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第10回 電磁界情報センター運営委員会 議事録(案)
1.日時:平成24年6月27日(水) 15:10〜16:45
2.場所:全日電工連会館 3階会議室
3.出席者:淺野委員長、木下委員、小島委員、飛田委員、藤村委員、山根委員
(事務局)一般財団法人電気安全環境研究所 末廣理事長
電磁界情報センター 大久保センター所長
4.議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)理事長挨拶(3)【審議】第 9 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応について(4)【報告】平成 23 年度予算執行状況について(5)【審議】平成 24 年度業務計画について(6)【審議】平成 24 年度予算について
(7)その他
5.配付資料:
・運営 10-1 運営委員会 委員名簿
・運営 10-2 第 9 回電磁界情報センター運営委員会 議事録
・運営 10-2 付 第 9 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応(案)
・運営 10-3 平成 23 年度予算執行状況
・運営 10-4 平成 24 年度業務計画(案)
・運営 10-5 平成 24 年度予算(案) 26.議事内容:
(1) 定足数の確認報告
・ 電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項にもとづき、
運営委員 8 名中、
出席の委員 6 名であることから、第 10 回運営委員会は成立した。
(2) 理事長挨拶
電磁界情報センター(以下、
「センター」
)設立後、ほぼ3年が経過する。こ
の間の世の中の動向をみると、設立当初に比べ、問合せ、意見、要望等も少し
ずつ変わってきており、限られた予算を有効に活用し世の中の動きをよくウオ
ッチしながら効率的な業務を進めてまいりたく、今後もご指導、ご鞭撻をお願
いしたい旨の挨拶があった。
(3)第 9 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応について
・事務局より第 9 回電磁界情報センター運営委員会議事録については、事前に
各委員に内容確認を受けているので説明を省略したいとの説明があった。
・また、事務局より資料運営 10-2 付について説明があった。
【審議結果】
・第 9 回運営委員会議事録およびご意見への対応方針(案)について、特段の異
議はなく了承された。
(3) 平成 23 年度予算執行状況について
【報告】事務局より資料運営 10-3 について説明があった。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(→は事務局回答)
・うまく予算執行ができていないという実態が数値上に表れているのでないか。
その主な要因として人手不足で手が回らないということはないか。
→大口の賛助会費入金までの数か月間は、緊縮予算で運用せざるをえず、その
数カ月間フル活動出来ないことが大きな要因となっている。
・入金状況は、年々少しずつ改善されている状況なのか。
→改善はされていない。賛助会費については、各事業者のご判断で納めて頂く
ものであり金額や入金時期についてセンターとしても強制力を持っていない。
【審議結果】平成 23 年度予算執行状況について了承された。 3(5)平成 24 年度業務計画について
【報告】事務局より資料運営 10-4 について説明を行った。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(→は事務局回答)
・電気自動車等の磁界測定は基本的には家電製品と同様に、例えば 200μT未
満であれば心配無いという視点で考えているのか。
→そもそもハイブリット車や電気自動車から出ている電磁界がどのような周波
数成分を含み、
またどの程度のレベルなのか調査することを目的としている。
現在、測定データは整理中であるが、総じて、周波数も磁界のレベルもそれ
ほど高くなく家電製品と同じテーブル上で評価が出来ると考えている。
・測定データは即発表するのか。過去に実施した商品比較テストにおいて、高
い値が出た場合、その取扱いに苦慮したことがあることから事前の専門家の
チェックやメーカー説明を行う等の手順を踏み実施した方が良い。
→測定は日本自動車研究所に委託し実施しており,同所からも同様の意見を頂
いている。
ご指導事項について十分に確認した上で発表したいと考えている。
・電気自動車、ハイブリット車の磁界測定は、今後、情報の必要性がますます
高まってくると考えられ、例えば、海外と国内メーカーの比較も含めじっく
りと取組んで頂きたい。また、非常時には、電気自動車のバッテリーから家
庭用の電源供給として活用される可能性が高くなってきたことから、このよ
うな状況も踏まえ家庭内で発生する電磁界や、また、今後、増加する充電ス
タンド周辺での磁界についても調査して頂けると有難い。
→海外ではいくつかの測定例はあるものの、何れも想定方法の詳細情報が入手
