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第 13 回 電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
1.日 時:平成 26 年 3 月 18 日(火)10 時〜12 時
2.場 所:全日電工連会館 3 階会議室
3.出席者:木下委員長代理、日和佐副委員長、小島委員、飛田委員、
藤村委員、山根委員
(事務局)一般財団法人電気安全環境研究所 薦田理事長
電磁界情報センター 大久保センター所長
4.議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)理事長挨拶(3)【審議】第 12 回運営委員会でのご意見への対応について(4)【報告】平成 25 年度予算執行状況について(5)【報告】平成 25 年度業務実績について(6)【審議】平成 26 年度業務計画について
(7)その他
5.配布資料:
・運営 13-1 運営委員会 委員名簿
・運営 13-2 第 12 回電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
・運営 13-2 付 第 12 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応(案)
・運営 13-3 平成 25 年度予算執行状況
・運営 13-4 平成 25 年度業務実績の概要
・運営 13-5 平成 26 年度業務計画(案)
・参考 電磁界情報センター運営委員会規定
6.議事内容:
(1)事務局からの連絡事項
・急遽、浅野委員長が体調不良により欠席となったことから浅野委員長からの指示
により本委員会は木下委員長代理の下で行わせて頂く。
・運営委員会委員の小林充氏について、昨年末にご逝去されていた旨、最近になり
連絡を頂いた。謹んでお悔やみ申し上げる。 2(2)定足数の確認報告
電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項にもとづき、運営委員 7 名中、
出席の委員 6 名であることから、第 13 回運営委員会は成立した。
(3)理事長挨拶
本日は年度末のご多忙のところ運営委員会にご出席頂き感謝申し上げる。
委員会
の皆様方におかれましては、平素より電磁界情報センター(以下、
「センター」)の業務につきまして、種々ご助言を賜っていることに対して改めて御礼申し上げる。
センターの業務は、磁界測定器の貸出業務も含め計画に則り順調に進んでいる。本
日は、センターの平成 25 年度の業務の執行状況についてご報告を申し上げるとと
もに、平成 26 年度の業務計画についてご審議頂くことになっており、よろしくお
願いしたい。
(4)第 12 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応について
【審議】
事務局より第 12 回電磁界情報センター運営委員会議事録については、事前に
各委員に内容確認を受けているので説明を省略したいとの説明があった。
また、事務局より資料運営 13-2 付について説明があった。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
特になし。
【審議結果】
第 12 回運営委員会議事録およびご意見への対応方針(案)について、特段の異
議はなく了承された。
(5)平成 25 年度予算執行状況について
【報告】事務局より資料運営 13-3 について説明があった。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(委 員)今後、収入が大幅に増える見込みが無い中、新規事業対応等により繰越
金も減っていくとなると根幹をなす調査や情報提供業務を維持してい
くことは、予算的にも大変厳しい状況のように感じる。
(事務局)今年度の予算増の主要因は、解説編のパンフレットの増刷と高周波用の
磁界測定器の購入による一過性のものである。
本日の資料には出てこな
いが賛助会費は減少しているが受託事業の収入は増加しておりトータ
ルの収入としては昨年度と同様規模で事業運営している。 3(委 員)受託事業が賛助会費事業に影響を及ぼしているのではあれば、その旨、
予算執行状況等の報告に含めるべきではないか。
(事務局)記載方法として予算執行状況の繰越金の内、受託事業分を明示すること
等が考えられるが、記載方法については次回委員会で説明させて頂く。
【審議結果】
平成 25 年度予算執行状況について了承された。
