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24-D-0099
2024 年 5 月 2 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ (証券コード:7186)
【据置】
長期発行体格付 AA
格付の見通し 安定的
債券格付(損失吸収条項付 Tier2) AA-
発行登録債予備格付 AA
株式会社横浜銀行 (証券コード:-)
【据置】
長期発行体格付 AA
格付の見通し 安定的
株式会社東日本銀行 (証券コード:-)
【据置】
長期発行体格付 AA
格付の見通し 安定的
しかく格付事由
(1) コンコルディア・フィナンシャルグループ(グループ)は、持株会社の傘下に横浜銀行、東日本銀行、神奈
川銀行(以下 3 行)などを擁する地域金融グループ。グループの資金量は 20 兆円と業界トップクラスで、
神奈川、東京を中心として 9 都府県に広域ネットワークを構築している。神奈川銀行については、株式公開
買付などを通じて 23 年 6 月に横浜銀行の完全子会社となった。
(2) グループ信用力は、
顧客基盤の厚みや多様なソリューション提供を背景とした良好な収益力、
規律ある与信
運営に支えられた資産の健全性、
リスク対比で余裕のある資本充実度などを踏まえ
「AA」
相当とみている。
グループの中核である横浜銀行では、
資金利益の伸長で市場部門における損失を吸収し、
高水準の利益を確
保している。東日本銀行においては、
トップライン収益の回復に加え与信費用が落ち着きを取り戻したこと
で、利益の安定性が高まっている。引き続き、グループ全体で資産の質や資本充実度を保ちつつ、基礎的な
収益力を維持・強化していくことが格付上のポイントである。
(3) 3 行合算のコア業務純益(投信解約損益除く)は増益基調にあり、ROA(コア業務純益ベース)は 0.4%台
半ばと高水準にある。
幅広いファイナンスニーズへの対応で国内外の貸出金残高が増加しているほか、
事業
承継や資産活用、
デジタル化などの支援を通じて顧客の裾野が拡がりをみせている。
グループ一体で貸出金
収益と役務収益を拡大させる施策が進捗している。
(4) 3 行合算の金融再生法開示債権比率は 1%台前半と低水準で推移している。不動産市況の変化には留意する
必要はあるものの、
与信の分散状況などを踏まえれば、今後の与信費用もコア業務純益の範囲内に十分に収
まると JCR はみている。市場部門では、業績のボラティリティ低減を目的に新たなポートフォリオ管理を
開始している。安定した収益確保と評価益の蓄積に向けた取り組みの成果に注目していく。
(5) リスクアペタイト・フレームワークを活用し、
グループの保有資産にかかる各種のリスクは適切に管理され
ている。グループ連結の調整後 Tier1 比率は AA レンジの中で高く、資本はリスク対比で十分な厚みを有し
ている。
今後も内部留保の蓄積とリスクアセットのコントロールなどを通じて良好な資本水準が維持される
と JCR はみている。 2/4Copyright © Japan Credit Rating Agency, Ltd. All Rights Reserved.
発行体:株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ
グループの金融持株会社。発行体格付は、グループ信用力と同等としている。ダブルレバレッジ比率は一定
水準に収まる範囲で推移している。キャッシュフロー・バランスが安定していることやグループの財務運営方
針などを勘案し、持株会社が有する構造劣後性は反映していない。
発行体:株式会社横浜銀行
(1) 横浜市に本店を置く資金量 18 兆円の地方銀行。法人・個人の顧客基盤が厚く、神奈川県のリーディングバ
ンクとして堅固な事業基盤を有している。
発行体格付は、
グループにおける中核的な位置づけなどを踏まえ、
グループ信用力と同等としている。子会社化した神奈川銀行とは、統合効果の早期実現に向けて、共同企画
商品の取り扱いや人材交流によるノウハウの共有化などに取り組んでいる。
(2) コア業務純益(投信解約損益除く)は 19/3 期をボトムに増加傾向にある。ストラクチャードファイナンス
を含む国内貸出業務の推進や海外案件の取り組みなどが奏功し、
法人向けの貸出金利息と役務収益が拡大し
ている。ROA(コア業務純益ベース)は 0.4%台半ばと高水準にあり、リスクアセット対比でみた収益性も
高い。本部と営業店が一体となったソリューション提供体制が構築されており、法人、個人とも顧客基盤の
厚みが増している。
(3) 貸出資産の健全性は高い。金融再生法開示債権比率は 1%台前半と低く、分類率や大口集中リスクが抑えら
れている。
不動産関連の構成比は高いが、
資産背景のある富裕層向けが中心である。LBO ローンなどについ
ては商品特性に配慮しながら慎重に残高を積み上げている。資産の健全性と厳格な与信運営を考慮すれば、
与信費用は今後も抑制された水準で推移すると JCR はみている。市場部門ではモニタリング手法を見直す
などしてリスク管理を強化している。
足元では外債のロスカットや株式相場の上昇などの効果で、
その他有
価証券は評価益に転じている。
発行体:株式会社東日本銀行
(1) 東京都内に本店を置く資金量 1.8 兆円の第二地方銀行。
創業地の茨城県を含む店舗網の見直しと都区部へ経
営資源の集約を進めている。発行体格付は、グループによる支援の可能性を踏まえ、グループ信用力と同等
としている。24/3 期で 3 期連続、最終黒字を確保する見通しであり、足元の経営環境を再生フェーズから
成長フェーズへの移行局面と位置づけている。
(2) コア業務純益(投信解約損益除く)は、21/3 期以降、大きく改善している。融資関係の手数料収入を中心に
役務収益を伸ばし、営業拠点と職員数のスリム化などを通じた経費の削減が寄与している。ROA(コア業務
純益ベース)は 0.3%台半ばと地銀平均を上回るまで回復している。中小企業向け貸出や個人向けアパート
ローンの残高の積み上げにより、長らく減少傾向にあった貸出金利息は増加に転じつつある。
(3) 金融再生法開示債権比率は 3%台前半まで低下しており、担保取得や保守的な引当方法などで高い保全率を
確保している。不動産関連の貸出が多いため、市況変化の影響には注意を要するものの、与信費用が従前の
ように大きく膨らむリスクは後退していると JCR はみている。市場部門で抱えるリスクは小さい。預証率
が低く、慎重な投資方針の下、国内債中心のポートフォリオを運用している。
(担当)坂井 英和・木谷 道哉
しかく格付対象
発行体:株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ
【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 AA 安定的
対象 発行額 発行日 償還期日 利率 格付
第 5 回期限前償還条項付無担保社債
