1第 27 回 電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
1.日 時:2021 年 3 月 15 日(月)13:00〜15:00
2.場 所:電磁界情報センターなどの会議室およびオンライン会議(Zoom)
3.出席者:木下委員長、衞藤委員、緒方委員、葛西委員、小島委員、原委員、飛田委員、
山根委員
[事務局]一般財団法人電気安全環境研究所 薦田理事長
電磁界情報センター 大久保センター所長
4.議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)理事長挨拶(3)【審議】第 26 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について(4)【報告】2020 年度 予算執行状況について(5)【報告】2020 年度 業務実施状況について(6)【審議】2021 年度 業務計画について
5.配布資料:
・運営 27-1
・運営 27-2
・運営 27-3
・運営 27-4
・運営 27-5
・参考
運営委員会 委員名簿
第 26 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
2020 年度 予算執行状況
2020 年度 業務実施状況
2021 年度 業務計画(案)
電磁界情報センター運営委員会規程
6.議事内容:
(1)定足数の確認報告
電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項に基づき、運営委員 8 名中、
出席の委員 8 名であることから、第 27 回運営委員会は成立した。
(2)理事長挨拶
年度末のご多忙のところ、ご出席いただき感謝する。また、日頃、電磁界情報セ
ンター
(以下
「センター」)の運営に関してご支援を賜り、
心から御礼申し上げる。
コロナ禍の状況において、
センターの活動も苦労しているところもあるが、
忌憚の
ないご意見をいただきたい。 2(3)第 26 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について<審議>
【審議結果】第 26 回運営委員会議事録について了承された。
(4)2020 年度 予算執行状況について<報告>
・事務局より資料運営 27-3 について説明がなされた。主な質疑は以下の通り。
【質疑】
[委 員]ランチョンセミナーに関して、コロナ禍の中で、これまでとは違う開催形式
が必要と感じているか。
[事務局]今年度のいくつかの学会では、従来の対面式ではなくて、オンライン形式で
開催された。来年度も対面式、オンライン形式、あるいは対面式とオンライ
ン形式を組み合わせたハイブリッド形式による開催として学会から案内され
ている。今後もコロナ過への対応に積極的に取り組みたい。
[委 員]対面式のセミナーだと参加者が一斉に話が出来て非常に効果的かと思うが、
オンライン形式となると、何かやりにくいような面はあるか。
[事務局]オンライン形式でこちらがやりにくいということではないが、参加人数は減
少している。しかしながら、現地に出張せずともセンター事務所で講演・質
疑対応が可能というメリットがあるため、実施回数を増やすことで今後も対
応したい。
[委 員]WEB セミナーへの新しい取り組みは、こういう情勢においてタイムリーなこ
とだと思うが、ホームページを通じて申し込みを受けるのか。
[事務局]ホームページを通して申し込みを受け付ける。今年度は、WEB セミナーへの
対応として申し込みフォーム等を構築した。
[委 員]ホームページへアクセスしなければ参加者が増えないと思うが、何か案内の
仕方等の工夫を考えているか。
[事務局]今年度、ホームページのトップページのリニューアルを実施し、本日、公開
開始している。業務実施状況の説明の中でリニューアルの概要を紹介する。
[委 員]新型コロナ感染症に関わる対応として、支出増の点はあるか。 3[事務局]新型コロナ感染症に関わる直接的な支出増はないが、今年度は WEB セミナー
の申し込みフォームの構築や、データベースの構築というシステム的な対応
の支出が増となった。データベースは、これまでもセンターで収集した論文
等のデータを蓄積していたが、システム開発から年数が経過し、ソフトウェ
アの更新やサーバー環境の変化等から最近は不具合も多く、今年度に再構築
