資料 運営 25-21第 24 回 電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
1.日 時:2019 年 9 月 24 日(火)15:00〜17:10
2.場 所:全日電工連会館 3 階会議室
3.出席者:木下委員長、衞藤委員、緒方委員、原委員、飛田委員、山根委員
[事務局]一般財団法人電気安全環境研究所 薦田理事長
電磁界情報センター 大久保センター所長
4.議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)理事長挨拶(3)【審議】第 23 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について(4)【報告】2018 年度 予算執行結果について(5)【審議】2019 年度 業務計画について(6)【審議】2019 年度 予算について
5.配布資料:
・運営 24-1
・運営 24-2
・運営 24-3
・運営 24-4
・運営 24-5
・参考
運営委員会 委員名簿
第 23 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
2018 年度 予算執行結果
2019 年度 業務計画(案)
2019 年度 予算(案)
電磁界情報センター運営委員会規程
6.議事内容:
(1)定足数の確認報告
電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項にもとづき、運営委員 7 名中、出席
の委員 6 名であることから、第 24 回運営委員会は成立した。なお、緒方委員が今年 4
月に運営委員に就任し、今回より出席の旨事務局より紹介された。
(2)理事長挨拶
本日は大変お忙しいところ、ご参加いただき感謝する。皆様方に電磁界情報センター
(以下「センター」
)の今後のあり方について、大所高所からご忌憚のないご意見をいた
だければ幸いである。また、センター職員の多くが交代したが、私ども職員一同、フレ
ッシュな気持ちでこの事業を進めたいと思うので、是非よろしくお願いしたい。
資料 運営 25-22(3)第 23 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について<審議>
【審議結果】第 23 回運営委員会議事録について了承された。
(4)2018 年度 予算執行結果について<報告>
・事務局より資料運営 24-3 について説明がなされた。主な質疑は以下の通り。
【質疑】
[委 員]貸出測定器は何かメンテナンスを実施しているのか。
[事務局]購入してから 1 年後程度に初回の校正をした後、その後の校正周期について
は具体的に定められていないが、貸出の都度、センターで簡易な校正機器で
精度を確認している。校正がメンテナンスに相当するものと考えている。
[委 員]磁界測定プロジェクトについて、スマートメーターの調査検討を進めてい
たと思うが、何社位の機器を対象としているのか。
[事務局]未だ、スマートメーターの機種選定には至っていない。今年度も継続して
検討を進めている。
[委 員]磁界測定プロジェクトの支出について、
具体的な機器の調査には至らなかっ
たが、打合せ等の費用という理解でよいか。
[事務局]その様に理解して頂いて結構である。
[委 員]ランチョンセミナーが、
所長の国外学会出席等の日程重複により減ったのは
残念に思うが、事前の日程調整は難しいのか。
[事務局]ランチョンセミナーを多く開催できるように事前に日程調整はするものの、
時系列上困難な場合がある。
更にはセミナー枠の都合や共催費の関係もあり
難しい面はある。今年度は、昨年、一昨年と同程度の十数回開催出来るよう
に調整を進めている。
(5)2019 年度 業務計画について<審議>
・事務局より資料運営 24-4 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
資料 運営 25-23【質疑】
[委 員]効率的にターゲットを絞った活動をされて、効果が現れていると思うが、
昨今の国民全体の電磁界に対する関心や不安は、どのように感じているか。
また、これまでの問い合わせ程度や、社会での例えばインターネット等で
の色々な意見があると思うがどうか。
[事務局]センターへの直接的な問い合わせという意味では増えている傾向である。
また、グーグルによるインターネット調査で健康影響とどの様な言葉が検
索されているか分析した結果、原子力発電事故の影響により放射線の健康
影響が話題になった時期を含む 2011 年 12 月〜2012 年 12 月までの間に[健
康影響 and 電磁波]で検索された割合は[健康影響 and 検索全体]の 10%であ
るのに対し、2018 年 8 月〜2019 年 9 月までの 1 年間では、14%であったこ
とから、電磁界の健康影響に対する関心が未だ続いていると考えている。
[委 員]関心の高い人が、
不安を持つのか安心されるのか、