困難なことから、センターが独自に実施せざるを得ないと認識している。そ
の他の点ついても、今後、検討させて頂きたい。
・現時点で一番電磁界が大きいのは電気自動車なのか。
→そういう点も含めよくわかっていない状況にある。たぶん各メーカーではデ
ータを持っていると思うが、センターでは把握している限りでは、ドイツの
学会発表以外に情報が無いという状況である。センターで実施したソーラー
パネルから発生している磁界の測定結果を学会発表しているが、海外からも
そのデータの提供要望が寄せられており比較的身の周りにありながら誰も測
定していない機器等が多々あるという実情にある。 4・各種、新企画等を充実させて頂いており感心しているところであるが、情報
取集後、メタ分析まで行っているのか。
→行っていない。
・現在、個人的にリスクコミュニケーションに関する解説書を執筆していると
ころであるが、磁界測定器の貸出前後による意識変化や、また、関西大学に
委託した調査研究のデータを引用させてもらうことは可能か。
→関西大学で担当されている先生のご了解を頂ければ問題ない。
・24年度の業務計画については、何れもとても前向きに新しい取り組みをし
て頂いていると感じている。実施にあたっては、予算の問題等もありいろい
ろと厳しい状況と思うが、このような取組みについては、その結果が発表さ
れることによって社会的な関心が高まり、また、新しい需要を掘り起こすこ
とにも繋がると思っている。
・今後のデータベース整備は、
「規制・ガイドライン」
「官公庁」を重点ポイン
トとするとのことであるが、国から地方自治体レベルと範囲は広いが、その
範囲はどのように考えているのか。
→センター内で詳細検討は行っていないが、センター所長の個人的なイメージ
としては、条例以上は入れたいと考えている。
・省エネ社会への高まりを受けLEDからの電磁界測定はタイムリーであり、
白熱球、蛍光灯と比較して頂けると、消費者として選択時の参考になる。
→白熱電球、
蛍光灯については、
既に学会レベルの報告書が出ていることから、
それらを参考としたい。
・磁界測定器の貸出時には、その測定器で測れる周波数帯や限界値等情報提供
して頂けると有難い。また、貸出前後の対話を通じて新たなコミュニケーシ
ョンの図り方をご検討頂きたい。
・対象層を特化した啓発活動において、テキストを作ると思うが、場合によっ
ては、受講者が自ら行う研修時のプログラムに、そのテキストの内容を盛り 5込みたいということを考える可能性もあることから、そのテキストが他と一
緒に編集されることも想定し作成した方がいいのではないか。・磁界測定器の貸出サービスの本格実施に備え測定器を増配備するのか。
また、
測定器は納入までどの程度かかるのか。また、貸出対象、期間等の制約はあ
るのか。
→電力設備は住民の依頼に基づき電気事業者が測定していることから、センタ
ーとしては、電力設備以外から発生する電磁界を心配されている方を対象に
貸出サービスを行っている。測定器は市販されているもので注文後、数か月
で入荷となり、
増配備については貸出要望数と予算見合で決めることになる。
貸出期間については、現在、測定器を5台しか保有していないことから1週
間を原則としているが、個別に延長要望があれば可能な限り要望に応えてい
る。
・新しいパンフレットの解説編とはどういうものなのか。
→(ドラフト版を回覧しながら説明)現在、初級者向けのパンフレットの位置
付として見開き8ページのボリュームで「ジェイクくんのなっとく電磁波」
というパンフレットがあり、これは、電磁波とは何から始まり、WHOの健
康リスク評価に基づいた健康影響に関する見解を紹介するまでを網羅してい
る。
一方、
解説編については電磁界に関する約70項目の専門用語について、
各用語に対してA4版で1〜2枚程度のボリュームで解説しているものであ
る。メインターゲットは、初級編のパンフレットを見て、更に詳しく知りた
い人を対象としセンターでは中級編のパンフレットとして位置付けている。
・それは一般財団法人大阪科学技術センターで作成したパンフレットと同様の
コンセプトか。
→微妙に違うが、幅広く解説しているものと考えて頂きたい。・養護教員を対象とした講演会では、
どのようなテキストを使い説明するのか。
→(テキストのドラフト版を回覧しながら説明)幼稚園から高校生までの教職
員を対象としたテキストである。また、初歩的な内容に留め、それを見た人
が拒否反応を示さないように配慮し作成している。講演等の目的は、あくま
でも伝達教育であり疑問的があればセンターに何でもお問合せ下さいという
スタンスで実施するものである。なお、回覧中のテキストは養護教員からの 6意見を反映したもので、ほぼ最終(案)に近い状態のものである。
・出来上がったものは頂けるか。
→出来上がり次第、送付する。
・養護教員用のテキスト中の電磁過敏症については「電磁過敏症は医学的診断
基準がなく、また、その症状が電磁界ばく露と関連するような科学的根拠も
ないこと」と言い切っているが、科学的には確かに間違いは無いと思うが、
もう少し表現を工夫する必要があるのではないか。例えば、
『そういう症状を
訴える方がいらっしゃることから、このような意見を尊重しなければいけま
せんが、圧倒的多くの科学者らは、そうではないと考えています。また
