1第 23 回 電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
1.日 時:2019 年 3 月 4 日(月)15:00〜17:00
2.場 所:全日電工連会館 3 階会議室
3.出席者:木下委員長、日和佐副委員長、衞藤委員、小島委員、原委員、
飛田委員、山根委員
[事務局]一般財団法人電気安全環境研究所 薦田理事長
電磁界情報センター 大久保センター所長
4.議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)理事長挨拶(3)【審議】第 22 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について(4)【報告】2018 年度予算執行状況について(5)【報告】2018 年度業務実施状況について(6)【審議】2019 年度業務計画について
5.配布資料:
・運営 23-1
・運営 23-2
・運営 23-3
・運営 23-4
・運営 23-5
・参考
運営委員会 委員名簿
第 22 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
2018 年度予算執行状況
2018 年度業務実施状況
2019 年度業務計画(案)
電磁界情報センター運営委員会規程
6.議事内容:
(1)定足数の確認報告
電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項にもとづき、
運営委員 7 名中、
出席は委員 7 名であることから、第 23 回運営委員会は成立した。
(2)理事長挨拶
先生方には、日頃、電磁界情報センター(以下「センター」
)の運営に関し多
大なご支援を賜り、厚く御礼申し上げる。
センターは今年 11 年目に入っているが、本日の委員会では、2018 年度の予算
執行状況および 2019 年度事業計画として今後のセンターの取り組みなどについ 2て説明するので、皆様方から忌憚のない意見をいただきたい。
(3)第 22 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について<審議>
【審議結果】第 22 回運営委員会議事録について了承された。
(4)2018 年度予算執行状況について<報告>
・事務局より資料運営 23-3 について説明がなされた。主な質疑は以下の通り。
【質疑】
[委 員]磁界測定の項目でスマートメーター調査が支出減になっているが、これはど
ういう理由か。
[事務局]今年度はスマートメーターの測定調査を計画していたが、
スマートメーター
を製造する企業などとの調整がつかず、
機器購入や磁界測定には至らなかっ
た。なお、新たな磁界発生源への調査対応として、廉価な磁界測定器などを
購入した。
[委 員]貸出用の磁界測定器を新しく 10 台購入とのことだが、全部で何台保有して
いるのか。
[事務局]昨年度と一昨年度に 10 台ずつ購入し、
現状 20 台を貸出用測定器として保有
している。
測定器の精度維持のためには定期的な校正が必要となり、
最初の
校正は購入から 1 年後に実施することが望ましいとされるが、
その後の校正
周期については測定器の仕様書で具体的に定められていない。
そこでセンタ
ーの判断で当初 2 年程度使用後、
校正することを予定していたが、
多くの方
が使用するため汚れや傷などが目立ようになった。
また、
校正に係る費用と
新規購入でメーカーの値引価格を考慮すると両者に差が余りないことから、
今年度は新規購入とした。今後は、現状 20 台を維持しつつ新規購入のサイ
クルや数量について検討していきたいと考えている。
(5)2018 年度業務実施状況について<報告>
・事務局より資料運営 23-4 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。 3【質疑】
[委 員]海外で学会参加の際、
参加者の電磁波の危険性に対する関心度合いはどうか。
市民のセッションのような場はあるのか。
[事務局]学会によって異なるが、例えば、2016 年の BioEM(生体電磁気学会)では、
市民団体が主催するようなセッションが会期中に開催され、
電磁波の危険性
に対して学術集会参加者と討論していた。
[委 員]日本では市民運動はまだ静かという感じであるのか。
メディア動向では、日本では電磁波に関する話題が近年少なく、
ドイツの方が市民運動などは活発
なのか。
[事務局]世界的に見ると、
電磁波に関する話題についてメディアはそれほど取り上げ
ていない。アメリカでは、最も信頼性の高い、発がん性のハザード評価を行
っている組織である米国国立衛生研究所(NIH)が行うプログラムで、国家
毒性プログラム(NTP)というのがある。その研究結果の一部に、携帯電話