した。
[委 員]コロナ禍の中で、オンライン会議が主流になってきているが、今後もこのよ
うな会議方法に応えていくという継続性を持ったやり方として位置付けて
いくのか。それとも、これはコロナが流行している期間の特別の措置と考え
ているのか。
[事務局]コロナ禍の中でも対応可能な方法として、WEB セミナーの開催を検討し、来
年度 4 月開始の準備を整えてきた状況となっている。その反響を見ながら、
コロナ禍だけの一時的なものと位置付けるか、コロナ収束後でもオンライン
形式の情報提供活動を継続するのか検討したいと考えている。現時点では方
向性が定まっていないが、今後を見据えてオンラインでも対応可能なように
今年度はシステム環境を整えた。
(5)2020 年度 業務実施状況について<報告>
・事務局より資料運営 27-4 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員]WEB セミナーは非常に良い試みと思うが、これはリアルタイムの対応か、そ
れともオンデマンドなのか。効率性の観点からは、ホームページ上にオンデ
マンドの内容を視聴できるようにしておくと、よりその効果を得られるので
はないかと思う。
[事務局]講演内容は録画動画であり、その後に、ライブで大久保所長との質疑応答の
時間を設けている。
[委 員]問合せ件数が今年度は減少しているようだが、世間の電磁界の健康影響への
懸念が減少してきていることによって、件数が減ってきているという可能性
はないのか。また、こうした啓蒙活動を継続してきたことによる世間の心配
度の変化や、啓蒙活動の効果はどのように捉えているのか。さらに、電磁界
の健康影響に対する懸念は、例えばワクチン報道等でもマスメディアの記事
一本で状況が大きく変わってしまうことがあると思うが、マスメディアを対 4象として正しい知識を持ってもらうための取り組みとかいうのは必要ないか。
[事務局]電磁界の健康影響に対する関心度が全体として減少したのではないか、とい
う仮説について、それを調べるためにはセンターが発足する前の 2008 年頃
の関心度、ベースラインが必要であるが、発足時点で調査をしておらずボト
ルネックになっている。なお、経済産業省事業の講演会への参加者は減少し
ておらず、必ずしも関心度は減少していないのではないかと考える。
マスメディアへの対応に関しては、
12 月に公表された全米アカデミーズから
の報告書のインパクトが大きいことが懸念されたことから、記者ブリーフィ
ングを行い、その結果は、電気新聞や朝日新聞デジタルに掲載されている。
[委 員]電磁界の関心度は、また高まりつつあると考えている。その理由としては、
コロナ禍でスマホやパソコンの利用が子供も大人も急増したこと、
また 5G が
スタートしたことから、電磁波について警告する人が増えているような気が
している。そうしたことから、これから色々な相談も増える状況にあるので
はないかなと考えている。
WEB 開催のランチョンセミナーにおいて、
「参加者不明」
と記載されているが、
大まかな数は把握したほうがいいと思う。
廉価な磁界測定器とアプリの精度確認の結果を発表されたということだが、
この発表は、一般の方でも閲覧可能か。
[事務局]WEB 開催時の参加人数について、人数は主催学会側で把握しているため、オ
ンライン形式であっても参加人数が把握できるが、一部の学会ではシステム
上参加人数は把握できないため、今後は参加人数を把握ができように主催者
に相談していきたい。
廉価な磁界測定器とアプリの精度確認の電気学会での発表は先週終えてい
るため、今後、センターのホームページに概要を掲載する予定としている。
なお、論文形式は一般の方には難解なため、より分かりやすい言葉を使った
丁寧な資料を作成して、掲載したいと考えている。
[委 員]WEB セミナーは、
オンライン形式のため、
アンケートを取りやすいと思うが、
アンケート内容等、検討していることはあるか。
また、電磁界への関心が増えたからといって不安が増えているとは限らない
ため、今すぐでなくてもいいが、長期的な推移みたいなものを何かしらの形
でモニタリングするというのは必要かなと思う。
[事務局]WEB セミナーのアンケートは、申し込み段階で、性別や居住県、子供の有無
などの基本情報、電磁波への心配度等への回答形式としている。セミナー終