(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)100 億円 2019 年 9 月 4 日 2029 年 9 月 4 日 (注 1) AA- 3/4Copyright © Japan Credit Rating Agency, Ltd. All Rights Reserved.
対象 発行額 発行日 償還期日 利率 格付
第 6 回期限前償還条項付無担保社債
(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)100 億円 2020 年 3 月 19 日 2030 年 3 月 19 日 (注 2) AA-
第 7 回期限前償還条項付無担保社債
(実質破綻時免除特約及び劣後特約付)200 億円 2020 年 9 月 3 日 2030 年 9 月 3 日 (注 3) AA-
(注 1) 2024 年 9 月 4 日まで 0.37%。その翌日以降は 6 ヶ月ユーロ円ライボーに 0.55%を加えた率。
(注 2) 2025 年 3 月 19 日まで 0.45%。その翌日以降は 5 年物円スワップのミッド・レートに 0.63%を加算し、小数点
以下第 3 位を切り上げた率。
(注 3) 2025 年 9 月 3 日まで 0.60%。その翌日以降は 6 ヶ月ユーロ円ライボーに 0.62%を加えた率。
対象 発行予定額 発行予定期間 予備格付
発行登録債 2,000 億円 2023 年 7 月 29 日から 2 年間 AA
発行体:株式会社横浜銀行
【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 AA 安定的
発行体:株式会社東日本銀行
【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 AA 安定的 4/4Copyright © Japan Credit Rating Agency, Ltd. All Rights Reserved.
格付提供方針等に基づくその他開示事項
信用格付を付与した年月日:2024 年 4 月 30 日
信用格付の付与について代表して責任を有する者:宮尾 知浩
主任格付アナリスト:坂井 英和
評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の種
類と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に、
「コーポレート等の信用格付方法」
(2024 年 2 月 1 日)、「銀行等」
(2021 年 10 月 1 日)、「金融グループの持株会社お
よび傘下会社の格付方法」
(2022 年 9 月 1 日)、「金融機関等が発行する資本商品・TLAC 商品の格付方法」
(2017 年 4
月 27 日)として掲載している。
格付関係者:
(発行体・債務者等) 株式会社コンコルディア・フィナンシャルグループ
株式会社横浜銀行
株式会社東日本銀行
本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
なお、本件損失吸収条項付商品につき、約定により許容される利息の支払停止が生じた場合、当該支払停止は「債
務不履行」に当たらないが、JCR では債務不履行の場合と同じ「D」記号を付与することとしている。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性の
程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するものではな
い。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外の事項
は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。また、
本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入手した
ものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、独
立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当
該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
格付関係者による関与:
本件信用格付の付与にかかる手続には格付関係者が関与した。
JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置: なし
しかく留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、または
その他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的
確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当
該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭
的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいか
んを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であって、事
実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもあり
ません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として発行体より手
数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データを含め、本文書
の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
予備格付:予備格付とは、格付対象の重要な発行条件が確定していない段階で予備的な評価として付与する格付です。発行条件が確定した場合には当
該条件を確認し改めて格付を付与しますが、発行条件の内容等によっては、当該格付の水準は予備格付の水準と異なることがあります。
しかくNRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラスに登
録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)項に基づ
く開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
しかく本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026

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