Microsoft Word - 第31回議事録(案)


第 31 回 電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
1.日 時:2023 年 3 月 23 日(木)15:00〜17:00
2.場 所:電磁界情報センター3F 会議室およびオンライン会議(Zoom)
3.出席者:木下委員長、原副委員長、衞藤委員、緒方委員、葛西委員、小島委員、飛田委員、
山崎委員
[事務局]一般財団法人電気安全環境研究所 尾崎専務理事
電磁界情報センター 大久保センター所長
4.議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)専務理事挨拶(3)【審議】第 30 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)の承認について(4)【報告】第 30 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応について(5)【報告】2022 年度 予算執行状況について(6)【報告】2022 年度 業務実施状況について(7)【報告】2023 年度 業務計画(案)について(8)【審議】2023 年度予算(案)について
5.配布資料:
・運営 31-1
・運営 31-2
・運営 31-3
・運営 31-4
・運営 31-5
・運営 31-6
・運営 31-7
・参考
運営委員会 委員名簿
第 30 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
第 30 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応
2022 年度 予算執行状況
2022 年度 業務実施状況
2023 年度 業務計画(案)
2023 年度 予算(案)
電磁界情報センター運営委員会規程
6.議事内容:
(1)定足数の確認報告
電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項に基づき、運営委員 8 名中、出席
の委員が 8 名であることから、第 31 回運営委員会は成立した。
(2)尾崎専務理事挨拶
年度末で大変ご多忙のところ、
お集まりいただき感謝する。
また、
日頃からご指導・
ご協力いただいていることに併せて感謝申し上げる。
本日は、
次年度の大事な基本計画等の議題もある。
電磁界情報センターが中立的な
立場でリスクコミュニケーション増進を目指して運営・活動していくために忌憚の
ないご意見、ご助言をお願いしたい。
(3)第 30 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)の承認について<審議>
【審議結果】第 30 回電磁界情報センター運営委員会議事録は了承された。
(4)第 30 回電磁界情報センター運営委員会で頂いた委員からのご意見への対応について
<報告>
・事務局より資料運営 31-3 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員] モニタリング結果のツイート数グラフにおいて、対象とした項目の中で電磁波
が一番多かったということは意外である。これは添加物・遺伝子組み換え・残留
農薬も同条件で検索した結果、電磁波が一番多かったという意味か。
[事務局] その通りである。
[委 員] 1 日に 900 件のツイート数であれば、そこまで多くない様に感じる。一般の人
たちに対してはあまり影響を及ぼしていないように感じるがいかがか。
[事務局] あまり影響していないかどうかについては推測になるためお答えすることは
できない。なお、電磁界情報センターでは、Google で健康影響と一緒にどのよう
なキーワードが検索されているかを定期的にモニタリングしている。その中では、
"電磁界"
"電波"も「電磁波」の項目に分類している。また、
「食品安全」につ
いては、
"添加物"
"遺伝子組み換え食品"
"残留農薬"も同じで、食品安全という
項目として扱っている。
「食品安全」の方が「電磁波」よりやや多い傾向にある。
今回の SNS モニタリングの結果でも、
食品安全関連の合計と電磁波でも Google キ
ーワード分析と同じような傾向の関心になると考える。
[委 員] 今回の SNS モニタリング調査にはいくら費用がかかるか。
[事務局] 「Yahoo!リアルタイム検索」を使用し、職員のみで実施したため費用は発生し
ていない。
[委 員] 大久保所長のツイッターへの反応はどうか。また、炎上などはしていないか。
[事務局] 炎上はしていない。
[委 員] 食品添加物に関してはリスクコミュニケーションが進んでおり、何かネガティ
ブな意見が出た場合は否定する根拠が多く出ると推察される。しかし、電磁波に
ついては、リスクコミュニケーションが進んでいないというところがあり、電磁
波の利点が一般市民に広まっておらず、その結果モニタリングでもツイート件数
が多い結果となったのではないかと推察する。
[事務局] 今回の調査では、調査期間内でリツイートが多かったツイート上位 15 件につ
いての深掘り調査も実施している。その結果、不安を煽るフェイクニュースの内
容が 9 件、正しくない情報の拡散を止める目的の内容が 2 件であった。電磁波に
関するツイートは、今回調査した他のワードと比較して「その情報は間違ってい
る」と指摘する投稿は少ない印象である。
