Microsoft Word - 第30回電磁界情報センター運営委員会議事録(案)ver2


第 30 回 電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
1.日 時:2022 年 10 月 17 日(月)15:00〜17:00
2.場 所:電磁界情報センターなどの会議室およびオンライン会議(Zoom)
3.出席者:木下委員長、衞藤委員、緒方委員、葛西委員、小島委員、原委員、飛田委員、
山崎委員
[事務局]一般財団法人電気安全環境研究所 尾崎専務理事
電磁界情報センター 大久保センター所長
4.議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)専務理事挨拶(3)【審議】第 29 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について(4)【報告】2021 年度 予算執行結果について(5)【審議】2022 年度 業務計画について(6)【審議】2022 年度 予算について(7)【審議】電磁界情報センター運営委員会規程に基づく副委員長の選任について
(8)その他
5.配布資料:
・運営 30-1
・運営 30-2
・運営 30-3
・運営 30-4
・運営 30-5
・参考
運営委員会 委員名簿
第 29 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
2021 年度 予算執行結果
2022 年度 業務計画(案)
2022 年度 予算(案)
電磁界情報センター運営委員会規程
6.議事内容:
(1)定足数の確認報告
電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項に基づき、運営委員 8 名中、出席
の委員が 8 名であることから、第 30 回運営委員会は成立した。
(2)尾崎専務理事挨拶
本日は、
下半期に入り何かとご多忙のところ、
電磁界情報センター運営委員会にご出
席いただき感謝申し上げる。
皆様のおかげで、
電磁界情報センターは、
専門性・中立性・
透明性を確保しながら順調に運営できており、今後も信頼性のある組織として運営を
継続できるよう、引き続きのご支援お願い申し上げる。
本日は、2021 年度の実績報告、そして 2022 年度の計画の審議などが予定されている
ので、皆様の忌憚のないご意見、アドバイスをお願い申し上げる。
(3)新任挨拶(山崎委員)
主婦連合会の山崎初美と申します。生活の中で電磁波について考えることはなかな
か難しいので、
ここで勉強させて頂きながら、
消費者の中に少しずつ理解を広げていけ
ればと思っております。どうぞよろしくお願いします。
(4)第 29 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について<審議>
【審議結果】第 29 回運営委員会議事録について了承された。
(5)2021 年度 予算執行結果状況について<報告>
・事務局より資料運営 30-3 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員] WEB セミナーなどオンラインでの情報提供活動が増えたことによるメリットと
デメリットは何か。
[事務局] オンライン講演会と対面講演会では、対面講演会の方が当然良い。しかし、去
年まではコロナ対策のため、オンラインの選択肢しかない状況であった。オンラ
インのメリットは、例えば国際会議等にオンライン参加できると旅費が節約でき
る点であるが、1対1での意見交換ができないデメリットがある。全体で考えれ
ば、オンラインは便利ではあるが、意見あるいは情報交換という意味では、オン
ラインより直接お話する方が良いと考えている。
依頼講演がコロナの影響でゼロに近い状況が続いており、去年から WEB セミナ
ーを開始し、
これまで十数回開催している。
直近では 50 名前後の参加者があり、
依頼講演の減少を充足できていると考えている。
[委 員] 先日、フィリピンで開催された遺伝子組換え作物に関するセミナーに現地参加
したが、現地の農家との交流は非常に有益だった。ハイブリッド開催であったの
で、イギリスやアメリカの学生がオンライン参加し、著名な先生の話を聞いてい
た。ハイブリッド形式というのは、結構面白いという印象を受けたので、電磁界
情報センターの今後の情報提供活動でも考えていかれたらどうかと思い質問し
た。
[委員長] 私も皆様方のご意見と同じであり、大学の講義の場合、いわゆる概論講義であ
ればオンラインで十分できると考える。一方、ゼミのような講義でお互いに議論
し合う場合は、オンライン会議ツールは無力と感じている。その場の雰囲気や相