(6)平成 25 年度業務実績について
【報告】事務局より資料運営 13-4 について説明を行った。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(委 員)磁界測定については、いろいろな困難もあったことと思うが、早速、ご
対応頂き感謝申し上げる。
このようにはっきりと数値で示して頂いたこ
とは、
大変参考になることから機会あるごとに多くの人に伝えていきた
い。
(委員長)条件によって測定結果は異なってくるため、今回の結果をもってどこま
で一般化できるかわからないが、例えば、バイナリー発電の場合も、発
電機の稼働状況によって電磁界の発生状況も変化するのではないか。
(事務局)発電機の稼働状況よって電磁界発生状況も当然異なることから、測定に
あたっては、測定条件を記録した上で、測定を行っている。条件を公表
するかは別として、
こういう条件下で行った測定結果であるということ
を説明できるような体制で測定を行っている。
(委員長)測定結果を見る限りかなり低いレベルであるが、一般の方は測定条件等
をあまり考えずに、出てきた数値だけを見がちであり、その辺をどう表
現したらいいのかということが気になる。よって、そのような測定結果
のデータベースを作り、
いろいろな条件下でのデータが積み重なってく
ると、リスクベースでいろいろな表現が出来るのではないかと思う。
(事務局)現在、経済産業省が行っている電力設備を対象とした磁界測定の事業も
同様を思うが、いろいろな個所で多くの測定をすることにより、ある程
度の度数分布が見え、
そして統計的に処理できるくらい N 数が増えれば、
統計的な考えに裏打ちされた説明も可能になってくると思う。
そういう
意味では、先ずは、測定数を増やしていくこと重要と認識している。 4(委員長)地熱発電以外に、何か新しい測定要望はあるのか。
(事務局)これまで、問合せ要望等を踏まえ、太陽光発電、電気自動車、電気自動
車用充電器からの磁界を測定してきた。今後は、LED やスマートメータ
ーが対象になってくると思う。
(委 員)
地熱発電の測定時、
騒音や悪臭等、
気になる環境変化等ななかったのか。
(事務局)騒音、臭いともに特に気になるようなことなかった。
(委員長)今後、電気の使用量を計測するスマートメーターも急速に普及すると思
うが身のまわりの電磁界環境に大きな変化があるのか。
(事務局)最近、多くの電力会社がスマートメーターを前倒しで設置する旨の報道
があった。ただし、周波数等を含め通信方式が未決定のため、どのよう
な電磁界が発生するかには把握出来ていない。
本件については欧米が先
行しており、
そこから推察すると、
Wi-Fi 等のレベルの高周波を使用し、
電磁界の発生レベルは国際ガイドラインよりかなり低いレベルで運用
されているようであり、
国内でも電波防護指針の範疇内で運用されるも
のと理解している。
(委 員)電磁波攻撃に関する問い合わせが 13%とあるが、同じ人からの問合せ
が何度もあり、それが累積しているということなのか。また、どのよう
な対応をしているのか。
(事務局)問合せの件数は累積回数となるが、実際には同じ方からのが何度も問合
せてくるという頻度はほとんどない。そのような問合せに対しては、先
ずは否定せずに傾聴に徹することに心掛けている。その上で、故意に電
磁界を発生させ攻撃するような事は技術的にも経済的にも大変なこと
であり、
電磁界以外の別の原因について考えることも問題の解決に近づ
くのではないか等を説明している。また、ゼロ回答とはならないよう次
に繋がる対応として、
違法電波ということであれば総務省の相談窓口あ
ることや、センターでは磁界測定器貸出サービスを行っていること、ま
た、今後も何かあれば問合せ下さい等の対応を行っている。
総務省予算の研究によると男女とも 1.2%が『携帯電話によって何ら
かの症状が出ている』とご自身が訴えている人がいて、日本では人口に
すると約 150 万人にいるということになる。そのような人の中に電磁波
攻撃を受けていると考えている人がいる可能性が高いが、科学ベースで
説明してもなかなかわかってもらえず対応は非常に難しいという現状
である。恐らく世界各国でも同じようなことが起こっているのではない
かと思う。 5(委 員)なぜ、そのように思うのか、分かっているのか。
(事務局)海外の調査では、そのような方々は、音や匂い、また化学物質でもあり
とあらゆる環境因子に対して敏感である。
自分自身の現状を肯定できな
い環境にいて、
その原因を他の何にかに理由付けしたいという深層心理
があるのだろうと思う。
(委 員)
