1第5回 原子力安全に関する社外評価委員会 議事要旨
1.開催日時:2019年3月5日(火) 14時00分〜15時30分
2.開催場所:日本原子力発電(株) 本店会議室
3.出 席 者:
<委 員> 北村委員長,梅津副委員長,竹田委員,大堀委員
<対応者> 村松取締役社長,市村取締役副社長,和智取締役副社長,前川常務取締役
4.要 旨
本委員会では,
本店,
東海第二発電所,
敦賀発電所で今年度に実施した計3回の
「実
務観察及び意見交換」における委員からの意見内容を再確認し,またそれに対する日
本原子力発電の対応状況を説明した。また,来年度も「実務観察及び意見交換」を継
続し,
当社の自主的安全性向上の取組みに対して外部オーバーサイトとして評価する
と共に,
当社で発生した至近の重篤なヒューマンエラー事象についても評価対象とす
ることについて確認いただいた。
結果,当社の「自主的安全性向上の取組み」により全体的に良い方向に改善している
ことが確認された。また,現在の取組みを大きく見直す必要はないが,更に良くするために,実務観察及び意見交換等における委員からの意見を踏まえて更に取組みを改善するこ
ととの意見をいただいた。
なお,今年度に実施した「実務観察及び意見交換」の実績は以下のとおり。
第4回(本店:2018 年 7 月 9 日)
・全社の安全文化醸成に係る取組み
第5回(敦賀発電所:2018 年 9 月 21 日)
・敦賀発電所の安全文化醸成に係る取組み
・安全性向上支援担当の取組み
・所長及び所幹部のリーダーシップ(CAP 会議,トラブル検討会)
・敦1廃止措置状況
第6回(東海発電所:2019 年 2 月 4 日)
・人身災害を踏まえた協力会社と一体となった安全文化醸成活動
・安全性向上支援担当の取組み
・所長及び所幹部のリーダーシップ(CAP 会議)
・東海第二発電所の安全対策と地元とのコミュニケーション
・リスク情報活用(停止時リスクモニタ) 25.本会議における委員からの意見
(安全文化醸成)
○しろまる良好事例の紹介・共有を次年度以降も継続することが大事であり,重要視して取り組
んでもらいたい。
○しろまる安全性向上や安全文化醸成活動に協力会社に参加いただく場合には,何を目的として
取り組んでいるのかを説明し,理解を得れば目的意識が芽生える。
○しろまる安全については,部下であっても上司に発言するという「アサーション(assertion)
※(注記)1」の考え方はもっと共有されるべき。
仕組みづくりも含めて検討していただきたい。
(PRA)
○しろまる発電所にリスク情報活用要員を新設し本店から常駐させたことは新しい試み。リスク
情報活用要員を含め,有事の際の判断を誰が行うのかを検討することも今後の課題で
ある。
○しろまる原子力プラントの安全性評価として,安全を確保するということは最後にはリスク評
価になる。そういった意味でPRAに沿って実施すべき。
(原子力防災)
○しろまる防災訓練は常に改善して事故対応能力が上昇していく方向であれば良い。むしろ本店
には,現場の人達の元気が出るようなことが本店の役目であり考えていただきたい。 ○しろまる緊急時対応の強靭化により福島第一発電所事故と同じシナリオは防止できるが,それ
でも起こる事故(レアイベント)は何かということを,英知を絞って考えていただき
たい。
○しろまる緊急時と平常時の両方ともプラントの過渡変化への対応がしっかりできることが必
要であるため,緊急時対応能力と平常時対応能力の両方とも維持していただきたい。 (双方向コミュニケーション)
○しろまる発電所の訓練の状況を広報するとか,地元の方々に見て頂くとか,マスコミ等の取材
を受け必要なら報道してもらうとかがあっても良い。
(SDGs)
○しろまるSDGs※(注記)2
について,
世の中は思った以上の速度で展開しているため,
会社としても SDGs
に是非コミットすることを考えていただきたい。全てを一度に取組む必要はなく,で
きる所から取組み始めていこうという姿勢が大事である。
(共通)
○しろまる社外評価委員の気づきに対し,各年度でそのアクションが時系列的にどう続いてい
るのかをタイムチャート的なもので取り纏めて報告願いたい。
※(注記)1:アサーション(assertion)とは、言うべき意見は遠慮せず(ただし相手の
ことも尊重して)、率直に自己表現を行うためのコミュニケーションスキル。 ※(注記)2:SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015 年に国際連合で採
択された 2030 年までに世界が目指す持続可能な開発目標。
17 の目標と 169
のターゲットからなる。
以 上 3原子力安全に関する社外評価委員会 委員名簿
氏名 所属・役職等
委 員 長 北村 正晴 東北大学名誉教授,(株)テムス研究所所長
副委員長 梅津 光弘 慶應義塾大学商学部 准教授
委 員 竹田 敏一 福井大学附属国際原子力工学研究所
原子炉物理学部門 特任教授
委 員 大堀 道広 福井大学附属国際原子力工学研究所
原子炉構造システム・廃止措置部門 准教授