Microsoft Word - 第18回運営委員会議事録(案)

1第 18 回 電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
1.日 時:平成 28 年 9 月 29 日(木)15 時〜17 時
2.場 所:全日電工連会館 3 階会議室
3.出席者:木下委員長、日和佐副委員長、衞藤委員、小島委員、原委員、
飛田委員、山根委員
(事務局)一般財団法人電気安全環境研究所 尾崎専務理事
電磁界情報センター 大久保センター所長
4.議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)専務理事挨拶(3)【審議】第 17 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について(4)【報告】平成 27 年度予算執行状況について(5)【審議】平成 28 年度業務計画について(6)【審議】平成 28 年度予算について
5.配布資料:
・運営 18-1
・運営 18-2
・運営 18-2 付
・運営 18-3
・運営 18-4
・運営 18-5
・参考
運営委員会 委員名簿
第 17 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
第 17 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応
平成 27 年度予算執行状況
平成 28 年度業務計画(案)
平成 28 年度予算(案)
電磁界情報センター運営委員会規定
6.議事内容:
(1)定足数の確認報告
電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項にもとづき、運営委員 7 名中、出席の委員
7 名であることから、第 18 回運営委員会は成立した。
(2)専務理事挨拶
本日はご多忙のところ運営委員会にご出席頂き感謝申し上げる。委員各位には、平素より電
磁界情報センターの業務につきまして、
種々ご助言を賜っていることに対して改めて御礼申し
上げる。センターの運営は、本運営委員会の審議によって定まっていくので、本日も忌憚のな
いご意見を賜りたい。 2(3)第 17 回電磁界情報センター運営委員会 議事録の承認について
【審議】
事務局より、資料運営 18-2、資料運営 18-2 付について説明があった。
【質疑】主な質疑は以下のとおり。
(委 員)資料運営 18-2 付の分析結果について、リスクコミュニケーションの専門家である委
員長に伺いたい。電磁波の健康影響が心配な人が、心配する必要がないと言われて余
計否定的になるというのはあると思うが、そのような人でも相手が誠実をもって接し
てくれば、
「あなたのことは信頼できますよ」ということはあり得るので、この分析だ
と、まだ足りない面もあるのではないか。その点について、専門家から見たらどうな
のか教えて欲しい。
(委員長)この質問は、いわば表面的なことしか聞いておらず、
「変わった」といっても変わり方
の内容は分析されていない。今の質問のようなことを調べようとすれば、あらかじめ
それをアンケートの中に組み込んでおかないと、あとからでは分析できない。
「態度が変わる」
「変わらない」というようなことは、例えば 5 段階の尺度があって、
「非常に賛成」から「非常に反対」まであるとすると、両端にある人というのは、も
ともと態度が強い人で一般的には変わりにくいという傾向がある。一番変わりやすい
のは、
「どちらとも言えない」という、いわば意見がない人は影響されやすく、このデ
ータも「どちらとも言えない」という人が変わっている率が一番高くなっている。
それから、
「安全だ」と思っている人も、安全の認識というものが非常に表面的なもの
で、
「大したことない」
というふうに内容なしに考えているような人もいる。
けれども、
セミナーで安全にもいろいろレベルがあって非常に強いものは影響があると、こちら
のほうから言わばリスコミ的に正しい情報としてプラスマイナス両方聞かされ、初め
て聞くマイナスのことにびっくりして、今まで無邪気に安全だと思っていたがそうい
う面もあるのか、というので不安が増えたということはあり得る。
しかし、それを調べようとすれば、調べるための質問をあらかじめ組み込んでおかな
ければならない。もしくは、あとからその人たちを個別に集めて、直接個人的に心の
内部の話を聞き出すということをしないと、表面的な分析だけではわからないところ
が残っているのは事実である。
(委 員)その点は分かったが、そうするとこれから心配な人が来ても、信頼されるためには何
をすればいいか。大事なのは、そのためにどうすべきというヒントみたいなものはあ
るのか。
(委員長)
「正しく怖がる」ということである。理屈なく怖がるというのは、感情的で、無知な怖
がり方であり、
それは世間だけではなくて、
ご本人にとっても不幸である。
けれども、
危険なものをやせ我慢で「安全だ」というふうに自分に思い込ませるのは、これはま
た良くない。
よって、本当に危険なものは危険、しかし危険でないものは危険でないというふうに
正しく選別するような思考様式が要るのであって、こちらが協力すべきことはそうい
うことではないか。
(委 員)確かに、関心が高まったために逆に「あ、心配な面もあるかも」というふうに認識す
るようになったということもあるのではないかと思う。
それともう一つは、そもそも大変心配に思っていてセミナーに参加したが、内容が難
しくて十分理解できなかった。そういう場合も何となくまだ心配だなと思って、否定 3的な回答をするなど、いろいろな場合があるのかなと感じた。
(委 員)アンケート結果から読み取れることとして、まず、全体のアンケートの結果を見ると、
「わからない」という人が終了後は減っている。
それから、クロス集計について、回答の一貫性がどうかということを見ると、
「信頼で
きる組織だ」ということに関しては、
「全くそう思わない」という人は終了後も「全く
そう思わない」となっており、それはそれで一貫しているが、
「そう思わない」という
人が「そう思う」に変化してしまっているから、そこの一貫性は何とも言えない。
その次の「専門性のある組織である」ということに関しては、これは一貫性というこ
とは全然言えない。
「全くそう思わない」とか「そう思わない」という人が終了後同様
な回答をしていないということが見えると思う。
それから、
「公正・中立な立場で情報提供している」
「市民とのコミュニケーションを
大事にしている」は、ある程度、
「全くそう思わない」とか「そう思わない」という人
が終了後もこういうネガティブな傾向の回答をしている、
一貫性が読み取れると思う。
(委 員)分析した結果を見て、直感的に思うことは、不安を抱いている方が、あれもこれも考
え始めると自分を取り巻く周辺の状況がわからない。置かれている状況を把握するた
めの情報が十分でなかったということで、なお疑問は残るという、そういう考え方も
できるのではないかと推理していた。
それはどういうことかというと、セミナーの内容が、自分の意に沿わないという面も
あるのかもしれないが、得られた情報が自分の生活環境とどのような関係があるかと
いう、自分の生活環境と比べたときの情報がやや不足していて、それが思惑だとする
と、心配している状況が解消されないということにつながったと推理していた。結論
的に申せば、心配している方々にとって情報が身近なものでない部分があったのでは
ないかと。理論的なことを教えてもらっても、その辺の溝を埋めるにやや不足してい
たのではないかと思う。
(事務局)委員長にお尋ねするが、あるリスク認知なり、信頼性など、今回の場合にはセミナー
を受講して、207 名中 15 名、約 1 割未満の人たちが、かえって期待したものとは逆の
方向に行くという結果となっているが、このような状況が、一般論として講演会で起
こり得るのか。
(委員長)それは先ほどと同じ話になるが、最初の無邪気な賛成が、
「ああ、そういう意味では怖
いことがあるんだ。私の不勉強だった」という意味であれば、ある意味、正しい認識
に変わったわけなので、それはリスコミの成果である。ネガティブに言っているけれ
ども、正しく怖がってくれたという意味ではプラスである。
従来の態度変化の分野の理屈からすれば、こちらが唱導しようとする方向と逆にいっ
たわけであり失敗だということになるが、リスコミの立場からすれば、
「正しく認識し
てもらう」
「正しく怖がってもらう」ということであり、その意味では私はプラスと考
えたほうがいいと思う。
ただ、
それがほんとうにそういう人たちであるのかどうかは、
このデータからはわからない。
(委 員)一つ気になるのは、
「市民とのコミュニケーションを大事にしている」に対する「そう
思わない」が 2 倍になっているという点である。コミュニケーションを大事にしてい
ないと感じた人が増えたということであり、会場に来て、
「電磁波が危ない」と思って
いる人たちの意見を聞いてくれなかったという意味なのかどうか、その人たちに耳を
傾けて議論すればよかったのかどうかは、このデータからはわからないが、コミュニ
ケーションは一生懸命やっているはずなので、
ここが増えてしまったことは気になる。 4このアンケート結果から、次回に活かす教訓があるのかどうか。次回からこういうふ
うにやりましょうということが言えれば一番いいと思うが、主催者のほうで気づいた
点はあるか。
(事務局)これまで電磁界情報センターを知っている方にも、初めてという方にも同様のアンケ
ートをとっている。
アンケートでは、知っている方は、電磁界情報センターの活動に対する評価を回答し
て貰っているが、初めての方は、よくわからない状況での期待値というような意味で
回答いただいていると推察される。初めての参加者は、コミュニケーションを大事に
しているかどうかに対しては「わからない」と答えるべきだが、当方の設問設定に問
題があると反省している。
(委員長)毎回参加されている方はどの程度か。
(事務局)8 割から 9 割が初めて参加されている。
(委員長)毎回参加される方は、どういう人が多いのか。
(事務局)毎回参加される方はほとんどいないので、良く分からない。
(委 員)可能であれば、何故そう思うか、という理由を書いてもらうようにしてはどうか。
(事務局)承知した。今後、アンケートについてもう一度練り直したい。
(委 員)
アメリカの科学アカデミーが今年の 5 月に遺伝子組み換え作物の報告書をまとめたが、
遺伝子組み換えに否定的な弁護士や社会科学者等にも意見を聞いてまとめている。結
論は「問題ない」ということであるが、否定的な意見についてもインターネットで読
めるようになっている。
座長を務めた方にインタビューした時に
「一番大事なことは何か」
と聞いたところ
「ク
ローズしない」という回答であった。それを聞いて、日本でもそういうことができる
のかなと思ったので紹介させていただく。
(事務局)これまで実施したフォーラムやセミナーの議事録には、反対意見とか様々な意見を全
部そのまま載せてある。
【審議結果】第 17 回運営委員会議事録について、了承された。
