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第 8 回 電磁界情報センター運営委員会 議事録
日時:平成 23 年 6 月 24 日(金) 14:00〜16:00
場所:全日電工連会館 3 階会議室
出席者:渡邊委員長、淺野委員、木下委員、小林委員、飛田委員、藤村委員、
(オブザーバー)原子力安全・保安院 電力安全課
(事務局)一般財団法人電気安全環境研究所 末廣理事長
電磁界情報センター 大久保センター所長
議事次第:
(1)定足数の確認報告
(2)理事長挨拶
(3)第 7 回電磁界情報センター運営委員会議事録の確認(4)【審議】第 7 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応につ
いて(5)【報告】平成 22 年度予算執行状況について(6)【審議】平成 23 年度業務計画について(7)【審議】平成 23 年度予算について
(8)その他
配付資料:
・運営 8-1 運営委員会 委員名簿
・運営 8-2 第 7 回電磁界情報センター運営委員会 議事録
・運営 8-2 付 第 7 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応(案)
・運営 8-3 平成 22 年度予算執行状況
・運営 8-4 平成 23 年度業務計画(案)
・運営 8-5 平成 23 年度予算(案) 2議事内容:
(1)定足数の確認報告
・電磁界情報センター運営委員会規程第 5 条第 2 項により、運営委員 9 名
中、出席の委員は 6 名であることから、第 8 回運営委員会は成立した。
(2)理事長挨拶
・東日本大震災等の影響で、平成 23 年度電磁界情報センター事業も不確定
要素があるが、
引続きご指導・ご鞭撻をお願いしたい旨の挨拶があった。
(3)第 7 回電磁界情報センター運営委員会議事録の確認
・事前に確認・承認を得ているので説明を省略したい旨、事務局より提案
され了解を得た。
(4)第 7 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応について
【審議】事務局より資料運営 8-2 付について説明があった。また、電磁過
敏症の現状について補足説明があった。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(→は事務局回答)
〔資料運営 8-2 付 意見番号 3〕
:電磁過敏症などの問い合わせや相談対応
として、保健師など医療の専門家との連係を考えるべきではないか。セ
ンター職員が多くの時間と労力を割くのは本来的ではない。
・メタ分析の結果を見ると、電磁過敏症は電磁界との関係は無いと言えそ
うだが、個別の人にどう対処するのかが問題である。これは医療の問題
であり、医療サイドに相談してはどうかと言いたいところだが、臨床医
など医療関係者との連係の可能性は探っているのか。
→何人かの先生に打診しているが、電磁過敏症は取り扱いが難しいので、
積極的に関わりたいという先生はなかなかおらず、できれば避けたいと
いうのが正直な気持ちのようである。
→電磁過敏症を肯定している先生もいるが、肯定することは症状の改善に
は繋がらないという報告もある。そういう意味で、どのような先生と連
係するか、連係できるかは大きな課題である。
・電磁過敏症がメンタルな問題であれば、心理療法で治癒できる可能性も 3あろうが、完全にメンタルな問題と言い切れるのかどうか。
・低周波音との関連などを調べた研究はないか。
→普通の騒音に対して敏感と思い込むことで諸症状が出るという実験結果
はあるが、低周波音との関連を調べたものは無いと思う。
・電磁界情報センターにも直接電磁過敏症を訴える方から電話相談がある
のか。
→ある。センター職員ができるのは、状況を聞いてあげること、WHO の見解
をお知らせすること程度であるが、結果的には科学的根拠は無いという
ことになるので、相談者にとっては、期待を裏切られたと思われている
かもしれない。
・電磁界情報センターだけが抱える問題ではないので、厚生労働省や総務
省などにも働きかけをお願いしたい。
【審議結果】
・第 7 回電磁界情報センター運営委員会でのご意見への対応について、了
承された。
(5)電磁界情報センターの平成 22 年度予算執行状況について
【報告】事務局より資料運営 8-3 について説明を行った。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(→は事務局回答)
・剰余金を 2000 万円程度に想定しているようであるが、その程度で運営し
ていけるのか。
→年度単位の賛助会費運営なので、基本は年度内での使い切りを考えてい
る。しかし、大口の賛助会費入金までの年度当初期間について運転資金
も必要なことから、2000 万円程度を繰り越す運営を行っている。
【審議結果】
・平成 22 年度予算執行状況について了承された。
(6)平成 23 年度業務計画について
【報告】事務局より資料運営 8-4 について説明を行った。また、平成 22 年
度に実施した「磁界レベルに関する調査」の結果概要と平成 23 年度 4の調査対象の候補について補足説明を行った。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(→は事務局回答)
・インターネットやブログ、フェイスブックなどの監視業務は計画してい
ないか。
→インターネットを見ると、まったく間違った情報が出回っている場合も
あり、それらの訂正なども必要とは認識しているが、現有資源ではなか
なか手が回らないのが実態である。・「教育現場における電磁界の知識啓発検討会」は、養護教員への正しい情