例えば、
どの本を読んでそう思うようになったのかを確認しているのか。
(事務局)そういう本がたくさん出版されているが、確認していない。
(委 員)電磁過敏症に関する問い合わせ増の背景には、スマートホーンの普及も
影響しているのではないか。
電車の中でもかなり多くの人がずっと画面
を見て操作していて、
実際に何となく気分が悪くなるという人もいると
聞いている。その原因が電磁波によるものかどうかは別とし、何となく
不快感や圧迫感があり、それを「もしかしたら、私は電磁過敏症なのか
もしれない」と思ったり、また、何か攻撃されているような感覚を持た
れ、こういう数値に反映されているのではないかという気がする。
(委員長)そのような症状を訴える方の大部分は、メンタル的な問題をお持ちであ
り、そのような方には決めつけるような診断はしてはいけない。新たな
技術が出る前から、
「隣人が攻撃をしかけてくる」というふうな言い方
をする人は以前からいる。また、新しい技術が出てくると、その原因が
目新しい技術に置き換えられるということの繰り返しで、
その背後にあ
る原因等は一緒で、
自分は被害者であるというメンタルな問題を抱えて
おられる方は多いようには思える。
臨床心理士でも昼夜を問わない患者
さんからの相談で寝られず、
病気になってしますというケースもかなり
あるので、
対応は非常に難しく先ほどのような対応が比較的いいと思う。
(委 員) このような対応の訓練や研修を行うところもあるので検討されてはど
うか。その中では、相談を受ける側のケアも含まれていますので、ぜひ
そういうことも配慮していただき受ける方のケアもぜひお願いしたい。
(事務局)大変貴重なご意見ありがとうございました。受け手のケアについては必
要により今後検討する。
(委 員)測定器の貸出し事業については、個人が測るため測り方により、いろい
ろな測定値が出てくる可能性があり、
その数値をどう受け止めるかによ
っては問題も起こりうると思い疑念を抱いていた。しかし、分析結果を
見ると、非常に有効に機能しているようであり、このような事業がセン
ターの業務としてすごく効果があることが分かりよかったと思ってい
る。
(事務局)これまでのところ、測定器が返却されないといったトラブルもなく、非
常に役に立ったとの満足度や心配度の軽減の変化も高く、
合わせてコミ
ュニケーション機会の増大に繋がる活動となっている。 6(委 員)磁界測定結果は、今後、関連学会で発表するとのことであるが、自らの
調査に基づく情報発信はとても強みになると思う。また、国際的な機関
との連携強化により、世界的な情報を非常に高度な専門性を持って収
集・提供をするということは大変意義深いことだと思う。また、身近な
ところでの啓発活動や生涯教育、
またメンタル的な悩みを抱えた方への
対応等、手を抜けないところがある中、磁界測定器の貸出しもあり、限
られた人員の中で、情報提供、講演に行ったり、様々なことで本当に大
変だと思うが、ぜひ継続していただきたい。
(委員長) 非電離放射線の話だけではなく、原子力発電事故以降、お困りの方が
多い。
私も放射線医学総合研究所の依頼でリスクコミュニケーションに
出かけることが多いが、そのときに、測定器具の貸出しやミニ除染の方
法があることを伝えると不安を抱えている方の表情が変わる。
市民の人
たちは電磁界や電離放射線は、
目に見えないため他律的な存在として感
じている中で、
自らが関与できることや測定結果という形で目に見える
ことがわかることで、
認知バイアス的なものを解きほぐすことになるよ
うな気がする。
そのような可能性を感じた方が顔を輝かせるようになる
のではないかと思い、手間暇はかかると思うが非常によい事業と思う。
(委 員)某新聞社で電磁過敏症の記事を 5 回程度連載した際に感じたのは、
「私
も電磁過敏症です」
という人を登場させようとすれば何人でもいるので、
ああいう記事は成立するが、それに対して何かセンターとして、コメン
ト等は行ったのか。
(事務局)新聞社には科学的な情報は伝えたが、何ら反応は無かった。
(委 員)あのような記事の手法に対してどう考えているのか。
(事務局)
あの記事は医療面でありながら科学的な客観性に乏しい記事と個人的に
は認識している。
(委 員)要するに被害者の声をそのまま載せているということか。
(事務局)WHO や各国政府の見解の紹介が全くないまま断面的な事実だけを並べる
と、科学的根拠の乏しい新たな別のストーリーが出来てしまう。
(委 員)そのような場合に、例えば、改めて WHO はこう言っているとか、世界的
には否定する文献もたくさんある等、
書くのがバランスのある記事と思