その辺は分からないのか。
[事務局]そこは分からない。
センターが過去に一般の方 3,000 人位規模でインターネ
ット調査をした結果では、電磁波の健康影響について、
「非常に心配」、「心
配」という方は大体 5 割前後であった。
[委 員]廉価な磁界測定器の精度確認であるが、
価格の違いも随分あるので驚くとと
もに、
測定結果にも随分差があるように思う。
これから取りまとめていくと
いうことだが、
これだけ差があるのであれば、
正しく数値を知るためにはき
ちんと JIS の機器を選びましょうとか、
そうしたメッセージが個人向けでも
自治体向けでも早めに必要かなという気がする。
自治体は既に購入している
か。
[事務局]自治体が購入されているかは把握していない。
今回の調査結果では、
価格が
2 万円位以上の 3 軸測定器であれば、
校正された機器にほぼ等しいような値
が出ることが分かった。ただし、正確な数値を判断するには、やはり校正さ
れた機器で測定された方が良いといった提言をさせていただくことを考え
ているが、専門家の意見を伺いながら検討を進めていく。
[委 員]インターネット広告の配信対象者について、
X 社利用者がベースとの説明で
あったが、さらに対象を広げる予定はあるか。
[事務局]広告配信を委託している事業者が X 社利用者のデータベースを活用してい
るため、
結果として現在の配信対象となっている。広告配信は他の宣伝媒体
もあるが、
委託事業者は妊婦向けや幼児者向け等、
ターゲットを絞って効率
資料 運営 25-24的に配信が可能なためその事業者に委託している。
広告配信の直接的な効果
は分からないが、ホームページのアクセス数や問い合わせ数も増えており、
電磁界情報センターの 10 年間の活動で認知度が高まっているということも
あるかと思う。
[委 員]スマートフォンアプリの精度確認をしているが、
ネット等をみると
「電磁波
を防ぐためのシール」
などの商品もあふれている。
実際の効果は分からない
が、そうした商品への何らかの方策というのは考えているか。
[事務局]スマートフォンには、
地図アプリに活用される GPS 等の静磁界を検出するた
めのセンサが元々内蔵されている。しかし、商用周波の磁場測定、変動磁場
の測定精度を期待するのは、
今回の調査結果では難しいと感じる。
他の電磁
波商品等への対応は実施していない。
[委 員]シールを貼って電磁波を防げるという可能性は理論的にあるか。
[事務局]壁一面に何らかの対策をするようであれば、
もしかしたらある程度は低減さ
れるのかもしれないが、シールだけでは無理だと思う。
[委 員]磁界測定のプロジェクトの精度確認について、
断定的に評価しにくいところ
はあるかと思うが、
「こういう傾向であった」ということを、専門家の方の
ご意見等を受けて活かしていただきたい。また、以前、身の回りの家電製品
の測定を実施していたが、
例えば掃除機でも機器の性能向上等により最新機
器が市場に出てくることから、
機器類の変化に対応した測定も検討していた
だきたい。
ランチョン開催については、
学会の年度計画等を早めに入手して、
調整いた
だければ良いかなと思う。
[事務局]学会については、
様々な看護系や医療保健系学会があるが、
学会によって共
催費が非常に高かったり、
過去の実績で参加人数が少なかったりというとこ
ろも勘案して、
全体の年間でバランスと所長の予定を踏まえながら調整して
いる。
[委 員]情報提供に関して、これまで長年、学会等での情報提供や、あるいは妊婦対
象のパンフレットを作成するとか、
そうした電磁波の健康影響に関して理解
を促進するという対応を進めてきているが、
国民のリテラシーがどの位上が
っているのか、
効果はどうかというところはなかなか評価が難しい面がある
かと思う。
学校教育でも電磁波を学ぶときに健康影響に関しても知るという大きなチ
資料 運営 25-25ャンスではないだろうかと思う。学校教育にどのようにアプローチするか、
国民のリテラシーを上げていくという観点において視野に入れていただき
たい。
[委 員]情報調査の国際連携について、
アーヘン工科大学からの論文情報というのは
一方向か、それとも双方向か。つまり、こちらから日本の情報を提供すると
いうこともあるのか。
[事務局]データベースに登録されている論文の概要を日本語で翻訳しているのみで、
日本の情報を発信することはない。
ITU(国際電気通信連合)という国連組織では、電磁波に関する情報提供の
NPO として、センターとアーヘン工科大学の2つを紹介している。
将来的にアジアにおけるセンターの位置づけになれればと考えセンター国
際化の検討を進めている。将来、電力事業が発展するような国では、必然的
に国民の電磁界の健康影響に対する関心が高くなると予想されるが、
まずは
東南アジアを中心として、
そうした人々に各国の言語で、
センターが作成し
ている英文の情報を現地語に翻訳して提供することにより国際的な貢献が
可能かとも考えている。
今は検討段階であり、
実際には資金的な問題もあり、
