敦賀発電所2号機の原子炉手動停止について
(原子炉格納容器内床面等でのホウ酸の発見の調査状況)
敦賀発電所2号機(加圧水型軽水炉:定格電気出力116万キロワット)は、
定格熱出力一定運転中のところ、6月5日に実施した格納容器内監視カメラに
よる点検で1次冷却材ポンプ(C)ループ室地下2階床面等に付着物が確認さ
れたことから、翌6日に同室内に入域し、付着物を採取して分析した結果、1 次
冷却材中に含まれる放射能とホウ酸が確認されました。
なお、同室内には水たまりや水滴の滴下は認められず、1次冷却材の漏えい
を監視している格納容器サンプ水位や格納容器内の放射線モニタ等に有意な変
化は認められませんでした。
同室内は運転中の放射線量率が高いことから、漏えい箇所の特定や詳細な点
検調査を行うため、6月9日3時より出力降下を開始し、9日11時発電を停
止しました。
なお、本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。
(平成17年6月8日発表済み)
〔格納容器内点検結果〕
原子炉停止後に行った格納容器内点検の結果、漏えいの痕跡(ほう酸)が見
られたH鋼の真上にあるほう酸注入系統*1
のテストコネクタ弁*2
(閉止状態)
に取り付けられている閉止栓(スウェージロック)付近に、ほう酸の析出と1
次冷却水の非常にわずかな滴下が認められました。また、当該弁のグランドパ
ッキンの上部にも極くわずかなほう酸の析出が認められました。
なお、当該箇所以外には、ほう酸の析出は確認されませんでした。
今後、当該箇所を一時的に隔離し、漏えいの原因等について詳細に調査を行
うとともに、当該弁の手入れ等を行い、仮復旧する予定です。
*1:ほう酸注入系統
非常用炉心冷却設備の一つで、事故時に中性子を吸収するほう酸を原子炉に
注入する系統
*2:テストコネクタ弁
定期検査時の試験や水抜きの際に使用する弁 添付資料 格納容器内点検結果
以 上
平成17年 6月10日
日本原子力発電株式会社
原子炉C蒸気発生器
C1次冷却材ポンプ
Cループ
ほう酸注入
タンクより
1次冷却材の流れ
原子炉格納容器地下中2階原子炉ほう酸 閉止栓(スウェージロック)
ほう酸
ほう酸
H鋼を床面より見上げた状況
原子炉格納容器地下2階床面
(安全注入系)
ほう酸注入系統
テストコネクタ弁
(V-RC-151C)
Cループ室
ほう酸堆積箇所
(見上げの図)
C蒸気発生器
原子炉
漏えい箇所
格 納 容 器 内 点 検 結 果 添付資料
地下中2階床面
地下2階床面
スウェージロック
ほう酸
保温材
V-RC-151C
ほう酸 鋼材変色跡
H 鋼
漏えい箇所の配管仕様
・ 材 料:SUS316
・ 公称外径:27.2mm
・ 設計圧力:175kg/cm 2
・ 設計温度:343°C
H鋼上部
ほう酸注入系統テストコネクタ弁(V-RC-151C)

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