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平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震に伴う地殻変動(第2報)

震央に近い電子基準点で約2.1mの隆起と約1.5mの水平変動を確認,断層面は西傾斜

発表日時:平成20年6月18日(水)14時00分

岩手・宮城内陸地震に伴い、電子基準点で約2.1mの隆起と約1.5mの水平変動を検出しました。この地殻変動は、断層面が西傾斜であることを示しています。

1.電子基準点が観測した地震による地殻変動

電子基準点「栗駒2」(宮城県栗原市)は、約2.1m隆起し、南東に約1.5m変動していることが判明しました。これは、平成6年に日本全国で電子基準点による観測を開始して以来、最大の変動量です。

2.断層面は西傾斜

断層面の傾きについて、西側に傾き下がる西傾斜と、東に傾き下がる東傾斜の2つの可能性があり、どちらであるかを判断する決定的な証拠はありませんでした。今回得られた断層面直上の地殻変動は、断層面が西傾斜であることを示しています。

3.推定される震源断層モデルは逆断層型

観測された地殻変動から、震源断層モデルを推定しました。断層の形状を長方形と考えて推定したところ、断層の向きは、ほぼ北北東-南南西方向、大きさは、長さ約20km、幅約12kmで、東から西に傾き下がる逆断層(傾斜角約31度)であることが分かりました。上端部の深さは約0.4km、すべり量は約3.5mです。これは、西側の地塊が東側にのり上げるような断層運動とみられ、余震域ともほぼ対応します。この断層運動から導かれるモーメントマグニチュードは約6.9となりました。

6月17日に、岩手・宮城内陸地震後、停電により通信が途絶えていた電子基準点「栗駒2」のデータを回収することができました。データの回収には、東北大学大学院理学研究科地震・噴火予知研究観測センターの協力を得ました。

今後も測量により地殻変動の状況を把握し、地震を引き起こした断層のメカニズムをさらに解明することにしています。

資料

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 測地観測センター   地震調査官    中川 弘之  TEL 029-864-4825(直通)
 <地殻変動・断層モデルについて>
 地理地殻活動研究センター 地理地殻活動総括研究官 今給黎 哲郎  TEL 029-864-2477(直通)
        地殻変動研究室長   飛田 幹男  TEL 029-864-6925(直通)
 東北地方測量部    部長      中島 秀敏  TEL 022-293-7732(直通)

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