2023年10月2日
日本原子力発電株式会社
敦賀発電所2号機 給水処理建屋における火災について(原因・対策)
2023年8月31日10時13分ごろ、敦賀発電所2号機の給水処理建屋(非管理区域)
において、タンクの溶断作業中のところ、火災報知器が発報し、同建屋にいた当社社員が出火
を確認したことから、直ちに消火を行いました。
同10時20分に消防署へ通報し、11時01分に到着した公設消防による現場確認の結果、
11時20分に鎮火が確認されました。
なお、本件において負傷者は発生しておらず、環境への放射能の影響はありません。
(2023年8月31日お知らせ済み)
作業状況を確認したところ、今回のガス溶断作業においては、溶断対象物に可燃物(タンク
内面のゴムライニング)が含まれていたことから、ガス溶断により発生する入熱を水噴霧によ
り冷却を行いながら作業を実施していました。また、作業にあたっては、火気監視人を配置し
たうえでガス溶断者はガス溶断作業を行い、作業監督者は水噴霧を行っていました。
火災の原因を調査した結果、火気監視人が作業中断を指示した際、作業監督者は水噴霧を中
断しましたが、ガス溶断者には近傍にあった排風機の運転による騒音の影響で指示が伝わって
いなかったことが判明しました。
このため、ガス溶断作業のみが継続され、ガス溶断による入熱によりタンク内面のゴムライ
ニングが延焼し火災が発生したと推定しました。
対策として、作業環境に応じて確実に作業指示を伝達する手段(電子ホイッスル等)を用い
ることを社内規程に定めるとともに、今回の事象を踏まえ、確実な情報伝達の重要性などにつ
いて所員および協力会社に周知しました。
<火災状況図>
作業開始時 火災発生時 火災の状況
(注記)白い付着物は消火剤
水噴霧により冷却を行いながら
ガス溶断作業を実施
水噴霧は中断したが、ガス溶断作業は
継続したため、入熱によりタンク内面
のゴムライニングが延焼し火災が発生
材質:炭素鋼
寸法:内径 約1m
高さ 約1.5m
以 上
本事象は、法律に基づく報告事象や安全協定の
異常時報告事象に該当するものではありません。
給水処理建屋(平面図)
発生場所:給水処理建屋
2号機
火気養生エリア(注記)
火災発生場所
(注記)防火シートにより区画したエリア
1号機
排風機
<火災発生場所>

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