3 月の主な作業予定
≪地層研ニュースに関するご意見・ご要望および施設見学会の連絡先≫
【瑞浪超深地層研究所】
【正馬様用地】
1 地表からのボーリング孔(4孔)を用いた地下水の水圧・水質観測
2 表層水理定数観測(地下水位の観測)12345678
<ボーリング孔を用いた地下水の観測>
だいやまーく地表(5孔)
だいやまーく深度200m,300m,400m予備ステージ(各1孔)
だいやまーく深度300m研究アクセス坑道(2孔)
(電力中央研究所との共同研究)
だいやまーく深度300mボーリング横坑(換気立坑側5孔)
(電力中央研究所との共同研究)
だいやまーく深度300m研究アクセス坑道(1孔)
(産業技術総合研究所との共同研究)
だいやまーく深度500m研究アクセス北坑道(9孔)
だいやまーく深度200mボーリング横坑
(主立坑側1孔、換気立坑側1孔)
だいやまーく深度300mボーリング横坑
(換気立坑側3孔)
だいやまーく深度300m研究アクセス坑道(1孔)
だいやまーく深度500m研究アクセス南坑道(1孔)
だいやまーく深度500m研究アクセス南坑道(3孔)
(電力中央研究所との共同研究)
地下水の水圧・水質観測 地下水の水圧観測
0572-66-2244(代表)
0572-68-7717
tono-ck@jaea.go.jp(ご意見・ご要望)
tono-kengaku@jaea.go.jp(施設見学会)
【連絡先:東濃地科学センター 総務・共生課 まで】
表層水理定数観測(地下水位・土壌水分の観測)
狭間川における流量観測及び研究所周辺井戸での水位観測
研究坑道の排出水等の環境管理測定
研究坑道の湧水に含まれるふっ素、ほう素を排水処理設備で除去後に排水
研究坑道内におけるボーリング孔を用いた試験・観測(電力中央研究所との共同研究)
研究坑道内における傾斜計を用いた岩盤の変位計測、重力計測及び応力計測(東濃地震科学研
究所との研究協力)
研究坑道内におけるニュートリノ捕捉用原子核乾板の保管(名古屋大学への施設貸与)
坑内外設備の維持管理
サイエンスカフェの開催
瑞浪超深地層研究所の地下を体験しよう!
瑞浪超深地層研究所では、地下深部を体験できる施設見学会を開催します。
参加をご希望の方は事前申込が必要となりますので、3月19日(月)までに住所、氏名、電
話番号を左記の連絡先までお知らせください。また、申込み多数の場合は締切り前に受付を終
了させていただくこともありまので、ご了承ください。
【日 時】平成30年3月24日(土)9:30〜12:00
【内 容】深度500mステージ
【対 象】小学校4年生以上
工事現場での安全の確保のため、小学生の方は 4 年生以上で保護者同伴でお願
いします。また入坑の際は、安全装備( つなぎ服・反射ベスト・ヘルメット・
安全長靴・軍手・坑内 PHS など)を着用して頂きます。工事中の現場ですので、
狭くて急な階段等もあります。階段の昇降等が困難な方など自立歩行に支障のあ
る方や高所、
閉所恐怖症の方などは研究坑道に入坑できない場合がありますので、
事前にご確認をお願いいたします。なお、
深度500mの研究坑道の見学の際には、
約90段(ビル8階建相当の高さ)のらせん階段があり、昇降は体力的にも大き
な負担となりますので、十分にご検討の上お申し込みください。また、飲酒され
ている方、妊娠中の方、体調がすぐれない方はご遠慮いただいております。
予約後であっても工事や現場の状況により入坑できなくなる場合がありますの
で、予めご了承下さい。
らせん階段
(約90段 ビル8階建相当)
スポット
ニュース
《東濃地科学センターHP》
-2018/2 月号 -
vol.191
国立研究開発法人
日本原子力研究開発機構
東濃地科学センター
1月20日(土)、土岐市産業文化振
興センターセラトピア土岐において、サ
イエンスカフェを開催しました。
サイエンスカフェは、話題提供者と参
加者、また、参加者間でコミュニケーシ
ョンをとることで、カフェのような雰囲
気の中で気軽に科学を語り合うことを目
的としています。今回は、「加速器で年
代を調べてみよう」をテーマとして、過
去に起きた地震の年代や神社の宝物の年
代などを調べる手段の一つとして、加速
器質量分析を利用した年代測定の方法に
ついて紹介しながら、楽しく和やかな雰
囲気で進められました。
1月23日、東濃地科学センターにおいて平成29年度の下期総合防災訓練を
行いました。
今回は、「瑞浪超深地層研究所の深度500mにある冠水坑道内で作業を終え
た作業員が、冠水坑道から出ようとしたところ階段で転倒し、負傷した」とい
総合防災訓練を行いました
サイエンスカフェの様子
う想定で行いました。
訓練では、瑞浪超深地層研究所の現地対
策本部や土岐地球年代学研究所の現場指揮