う。被害者の声を載せてもいいが、その後、WHO の見解等を改めて載せ
て下さいというような要望は出しているのか。 7(事務局)そこまではしていない。何時でもご相談に応じる旨を添え、WHO の見解
や世界各国の専門機関の見解をまとめた資料を提供したが、その後、何
の連絡もない状況である。
(委 員)
同じ要望を出すにしても客観的なデータを示した上で記事を書いてもら
う等、少しでも反省を促すような要望を是非行ってほしい。
(事務局)了解した。これまで電磁界情報センターと係わりのあった記者には電磁
界の健康影響に関する解説集を送付している。
昨年度は携帯電話基地局
の訴訟に関連し多くのメディアから取材があった。このように、記事を
書く前にセンターに問合せ頂くのが理想的であることから、先ずは、多
くの記者の方にセンターという組織があることを知ってもらう活動を
拡大していきたい。
【審議結果】平成 25 年度業実績について了承された。
(7)平成 26 年度業務計画について
【審議】事務局より資料運営 13-5 について説明があった。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(委 員)
携帯電話に関するイギリスでの大規模な調査結果が出た際に説明会等は
開いたのか。
(事務局)WHO、ICNIRP あるいは電磁界のリスク評価を行っている専門機関が発信
した情報であれば基本的にはセンターのホームページで公表している
が、
国際的には有名な大学であっても一大学のプレスリリースであった
ことからセンターとしては公表および説明会等は行わなかった。
(委 員)電力の自由化が進展する中、新規参入事業者にも責任感を持って公益事
業に携わって頂きたい。よって、そういう方々にも電磁界の問題に興味
を持ってもらうためにも、
センターとしてアピールし賛助会員になって
頂くことが望ましいものの、簡単なことではないと思うので、引続き社
会的な活動の場を広く持って頂きたい。
(事務局)アピールはしているものの、現状、賛助会員にならなくても情報はセン
ターのホームページから無料で得られるため、
困っていないというのが
本音と思う。
より多くの方々からご賛同頂けるような活動を行っていく
とともにアピールも継続していきたい。 8(委 員)今後、妊婦への知識啓発検討会を本格化させるとのことであるが、その
他、今後の予定か何かあるのか。
(事務局)今後、低周波中心ではなく高周波を含めた全領域での活動を行っていき
たいと考えている。
(委員長)
誤った知識に基づく心配を和らげていただくことは非常に大切な事と思
う。一方で、水を差すような話になってしまうが、不安を持つ人に情報
を与え不安がなくなると、その後、安心の方向に向かうのではなく、よ
り一層不安のレベルが高まるというデータがある。つまり、ある不安が
クリアされると、これまで不安を感じなかった対象が不安となり、限り
なくゼロリスクを追求するようになるというデータがある。ある意味、
人間は更なる欲求を追い求めると同時に、
不安を出来るだけ遠ざけたい
という気持ちはわからないでもない。安全データを出すことにより、ど
んどん人を不安に追いやってしまうことになる可能性があり、
こうなる
とどこまで安全データを出していいのかどうか難しいところもある。
(委 員)そういう意味では、先進国のほうがより小さなリスクに敏感だというこ
とだと思う。
(委員長)国レベルで言えばそういうことになる。
(委 員)豊かになればなるほど、小さいリスクを減らしたいという欲求が強くな
ってくるのは人の宿命みたいなものと思う。
(委員長)動乱に巻き込まれ、食糧もないようなところでは、電磁波への不安はト
ピックスに上がらない思うことから、ある意味、世の中が安全になれば
なるほど、それまで気にしていなかったものが、新しいリスクとして認
知されてしまう、ある意味、宿命みたいなものと思う。
(委 員)それは平等も同じで、身分制度があったときはなかったが不平等が解消
されていけばいくほど、更に平等を求めることになる。
【審議結果】平成 26 年度業務計画について了承された。
(8)その他
事務局より以下説明があった。
運営委員会委員であった小林先生がご逝去され、また、2 年前に渡邊先生(国立
健康・栄養研究所 理事長)がご退任されたことでセンター発足当時より委員が 2
名少なくなっていることから、今後、少なくとも委員の補充を1名したい。新たな
委員については、今後、JET 内で検討する。
以 上

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