で用いられる電波ばく露が発がんに関連して陽性で有ったことから、
発がん
ハザードがあるとの報告があって、海外のメディアは随分取り上げている。
しかし、
日本では三大新聞のいずれも取り上げていない。
そういう意味では
メディアの影響はかなり大きいという気がする。
[委 員]磁界測定プロジェクトとして、
廉価な磁界測定器の精度確認との説明があっ
たが、市販されている磁界測定器の価格帯はどの程度か。
[事務局]調査した限りでは、3,000 円程度から市販されており、その測定器が標榜す
る測定可能な周波数帯は低周波から高周波までと非常に幅広い。
実際の高周
波測定器は非常に高価であることから、
廉価な測定器が本当に正確に測定可
能なのかは不明である。
今年度は既にこれらの廉価な磁界測定器を購入して
おり、
来年度に精度確認を実施する予定である。その結果については今後報
告させていただく予定である。
参考ではあるが、
センターで貸出をしている
低周波磁界測定器は、JIS C 1910 に適合した測定器であり、年に 1 度の校
正を実施している。購入価格は一台約 7 万円である。
[委 員]太陽光発電事業者や風力発電事業者向けにセミナーを実施しているが、
事業
者は住民からの電磁波の健康影響への懸念に対して対応に苦労しているの
か。
[事務局]今年度実施した 2 件に関しては、
設備を建設予定のため周辺住民への対応を 4念頭に電磁界の基本的な理解のために勉強したいという要望に対応したが、
設備整備に伴う電磁波ばく露に対する反対運動に苦労しているという印象
ではなかった。ただし、実際に事業者と建設予定地の一般の方との対応で、
どのような反応があるのかまでは把握していない。
[委 員]問い合わせ対応状況における発生源別の内訳について、
ここ数年で大きな数
字の変化はないか。
例えば携帯電話に関する問い合わせが減った、
或いはそ
の他の問い合せが増えたなど。
[事務局]大きな変化はない。
本内訳は 1 回の問い合わせに対して、
複数の問い合わせ
内容の累計である。
一人で色々な内容を質問される方もいるため、
全体的に
は同様の傾向と認識している。
最近はスマートメーターに関する問い合わせ
もある。
[委 員]「情報の媒介者を対象とした情報提供活動」で、今年度は実施回数が少し減
少している。
これは人口減少などの社会的な影響によって減少しているとい
うことは考えられるか。
[事務局]人口減少などが要因であるとは考えていない。
この情報提供活動は学校保健
や衛生関係に関連する学会を中心としたものであり、
昨年度に比べて実施回
数少ないのは、
所長の海外出張と日程が重複したことや、
台風の影響により
学会開催が短縮されたことなどがある。
それらを含めると、
今年度が明らか
に減っているということではないと考えている。なお、来年度は 15 件程度
の実施を予定している。
[委 員]電磁波関連の情報は、
配信会社を通じて収集しているようであるが、
新聞に
関する情報だけか。
例えば、
インターネットでの一般市民のつぶやきのよう
な情報も収集しているのか。
[事務局]新聞に関する情報は配信会社がまとめてチェックして収集している。
有名な
海外機関や雑誌からの情報は、
コンサルティング会社を通じ情報収集をして
いる。SNS などのつぶやきのような情報まではチェックしていない。
(6)2019 年度業務計画について<審議>
・事務局より資料運営 23-5 について説明がなされた。主な質疑は以下のとおり。 5【質疑】
[委 員]市販の磁界測定器の精度確認や、問い合わせに応える形で電磁波発生源の測
定実施を検討していくという視点はとても良いと感じた。今後アジアなどへ
向けた情報提供を検討していくことについて、発展途上の国では電磁界に関
する問題よりもインフラ整備が優先である状況ではないかと感じるが、情報
提供の対象は中国をイメージしているのか。
[事務局]これまでに中国からの問い合わせは一度もない。
台湾や、
韓国からの問い合
わせが一番多い。韓国はノウハウを勉強するため、センターを過去 5、6 回
訪問している。それ以外の国では、センターのような、リスクコミュニケー
ションセンターという組織は設けていない。
関心の高い国としては、
インド
ネシア、マレーシア、台湾、シンガポール、タイであり、情報提供活動の可
能性があるものと考えている。
この試みが進展すれば、
今後はセンターのホ
ームページの英文版の充実だけでなく、各国の言語での提供も検討するが、
実施に際しては、費用の問題などの具体的条件に踏み込む必要がある。
[委 員]アジアにおいて市民の電磁波に対する不安感情はどうか。
[事務局]電磁波の健康影響に関して活発な市民運動があるのは韓国や台湾との印象
を持っているが、タイでも反対運動が起こっている。
[委 員]アジアに向けての情報提供というのは十分可能性があると感じる。
