第4回 原子力安全に関する社外評価委員会 議事要旨
1.開催日時:平成30年3月6日(火) 14時00分〜15時30分
2.開催場所:日本原子力発電(株) 本店会議室
3.出 席 者:
<委 員> 北村委員長、竹田委員、大堀委員
<対応者> 村松取締役社長、市村取締役副社長、和智常務取締役、前川常務取締役
4.要旨
昨年度までは自主的安全性向上の取り組み状況を資料と報告により委員会で確
認し、評価、意見及び指導をいただいていた。今年度からは、各委員が原電の取
組みや実務を直接観察し、実務担当者と意見交換することで、日頃気付かない事
項について委員から意見及び指導をいただく「実務観察及び意見交換」を実施し
た。
本委員会では、「実務観察及び意見交換」の3回で受けた意見内容を委員間で
再確認し、またそれに対する原電の対応状況を確認する。また、自主的安全性向
上の取り組みについてのこの1年間の取組み及び今後の改善事項や課題を確認
し、来年度も原電が注力する活動や課題とする事項について、「実務観察及び意
見交換」のテーマとして実施し、委員から意見及び助言をいただくこととする。
委員からの主な意見は以下のとおり。
(1)実務観察及び意見交換について
○しろまる実務観察を行った際に、良く実務が行われていた。東海第二の防災訓練ではきび
きびとした指示命令系統ができており、各班の代表者が集まった戦略グループ会
合を数回開催し、その結論に従って実務を進めており、非常に良いことだと思っ
た。実務観察で気が付いた良い点についても助言しているので、その良い点を各
事業所間で共有するようにしていただきたい。
○しろまる東海第二の防災訓練のときはかなりパフォーマンスが上がっていた。各委員から褒
めた発言や意見のプラスの評価についても省くことなく、報告書に纏めることによ
り、現場の人たちにも元気が出るようにしていただきたい。
○しろまる防災訓練のシナリオ作成においては、イベントベースで考えるのと別に、如何にサ
プライズを入れ込むかが鍵になる。他の業界でも、緊急時対応能力とサプライズ訓練
はセットに行っているのが世界的なトレンド傾向となっているので、サプライズを入
れ込んだシナリオ作成を行うようにしてください。2○しろまる現在は安全対策機器が多様化されて重装備になっているので、ある機器が使用でき
なければ別の機器を使うとなりがちである。ある段階まではその訓練で良いと思う
が、仮にそれが期待されたバックアップシステムが機能しない時に、次を持って来い
でなく、それを復旧し軽度の段階で対応しなければならないようなケースも含め、す
べての色んな対応性のある事故対応ができるようにしていただきたい。
(2)自主的安全性向上の取り組み状況について
○しろまるPRA等のリスク情報の活用について、内的事象にある程度限られているかもしれ
ないが、もう少しPRAを有効活用した事故対応やシナリオ作成を検討していただき
たい。
○しろまる双方向コミュニケーションについて、原子力のコミュニケーションの場面は静粛で
なくなることが多い。中立的な多数の方の姿勢が基調となるように仕切って、静かな
討論会を実現していただきたい。やり方はいろいろあると思うので、何らかの事前了
解を頂いて、そのうえで静かに説明会を行っていただきたい。
○しろまる地域とのコミュニケーションに関して、地域の行事に参加し、人と人のつながりを
深くし、信頼感が増して、この人だったら原子力を任せられると地域の方が感じて頂
けるように、敦賀及び東海の地域の行事には積極的に参加を続けて行っていただきた
い。
○しろまる双方向コミュニケーションについては、ステークホルダーを巻き込んだ、リスクコ
ミュニケーションの結果がリスクマネジメントに適切に反映されることが大事であ
る。ステークホルダーインボルブメントとして外部との連携をしっかりと考えている
ことの形を作っていく必要があるので、ステークホルダーインボルブメントについて
もしっかりと入れ込んでいることを示すことが大事である。
○しろまる緊急時対応について、東海・東海第二発電所は東日本大震災3.11を乗り切った経
験は大きな強みとなると思うので、その教訓や経験されたことを敦賀発電所にも展開
されるとよい。東日本大震災3.11から7年が過ぎて、風化防止の観点からも大事
な点である。
○しろまる発電所が長期停止状態となっているので、現場の運転能力を維持できるのかとの質
問されたときに、説得力のある回答や説明が出来るような体制を作り、理論武装をし
ておくことが大事である。
○しろまるいろいろな取組みや活動を行っているときに現場の方の繁忙感が当然あると思う。
その繁忙感をそのままにしないで、現場の社員が納得して自分の事として取組みがで
きるように上司の方々にはリーダーシップを発揮していただきたい。現場の繁忙感や
遣らされ感を避けるために、取組み事項を合理化するとともに、工夫や知恵を絞って
いただきたい。
以上3原子力安全に関する社外評価委員会 委員名簿
氏名 所属・役職等
委員長 北村 正晴 東北大学名誉教授、(株)テムス研究所所長
副委員長 梅津 光弘 慶應義塾大学商学部 准教授
【本委員会は欠席】
委員 竹田 敏一 福井大学附属国際原子力工学研究所
原子炉物理学部門 特任教授
委員 大堀 道広 福井大学附属国際原子力工学研究所
原子力構造システム・廃止措置部門 准教授