了後、セミナーの満足度、セミナーの視聴前後で心配度はどう変化したのか 5等、実施内容の評価が可能なアンケートとしている。
電磁界への関心度の調査として、
Google 検索エンジンのキーワード分析ツー
ルを活用し、健康影響とどのような言葉を組み合わせて検索しているかを定
期的にウォッチしている。例えば、原子力発電所の事故が発生して約 2 年後
の 2012 年 12 月では、健康影響と組み合わせて検索するキーワードの約 70%
が放射能・原子力関係で、電磁波に関しては 9%程度であった。最近の過去 1
年間では、
放射能・原子力関係は 8%程度に減少し、
電磁波関係は 12%〜14%
程度である。相対的な割合のため単純比較は出来ないが、電磁波の健康影響
への関心度は決して減少していないという印象を受けている。
[委 員]問い合わせ対応状況の発生源別内訳において、
「その他電波」と「携帯電話」
がある。最近は、5G やマルチメディア化している新しい機器への買い換えを
促すようなコマーシャルがたくさんあるが、これに関連するような質問はあ
るか。
依頼講演会案内用のダイレクトメールの送付先として、全国小中学校に加え
て関東圏保育園を追加して対応したということだが、非常にタイムリーな対
応で、これから良い反響が出てきてほしいと感じる。
磁界測定器の貸出しに関して、コロナ禍の中では、貸出し件数が減ることは
やむを得ないことだと思うが、アンケート結果では、満足度は高いので、今
後もこの取り組みを継続してほしい。また、ホームページでも、動画で測定
の仕方を公開しているが、動画は年代問わず分かりやすいことから、こうし
た情報提供も継続してほしい。
[事務局]5G に関するセンターへの問い合わせは、年に 10 件未満である。一方で、経
産省事業における講演会では、電力設備や家電製品等への質問の他に 5G に
関しての質問も必ずあり、大久保所長から回答をしている。
[委 員]5G に関する質問に対して回答することは、
質問者にとってもありがたい情報
であると感じる。今後も対応をよろしくお願いする。
[委 員]一般の方々は、何をきっかけに電磁界に関して心配されるようになるのか。
また、その心配が生活にまで支障をきたすという人は、どの程度おられるの
か。そのような方にセンターが対応することで生活を改善することができる
ような人はどの程度いるのか。
[事務局]電磁波を心配するきっかけとしては、テレビ放送や雑誌等のメディアで危険
という情報を目にして、心配になったという方が多いと感じる。また、引っ
越すとか、マンションに住み替えるとかという際に、近くに電力設備や携帯
基地局があり、今までにないものを目にして、
「大丈夫かな?」と心配して問 6い合わせてくる方はいることから、一つのきっかけとして感じる。
センターの対応によって、どの程度、心配度が軽減するとか、生活が改善す
るのかという評価は難しいが、磁界測定器貸し出によるアンケート結果では、
心配度が 36%低減したというデータがあるので、
一定の効果を果たしている
と考える。
生活にまで支障をきたす人は、
「電磁過敏症」とか「電磁波攻撃」によって体
の不調を訴え問い合わせて方が多いが、電磁波が原因と思い込んでおり、時
間をかけて丁寧な説明や、相手への傾聴を心がけて対応しているものの、心
配度の軽減という点では難しい面がある。
過去のアンケート調査では、半数位の人が電磁波に関して心配しているが、
「具体的にどんなことを心配しているのか?」
と質問すると、
「特に思い浮か
ばない」という回答が 4 割であった。何が心配なのかはわからないが、漠然
とした心配を持っている。低周波電磁波では小児白血病、高周波電磁波では
脳腫瘍との因果関係が問題とされるが、
それを理解しているのは 1 割程度で、
色々と心配してリスク認知のほうが先行しているということだと思う。
[委 員]これから電気自動車や充電器が普及したり、電気が発生する場面が増えてく
ると思う。電磁波の危険性を誇張したりするような動きはあるのか。
[事務局]放射能領域ほどではないが、そうした方はいる。電磁波の規制をもっと厳し
いものにするべきとの考えを持っている研究者がある程度いることは知っ
ている。ただし、全体からは少数派である。低レベルの磁界ばく露によって
何らかの病気が起こるというような科学的な根拠は今のところ確立されて
ない。
余談であるが、公共図書館では、電磁波に関する蔵書は、環境衛生や公衆衛