手がどのような気持ちで発言しているかを直接目で見ながら感じ取り、それに対
して発言内容を変えるといったことはできない。一長一短だと考える。
[委 員] ホームページのリニューアルのポイントは何か。
[事務局] 一般サイト、専門サイト、総合サイトの 3 つで構成されたホームページにリニ
ューアル予定であり、訪問者がそれぞれの目的や電磁界の知識レベルに合った情
報に辿り着き易い構成にしていることがポイントである。現在は、一般の方にも
電磁波について詳しい情報を提供しているが、もう少し分かり易い表現やページ
構成とするのが一般サイトである。また、これまでに培ってきた専門情報や最新
の科学情報を提供するのが専門サイトである。
(6)2022 年度 業務計画について<審議>
・事務局より資料運営 30-4 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員] スライド 14 磁界測定プロジェクトの静磁界の調査で、直流送電線から発生す
る磁界は、地磁気の 5 分の 1 程度ということは、健康影響は何もないと解釈して
良いのか。
[事務局] 地球の地磁気は静磁界で、その強さは日本では約 50μT である。直流送電線の
線下では、高いところでも 10μT か 20μT 程度と考えており、今回の測定結果も
それくらいであった。一方、ICNIRP という国際非電離放射線防護委員会が公表し
ている人への健康影響に関するガイドライン値は静磁界で 400mT である。単位が
全然違うレベルであり、直流送電線から発生する静磁界は健康影響を心配するレ
ベルではないと考えられる。
[委 員] 風力発電がこれから増えていくと思うが、それによる電磁波の影響はあまりな
いということか。
[事務局] 風力発電の増加に伴い直流送電線の建設が増えたとしても、そこから発生する
静磁界が人の健康に悪影響を与えることはないと考える。
[委 員]スライド 13 磁界測定プロジェクトのスマートメーターから出る電磁波のレベル
について教えて頂きたい。インターネットには、スマートメーターの電磁波への
不安に関する記事があるが、私自身はスマートメーターについて詳しくないので
教えて頂きたい。
[事務局] 日本では総務省が電波防護指針 に基づいて電波を規制しているが 、スマート
メーカーは出力 20mW 以下の非常に小さい無線局であり、人体に悪影響を及ぼす
レベルではないと考えられているため 規制の対象外になっている。
つまり、
スマ
ートメーターの電波は非常に微弱であり、法律で規制されていない。
電磁波の影響で体調が悪くなっていると訴える方はおられるが、電磁波を浴び
ることと体調が悪くなることの科学的な因果関係は証明されていない。ただし、
そうは言いながらも、電力会社では顧客からの申し出を受けて、在庫がある場合
などアナログメーターに取替えるケースもあると聞いている。その場合でも、症
状改善の可能性は、電波の有無そのものではなく、電波が出ていないと思うこと
で安心することによるものではないかと思われる。
[委 員] 過去の運営委員会でスマートメーターの測定を依頼していたので、取り組みに
感謝する。
スマートメーターの電磁波の強さと頻度は、
機種によって異なるのか、
資料に記載の測定結果は典型的なスマートメーターの電磁波と考えて良いのか。
[事務局] 今回測定した電波の波形が一般的なものかどうかは今後調査を進めて把握し
ていきたい。資料のグラフでは針のような形状になっているが、時間軸を拡大し
て測定すれば幅というのが存在すると考える。今後、測定方法を検討し、時間軸
を引き延ばしたイメージのデータを取得して、疑問に対応していきたい。
[委 員] スライド 23 の依頼講演とスライド 28 の BioEM2022 名古屋に関連して 2 点質問
したい。依頼講演については、対象者に応じて何か講演内容のポイントを変えて
いるのか教えて頂きたい。国際協力について、例えば情報交換というのが一つの
協力の形だとは思うが、それ以外に具体的な形が出てきているのか教えて頂きた
い。
[事務局] 依頼講演会では、事前に依頼者に講演内容の要望を必ず聞き取りを行い、例え
ば携帯電話からの電磁波という要望があれば、携帯電話を中心とした内容にする
などオンデマンドで変えている。
次に国際協力だが、例えばリスク認知の調査がある。日本でも他の国でも自国
でリスク認知を調べているが、各国においては同じ質問ではないので、質問の設
定によって調査結果が変わる。そこで、統一した質問票を用意して各国のリスク
認知を比較することがまず一番大切かと感じている。因みに、電磁過敏症につい
ても、国によって 20%もある場合や 1%前後しかないところもある。これも質問
の仕方によって変わるので、統一した方が良いと考える。
欧州でユーロバロメーターという、
EU 各国を対象として行われている国民の環