[委 員] 「Yahoo!リアルタイム検索の「感情の割合」を見ると、電磁波はポジティブ度
がワクチンと同等であることからやはり情報不足やバイアスがあるのではない
かと思う。
[事務局] 科学的なエビデンスからいうとワクチンは明らかに有効である。しかし、ツイ
ッター上では、有効よりも副反応あるいは副作用という情報が拡散する土壌にあ
り、その結果、ネガティブな言葉としてツイートされると推測される。
電磁波も有効な活用法はいくらでもあるが、同じような見方をされているので
はないかと推測される。
[委 員] ツイートの内容で、具体的な不安感や指摘はあるか。
[事務局] 901 件/日のツイートがあるが、全てを詳細には確認していない。
[委 員] ツイッターの匿名性の性質を考えると、電磁波や食品添加物などの言葉は当然
ネガティブの投稿が多くなるので件数のみを見ておけば良いと感じる。そういう
中でいくと、900 件はかなり少ない印象を受けたがいかがか。
[事務局] 新型コロナをはじめとした話題性のあるワードと比べれば件数は少ない様に
感じられると思うが、電磁波に関して大きなニュースが無い中 1 日 800〜1000 件
が継続的にツイートされる状況からすると、極端に少なくはないと推測している。
[委 員] 大久保所長のツイッター投稿では、どのような言葉、表現を選んでいるか。
[事務局] 決して人を煽るような表現はしていない。
「講演会に参加しています」とか、話
題の報道があれば、
「電磁界情報センターではこれについて解説しています」
、と
いう控えめな表現である。
[委 員] ツイート数のデータは、母集団をどのように定義し、その中からどのようなサ
ンプリング手法でデータを収集しているかが肝であると考える。データのサンプ
リングは、
どのような母集団からデータを募り、
データの信頼性をどういう形で担
保されているか。
[事務局] SNS のモニタリングとして、日本で最も多く使われている SNS であるツイッタ
ーを検索対象とした。
従って、
母集団についてはツイッターを投稿した人である。
その中で約 900 件/日が抽出されている状況である。
[委 員] インターネット上の情報で一般市民を代表するランダムサンプリングはほぼ
不可能であり、あえて母集団が何かと言えば、大久保所長がおっしゃったように
「ツイッターに投稿した人」としか言いようがないと思われる。今回の調査結果
はあくまでも参考情報として持っておくだけでいいと思う。研究として発表する
のでない限りは、母集団とかランダムサンプリングとか、そういうことは気にし
なくていいと思う。
[委 員] 大久保所長のツイッターは、どのような方を対象に情報発信されているか。
[事務局] 国際的なインパクトのある情報が提出された時に、情報発信しようと考えてい
る。発信は広く社会一般を対象としている。
(5)2022 年度 予算執行状況について<報告>
・事務局より資料運営 31-4 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員] 電磁界情報センターの活動において、新型コロナ感染症の影響はあったか。
[事務局] 依頼講演の件数に顕著な影響があり、まだ新型コロナ感染症前よりも低い水準
である。特に、学校・教育関係などからの依頼講演が減少している状況である。
(6)2022 年度 業務実施状況について<報告>
・事務局より資料運営 31-5 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員] 問い合わせ対応状況の中で、
"低周波"
と記載があるが、
風力発電の
"低周波音"
も"低周波"に含まれるか。
[事務局] 風力発電の"低周波音"は、
"その他"に分類している。
[委 員] 風力発電に伴うものが、増えていることはないか。
[事務局] 特に増えていることはない。昨年度と同程度である。
[委 員] 電磁界情報センターの役割というのは、広く国民の不安を払拭して正しいこと
を知ってもらうという大きな目的があると思うが、設立以来、5 年 10 年という長
いスパンで見て、良くなって来ているという印象なのか、あるいはあまり変わっ
ていないのか。
[事務局] 電磁界情報センターが設立して 15 年が経過した。これまでの活動によって国
民のリスク認知が変化したかという大事なご質問だが、元々のバックグラウンド
値が存在しないので、組織が設立したことにより、リスク認知が上がったか下が
ったかというバックグラウンドとの比較ができないため、お答えできないのが現
状である。しかし、一つの指標として、
「健康影響」と一緒に Google で検索され
ている環境因子の調査を毎年行っている。電磁波については、12 年前は 9.8%、今
年度は 9.3%で、変わらず大体十数%前後ある。12 年前と比較するとわずかに減
少しているが、それが果たして電磁界情報センターが関与するものなのか、この
調査では分からないので何ともお答えしようがない。
[委 員] ロシアの電磁波を使用した攻撃という報道もあり、それに関しての問い合わせ
は多いか。
[事務局] 質問そのものは多くない。
この問題は 1980 年代、
ロシアがアメリカ大使館の職
員に対し電波攻撃を行い、健康障害の訴えがあったが、因果関係は不明のまま終
わった。また、10 年くらい前に、ハバナの大使館に勤務している大使館職員及び
その家族はやはり非特異的な症状を訴えたということで、それについていわゆる
ハバナ症候群という症状がその後幾つかの大使館でも発生した。そこで、ナショ
