2024 年 41 巻 2 号 p. 28-40
アルゼンチンでは2023年12月にペロン党系左派フェルナンデス政権から右派の自由・前進のミレイ政権に移行した。これに伴い、労働・社会保障を含む社会政策が大きく変容しつつある。それは同時に、政府と社会政策の恩恵を受けてきた労働組合や社会組織の関係にも変容をもたらした。フェルナンデス政権以前の左派政権では、インフォーマルセクターへの社会扶助が拡大し、インフォーマルセクターの組織化も進んだ。ミレイ政権では、社会政策にも市場原理を導入し、従来の労働組合や社会組織との関係の見直しを進めている。