気候変動への対応
TCFDフレームワークに基づいた情報開示
気候変動が社会に与える影響は大きく、ホシザキグループとしても取り組むべき重要な社会課題だと捉えています。
脱炭素社会の実現に向け、ホシザキは2030年の中間目標として事業活動からのCO2 排出量(スコープ1&2)の50%
削減(2014年実績比)を目指します。2050年のカーボンニュートラルに向けて環境負荷低減を実現する製品・サー
ビスの提供、環境技術の開発を推進しています。2022年2月にTCFD提言への賛同を表明、株主・投資家をはじめと
するさまざまなステークホルダーとの良好なコミュニケーションのため、TCFDフレームワークに基づき情報開示を進
めてまいります。
ガバナンス
サステナビリティ推進体制
気候変動対応を含む社会・環境全般に関わる課題対処を推進する機関としてサステナビリティ委員会を2022年6月
に設置しています。定期的に開催される委員会では、議論するテーマに応じて事業部門の責任者も加えて、サステナビ
リティ課題を横断的に検討・議論していく体制を整えています(参照p.51)。サステナビリティ委員会は四半期に1度を目途に開催され、その審議結果を含めて経営会議および取締役会に都度進
捗報告をおこないます。気候変動に関する事業リスクは取締役会の諮問委員会であるコンプライアンス・リスク管理委
員会と共有しており、適宜必要に応じて取締役会に上申されます。
指標と目標
ホシザキグループは、2050年に事業活動からのCO2 排出量(スコープ1&2)を実質ゼロとすることを目指し、徹
底した省エネ活動や再生エネルギーの積極的な利活用を推進していきます。
リスク管理
気候変動に関する企画・立案、管理については、サステナビリティ委員会がこれをおこない、全社的な気候変動への
対応を推進しています。
サステナビリティ委員会は、気候変動に関する自社への影響を評価・識別し、管理しています。また、特定した気候
変動への影響については、必要に応じてコンプライアンス・リスク管理委員会と情報共有することで、気候変動の影響
を全社リスクに統合する役割を担っています。
戦略
気候変動に対するシナリオ分析
ホシザキでは、将来における気温上昇のシナリオとして、2°Cと4°Cの温度帯を想定し、2030年および2050年にお
けるシナリオ分析を実施しています。
財務影響度はリスク・機会の期間収益への影響度と発生可能性によりそれぞれ3段階で評価しています。
気候変動リスク・機会が財務に及ぼす影響と対応策
影響度
発生
可能性
対応策 2022 年における実績
リスク
原材料調達コストの上昇 大 中
◦ VA(Value Analysis)コストダウン活動(部
品点数の削減、部材・部品の見直し)
◦調達先分散化、戦略的製品価格改定
◦継続的コストダウン活動による部材価
格高騰影響の低減
◦国内外での戦略的価格改定
(国内 6 月、
海外随時)
◦電力削減に向けた設備投資計画の策定
(24 年本社工場および島根工場にソー
ラーパネル設置予定、計画的設備更新
による省電力化)
◦国内市場に普及価格の自然冷媒冷蔵庫
早期リリースを計画、
着手
(23 年リリース)冷媒規制の強化対応、製品の脱
炭素向上のための研究開発費・
設備投資額負担の増加
中 中
◦自然冷媒製品のラインナップ拡充(冷蔵庫、製
氷機などの主要機種をはじめ、冷媒使用製品の
自然冷媒化を推進)
◦開発リードタイム短縮活動
◦自然冷媒製品の研究開発への計画的な投資と製
品設計
再生エネルギー・代替燃料調達
コストの上昇
小 中
◦工場の電力使用量削減活動(ソーラーパネルな
ど自家発電設備への計画的投資)
◦外部電力の再生可能エネルギーの使用比率向上
機会
自然冷媒、脱炭素製品への入れ
替え需要拡大
大 中
◦自然冷媒製品の開発およびラインナップ拡充
◦製品の脱 GHG・脱炭素化(原料調達、
製造過程、
使用過程含む)
◦国内市場に自然冷媒冷蔵庫リリース開始◦海外での自然冷媒化製品比率向上
◦ブレマ買収による製氷機市場拡大(南
欧のみでなく欧州全域をカバー)
◦ホシザキコネクト Wi-Fi の先行トライ
(約 2,000 台の市場製品に取付)