生のカテゴリーの中に分類されているが、蔵書の 9 割は電磁波ばく露の危険
性を煽る本で占められている。一般の方にとっては、正しい情報にたどり着
くことが難しい状況にある。
[委 員]スマホに依存するゲーム障害の話もあるが、
100 万人が障害を受けていても、
スマホをまったく使わないという人が増えてくるわけではない。結局、リス
クとベネフィットを比べながら、使用しているという感じかと思う。たとえ
電磁波のリスクがあったとしても、プラスの面が大きければ、おそらく使い
続けていくのではないかと思う。
[事務局]ご指摘のとおりで、全ての事象にはリスクがゼロは有り得ない。自動車の運
転でも、リスクはあるがリスクとベネフィットを判断して大多数の国民は運
転している。
スマホのプラス面が優先されるため、
今後も使い続けると思う。 7[委 員]ホームページ中のアンケートで、情報が参考となったかどうか、自由記載の
欄がある。双方向のコミュニケーションの場になるのではないかと思うが、
どのように活用しているのか。掲載されている情報が十分かどうか、そうし
た内容のチェックに役立つのではないかと思う。
[事務局]今回のホームページのリニューアルでは、トップページに、電力設備、妊婦
向け、家電製品、携帯電話と 4 つの分類を作成し、対象者によって知りたい
情報が真っ先に目につくように工夫した。ホームページへの書き込み回答の
中で何の情報がどこに書いているかよくわからないとか、必要な情報を得に
くいというような見る側にとって見づらいというご意見については、今回の
リニューアルに反映している。
回答を十分に整理・分析できていないが、リニューアルを踏まえ、また意見
が寄せられると思うので、そうした意見を踏まえて来年度以降に反映してい
きたい。
Google アナリティクスで分析すると、
最近のホームページへのアクセス者数
の 70%程度はスマホで閲覧している。そうした点も考慮し、パソコン上の画
面だけではなく、スマホ画面でも見やすくなるよう工夫して、リニューアル
した。
[委 員]電磁界の問題について、日本全体の傾向を見るような母集団の設定や、それ
に応じたサンプル調査等をこれまでしたことはあるか。あるとすれば、日本
ではどれ位この問題に関心をもっているか。
[事務局]これまでに実施した数千人規模のインターネット調査では、電磁波のみなら
ず環境因子等の様々なリスク認知について調査したが、日本人の電磁波に関
する心配度というのは、ヨーロッパよりは低い。ヨーロッパだと、国によっ
ても異なるが、大体 7 割〜8 割程度が心配しているが、日本だと 5 割〜6 割
程度である。
[委 員]母集団の設定は男女等、均等なのか。
[事務局]母集団の年齢構成等に配慮はしているが、インターネットによる調査である
ため、あくまでネットユーザーが対象者であり、バイアスがかかっている。
[委 員]インターネット広告による配信について、配信によるアクセス者数は分かる
のか。
[事務局]今年度のホームページへの年間アクセス者数約 16 万人(2 月末迄)のうち、
半数程度がインターネット広告からの遷移によるアクセス者数である。 8(6)2021 年度 業務計画について<審議>
・事務局より資料運営 27-5 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員]オンライン形式による情報提供に関連し、日本助産師会ではメーリングネッ
トワークを保有しており、そのメーリングを通じて WEB セミナーの紹介、あ
るいは妊産婦さんへの紹介ということを検討してはどうか。また、日本助産
学会では、少し構成メンバーが異なるため、そちらへの働きかけも検討され
てはどうか。
[事務局]前向きに検討する。
[委 員]妊産婦向けのパンフレットの改訂版は、ホームページ上に、いつ掲載される
予定か。
[事務局]今年度中に掲載できるように、最終的な調整をしている。
【審議結果】2021 年度 業務計画について了承された。
(7)その他
次回開催の日程は、以下の 2 候補から、4 月末目途に最終調整する(開催形式は
別途調整予定)。・2021 年 9 月 9 日(木) 10 時〜12 時
・2021 年 9 月 16 日(木) 10 時〜12 時
以 上

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