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22-D-0090
2022 年 5 月 9 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
株式会社琉球銀行 (証券コード:8399)
【変更】
長期発行体格付 A → A+
格付の見通し 安定的
しかく格付事由
(1) 沖縄県那覇市に本店を置く資金量 2.5 兆円の地方銀行で、県内の貸出金シェアは 3 割台半ばと高い。沖縄県
の経済成長を牽引してきた観光関連産業はコロナ禍の影響を大きく受けている。ただし、
コロナ禍が収束に
向かう局面における経済回復の可能性は高いと JCR はみている。人口および世帯数の増加、それらを背景
とする住宅に対するニーズの強さなど、地域銀行にとって恵まれたマーケットである。格付は、これらの堅
固な事業基盤、
格付相応の収益力などを反映している。これまで格付を制約していたコア資本比率の水準も
従前に比べて高まっている。今後、コア業務純益は堅調に推移し、コア資本比率は持続的に改善していくと
JCR は考えており、格付を「A+」に変更した。
(2) コア業務純益(投信信託の投信解約損益などを除く、以下同じ)は、経費の増加、有価証券利息配当金の減
収などで減益傾向にあったが、足元では回復に転じている。22/3 期第 3 四半期累計のコア業務純益は 50 億
円、前年同期比で 24%の増益となった。ROA(コア業務純益ベース)は 0.2%台半ばとなっている。経費に
関しては、
システム投資と本店の建替えにかかる負担が増加してきたが、
これらは概ねピークアウトしてい
る。人件費の減少が続いており、経費の増加は抑制されると JCR はみている。資金利益を支える貸出金利息
は、比較的高い利回りを背景に底堅く推移すると見込まれる。もっとも、コロナ関連融資が一巡した後は、
中小企業向け貸出の残高が伸び悩んでおり、資金需要の捕捉に向けた取り組みの成果をフォローしていく。
一方、フィービジネスは着実に伸びており、役務取引等利益は増益基調である。足元では住宅ローン保証料
のアップフロント化による収益増、預り資産販売の回復などが寄与している。また、決済関連ビジネスは、
カード会員数、加盟店数の増加が続いており、引き続き収益の拡大余地があるとみている。有価証券利息配
当金の減収にも歯止めが掛かりつつあり、今後、コア業務純益は堅調に推移すると JCR は見込んでいる。
(3) 21 年 12 月末の金融再生法開示債権比率は 2.34%と地銀平均対比で高い。ただし、要管理先債権への債務者
区分の見直しを保守的に行った影響が含まれていることを踏まえれば、概ね問題の無い水準にある。一方、
条件変更等の対応を進めた先の総与信額は多く、要注意先債権の残高が増加している。また、コロナ禍の影
響を特に強く受けている宿泊業や、ホテル向けの賃貸物件にかかる与信先の動向を注視していく必要があ
る。もっとも、総与信に占める構成比が高い不動産関連の貸出は、高い稼働率が維持されている住居系の賃
貸物件が中心となっている。
与信費用は、引当方法の見直しにより一般貸倒引当金を積み増した影響を除け
ば落ち着いている。
コロナ禍が長期化した際の影響を注視していく必要があるものの、
当面も与信費用はコ
ア業務純益で十分に吸収可能と JCR はみている。有価証券運用においては、これまでエクスポージャーを
削減してきており、
債券にかかる金利リスク量やエクイティ系資産の価格変動のリスク量は資本対比でみて
限定的である。足元では有価証券残高を積み増しつつあるが、リスク量は過大とはならないとみている。
(4) 貸倒引当金などを調整後の連結コア資本比率は 21 年 9 月末で 9%強。資本の増加とリスクアセットのコン
トロールなどを通じ、持続的に改善している。格付「A+」の地域銀行との比較でも遜色ない水準に近付いて
いくと JCR は想定している。
(担当)阪口 健吾・大石 剛 2/2Copyright © Japan Credit Rating Agency, Ltd. All Rights Reserved.
しかく格付対象
発行体:株式会社琉球銀行
【変更】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 A+ 安定的
格付提供方針に基づくその他開示事項
信用格付を付与した年月日:2022 年 4 月 28 日
信用格付の付与について代表して責任を有する者:松村 省三
主任格付アナリスト:阪口 健吾
評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の種
類と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に、
「コーポレート等の信用格付方法」
(2014 年 11 月 7 日)、「銀行等」
(2021 年 10 月 1 日)として掲載している。
格付関係者:
(発行体・債務者等) 株式会社琉球銀行
本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性の
程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するものではな
い。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外の事項
は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。また、
本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入手した
ものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、独
立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当
該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置: なし
しかく留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、または
その他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的
確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当
該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭
的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいか
んを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であって、事
実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもあり
ません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として発行体より手
数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データを含め、本文書
の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
しかくNRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラスに登
録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)項に基づ
く開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
しかく本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026

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