また具体的な検討を慎重に進める必要があると思う。
[委 員]こちらから情報発信するということを是非今後やっていただきたい。
[委 員]問い合わせ対応支援システムとは何か。
[事務局]電話で問い合わせをしてきた方が、
聞きたい内容について番号を選択すると
自動応答により回答が得られるシステムとなっている。
自動応答で納得され
なければ、職員が直接対応することになる。
[委 員]問い合わせされる方は、
基本的にすごく関心を持って問い合わせしている訳
だから、
その内容をきちんと分析できるとリスクコミュニケーションの有益
な情報になるかなと思う。
[委 員]測定器の貸し出しをする際、
貸し出す相手には、
測定器を貸し出すとともに、
こちらから何か情報を提供しているのか。
[事務局]問い合わせを受けた際、
どんな対象を測定したいのか、
どういう背景があっ
て測定したいのかという点は確認し、
測定器を発送する際には、
一般的なセ
ンターのパンフレット等を同封している。
また、
測定器返却の際はアンケー
トを書いていただいているが、
その内容を踏まえ、
こちらから電話して測定
資料 運営 25-26結果や不安に感じることはないかフォロー対応をしている。
[委 員]測定結果の数値が、
非常に高かったとか低かったという回答には、
恐らくそ
の方々には何かしら基準があって、その基準と比べて、高かった、低かった
と言っていると思う。
パンフレットにはその基準が掲載されているのか。借りた方はそれを見て、自分は高かったと言っているのか。
[事務局]パンフレットには、国際的なガイドラインであり日本の規制値 200μT とい
う数値が掲載されている。不安を感じる方には、それと比べて、十分低いの
であまり心配しなくても大丈夫ですというようなフォローをしている。
[委 員]例えば「心配だった」という人が「安心しました」というのに変わるのに、
測定値がどういう数字だったらそうなるのかというようなことも分析可能
だと思う。
[事務局]測定結果について、
高かったと感じておられる方はなぜ高いと感じるのかと
いうことを以前調査したが、
一つは電磁過敏症の人、
もう一つは非常に不安
であるという人であった。
国際的なガイドラインというのは 200μT という磁界が規制値になっている
が、長期的なばく露と小児白血病との関連では 0.4μT というのがカットオ
フ値となる。疫学研究において 0.4μT を超えると小児白血病が 2 倍に増加
するという結果がある。200μT という数値に納得されている方は測定したら「少なかった」
と感じているし、
非常に心配な人は 0.4μT を超えると
「高
かった」
と感じる。
電磁過敏症の方々は、
数値に関わらず高いと感じている。
[委 員]同じ数値でも人によって、
危ないと感じる人と、
危なくないと感じる人がい
て、
そういう意味ではリスクコミュニケーションという観点でデータを整理
すると一つの普遍的なパターンが得られそうな気がするので、
十分分析して
いただけたらいいと思う。
[委 員]ホームページの閲覧者数の推移をみると、
数千人から 1 万人を超える人たち
がアクセスしてきているが、
リテラシーを向上させるための方策として何が
一番効果的だというふうに考えているか。
[事務局]これまでの講演経験を踏まえると、リスクリテラシーというのはかなり困
難だと思う。電離放射線でも、食品添加物でも、たぶん定量と定性の違い
がうまく分からないと無理だと思う。ただ、不安を感じた場合に、いかに
正しい情報に早くたどり着いてもらうかは重要である。いったん不安を感
じた人が「まあ、安心だね」と感じ方が変わるには、かなりの努力をする
資料 運営 25-27必要がある。提供した科学的な情報を信用してくれるかどうかはセンター
を信頼してくれるかという問題にもなると思う。センターを信頼しなくて
も WHO を信頼してくれれば、それでうまくいくのかなという感じはする。
国際機関の見解を情報提供し、後はご自身に判断いただくというのが基本
スタンスである。
【審議結果】2019 年度 業務計画について了承された。
(6)2019 年度 予算について<審議>
・事務局より資料運営 24-5 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。
【質疑】
[委 員]世の中のニーズにより、新しい磁界発生源が出てきたとか、そのようなこと
はないか。かつて、自動車が自動運転になったらどうだとか、リニアモータ
ーカー等話題になったが、そういう新しい製品というのはこの 1 年では出て
こなかったか。
[事務局]今年度の計画としてはそうした調査は予定しておらず、本日紹介したスマー
トフォンアプリや、スマートメーターに関して検討を進める予定である。
【審議結果】2019 年度 予算について了承された。
(7)その他
次回開催の日程は以下のとおり。
・2019 年 3 月 17 日(火) 15:00〜17:00
以 上

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