プロボクシングの東日本新人王準決勝最終日が20日、東京・後楽園ホールで行われた。ミドル級4回戦は俳優・伊吹吾郎(78)の孫、伊吹遼平(28)=三迫=が、吉野健二(23)=角海老宝石=に0-2の4回判定負け。再戦で返り討ちに遭い、11月3日に同会場で行われる決勝進出を逃した。吉野は決勝で盛合竜也(22)=ワタナベ=と対戦する。
1回から手数で上回られ、2回以降は接近戦が増え、迫力のある打ち合いを披露したが及ばなかった。ジャッジの1人は38-38、残りの2人が37-39で吉野を支持した。2月に同会場で同級4回戦を闘い、吉野に4回TKO負けしていた遼平は再びの敗戦に肩を落とした。
昨年9月の東日本ミドル級新人王準決勝では、「浪速のロッキー」と呼ばれた元プロボクサーで、俳優・赤井英和(65)の長男、赤井英五郎(29)=帝拳=に3回TKO負け。2戦目で、壮絶な打ち合いの末に逆転で初黒星を喫した。
ボクシングが大好きな母方の祖父の吾郎はデビュー戦から3戦連続でリングサイドで観戦したが、この日はバラエティー番組の収録のため、7月の東日本新人王初戦に続いて観戦に来られなかった。決勝に進出すればは観戦できる予定だっただけに遼平は「今出せるものを出した負け。相手の方が上だった。おじいちゃんに見せられなかったのは一つの心残り」と悔しがり、進退を保留した。
一方、準々決勝で対戦相手が棄権したため、この試合が今年の東日本新人王初戦だった吉野は遼平との連戦を制し、「伊吹選手は前回より強かった」と成長を認めた。勝因に「気持ちと練習していたパンチ(ボディーと右アッパー)がほんの少しだけ出たこと」を挙げ、ラストチャンスとなる3度目の新人王トーナメントで、「(全日本ミドル級新人王を)しっかりと取って、まずは同じぐらいにデビューした選手(可兒栄樹ら)に追いつきたい」と青写真を描いた。
プロ戦績は伊吹が5戦2勝(2KO)3敗、吉野が7戦3勝(2KO)3敗1分けとなった。(尾﨑陽介)