平成25年2月28日
日本原子力発電株式会社
敦賀発電所 敷地内破砕帯の活動性評価に係る追加調査の工程見直しについて
当社は、敦賀発電所の耐震安全性評価に関して、旧原子力安全・保安院における地震・津
波に係る意見聴取会での審議の状況を踏まえ、敷地内破砕帯の活動性評価に係る追加調査
を行っているところですが、これらの調査工程の見直しについて、本日、下記のとおり原
子力規制委員会に報告しました。
当該追加調査については、平成24年4月24日に実施された旧原子力安全・保安院に
よる現地調査での専門家による指摘を踏まえ、敷地内の破砕帯の活動性に係る更なるデー
タ拡充を行うことにより、当社のこれまでの評価(注記)1
の信頼性を向上させるため、平成24
年5月14日に追加調査計画を取りまとめ、調査に取り組んでいます。
このうち、D-1 破砕帯の評価に関する調査については、本年3月上旬を目途に中間的な取
りまとめを行い報告します。
これまでの調査では、トレンチや大深度調査坑における調査において時間を要している
ことや、採取した試料のデータ分析・評価に時間を要していることから、調査工程に遅れが
生じているため、平成24年11月に工程見直しを報告した追加調査計画及びそれ以降に
追加した調査計画について、本年6月末まで延長することとしました。
また、その他の破砕帯についても、結果が得られたものから順次報告します。
なお、調査内容、工程については、今後の状況等に応じて追加・変更する場合があり得
ます。
(注記)1 ・破砕帯は、耐震設計上考慮すべき活断層ではない。
・破砕帯は、浦底断層の活動に伴い、活動しない。
以 上
添付資料:敦賀発電所 敷地内破砕帯の活動性評価に係る追加調査の工程見直しについて
添付資料
敦賀発電所 敷地内破砕帯の活動性評価に係る追加調査の工程見直しについて
1.調査の目的
敷地内破砕帯の活動性に係る更なるデータの拡充を行い、浦底断層が活動した場合
も含めた破砕帯の活動性評価を行っていく。
2.現地調査の状況
・変動地形調査(1)
航空レーザーDEM 等で取得したデータに基づき、地形図を作成した。
・既往露頭(D-14、H-3a、D-1)
(2、3、4)
破砕帯の変位センスの評価について、これまでの評価を補強するため、薄片観察試
料を追加で作成し、観察を行っている。
・H-3a 破砕帯を対象とした調査(3’、3")
H-3a 破砕帯の活動性評価のためのピット調査については終了し、後期更新世以降の
活動がないことを確認した。
これまでの評価を補強するため、ピット及び2号機原子炉建屋の近傍で H-3a 破砕帯
の薄片観察試料を新たに採取し、変位センスに関する検討を実施する。
・D-14 破砕帯を対象とした調査(5)
昨年 10 月下旬から、3箇所でピットを掘削しており、いずれの地点についても D-14
破砕帯が分布することを確認している。
これらのうち、最も北側のピットについては、破砕帯全体が露出していないことか
ら、ピットの観察範囲を拡張するための掘削を継続して実施中である。
具体的には、昨年 12 月中旬から掘削計画を検討し、その後許認可手続きを経て掘削
を実施したが、更なる追加掘削が必要と判断した。
このため、今後必要となる手続きを行った後、更なる追加掘削を行うこととした。
・D-1 破砕帯を対象とした調査(6)
D-1 破砕帯の活動性評価のためのトレンチ調査を実施し、
後期更新世以降の活動がな
いことを確認した。
これまでの評価を補強するため、
D-1 トレンチに分布する第四紀層の堆積年代につい
て、更なるデータ拡充を行うため、追加の年代分析を実施している。
また、D-1 破砕帯の連続性に関する調査データの密度を上げるため、2 号機原子炉建
屋に隣接した箇所においてボーリング調査等を実施中である。
・せん断面(K 断層)
(6’)
せん断面(K 断層)の調査については、本年 1 月からボーリング調査を、2 月中旬か
らピット掘削を開始し、現在も実施中である。
せん断面(K 断層)の深度方向及び平面的な分布の把握に関して、D-1 トレンチ西側
道路付近まで調査範囲を拡大して充実したデータを取得していくこととし、今後必要
となる手続きを行った後、調査を進めていく。
・f-25 破砕帯を対象とした調査(7)
f-25 破砕帯の東方延長エリアにおいて、2 箇所でボーリング調査を行い、本年 1 月
下旬に f-25 破砕帯の東方延長位置を確認した。
なお、f-25 破砕帯の位置の特定にあたっては、ボアホールカメラの結果や f-25 破砕
帯周辺の地質状況の分析に基づき特定した。
トレンチ掘削については終了し、f-25 破砕帯が第四紀層に覆われていることを確認
した。
現在、第四紀層の年代分析を実施中である。また、これまでの評価を補強するため、
トレンチで f-25 破砕帯の薄片観察試料を新たに採取し、変位センスに関する検討を実
施する。
・D-5 破砕帯を対象とした調査(8)
