1平成23年10月12日
日本原子力発電株式会社
東海・東海第二発電所の近況について(平成23年10月)
1.発電所状況について (10月12日現在)
東海第二発電所
沸騰水型
(電気出力110万 kW)
・5月21日から第25回定期検査を実施中。
東海発電所
炭酸ガス冷却型
(廃止措置作業中)
・熱交換器等解体撤去工事の内、2号熱交換器本体撤去工
事を実施中。
・燃料取扱建屋領域に設置された機器の撤去工事を実施
中。
・熱交換器建屋北側屋上の機器撤去工事を実施中。
くろまる東海第二発電所の定期検査状況
(1)主要設備の実績
1原子炉関連設備
燃料集合体全数764体を原子炉内から取り出し、使用済燃料プールにて冷却を継続
中です。また、炉内構造物等の点検を実施しております。
2タービン関連設備
高圧タービン、低圧タービン(A)(B)(C)
、発電機、励磁機の開放点検および動翼
等の補修を実施しております。
(2)点検状況
1高圧タービンの点検状況
外観点検の結果、擦れ痕については、擦れたことにより生じた表面のめくれやへこみ
を修正することで継続使用が可能であることから手入れを行います。
また、高圧タービン第4段目のノズル翼の一部が車室内に残留していることを確認し
ましたが、隔板の一部にこの影響と思われる軽微な打痕が見られるものの、動翼に影響
を与えた形跡は見られていないことを確認しました。
なお、全てを回収できていないことから、未回収部分の捜索を進めるとともに、脱落
した原因調査を継続して実施中です。
2中間軸受台の点検状況
外観点検の結果、軸受台が上部方向に約5mmずれていること、および基礎ボルトの
10本中3本に緩みがあることを確認しました。今後、中間軸受台基礎部の補修を実施
してまいります。
3低圧タービンの点検状況
外観点検の結果、擦れ痕については、擦れたことにより生じた表面のめくれやへこみ
を手入れにて修正することで継続して使用することとしますが、低圧タービン(A)の
(お 知 ら せ) 29段から11段の動翼については、硬度測定の結果で擦れた際の熱による硬化が見られ
る部位が確認されていることから、今後の運転に万全を期すために、予防保全として動
翼を交換します。
(3)主蒸気逃し安全弁内部部品の脱落について
9月26日、主蒸気逃し安全弁(*1)
分解点検において、主蒸気逃し安全弁(18個)
のうち、D弁の内部部品(
「ロワーリングセットピン(*2)」)が折損、脱落していること
を確認しました。
調査の結果、セットピンにより位置決めされていたロワーリングが正規の位置からず
れを生じ、弁体に接触したと思われる痕跡があることを確認しました。
今後は、主蒸気逃し安全弁のセットピンが、脱落した原因について、詳細に調査して
まいります。
*1:原子炉格納容器内にあり、原子炉圧力容器とタービン発電機の主蒸気管に 18 台(A〜V)が設置されて
いる。役割としては、原子炉の圧力が異常上昇した場合、原子炉圧力容器の保護のため、自動あるい
は手動により蒸気を圧力抑制室(サプレッションプール)へ逃がす弁。他に非常用冷却系の自動減圧
装置としての機能を有する。*2:
ロワーリングとは、
弁体の開き始めの動作を促進するための部品であり、
ピンはそれを固定するもの。
(4)制御棒(*3)
ハンドル部(*4)
のガイドローラ(*5)
付近のひびについて
10月6日、原子炉の出力を調整している制御棒のうち、移動対象制御棒(8本のう
ち1本)の移動作業に伴い、当該制御棒の点検を行ったところ、制御棒ハンドルガイド
ローラ付近にひびがあることを確認しました。
このため、同時期に使用を開始した、他の7本について外観点検を行ったところ、全
ての制御棒のハンドルガイドローラ付近にひびがあることが確認されました。
ひびの原因は、中性子照射量、水質、応力の各条件が重畳することで、照射誘起型応
力腐食割れ(*6)
が生じることが知られており、このひびの発生が制御棒の挿入性に影響
を与えるものではないことが評価されています。
今後は、当該制御棒(計8本)について交換を実施します。
なお、当該制御棒は、東北地方太平洋沖地震時における原子炉自動停止時の緊急挿入