所の立ち上げ、関係機関等への連絡、機構
内関係部署とのテレビ会議による情報共有
等、緊急時対応の習熟を図るとともに瑞浪
市消防本部の協力のもと、通報等の初期対
応、負傷者の救護及び搬送等の訓練を行い
ました。
今回の訓練で得た経験等を今後の緊急時
対応等に活かし、引き続き安全を最優先と
して研究開発を進めてまいります。 瑞浪市消防本部による現場指揮本部の様子
地層研ニュース
だいやまーく塩化物イオンについては、
「排水基準」や「環境基準」などの法的な規制はありませんが、
濃度の高い水を稲作に長期間使用した場合には、稲の発育に影響が出るという研究事例
があります。千葉県農業試験場の論文・文献などでは、稲は塩化物イオン濃度が
500mg/L 以下の水を使用していれば、被害が発生する可能性が少ないことから、
「安
全基準」として 300 〜 500mg/L が記されています。
研究所からの排出水等には天然由来の塩化物イオンが含まれています。狭間川の下流
域においては、河川水を稲作に利用していることから、上記の「安全基準」にもとづき、
明世小前取水口における河川水濃度として月平均 300mg/L 以下を目安に管理していま
す。なお、月平均 300mg/L を超える、又は超えると予想される場合には直ちに耕作者
の方々にお知らせします。また、これが長期間に及ぶと予想される場合は、500mg/L
を超える前までに「専用設備」による処理などの必要な対策を講じます。
(注記)1
(注記)2
(注記)3
(注記)4
(注記)5
(注記)6
(注記)7
(注記)8
測定結果 (12 月 12 日〜 3 月末日 )
花木の森散策路における
空間放射線線量率
(注記)6
3 ヶ月の集積空間放射線線量から算出
参考値 (12 月 12 日〜 3 月末日 )
測定中
周辺地域の空間放射線線量率と同等
測定中
河川水や湧水は、環境基本法に定められた基準を参考値として自主管理を行っています。また、測定結果については、放流先河川の状態の把握や排水処理設備の運転の参考としています。
立坑の湧水の値は、排水処理設備でふっ素・ほう素を除去する前の値です。排水処理後は狭間川へ排水します。
狭間川上流は排出水が流れない場所での採水のため、測定値は狭間川そのものの水の値となります。
掘削土の溶出量は、土壌汚染対策法に定められた基準を参考値として自主管理を行っています。測定結果の評価については、参考値と比較し参考値を超えないことを確認しています。
掘削土の測定は、検定(測定)用の水溶液の中に掘削土を入れて溶け出した物質の量を測定します。この水の中に溶け出した物質の量のことを溶出量といいます。
空間放射線線量率は、花木の森散策路の空間放射線線量と比較するため、周辺地域の空間放射線線量率(機構が瑞浪・土岐市内の 12 地点で測定)を参考値としています。また、測定結果
の評価については、周辺地域の空間放射線線量率と比較し、その最大値を超えないことを確認しています。
「検出されないこと」とは、測定項目ごとに定められた検定(測定)方法で測定した結果が当該検定方法の定量限界を下回ることを表します。
NDとは測定値が検出できないほど微量か、またはゼロであることを表します。測定結果のカッコ内の数値は検出限界値を表します。
【採取日:週 2 回】 (単位:mg/L)
工事排出水
明世小学校前
取水口
立坑の湧水
狭間川上流
測定項目
2.0 〜 9.7
(4.1)
260 〜 290
(270)
260 〜 290
(270)
61 〜 130
(100)
測定場所
塩化物イオン濃度
(注記)
( )内は月平均
の値を示す
有効数字2桁
3桁目は切り捨て((7.21 未満
0.0003 未満
ND(0.1 未満 )(注記)8
ND(0.1 未満 )(注記)8
0.005 未満
0.02 未満
0.005 未満
0.0005 未満
ND(0.0005 未満)(注記)8
ND(0.0005 未満)(注記)8
0.001 未満
0.0005 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0003 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.002 未満0.230.620.460.005 未満0.23水素イオン濃度
浮遊物質量
カドミウム
全シアン
有機燐化合物
有機燐鉛六価クロム
砒素
総水銀
アルキル水銀PCBトリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
四塩化炭素
クロロエチレン
ジクロロメタン
