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23-D-0535
2023 年 8 月 22 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
株式会社アサックス (証券コード:8772)
【新規】
長期発行体格付 A-
格付の見通し 安定的
しかく格付事由
(1) 不動産担保ローンを主要な業務とする独立系のノンバンク。自営業者や中小企業を主たる対象に、概ね 1〜
5 年契約の貸出を行っている。資金需要の豊富な首都圏の都心近郊に営業エリアを有することが強みである。
格付には、
利益水準の安定性、慎重な与信姿勢と保守的な担保評価に裏打ちされた資産の健全性の高さに加
え、良好な資本水準を反映している。一方、収益源が限定されていることなどが格付の制約要因である。
(2) 担保となる居住用不動産の流動性を重視したスタンスから、
比較的良質な担保物件と顧客層の獲得が期待で
きる都心近郊での貸出に注力している。
営業エリアを絞り込んでいるため業容の拡大には一定の制約がある
ものの、
都心近郊における潜在的なビジネスチャンスは大きく、
居住用不動産の需要は底堅く推移するとの
見通しから、今後も営業貸付金残高の安定的な推移が見込まれる。
(3) 営業収益は 60 億円前後、
経常利益は 40 億円前後で安定的に推移している。
マイナス金利政策や競合激化を
背景に貸出金利回りの低下基調が続くなか、
営業貸付金残高の増加により利益水準の落ち込みを抑制してい
る。
営業貸付金残高は速いペースで増加しているほか、
新規実行レートが下げ止まり改善の兆しがみられる。
保証業務は東日本銀行など地域金融機関からの提携を中心に順調に推移しており、収益を下支えしている。
23/3 期より手掛ける不動産賃貸事業も安定した収益貢献が期待できる。これらを踏まえると、今後の損益
は順調に推移すると JCR はみている。
(4) 資産の健全性は高い。与信判断は担保である居住用不動産の流動性を重視した姿勢のもとで行われている。
総資産のほとんどを占める営業貸付金は小口分散が図られている。不良債権額は低位で推移しており、
与信
費用は落ち着いている。
こうした与信姿勢を踏まえると、
多額の与信費用が発生する懸念は低いとみられる。
不動産賃貸事業は不動産担保ローン事業の補完的な位置付けであり、積極的に拡大していく方針ではない。
物件選定基準も保守的である。
(5) 24/3 期第 1 四半期末の純資産は 438 億円、自己資本比率は 42.7%。保証残高を勘案しても 30%程度と、ノ
ンバンクとしては非常に高い水準にある。
営業貸付金残高を増加させる方針であるものの、
安定的な利益計
上から利益剰余金の蓄積が進むことで、自己資本比率は当面の間、
現状程度の良好な水準が維持されるとみ
ている。
(6) 資金調達は銀行借入が中心である。
主要な取引行を中心に大宗を無担保で調達している。
貸出債権の証券化
により 100 億円を調達するなど、
調達手段の多様化も進められている。
当面の事業資金や流動性の確保に支
障は見込まれないが、
一層の業容の拡大に向けては、
バンクフォーメーションや調達手段の多様化をさらに
進め、調達基盤の拡充を図る必要がある。
(担当)加藤 厚・清水 達也
しかく格付対象
発行体:株式会社アサックス
【新規】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 A- 安定的 2/2Copyright © Japan Credit Rating Agency, Ltd. All Rights Reserved.
格付提供方針等に基づくその他開示事項
信用格付を付与した年月日:2023 年 8 月 21 日
信用格付の付与について代表して責任を有する者:宮尾 知浩
主任格付アナリスト:加藤 厚
評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の種
類と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に、
「コーポレート等の信用格付方法」
(2014 年 11 月 7 日)として掲載している。
格付関係者:
(発行体・債務者等) 株式会社アサックス
本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性の
程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するものではな
い。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外の事項
は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。また、
本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入手した
ものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、独
立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当
該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
格付関係者による関与:
本件信用格付の付与にかかる手続には格付関係者が関与した。
JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置: なし
しかく留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、または
その他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的
確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当
該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭
的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいか
んを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であって、事
実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもあり
ません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として発行体より手
数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データを含め、本文書
の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
しかくNRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラスに登
録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)項に基づ
く開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
しかく本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026

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