動作および定期検査中の燃料移動のための引抜き操作においても、
動作に異常はありま
せんでした。
*3:原子炉内の中性子数を変化させることにより、原子炉の出力を制御する役目をするものを制御棒とい
う。原子炉の制御をする上で重要なものであり、中性子を吸収しやすい物質で作られている。制御棒
は全数で185本あり、そのうち13本が運転中の出力を調整する制御棒がある。
*4:制御棒ハンドルとは、制御棒の点検・位置決め等で原子炉内より引く抜くためのものである。
*5:ガイドローラとは、燃料集合体の隙間をスムーズに移動させるため、制御棒のハンドル部にガイドロ
ーラを設置している。
*6:照射誘起型応力腐食割れとは、応力腐食割れ(金属材料の性質と内部に残る応力、腐食しやすい環境
の3つの複合要因により発生するひび割れ)
のうち、
中性子照射の影響により金属の組織が変化する
ことに起因するもの。ある程度以上の中性子照射を受けた際に発生しやすくなる。
(5)定期検査期間の延長について
上記、高圧・低圧タービンの点検の結果、地震により影響を受けた蒸気タービン動翼
の補修および交換と中間軸受台の点検修繕作業を実施するため、定期検査の期間を約9
ヶ月(当初の作業終了予定11月中旬から平成24年8月上旬)延長することとしまし
た。 3(6)マイクロ波通信設備の更新について
マイクロ波通信設備を更新するため、排気筒の支柱に設置する工事を開始しました。
なお、排気筒への設置終了後に、原子炉建屋の屋上にあるマイクロ波通信設備及びそ
の鉄塔については、撤去を実施する予定です。
2.プレス及びホームページ掲載実績について( 9月6日〜10月12日)
(1)法律に基づく報告に該当する重要な事象 な し
(2)その他の情報
1プレス発表 (5 件)
・ 9月15日:緊急安全対策に係る実施状況報告書等の再提出について
・ 9月28日:ベトナム電力公社との原子力発電導入可能性調査実施に関する契約の
締結について
・ 9月28日:緊急安全対策等の報告書における記載誤りの調査結果及び原因と再発
防止策について
・ 9月29日:東海第二発電所における東北地方太平洋沖地震の揺れが耐震安全上重
要な施設に与えた影響の評価に係る報告書の提出について
・10月12日:東海第二発電所 第25回定期検査期間の延長について
2お知らせプレス (1 件)
・10月12日:東海・東海第二発電所の近況について(平成23年10月)
3ホームページ掲載(発電所からのお知らせ) (2 件)
・9月20日:東海第二発電所 非常用ディーゼル発電機(2C)シリンダ排気温度の
指示不良に伴う運転上の制限の逸脱について
・9月21日:東海第二発電所 非常用ディーゼル発電機(2C)シリンダ排気温度の
指示不良に伴う運転上の制限の逸脱及び復帰について
4取材案内 (0 件)
3.保安検査実施状況
東海第二発電所の平成23年度第2回保安検査が、9月5日〜9月16日までの間で、原
子力安全・保安院により実施されました。
4.イベント情報
月 日 イベント名 場 所 内 容
10月16日(日) げんでんハロウィンパーティー 東海テラパーク
瞳ナナマジックショー・館内ク
イズ&ハロウィン工作
11月19日(土) 原電eまなびスクール 東海テラパーク
ホバークラフトを作ろう
(11月1日より受付開始)
<添付資料>
・第25回定期検査工程表(計画変更)
以 上
年月
5月21日 定期検査開始▽圧力容器開放
圧力容器開放
燃料装荷
全燃料取出
全燃料取出
5月21日 定期検査開始▽ターニング
:計画 :計画変更 :実績タービン関連設備原子炉関連設備5月
10月 11月
主要変圧器取替工事4月定期検査中に行う東北地方太平洋沖地震に伴う工事
中間軸受台修繕
低圧タービン(A,B,C)、高圧タービン開放点検、動翼取替及び修繕
8月 9月
炉内構造物予防保全対策(シュラウドサポート等)
平成23年
5月 6月 7月
オイルフラッシング等
圧力容器復旧・機能検査等
第25回定期検査工程表 (計画変更)
6月 7月 8月 9月
2月 3月
12月 平成24年1月
添付資料

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