1,2-ジクロロエタン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,2-ジクロロエチレン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
ふっ素
ほう素
塩化物イオン
1,4- ジオキサン
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素
アンモニア、
アンモニウム化合物、亜硝酸
化合物及び硝酸化合物
6.5 〜 8.5
25 以下
0.003 以下
検出されないこと(注記)7
検出されないこと(注記)7
0.01 以下
0.05 以下
0.01 以下
0.0005 以下
検出されないこと(注記)7
検出されないこと(注記)7
0.01 以下
0.01 以下
0.002 以下
0.02 以下
0.004 以下
1 以下
0.006 以下
0.1 以下
0.04 以下
0.002 以下
0.006 以下
0.003 以下
0.02 以下
0.01 以下
0.01 以下
10 以下
0.8 以下
1 以下
0.05 以下-7.110.0003 未満
ND(0.1 未満 )(注記)8
0.005 未満
0.02 未満
0.005 未満
0.0005 未満
ND(0.0005 未満)(注記)8
ND(0.0005 未満)(注記)8
0.001 未満
0.0005 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0003 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.002 未満0.300.370.250.005 未満
測定項目 管理目標値 工事排出水 狭間川下流7.11 未満
0.0003 未満
ND(0.1 未満 )(注記)8
0.005 未満
0.02 未満
0.005 未満
0.0005 未満
ND(0.0005 未満)(注記)8
ND(0.0005 未満)(注記)8
0.001 未満
0.0005 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0003 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.002 未満0.340.08 未満
0.02 未満
0.005 未満
狭間川上流8.50.0003 未満
ND(0.1 未満 )(注記)8
0.005 未満
0.02 未満
0.005 未満
0.0005 未満
ND(0.0005 未満)(注記)8
ND(0.0005 未満)(注記)8
0.001 未満
0.0005 未満
0.0002 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0003 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.002 未満0.108.81.2290
0.005 未満
立坑の湧水
(注記)3
(注記)2—0.003 以下
検出されないこと(注記)7
0.01 以下
0.05 以下
0.01 以下
0.0005 以下
検出されないこと(注記)7
検出されないこと(注記)7
0.01 以下
0.01 以下
0.002 以下
0.002 以下
0.02 以下
0.004 以下
1 以下
0.006 以下
0.1 以下
0.04 以下
0.04 以下
0.002 以下
0.006 以下
0.003 以下
0.02 以下
0.01 以下
0.01 以下
10 以下
0.8 以下
1 以下—0.05 以下
参考値
(注記)1
【採取日:排出水、河川水、湧水(平成 30 年 1 月 9 日)
】 【単位:mg/L(水素イオン濃度は pH)】掘削土の
溶出量 ( 主立坑 )
掘削土の
溶出量 ( 換気立坑 )
(注記)5 (注記)5
0.01 以下
検出されないこと(注記)7
検出されないこと(注記)7
0.01 以下
0.05 以下
0.01 以下
0.0005 以下
検出されないこと(注記)7
検出されないこと(注記)7
0.03 以下
0.01 以下
0.002 以下
0.002 以下
0.02 以下
0.004 以下
1 以下
0.006 以下
0.1 以下
0.04 以下
0.002 以下
0.006 以下
0.003 以下
0.02 以下
0.01 以下
0.01 以下
0.8 以下
1 以下
0.05 以下
参考値
(注記)4
(別名塩化ビニル又は塩化ビニルモノマー)換気立坑の掘削作業を行っていないため掘削土の測定はありません主立坑の掘削作業を行っていないため掘削土の測定はありませんMizunamiUndergroundResearchLaboratory
MIU 地下深部の世界に 挑戦!
