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24-D-0438
2024 年 8 月 1 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
株式会社福島銀行 (証券コード:8562)
【据置】
長期発行体格付 BBB
格付の見通し 安定的
しかく格付事由
(1) 福島県福島市に本店を置く資金量約 7,700 億円の第二地方銀行。資金量、貸出金残高とも県内シェア上位 3
行の一角を占めている。相応の収益力や比較的良好な貸出資産の質などが格付を支えている。24 年 7 月に
SBI グループなどと共に開発した基幹系システムへ移行したほか、業務改革や営業面などで連携を強めてい
る。
また、
9 月には普通株による第三者割当増資を同グループが引き受け出資比率は約 35%となる予定であ
るが、同グループによる支配・関与度、経営的重要度からみて、格付は当行単独の信用力を反映している。
営業店事務の効率化および本部事務の削減を企図した新基幹系システムへの移行により収益力を高め、
調整
後コア資本比率の改善につなげられるか注目していく。
(2) 21/3 期以降、コア業務純益(投資信託の解約損益などを除く、以下同じ)は堅調に推移し、ROA(コア業務
純益ベース)は 0.1%台後半で推移してきた。注力する法人向けのフィービジネスでは、商品ラインナップ
の拡充を図ることなどで収益が安定的に推移している。
コロナ関連融資の返済が進んでいるが、各種制度融
資の活用、住宅ローンなどの積み増しにより貸出金利息は底堅い。25/3 期のコア業務純益は赤字となる計
画だが、
新基幹系システムへ移行に伴う経費の一時的な増加が主因である。
中期的にみれば相当程度の人員
の捻出が可能になると JCR はみており、営業体制の強化を通じた貸出金利息やフィー収益の拡大、経費の
削減につなげていけるか注目していく。
(3) 開示債権比率は問題ない水準で推移しており、
分類率は低位にある。与信先の小口分散や保守的な引当など
を勘案すれば、与信費用は落ち着いた水準で推移すると JCR はみている。ただし、その他要注意以下の先に
期間損益対比で未保全額が大きい先が多くあり、
原材料およびエネルギー価格の上昇などがこれらの与信先
の業況に与える影響に留意を要する。有価証券運用では低金利環境下で超長期国債や外貨建外債のエクス
ポージャーを積み増した。市場金利の上昇を受け、エクスポージャーの削減を図ったが、有価証券にかかる
金利リスク量は小さくない。その他有価証券の評価損は、資本対比でみて大きい。
(4) その他有価証券の評価損などを保守的に調整したコア資本比率は、24 年 3 月末で 6%台。
内部留保の蓄積と
リスクアセットの削減により前期比改善したが、BBB レンジの地域金融機関の中では、やや低い水準にあ
る。25/3 期は、親会社株主に帰属する当期純利益が赤字となる計画だが、増資によって調整後コア資本比
率が支えられると JCR はみている。
(担当)加藤 厚・大石 剛
しかく格付対象
発行体:株式会社福島銀行
【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 BBB 安定的 2/2Copyright © Japan Credit Rating Agency, Ltd. All Rights Reserved.
格付提供方針等に基づくその他開示事項
信用格付を付与した年月日:2024 年 7 月 29 日
信用格付の付与について代表して責任を有する者:宮尾 知浩
主任格付アナリスト:加藤 厚
評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の種
類と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に、
「コーポレート等の信用格付方法」
(2024 年 2 月 1 日)、「銀行等」
(2021 年 10 月 1 日)として掲載している。
格付関係者:
(発行体・債務者等) 株式会社福島銀行
本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性の
程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するものではな
い。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外の事項
は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。また、
本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入手した
ものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、独
立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当
該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
格付関係者による関与:
本件信用格付の付与にかかる手続には格付関係者が関与した。
JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置: なし
しかく留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、または
その他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的
確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当
該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭
的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいか
んを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であって、事
実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもあり
ません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として発行体より手
数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データを含め、本文書
の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
しかくNRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラスに登
録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)項に基づ
く開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
しかく本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026

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