報提供を目指した活動を行うとのことであるが、問題を抱えている人を
減らすという視点から子供教育の一環として、電磁界情報の啓発ととも
に関連する話題についても取り組んでほしい。
・養護教員など専門家への対応は、実務的かつ踏み込んだ情報提供が必要
である。
→養護教員にどのような情報をどのレベルの情報を提供するのが最も効果
的かなどについては、事前のグループインタビューなどを通じて把握す
ることにしている。情報の提供が、リスク認知を逆に上げてしまうとい
うこともあるので十分な検討の上で行っていきたい。
→関連する話題も取り組んでほしいとの提案については、電磁界に特化し
ていかないと情報が発散してしまう可能性がある。電磁界情報センター
としては、電磁界に関わる情報提供に留めさせていただきたい。
・学校現場に直接入り込む活動について、文部科学省がなかなか了解して
もらえずに苦労した経験がある。その辺の環境整備は行っているのか。
→この検討会を立ち上げるに際し、文部科学省へは事前相談を行っている。
経済産業省からの協力依頼というバックアップもあり、前向きな回答を
得ている。また、日本学校保健会など関係個所からも理解と協力を得て
進めている。
・全国の消費生活センター約 850 個所にダイレクトメールを発送したとの
ことであるが、現在、消費者安全法の基準をクリアした消費生活センタ
ーは約500個所、
それ以外に消費者から相談を受ける自治体の窓口は1000
個所近くある。そうしたところへのアプローチも検討してほしい。ただ
し、さまざまな相談の内、電磁界に関する比率はそれほど高くないと思 5われるので、ニーズや関心の高さにあった情報提供をお願いしたい。
→消費生活センターからは、既に数件講師派遣依頼が来ている。ご指摘の
とおり、先方のニーズにマッチするよう、意向などを伺いながら説明会
を企画していきたい。
・消費生活センター職員との連携という点では、消費生活センター職員の
クレーム対応を勉強してみてはどうか。相談対応を「切れ」ば冷たいと
非難されるし、何でも受ければよもやま相談になり、対応しきれなくな
る。そうした点についてノウハウの共有を図ったらどうか。関連で、先
週、日本社会心理学会の公開シンポジウムで"モンスター化する消費者
たち"というテーマで、関西大学の池内教授が、一部の苦情行動やその
対応について講演をしていた。これらの内容もセンターの電話対応に役
に立つかもしれないので勉強してみたらどうか。
・クレームも含め電話対応は、上手にやらないと組織の信頼失墜にもなり
かねない。過去の家電メーカーのクレーマー対応トラブルも皆さんの知
るところ。とてもデリケートな課題である。
・アルツハイマーとの関連などについても、広く社会的な関心事になって
いるので、届けられるデータなどがあれば情報提供していただきたい。
→電磁界情報センターとして、アルツハイマーの疫学研究を実施するとい
うようなことは困難であるが、電磁界ばく露とアルツハイマーとの関連
に関する研究データ等の情報提供などには努めていきたい。
・磁界測定プロジェクトは、平成 22 年度の「太陽光パネル」に引き続き継
続的に取り組んでいただきたい。これまで測定というと、機器影響の視
点から測定されたデータはさまざまあるし、
(電気)雑音などに関する規
格も整備されている。しかし人間への影響という視点ではあまり調べら
れていない。候補にあげている、自動車、住宅、エレベーターなどに積
極的に取り組み、結果を広く公開していただきたい。
→予算的な制約もあり一度には取り組めないが、文献データも含め情報公
開には努めていきたい。
・磁界測定プロジェクトチームで扱う対象として、リニア新幹線などは検
討していないのか。
→リニア新幹線については、試験線で磁界測定を行った結果が公表されて
いる。さまざまな対策も検討しているようである。今後、社会的に関心
が高くなることは予想されるものの、研究調査でリニアに搭乗させても 6らい測定するのは困難だと思う。したがって、現時点でリニアについて
は、公開された文献情報などを情報提供していきたいと考えている。
・賛助会員は少しずつ増えているとのことであるが、どのような人が入会
されているのか。
→金額的には低周波電磁界に関わる企業や団体が主であるが、最近の増加
傾向は個人の方である。電磁波セミナーなどで入会のご案内を行ってい
る。企業に対しては個別のアプローチを行っているが、昨今の社会情勢
もあり、新規入会や増口などは難しい状況である。
【審議結果】
・平成 23 年度業務計画について、了承された。
(7)平成 23 年度予算について
【報告】事務局より資料運営 8-5 について説明を行った。
【質疑】委員の主な発言は以下のとおり。
(→は事務局回答)
・電磁界情報センターの予算運営は、賛助会費による運営が基本とは思う
が、仮に資金不足になった際は、電気安全環境研究所からの補填などは
行われるのか。
→ご承知のとおり、電磁界情報センターは会費収入により運営されており、
電気安全環境研究所との関係は、運転資金の貸借などは行うが、予算自
体は独立採算となっている。したがって、賛助会費収入額をよく見極め
た上で、その範囲内で優先順位を付けながら事業を行っていきたい。
【審議結果】
・平成 23 年度予算について、了承された。
(7)その他
【報告】事務局より高周波電磁界の IARC の発がん性評価概要、および電磁
界情報センターのマスコミ対応実績を説明した。
【提案】渡邊委員長より、諸般の事情から運営委員会委員を辞したいとの
提案がなされた。
今後、運営委員会規程に則り検討することになった。
以 上

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