失業対策として重要性を増す職業訓練
11月5日のベトナム・ニュースによると、都市部と農村部の失業率が上昇し、都市部平均では6.35%、ホーチミン市では6%、ハノイ市では9.5%に達している。人口の8割が住んでいる農村部では、61万5000人以上が失業状態にある。この数字に、労働時間が短い不完全雇用状態にある人々を加えると120万人以上になる。
政策当局者によると、ハノイには約20万人が移り住んでいるのをはじめ、何万人もの農民が中部高原地域やメコンデルタ地域に流入しており、この予想外の動きが失業対策をより困難にしている。今後、雇用創出計画を再検討し、移住した農民への雇用対策を講じる必要がある。
失業率の上昇は、国有企業改革を反映している。業績が良くない国有企業は再編あるいは解散し、国有企業は5790社から2214社に減少する予定である。労働・傷病兵・社会問題省(MoLISA)のレ・ズイ・ドン副大臣は、2005年までに、おそらく15万人の国有企業従業員が職を失うであろうと予測している。専門家は、早期退職勧奨と退職手当などで4億ドル近くの費用がかかると見積もっている。
専門家は、若年労働者や不完全雇用状態の農民が工業団地や輸出加工区で雇用されるために、ハイテク再訓練コースが必要と考えている。エコノミストや社会科学者たちは政府に対し、職業訓練に優先順位をつけ、農村部の若者に市場で需要が多い技能を教えるように求めている。貧しい人々が容易に融資を受けられるようにすることが肝要だが、同時に資本の効率的利用に留意する必要がある。
諸外国の経済状態が悪化しつつあり、失業対策の一つである労働者の海外派遣が、雇用の受け皿としての機能を十分に果たせない可能性がある。そのため今後、職業訓練拡充を求める声が強まることは間違いない。
生産年齢人口の増加で急がれる雇用創出
労働・傷病兵・社会問題省(MoLISA)は10月最終週(10月28日〜11月3日)に、向こう5年間に4億2550万ドルの雇用創出基金への注入を決定したと発表した。雇用創出基金は職業訓練センターへの援助や手工業への貸付などを行っている。この5年間に、推計750万人〜800万人が労働市場に参入すると見られているが、MoLISAによると、2001年から2005年の平均経済成長率は7.5〜8%と予想されており、この通り維持すると550万人以上の雇用吸収能力はない。したがって約200万人が失業あるいは不完全雇用となる恐れがある。MoLISAによると、2001年7月に人口が7870万人に達し、1年前に比べ100万人増加した。
2002年2月 ベトナムの記事一覧
- 失業対策として重要性を増す職業訓練
- 労組、国有企業の離職者支援について議論
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