昨年 11 月上旬から横坑掘削を開始し、現在岩盤を掘削している状況である。
D-5 破砕帯と第四紀層との関係を確認する箇所(横坑の先端の壁面)について、現状
では横坑(内径約 2.5m)内で岩盤と第四紀層の関係が確認できない可能性があり、今
後更なる予備ボーリングを行った上で横坑先端位置を確定し、横坑の掘削を進めてい
く。
・D-6 破砕帯を対象とした調査(9)
昨年 10 月中旬から横坑掘削を開始したが、トンネル内の湧水対策工及び破砕帯全体
を露出させるためのトンネルの拡幅工事を実施した。
現在、横坑内の地質観察、第四紀層の年代分析等を実施中である。
敦賀発電所
1号機
6トレンチ調査
(D-1破砕帯)
6’ボーリング、ピット調査
(せん断面)
8大深度調査坑
(D-5破砕帯)
ボーリング、横坑掘削、
観察・分析・評価
9大深度調査坑
(D-6破砕帯)
観察・分析・評価
敦賀発電所 破砕帯追加調査位置図
5ピット調査
(D-14破砕帯)
掘削・観察・分析・評価
2既往露頭
(D-14破砕帯)
観察・分析・評価
1変動地形調査
(敷地全域)
別紙1
7トレンチ調査
(f-25破砕帯)
観察・分析・評価
6ボーリング、法面剥取り
(D-1破砕帯)
3"ボーリング、法面剥取り
(H-3a破砕帯)
:調査対象破砕帯
(f-25破砕帯はT.P.-9mスライス、その他破砕帯はT.P.-15mスライス)
:浦底断層
(T.P.-15mスライス)
:ボーリング調査実施範囲
:電気探査実施範囲
凡 例f-25D-14H-3aD-1D-5D-6日本原子力
研究開発機構
(ふげん)
3 3’既往露頭
(H-3a破砕帯)
観察・分析・評価
敦賀発電所
2号機
4既往露頭
(D-1破砕帯)
観察・分析・評価
ボーリング、
ピット調査
H-3a破砕帯
新規
調査
3"
2月 3月 4月 5月
せん断面の成因に関する検討
ボーリング、 ピット調査
D-6破砕帯91月
11月7月観察・分析
1破砕帯の影響を受けていない地層
の年代を調べ、破砕帯の活動年代
を把握する調査
(上載地層法による評価)
・より高密度の火山灰分析
・OSL*2による上載地層の年代分析
2岩盤/第四紀層境界の明確化
・CTスキャンによる地質の詳細観察
3破砕部に着目した活動年代の検討
・ESR*3などによる活動年代評価
4破砕帯のずれ方向の検討
(破砕部の変位センス)
・条線方向の測定
・薄片などの観察
地形情報の把握
・空中写真DEM*1
・航空レーザーDEM*1
内容
7 f-25破砕帯
5 D-14破砕帯
トレンチ
(浦底断層北方)
大深度調査坑
(浦底断層南方)
ピット調査
(斜面安定部)6月12月9月6月
D-1トレンチ内
せん断面
D-5破砕帯
D-1破砕帯
H-3a破砕帯
D-1破砕帯
H-3a破砕帯
D-14破砕帯6’83’4
既往露頭2変動地形調査16310月8月5月
調査地点
注)調査内容、工程については、調査の状況等に応じて追加・変更される場合があり得る。 *1 DEM 数値標高モデル(Digital Elevation Model) 地形をデジタル化したもの。
*2 OSL 光ルミネッセンス法(Optically Stimulated Luminescence) 鉱物結晶が光を遮断されてからの経過時間を測定する手法。
*3 ESR 電子スピン共鳴法(Electron Spin Resonance) 断層内物質のESR信号を利用して、断層活動の年代を測定する手法。
敦賀発電所 破砕帯追加調査計画(改訂) 主要工程 別紙2
立坑掘削
掘削
準備・手続き
準備・手続き
準備・手続き
準備・手続き
トレンチ計画検討
準備・手続き
トレンチ計画検討
横坑掘削
ボーリング
ボーリング
電気探査
準備・手続き
観察・分析・評価
ピット掘削
観察・分析・評価
観察・分析・評価
観察・分析・評価
解析・判読
解析・判読
測量
観察・分析・評価
露頭拡張
観察・分析・評価
ボーリング
観察
ボーリング
観察・分析・評価
トレンチ計画検討
観察・分析・評価
掘削
掘削
掘削
観察・分析・評価
横坑掘削
立坑掘削
観察・分析・評価
観察・分析・評価
ボーリング
観察・分析・評価
準備・手続き
観察・分析・評価
掘削
観察・分析・評価
ボーリング
ボーリング・法面剥取り
観察・分析・評価
ボーリング
横坑掘削
観察・分析・評価
観察・分析・評価
ボーリング
観察・分析・評価
観察・分析・評価
観察・分析・評価
観察・分析・評価
ピット掘削
手続き
手続き
観察・分析・評価
準備・手続き 掘削
ボーリング・法面剥取り
観察・分析・評価
手続き
観察・分析・評価
2/15撮影
5D-14ピット調査
D-5大深度坑立坑内
(横坑部掘削状況)
D-6大深度坑立坑内
(横坑部掘削状況)NO.1:写真撮影位置
:写真撮影位置
2/21撮影
2/22撮影
2/22撮影 2/22撮影
2/22撮影

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