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24-D-0699
2024 年 9 月 3 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
株式会社筑邦銀行 (証券コード:8398)
【据置】
長期発行体格付 BBB+
格付の見通し 安定的
しかく格付事由
(1) 久留米市を中心とした福岡県南部を主要営業地盤とする資金量 8,300 億円の地方銀行。
県内の預貸金シェア
(ゆうちょ銀行除く)
は 2%程度にとどまるが、
久留米市周辺においては 15%程度と一定の基盤を有してい
る。格付は、地元における営業基盤や相応の資本充実度のほか、改善の余地がある貸出資産の質や収益力を
反映している。
収益性の高い貸出の増強のほか、
フィービジネスの拡大などにより収益性向上に取り組んで
おり、JCR は利益水準の改善に結び付けられるか注目していく。
(2) コア業務純益(投信解約益や子会社配当を除く、以下同じ)ベースの ROA は 0.15%程度と BBB レンジの地
域金融機関の中でやや低い水準である。24/3 期はシステム更改を中心に経費が増加した一方、コロナ関連
融資の返済圧力が強まる中でも貸出金利息が増加に転じ、
役務取引等利益が堅調に伸びたことから、
コア業
務純益は 12 億円弱と前期比で若干の減益にとどまった。25/3 期は DX 化に向けた経費増加などに加え、金
利引き上げによる預金調達費用の増加が先行し、利益は一時的に下押しされると見込まれる。ただ、新規先
開拓担当やコンサルティング人員の増員など営業力強化を図っているほか、
コロナ関連融資返済の落ち着き
や金利引き上げの効果が見込まれることなどから、
貸出増強とフィービジネス拡大により現状程度の収益力
は維持可能と JCR はみている。
(3) 金融再生法開示債権比率は 24 年 6 月末 2.86%
(部分直接償却前は 3.39%)
と地銀平均比でやや高い。
また、
与信費用は 24/3 期 6 億円と低位に推移しているが、コア業務純益による与信費用の吸収力は小さい。イン
フレや人手不足など事業会社を取り巻く厳しい環境を勘案すると、
与信費用の動向には引き続き注意を要す
る。
(4) 有価証券運用においては、資本対比でみると金利リスク量がやや大きく、価格変動のリスク量も大きい。ま
た、債券や投資信託で比較的大きい評価損を抱えている。株式の評価益で一定程度カバーしているが、その
他有価証券全体では若干の評価損となっている。もっとも、慎重なリスクテイク方針を継続しており、リス
ク量が大きく膨らむ可能性は低いとみている。
(5) 24 年 3 月末の一般貸倒引当金などを控除した調整後連結コア資本比率は 8%台前半と、BBB レンジの地域
銀行の中では比較的高い水準である。
足元のその他有価証券の評価損のほか、
今後の貸出金増強によるリス
クアセットの拡大が調整後コア資本比率の下押し圧力となるが、
収益性を重視した貸出方針やフィー収益の
増加などにより格付相応の水準を維持可能と JCR は考える。
(担当)阪口 健吾・山本 恭兵
しかく格付対象
発行体:株式会社筑邦銀行
【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 BBB+ 安定的 2/2Copyright © Japan Credit Rating Agency, Ltd. All Rights Reserved.
格付提供方針等に基づくその他開示事項
信用格付を付与した年月日:2024 年 8 月 29 日
信用格付の付与について代表して責任を有する者:宮尾 知浩
主任格付アナリスト:阪口 健吾
評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の種
類と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に、
「コーポレート等の信用格付方法」
(2024 年 2 月 1 日)、「銀行等」
(2021 年 10 月 1 日)として掲載している。
格付関係者:
(発行体・債務者等) 株式会社筑邦銀行
本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性の
程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するものではな
い。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外の事項
は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。また、
本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入手した
ものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、独
立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、当
該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
格付関係者による関与:
本件信用格付の付与にかかる手続には格付関係者が関与した。
JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置: なし
しかく留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、または
その他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的
確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当
該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭
的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいか
んを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であって、事
実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもあり
ません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として発行体より手
数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データを含め、本文書
の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
しかくNRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラスに登
録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)項に基づ
く開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
しかく本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026

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