境問題に対する認知調査があるが、その調査結果を見ると、どうも国の政策に応
じて差が生じているようである。特に電磁波の場合は、いわゆる予防原則という
施策を採用している国はリスク認知が高いという結果がある。
現在はドイツと韓国と国際協力について話をしているが、ポーランドも BioEM
名古屋のワークショップを見て関心を示している。
他にはイタリア、
マレーシア、
国レベルあるいは事業者レベルの違いはあるが、いずれにしても電磁界情報セン
ターの情報を見て、何か情報を活用したいと考えているようである。電磁界情報
センターは先鞭を付けた世界中で唯一の組織であるので、国際協力の枠組みの雛
形になれる可能性があると考える。また、情報提供の仕方は、各国の状況によっ
て変わるが、普遍的な情報提供のあり方なども国際協調ができればと考えている。
[委 員] この種の話は行政の方針やその国の文化や価値観などに依存するので、面白い
テーマと感じる。電磁界情報センターにしかできないことがたくさんあると思う
ので、頑張って取り組んで頂きたい。
[委 員] スライド 23 依頼講演の件数について、教育関係者からの依頼が減っているの
は、主にコロナの影響か。
[事務局] コロナの影響である。
[委 員] スライド 27 磁界測定器貸出のアンケートについて、2点質問する。1 点目は、
どのような人が利用しているのか。2 点目は、測定値の結果が「高かった」と判
断された方は、何かの基準と比較して高かったのか、それとも個人の主観で高か
ったのか、どちらであるか。
[事務局] 1 点目について、利用者は電磁波に不安を持っている方が大半を占めている。
その他では、購入を検討している土地や物件の近くに送電線があり購入を悩んで
いる方や、インターネットなどで電磁波の健康影響に関するフェイクニュースを
見て不安になった子育て中の方などが利用されている。
2 点目の測定値の印象については、貸出前にヒアリングを行い規制値などにつ
いて説明しているが、アンケート回答では規制値との比較ではなく、個人の主観
(想像より高いか低いか)の記入をお願いしている。また貸出後にも測定値につ
いてフォローを行っており、自ら測定することによるリスク認知の軽減に役立っ
たかはグラフから推定できると思われる。
[委 員] 電磁波に関して誤った情報が SNS や Facebook などで飛び交っており大変もど
かしく感じることがある。常時ではなくて良いが、SNS はモニターしているか。
[事務局] SNS のモニターはしていない。その代わり、Google キーワード分析ツールを利
用して、様々な環境因子と健康影響の 2 つのキーワード検索のトレンドを毎月全
国レベルで調査し、日本人のリスク認知を長くウォッチしている。福島原子力発
電所の事故直後である 2012 年の検索結果では、電離放射線(放射線)に関連する
健康影響の検索が約 70%であったが、現在は 4%程度である。一方で、電磁波は、
10 年前と全く変わらず現在も 10%程度あり、健康影響に関心を持つ方が一定数い
る。
[委 員] 決して高い率ではないにしても 10 年間変わらないという点は、電磁界情報セ
ンターの活動を考える上でも重要な情報だと考える。
[委 員] 私も遺伝子組み換え食品や残留農薬に関するフェイクニュースがどの程度流
れているかを情報交換しているが、最近は新聞やテレビよりも Twitter とか
Facebook など SNS で流れている度合いが圧倒的に高い。電磁波については、調べ
たことがないので分からないが、主要メディアとソーシャルメディアでどの程度
の差があるのか調査すると面白いと思う。
[事務局] 宿題として受け止める。
[委 員] 活動説明で非常に印象に残ったのは WEB セミナーの効果である。これは参加人
数がそう多くないということもあるかもしれないが、セミナー後に心配という人
の割合が大きく減っている。これはすばらしい効果だと考える。
[委員長] スライド 27 磁界測定器貸出アンケートの測定後におけるリスク認知の変化に
ついて質問する。原則として認知があれば行動が変わるが、アンケート後に認知
変化により行動にも変化があったかどうか追跡確認をしているか。
[事務局] 測定後の行動に変化有無は追跡していない。
(7)2022 年度 予算について<審議>
【審議結果】2022 年度 予算について了承された。
(8)電磁界情報センター運営委員会規程に基づく副委員長の選任について<審議>
【審議結果】副委員長に原委員を選任することについて全会一致にて了承された。
(9)その他
次回開催の日程は、以下のとおりとする
・2023 年 3 月 23 日(木) 15 時〜17 時 (対面開催予定)

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