ナルアカデミーサイエンスという、日本の学術会議に相当する所で調査した結果、
症状発生の原因は電波の可能性が高いということを一昨年 11 月末に発表された。
それを受けて電磁界情報センターとしては本当にそれがどうかということで精
査するためのラピッドレスポンスグループという、電磁界情報センターの国外専
門家グループに評価してもらった。その上で電波ばく露が原因ではないというメ
ッセージをメディアブリーフィングで行った。その後、半年前に CIA が、原因は
不明であるものの電波攻撃の可能性は否定できない、という見解を出し、そして
3月初めに、同様の見解が出されているという状況である。科学的に言えば、電
波で一定の人たちを照射して体調を崩すという強いエネルギーを出すと、近隣施
設に確実に電波障害が起こる。報告書によるとそのような電磁障害は発生してい
ないため、
科学的合理性に欠けていると理解している。
よって、
電波ばく露で人々
に何等かの症状を引き起こすことは技術的に不可能といえるが、それが理解され
ていないという状況である。
[委 員] 米国の発表された結論は「電波ばく露と関係が無い」ということではなく、
「否
定できない」ということか。
[事務局] 電波ばく露と関係を否定はしないが、そのばく露をもたらす事に外国組織の介
入はない、という見解を出したと言える。
[委 員] 人々が監視し合うというような状況が以前よりも増しているように思う。監視
社会化という観点で電磁波の影響があるのかどうか、そのような磁界測定も調査
対象テーマにしてはいかがか。
[事務局] 非常に興味があるテーマであることは事実である。しかし、この測定法は電磁
界情報センターが保有している技術では不可能である。これは電波領域で、それ
も数カ所で同時に測定する必要がある。
一方、総務省の生体電磁環境研究費で、NICT(国立情報通信研究機構)が、電
波のばく露のモニタリング事業というのを 2020〜2040 年の長期プロジェクトを
立ち上げているので、そちらに期待したいと考える。
[委 員] 昨今、産業などの現場で IoT を活用してセンサで安全かどうかチェックする仕
組みが進められている。そのような装置が多く設置されるようになった場合に電
磁波のどのような影響があるのかどうか調査してみてはいかがか。
[事務局] 無線周波領域の周波数ごとに全部測定し、周波数分析する必要がある。また、
周波数は多岐に亙るので、個々に調べるのは非常に困難である。個々の機器の電
波出力レベルは低いので、全体としてのレベルはどのくらいであるかというモニ
タリングをする方が大切かなと感じているが、いずれにしても電磁界情報センタ
ーではなく、NICT の担当する調査だと理解している。
(7)2023 年度 業務計画(案)について<審議>
【審議結果】事務局より資料運営 31-6 について説明がなされ、審議結果、2023 年度業務
計画(案)は了承された。なお、主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員] 母子健康手帳の副読本としての妊婦向けパンフレット配布に関して、私がかか
わっている港区では配布されていないと思う。自治体に任せるのではなく、積極
的に実施した方がいいのではないか。
[事務局] パンフレットを配布するかは自治体窓口の担当となる。同事業の実施主体であ
る母子衛生研究会からは、電磁界情報センターがこれに介入することは断られて
おり、これ以上立ち入りできないのが現状である。
[委 員] 電気自動車の電磁波について、今後調査する必要はあるか。
[事務局] 2013 年頃に測定しているが、
この 10 年で電気自動車の車種も増えているので、
来年か再来年度にハイブリッド車も含めて電気自動車の測定することを検討し
たいと思う。
[委 員] 今回運営委員会に出席前にウェブを検索したところ、電磁界情報センターの公
正中立性に対して批判的な意見もあった。
組織の公正中立性の観点から、
例えば、
国内外の専門家ネットワークリストのメンバーの関与が大きいと考えるので、こ
のメンバーがどのように活動されているのか、もう少し情報発信されれば、公正
中立性をより強く発信できるのではないか。
[事務局] 専門家ネットワークの先生方による科学的なレビューなどの関与については、
ホームページなどで分かりやすく情報発信していきたい。なお、電磁界情報セン
ターの中立性を担保する運営委員会のメンバーに電磁界の学識経験者に参加頂
くことは考えていない。運営委員会の委員各位のバックグラウンドは、電磁界や
電磁界情報センターとはまったく関係がない方々で、社会的に識見の高く中立的
な立場で電磁界情報センターの運営の有り方を指導して頂ける方々で有って欲
しいと希望している。
[委 員] 若い世代へ関心を抱いてもらうために、例えば、高等学校で「探求的な学習の
時間」や中学校以下では「総合的な学習の時間」で発表してもらえるように、今
後の事業計画にて考慮していただけるといいかなと思う。
[事務局] 過去に文科省の健康教育担当課と相談した事が有るが、関心を持たれなかった。
(8)2023 年度予算(案)について<審議>
【審議結果】2023 年度予算(案)について了承された。
(9)その他
次回開催の日程は、以下のとおりとする
・2023 年 9 月 28 日(木) 15 時〜17 時 (対面開催予定)

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