は、
・・・・学会の大多数は否定しています。
』等、表現はもう少し練らなけ
ればいけないが、現状の断定的な表現よりもいいのではないか(他の委員か
らも賛成意見有り)。→検討の余地があることから、今後、検討する。
・最近、子供達の中でコンプガチャ等のゲームに長時間没頭し携帯端末を使用
するケースが増加しているようであるが、長時間にわたりそのような機器を
使用することの懸念等をわかっていない可能性があることから、もし、質問
等があれば対応して頂きたい。
→了解した。
・養護教員を対象とした講演会の説明は誰が行うのか。
→基本的にはセンター所長が行うことで考えている。ただし、高周波の質問が
多く寄せられるようであれば、それに関連する専門家と一緒に行いたい。
・常日頃気になっているのは、そもそもリスクとは何かということをわかりや
すく説明する必要があるということ。電磁界だけではリスクの全体像がわか
らないことから、他のリスクと比べると電磁界のリスクはどの位の位置にな
るとか、または、あるリスクを避けても別のリスクがあるといったことを、
わかりやすく説明してくれる先生にいて頂けるとよいと思っている。
→センターとしてはこれまでの一般の方を対象としたセミナー等での反省を踏
まえ最近ではセミナーを二部構成とし、最初に電磁界の健康リスクについて
科学的にコンセンサスを得ている情報に基づき説明し、その後、二部として
生活中のリスクの中における電磁界のリスクの位置付け等を説明するように 7しており、ただ今、頂いたご意見を配慮しながら啓発活動を継続していきた
い。
・人員削減によって問合せ対応に影響は生じていないのか。
→問合せ対応については、従来までと変わらず主に出向者3人で対応しており
人員削減の影響は無いと考えている。また、昨年7月から JET 職員を3名か
ら2名に減員しているが、その分を人材派遣会社からの人員手当に代え極力
予算削減に努めているものである。
・事業者は毎年一定基準の賛助会費を払っている訳ではないのか。
→あくまでもボランタリーで出して頂いているものであり、その時々で変わり
額は決まっていない。
・記者向けのブリーフィングではどのような内容で実施するのか。
→7月20日に電磁過敏症のフォーラムを開催することになっており、
その後、
記者を対象としたブリーフィングを考えている。なお、フォーラムでは、臨
床経験から電磁過敏症を否定しない先生と、実験的研究から電磁界と発症と
に因果関係は無いという立場の先生に加えセンター所長3名でのパネルディ
スカションを予定している。
・今、学校では、
『父兄』ではなく『保護者』という言い方に変わってきている
ようである。
→今後、
『保護者』という表記に見直す。
・センター設立から4年を経て電磁界の理解が進展したという理解でよいか。
→発足以降のリスク認知の変化について時系列な指標を持って示せればいいが、
残念ながらそのようなものは無い。よって昨年度より、関西大学に依頼し、
セミナー等の出席頂いた方を対象として、出席前後におけるリスク認知の変
化を評価頂く調査研究を行っているところである。
・その研究では、個人で使用する機器と例えば基地局の受動的なばく露を区別
して評価を行うのか。
→そこまでの評価は含んでおらず、センターが電磁界の健康リスクの認知に役
に立っているかどうかを第三者から評価頂くことを目的とした調査である。 8・添加物、遺伝子組み換え作物にしてもこれまでも様々な取組みを行っている
が、理解度が上がったものを挙げて下さいと、問われれば何もないのでない
か。唯一違うのはワクチンであり、これは医師たちが地道に記者の方を集め
説明をしたことにより、ほとんどの記者たちが、ワクチンの悪いイメージと
いうものがなくなり、ワクチンの副作用を問題にする記者がいなくなった。
どちらかと言うと記者と一般の方のリスク認知は基本的に同じと思っている。
反対運動を行っている人でもワクチンについては、昔のようなことを言わな
くなってきており、プラス面があることはわかっているが、マイナス面があ
った人には、その因果関係がわからなくても補償するような方法を考えてほ
しいという言い方に変わってきている。もし、電磁界についてもプラス面が
あるのであれば、
もっとうまい説明方法があるのではないかという気がする。
電磁界も自分が使うものと使わないでリスク認知の違いがあるのではないか。
→ほとんどの方が心配されるのは受動的なばく露である。つまり、携帯電話は
心配であれば使わなければいいが、基地局の場合には自分では制御できず、
どうにもならないということになる。
・人道的に困難かもしれないが、例えば、基地局で一か月電波を停止し電磁過
敏症の症状の有無を調査したような実験はないのか。
→ドイツでの実施例があり、結果して思い込みということであったと記憶して
いる。
【審議結果】平成 24 年度業務計画について、了承された。
(6)平成 24 年度予算について
【報告】事務局より資料運営 10-5について説明があった。
【審議結果】平成 24 年度予算について、了承された。
(7)その他
・特に審議事項・報告事項は無かった。
以 上

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