットおよび建屋と舗装との取合部は、止水板およびシーリング
による止水処置を行う。
・ 点検口のパッキンを再施工するとともに、ピット上面のすべてに防水
シートによる養生を施す。
(e)上記(d)の対策に係る計画および結果は、ユーティリティ課長が作成し、
雨水対応会議における確認の後、共用施設部長、土木建築部長および再処
理工場長が審査し、再処理事業部長が承認する。再処理事業部長は、承認
に当たり、保安上の妥当性について再処理安全委員会における審議を受け
る。さらに、本計画および本結果は、品質・保安会議において審議し、再
処理事業部長は、審議結果を尊重して承認する。
(f)当該配管ピットの通常の巡視・点検(3 回/日)に加えて、恒久対策が講
じられるまでは、中央安全監視室にて降雨が確認された場合に、降雨の開
始を起点に降雨終了から 12 時間後まで、
運転員が配管ピット内を 3 時間ご
とに確認する。ただし、降雨が激しく、点検口を開けることにより水の浸
入のおそれがある場合等は、雨水浸入防止措置の状況の確認に留める。
d. 問題点(1)d.および問題点(1)e.について(指示文書関連(その1)およ
び同(その2))(a)北陸電力(株)志賀原子力発電所での雨水流入事象に係る指示文書を受け
た調査について、再調査を実施することとし、再処理事業部長は、全貫通
部を直接目視確認またはファイバースコープ等により確認することを基本
とする再調査の計画を策定する(9 月 11 日に策定し調査開始済み。なお、
上記指示文書を受けた調査が不適切であったことに係わる要因分析結果等
を踏まえた改訂を 9 月 19 日に実施済み)。(b)
今回の再調査では、
雨水対応会議の責任
・役割を計画書で明確にした上で、
雨水対応会議にて、物理的な理由等により直接目視確認またはファイバー
スコープ等による確認ができない場合の評価方法を含めた調査方法および 9調査結果の妥当性について確認する。
(c)再調査は、再処理工場長を実施責任者とした調査体制の下、対象となる貫
通部に対して直接目視確認またはファイバースコープ等による確認を実施
し、12 月末までに原子力規制委員会へ報告する。
(d)上記の報告書は、各課長が作成し、雨水対応会議における確認の後、各部
長、再処理工場長および再処理事業部長が審査し、品質・保安会議におい
て審議した後、社長が承認する。再処理事業部長は、審査に当たり、保安
上の妥当性について再処理/貯蔵管理安全委員会における審議を受ける。
上記の報告書には、物理的な理由等により直接目視確認またはファイバー
スコープ等による確認ができない箇所の評価結果を含める。
(e)上記の再調査には、漏えい痕等、壁貫通部周辺の詳細状況の調査を追加し
て実施することとし、
9 月末までに再調査の計画を改訂する。
計画の改訂は、
技術課長が作成し、雨水対応会議における確認の後、各部長および再処理
工場長が審査し、再処理事業部長が承認する。再処理事業部長は、承認に
当たり、保安上の妥当性について再処理/貯蔵管理安全委員会における審
議を受ける。さらに、計画書は、品質・保安会議において審議し、再処理
事業部長は、審議結果を尊重して承認する。
(9 月 28 日改正済み)
(f)雨水対応会議において、漏えい痕等の評価方法および評価結果の妥当性に
ついて確認する。漏えい痕等の評価結果を含む調査結果は、上記の報告書
に含めて報告する。
(g)管理担当課長は、
(4)b.(a)に示す巡視・点検等のマニュアルの改正に
おいて、漏えい痕等、壁貫通部周辺の詳細状況を点検項目に追加する。
2. 保安活動への取り組みができていないことへの対応方針
(1)現状の問題点
これまでの保安検査において指摘を受けた事項など、下記の事例をはじめとし
た再処理事業部における保安活動への取り組みが不十分である項目が明らかにな
った。
a. JAEA 大洗研究開発センターで発生した汚染事象を踏まえた水平展開において、
自らの問題として積極的に水平展開ができていないこと。
b. ハル・エンドピースドラムをはじめとした固体廃棄物が、保管廃棄場所では
ない場所に長期保管されており、処理計画が具体化していないこと。
c. 北換気筒風量計の超音波式流量計および信号変換器の交換をはじめとした原
子力規制庁からの指摘事項や面談における約束事項が適切にフォローされて
いないこと。
(2)現状の問題点を踏まえた今後の対応
a. 保安活動への取り組みができていないことへの対応に係る全体計画は、9 月
末までに再処理計画部長が作成し、再処理工場長が審査し、再処理事業部長
が承認する。再処理事業部長は、承認に当たり、保安上の妥当性について再 10処理/貯蔵管理安全委員会における審議を受ける。
さらに、
本計画は、
品質・
保安会議において審議し、
再処理事業部長は、
審議結果を尊重して承認する。
(9 月 29 日実施済み)
b. 全体計画では、事案に応じて対策に要する期間を短期、長期に分類し、確実
に改善を実行していく。
c. 活動の結果は、再処理計画部長が作成し、再処理工場長が審査し、再処理事
業部長が承認する。再処理事業部長は、承認に当たり、保安上の妥当性につ
いて再処理/貯蔵管理安全委員会における審議を受ける。
さらに、
本結果は、
品質・保安会議において審議し、再処理事業部長は、審議結果を尊重して承
認する。
d. また、これらの問題点が生じた要因を抽出し、再発防止対策を実施する。こ
れは、全社の安全・品質に係る改善活動として取り扱う。
3. 全社としての取り組み
再処理事業部の
「チェック責任者」
は、
上記に係る計画および実施状況を確認し、
必要な指示を行う。また、
「全社監視チーム(安全・品質本部長主査)
」は、事業部
が実施する雨水対策、
設備を管理下におく活動に係る会議体への出席、
現地の確認、
チェック責任者・管理者へのヒアリングなどの活動を通じ、本対応方針に記載する
保安上重要な活動を確実に実施しているか監視し必要な対応を行う。
(資料4参照)
以 上

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