(4)平成 27 年度予算執行状況について
【報告】事務局より資料運営 18-3 について説明を行った。
【質疑】特に質疑事項はなかった。
(5)平成 28 年度業務計画について
【審議】事務局より資料運営 18-4 について説明があった。
【質疑】主な質疑は以下のとおり。
(委 員)各種学術集会でも電磁界の健康影響に関するランチョンセミナーでのアンケート調査
は行っているか。また、会場のインプレッションはどのような状況か。
(事務局)アンケートは、これまで実施しておらず今年度から始めているが、集計中であり結果 5は出ていない。
ランチョンセミナー参加者の大部分は学者・研究者なので、電磁波の健康影響に対す
る心配度で言うと、多くの参加者があまり心配されていない。しかし、参加者の知的
レベルは高く、定量と定性ということも区別がよくわかっているので、この様な方々
を介して WHO の見解を説明していただくことで一般からの質問者(国民)に対して電
磁界の健康影響に関する正しい理解ができているものと期待している。
(委 員)臨床の場では患者さんたちから聞かれた時に自信を持って説明できるようになるとい
うのは大きいと思われる。
(事務局) 一回のセミナーでそこまでは難しいと思うが、
「電磁界情報センターという組織があ
るのでそこに聞いてごらん」と誘導して貰うと有り難い。
(委 員) 学術論文検索 EMF-Portal のサイトは、便利で有用と思われる。詳細情報の日本語訳
は、アブストラクトあるいは全訳どちらか。
(事務局)全訳すると版権の問題があるので、論文の概要を記載している。なお、初めての方へ
の理解促進のため、翻訳済みの専門用語にリンクするようにしており、データベース
の詳細な情報提供を可能にしてある。
(委 員)一般の方が読んでもわかるような文章になっているということでよいか。
(事務局)そのように努力している。
(委員長)有用だと思われるが、一般の人たちが EMF-Portal の存在を知っているか。つまり、一
般の人に対して広報をしておられるのかどうか。
(事務局)講演会での紹介とホームページで掲載している。
(委 員)どのくらい集まるかわからないが、記者会見を実施してもいいかもしれない。記者た
ちも参考になるサイトだと思われる。
(事務局)承知した。ぜひ企画したい。
(委 員)情報の媒介者を対象とした情報提供活動について、一番重要なのは、マスコミ関係と
思われる。
マスコミによる非科学的なエモーショナルな報道がきっかけで問題が大きくなってい
る。これはやはりマスコミ関係に、エビデンスはどうなのか、根拠は何だ、というと
ころをしっかり対話をするようなことをしていく必要があると思われる。
(事務局)以前の委員会でイギリスにはサイエンスの情報をメディア向けにきちんと解説するサ
イエンスメディアセンターがあるとの紹介があった。
日本でもサイエンスメディアセンタージャパンという組織が早稲田大学で設立されて
おり、これに協力する専門組織として電磁界情報センターを登録した。今後はサイエ
ンスメディアセンタージャパンから電磁界情報センターにも問い合わせが有ることを
期待している。
(委 員)
3 ページ
「コンサルタント会社との情報配信契約による情報収集」
との記載があるが、
コンサルタント会社とはどのようなところか。
(事務局)情報調査を行う会社と契約しており、主に海外の政府系あるいは研究機関の発表内容
などを定期的に確認している。
我々自身でも確認しているが、情報量が膨大であり、一部をコンサルタント会社に委
託して情報収集している。
(委 員)5 ページに「各分野の専門家との連係による専門的な問合せに対する対応実施」との
記載があるが、
日常的につながっている機関とか個人というのはどのくらいあるのか。
(事務局)電磁界情報センターには国外の Rapid Response Group 以外に、国内の専門家ネットワ 6ークを組織している。国内の医学、電気工学、公衆衛生あるいは心理学などの専門家
がメンバーで、必要に応じて記事を執筆依頼したり、問い合わせをしている。
(委 員)8 ページに「業務削減による効率的な業務運営」との記載があるが、どのような業務
を削減しているのか。
(事務局)ある業務を取り止めるということではなく、効率的に業務を実施している。例えば、
これまで依頼講演会は 2 名で対応していたが、会場準備等は先方で行うので、1 名で
対応し旅費の低減を図るなどを行っている。
(委 員)16 ページに「マタニティマークとのタイアップによる広告」との記載があるが、どの
ような広告か。
(事務局)厚生労働省が推奨しているマークで、妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、
周囲が妊産婦への配慮をしやすくするマークがある。そのマークが記載された広告で
あればより妊婦が関心を持とものと期待される。
電磁界情報センター所在地の沿線である地下鉄三田線の優先席の付近に、
「電磁界に関
する正しい情報はここを検索すればわかります」という内容の広告掲載を計画してい
る。
【審議結果】平成 28 年度業務計画について了承された。
(6)平成 28 年度予算について
【審議】事務局より資料運営 18-5 について説明があった。
【質疑】特に質疑事項はなかった。
【審議結果】平成 28 年度予算について了承された。
(7)その他
次回開催の日程は以下のとおり。
・平成 29 年 3 月 9 日(木) 15 時〜17 時
以 上

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