地下深部は宇宙・深海底に次ぐ第三のフロンティア
地下深部の地下水を計る
研究レポート No.6
もぐら博士
竹内 竜史
たけうち りゅうじ
結晶質岩地質環境
研究グループ
マネージャー
(博士
(環境学))出身地:滋賀県
専門:土木工学深度1000mまで調査可能な地下水調査機器を日本で初めて開発 高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全性の評価では、地下深部における地下水の流速や方向、並びに水質などの化学的性質を正確に把握することが重要です。 東濃地科学センターでは、調査技術開発の一環として、ボーリング孔を使って深度1000mまでの調査が可能な地下水調査機器(図1、図2))を開発しました。両装置とも、日本の岩盤や地下水の特徴などを考慮して、様々な工夫がなされています。例えば、直径10センチほどの小口径のボーリング孔で調査が可能であること、孔壁が崩落しても装置を回収できるように測定部分を金属パイプ(ロッド)に接続して昇降する方式を採用していること、地熱の高い場所を想定して、70°Cまでの耐温度性能を持たせていること等です。これらの装置は、センターが実施している広域地下水流動研究や超深地層研究所計画での調査に使用され、その有効性が確認されています。1000m対応水理試験装置 本装置は、岩盤の透水性及び地下水の水圧を測定するための調査機器です。本装置は、花崗岩のように幅広い透水性をもつ岩盤に対応するため、1年間で数十mから数十ミクロンまでの地下水の流速に対応する透水性を測定できます。また、装置の先端にボアホールテレビ(BTV)を装着して、孔内の画像を見ながら測定位置を正確に決定できます(図3)。さらに、5連のパッカー(図1)により、装置を孔内に入れた状態で測定区間の長さを変更できます。1000m対応採水装置 本装置は、ボーリング孔内で地下水のpH、酸化還元電位、電気伝導度、硫化物イオン濃度、水温を測定できます。また、化学分析用の高品質な地下水試料を採取するため、地下での圧力を保ちながら、空気に触れないように採水することができます。これらの機能を実現するため、複雑な構造のケーブルを開発するとともに、その重量に耐える大型の巻取り装置が採用されています(図4)。
日本原子力研究開発機構・東濃地科学センターでは、地下深部の地下水の流れや水質等を調べる
ため、深度 1,000m まで調査が可能な地下水調査機器(水理試験装置・採水装置)を開発しました。
これらの調査機器は、高精度なデータが取得できるのはもちろんのこと、日本の地質環境を考慮して
ボーリング孔の孔壁崩落時の装置の回収性を高めたり、地温の高い場所でも調査ができるように
様々な工夫がなされています。
★この研究開発成果は学会誌に発表するとともに、特許を取得しました。
- 深度 1,000m対応地下水調査機器の開発 -
図 1 1000m対応水理試験装置
図 2 1000m対応採水装置
ボアホールテレビ(BTV) で撮影したボーリング孔壁
の画像。2本の割れ目が映し出されている。円筒状の
孔壁を平面に展開しているため、割れ目がサインカーブ
のように見える。このサインカーブから割れ目の向きと
傾きが測定できる。
図 3 ボアホールテレビ
(BTV)
の画像
378.4m
378.8m
N34 ̊E73 ̊NE
N30 ̊E67 ̊NE
深度 割れ目の走向傾斜
割れ目↙↙
割れ目↙↙
図 4 採水装置の大型巻取り装置

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