[委 員]今年度から開始した妊婦向けパンフレット配布事業について、
費用対効果を
検証するというのは、どのように実施するのか。
[事務局]妊婦を対象に、2 年間で 160 万部程度配布する予定である。対象層を妊婦に
特化して、まずパンフレットを読んだか読んでいないか、読んだ場合に、リ
スク認知はどう変化したかなどを調査するアンケートを 2019 年度実施する
予定である。
ただし、
妊婦向けパンフレットは母子衛生研究会が発行元であ
ることから、その摺合せが必要である。
[委 員]母子衛生研究会が主体でアンケートを実施した方が良い面があるのではな
いか。
[事務局]指摘の通り、
センターというのは一般の人にはあまり馴染みがないので、妊婦にしてみれば、
公益財団法人母子衛生研究会という厚生労働省傘下の組織
からアンケートを実施した方が抵抗感はないかもしれない。 6[委 員]センターはこれまで家電製品の磁界測定を実施してきたが、
美容器具や健康
器具の磁界測定調査を検討してはどうか。
[事務局]健康器具などについては、
一般社団法人日本ホームヘルス機器協会が品質や
安全性などの確保を図っている。
また、
独立行政法人医薬品医療機器総合機
構でも医療機器などの認証をしている。
センターは、
一般環境や労働環境で
の電磁波の受動的なばく露に対する健康影響について情報提供している。例えば低周波治療器のような器具は使用者自身に選択肢があり、
そのばく露は
能動的と言える。
健康影響が気になるのならば使用を止めることは自己選択
可能であるため、
美容器具や健康器具の磁界測定調査については当面考えて
いない。
[事務局]先般、
スイス連邦において防護に関する新たな法令が可決された。
それは医
療目的や一般人々が医療機関で使用していないものに関する法的な整備で
ある。スイス連邦では、現状ドイツ語でしか情報提供されていないが、いず
れ英語でも公開されるので、
これをスイスでの社会動向としてセンターから
情報提供することは可能だと思う。
[委 員]東京オリンピックを控え、
街角に電子掲示板のようなものが多く出回りつつ
ある。
またロボット類も出回ってきていると感じる。
そうしたものからの電
磁波の健康影響はどうか。
[事務局]個人的見解であるが大きな問題となるレベルではないと考えている。
そうい
う電波領域、
IoT を含めて色々な電波を応用した機器が日常の中で増えてい
ることは事実である。
それに関しては、
来年度から総務省の生体電磁環境研
究において、
携帯電話を含めた基地局あるいはテレビやラジオ、
可能な限り
全ての電波領域の電波ばく露のレベルを経年的に測定するというプロジェ
クト(電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用)が開始さ
れる予定であり、
恐らくそのプロジェクトで電磁波の測定が実施されるので
はないかと思う。
[委 員]働く女性が増え、
また勤務時間に関する話題なども昨今のニュースなどで聞
かれる。
センターはこれまではどちらかというと暮らしの中の電波ばく露の
問題を扱ってきたが、
女性の母体を守るという点、
女性に限らず労働安全衛
生的な視点から見たばく露の問題はどのように考えていくか。
[事務局]センターがそうした問題に関わるのは望ましいが、
現実的には非常に困難だ
と思われる。労働安全関連では、現在、総務省が実施している生体電磁環境 7研究において、妊婦を含め労働環境で「どの周波数領域」で「どの程度のば
く露」を受けているかを調査中である。
[委 員]リスクコミュニケーションの観点で、携帯電話、Wi-Fi や 5G の環境が普及
すると、
それに関する問い合わせも連動する可能性があるが、
対応を考えて
いることはあるか。
[事務局]先ほど説明した総務省の生体電磁環境研究の一つに、
電波ばく露レベルモニ
タリングプロジェクトが有り、
その中でリスクコミュニケーション手法につ
いて検討を行うことになっている。IoT や 5G などに関しては総務省が積極
的にコミットしてくることが予想される。
[委 員]地域別の問い合せ状況に関連し、
新設の変電所や、
新規の電磁波発生源が建
設されるような地域はないか。
[事務局]センターが知る限りでは特に把握していない。
ただし、
山梨県に関してはリ
ニアモーターカーが通過する予定であるため、
今後、
その影響に関連する問
い合わせが増える可能性は否定できない。
【審議結果】2019 年度業務計画について了承された。
(7)その他
1 運営委員の退任
日和佐副委員長より、退任の意向が示された。
2 次回開催日程
次回開催の日程は以下のとおり。
・2019 年 9 月 24 日(火) 14:00〜16:00
以 上

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