気温上昇による食品冷蔵、食用
や業務用の氷の需要増加
大 低
◦気温上昇による影響度が高いエリアへのコール
ドチェーン製品拡充および進出
省エネ製品の需要増加 中 高
◦モデルチェンジなどでの製品の電力使用量削減
(製氷機、冷蔵庫など)
・使用水量削減(製氷機、
食器洗浄機など)
可燃性自然冷媒を使用している
ため、客先における可燃性ガス
の漏えいモニタリング、
点検サー
ビスの需要増加
小 中
◦可燃性ガス取扱資格者の増員
◦修理用器具設備手配、サービス開発
リスク
猛暑、感染症拡大による外食市
場の縮小
中 中
◦顧客チャネル拡大(飲食外市場、特に流通販売
業、加工販売業、基幹産業、病院・老健に注力) ◦飲食外市場のカバレッジ拡大施策の推
進(他社協業、製品開発、国内販売会
社の組織変更など)
◦部材調達リスク発生時の代替品採用に
おける設計・調達体制の確立
◦部材調達リスクに対応した製造・販売
の連携体制確立
◦部材の適正在庫量の見直し、確保
サプライチェーン寸断による原
材料調達コストの上昇
中 低
◦部材調達先の分散化・リスク軽減(複数購買、
予備調達先、代替品対応など)
・製造拠点間の
部品ノックダウン率適正化による調達リスク低
減・調達リスクに備えた部品在庫量の適正化
事業継続計画(BCP)
(注記)2
対策費用
の増加
小 低
◦グローバル拠点(製造、販売)における BCP
の明確化
◦部材調達面での BCP としての調達先分散化
機会
気温上昇による食品冷蔵、食用
や業務用の氷の需要増加
大 中
◦未進出国などへのコールドチェーン製品販売の
拡大
◦販売エリア拡大に伴うサービス網の充実
◦海外展開(M & A 含む)の拡充
◦ HACCP 資格者数の拡充
◦ホシザキコネクト Wi-Fi の先行トライ
(約 2,000 台の市場製品に取付)
◦コネクテッドロボティクスとの協業開始◦サービス人員の拡充と生産性向上施策
衛生製品の需要増加 中 中
◦衛生製品ラインナップおよびサービスの充実
◦ HACCP (注記) (p.23 参照 ) 対応の強化
猛暑による厨房環境悪化、人手
不足による厨房自動化、リモー
ト操作・サポート需要の増加
中 中
◦自動化、
ロボティクス、
リモート操作製品、
サー
ビスの開発、省力化製品の拡大
災害などによる製品メンテナン
ス需要増加
中 中
◦サービス事業の生産性向上
◦ IT を活用したリモート機器診断などの新たな
サービスオプション開発
2014年 2022年
ホシザキ 13,749 10,720
国 内 販 売 会 社 ― 18,437
海 外 製 造 会 社 (注記) 1
― 27,4012°Cシナリオ4°Cシナリオ
2022年度CO2 排出量(スコープ1&2)実績(t-CO2)
CO2 排出量(スコープ1&2)削減中間(2030年)目標値
目標達成に向けた重点施策
(注記)1 2022年7月に買収のブレマは除く
2014年 2022年 2030年
(目標)
16000
12000800040000スコープ1 スコープ2
13,749t
10,720t
6,874t
22%削減
50%削減
2014年比
<目標数値対象:ホシザキ、
本社工場および島根工場>
<グループ全体の目標値は策定中>重点施策
老朽化した受変電設備の更新
老朽化した空気調和設備の更新
オンサイ
トPPAの活用による
再生可能エネルギーの使用
照明のLED化
段階的な再生可能エネルギーへの切替、
クレジッ
ト等の活用
(ボランタリークレジッ
ト、
CO2フリー電気)
2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030
(注記)2 事業継続計画(BCP)
:Business Continuity Planの略で緊急事態発生時の事業継続策
はじめに
ホシザキの価値観と
目指す姿
目指す姿の達成に
向けた実行戦略
サステナビリティへの
取り組み
価値創造の基盤 データ・会社情報
57 58
ホシザキ株式会社 統合報告書2023

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /