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PayPal社の新たなエージェントツールキットで、MCPでAIフレームワークが決済APIと接続可能に

2025年11月29日 読了時間 6 分

作者:

翻訳者

原文リンク(2025年04月28日)

PayPal社は、モデルコンテキストプロトコル(MCP)を介したPayPal APIスイートとAIフレームワークの接続用のエージェントツールキットを発表した。今回発表となるツールキットで、決済API、請求書API、チャージバックAPI、配送追跡API、カタログ管理API、サブスクリプションAPI、分析機能用のAPIがAIフレームワークから直接利用可能になる。

同社はAnthropic社の提供する標準的なMCPの導入を進めており、エージェントとサードパーティーサービスやデータソースとの接続の標準化を目指している。また現在、開発者向けに公式MCPサーバーをリリースしており、クラウド環境で統合認証システムを導入したリモートMCPサーバーが利用可能だ。 このテクノロジーで、複数のデバイスにまたがった作業のユーザーログイン段階の簡素化が実現している。

今回リリースされたエージェントツールキットの利用で、PayPal決済機能のAIエージェントワークフローへの組み込みが効率化されている。このライブラリがPayPalのAPIエコシステムとAIモダンフレームワークの仲介役として機能するため、開発者が複雑なAPI統合を手動で実行することなく、AIエージェントによる受注管理、請求書発行、サブスクリプション管理といったタスク処理が実現している。

このツールキットで重要な機能が複数提供されており、例としては「PayPalサービスとの統合の簡易化(決済機能、請求書発行、チャージバック処理、配送追跡、カタログ管理、サブスクリプション管理、洞察報告機能における一般的なAPI処理に対応する機能を含む)や各APIエンドポイントごとの詳細設定の省略」が挙げられる。 現段階では、Pythonに対応したTypeScriptのサポート実装が将来的に計画されており、今回発表となったツールキットがModel Context ProtocolサーバーやVercelのAI SDKといった主要なAIフレームワークと連携する見込みだ。

今回のエージェントツールキットで、企業にとってはAI駆動ワークフローと経理業務を統合するための新たな道が切り開かれた形だ。AIフレームワークとPayPalサービスを直接接続することで、開発者はさまざまな決済関連タスクに特化したエージェントの作成が可能となった。

受注管理や配送追跡の工程では、AIエージェントを実装することで、対話型インタラクションから注文作成や、適切な認証を経た決済処理、配送情報の更新が可能になる。一方、このツールキットをカスタマーサービスエージェントに導入すると、会話型インターフェース内での顧客購入意思表明から取引完了までの処理がAIで対応できるようになる。

またこのツールキットは、請求書のインテリジェント処理にも対応しており、AIアシスタントでサービス締結後の請求書の作成管理が行える。さらに、請求書管理のパラメーター定義や、電子メールでの請求書の顧客配信、決済状況のモニタリングも自然言語による指示で対応可能だ。

サブスクリプション管理機能を合理化することで、サブスクリプションのライフサイクル全体を管理するAIエージェントの開発が行える。サブスクリプション管理エージェントで可能な処理には、商品作成、サブスクリプションプランの設定、PayPal決済システムと連携した定期決済処理が含まれている。ドキュメント記載にある通り、「メンバーシップ管理用のAIエージェントは、新規ユーザーがサービスに同意し、決済承認した場合、ツールキットを使用した定期的なPayPal決済の設定が可能」だ。

以下のサンプルコードの表記通り、PayPalエージェントツールキットの実装に必要なセットアップは、最小限である。まずは、PayPalワークフローを初期化のために、必要なコンポーネントのインポートやクライアント認証情報の設定が必要となる。

import { PayPalWorkflows, ALL_TOOLS_ENABLED } from '@paypal/agent-toolkit/ai-sdk'; const paypalWorkflows = new PayPalWorkflows({ clientId: process.env.PAYPAL_CLIENT_ID, clientSecret: process.env.PAYPAL_CLIENT_SECRET, configuration: { actions: ALL_TOOLS_ENABLED, }, }); 

一度設定をすると、APIコールの簡単な仕組みを通じて、あらゆる互換性のある言語モデルとの併用が可能だ。以下は、PayPal機能とAIモデルを統合するコードの一例である。

const llm: LanguageModelV1 = getModel(); // The model to be used with ai-sdk const { text: response } = await generateText({ model: llm, tools: paypalToolkit.getTools(), maxSteps: 10, prompt: `Create an order for 50ドル for custom handcrafted item and get the payment link.`, }); 

こうした統合により、自然言語命令でAIモデルが注文作成や決済リンク生成などのPayPal処理を実行できるようになる。API統合のために、開発者が膨大なカスタムコードを書く必要がなくなるのだ。

Suppli社のCTODavid Paluy氏は、エージェント型決済使用時の本人確認や認証に関する重要な問題を提起している。

決済システムは、取引を行う人物の本人確認ができる前提で成り立っています。AIエージェント単体では、法的主体性があるとはみなされていません。承認処理には各ユーザーや組織が必要になります。

Paluy氏は、業界全体で従来の「本人確認手続き(KYC)」」の概念を「AIエージェント確認手続き(Know-Your-Agent)」に拡大する必要を示唆している。すなわち、AIエージェントの法的主体性と権限を認め、ユーザー意向の仲介と位置付けるということだ。

F-Prime社のプリンシパル Abdul Abdirahman氏は、APIインフラにある課題の存在を強調している。

今日のAPIは開発者という人の手が介在する前提で設計されており、エージェント世界に最適化されたものではありません。AIエージェントが複雑なタスクを効率よく処理できるようにするためには、多くの修正が必要です。

Abdirahman氏の発表はソーシャルメディアでも反響を呼んだ。また、AlleyCorp社のビジネスパートナー Kenneth Auchenberg氏が、以下のようにPayPal社の市場における見解に対する驚きを示している。

待ってください。Stripe社より先にPayPal社がリモートMCPサーバーをリリースしたんですか?

PayPal社のエージェントツールキットに興味がある開発者には、公式リポジトリhttps://github.com/paypal/agent-toolkit/にアクセスの上、ドキュメント、サンプル、および実装ガイドの確認をお勧めしたい。上記のリポジトリでは、今回発表されたツールキットの導入方法、サポート機能、AIエージェントのワークフローとPayPal決済機能の統合のためのベストプラクティスに関する詳細が閲覧可能である。

作者について

Vinod Goje

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