1国地達第17号
地磁気測量作業規程を次のように定める。
令和2年9月18日
国土地理院長 野田 勝
地磁気測量作業規程
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、測量法(昭和24年法律第188号)第4条に規定する基本測量
のうち、地磁気測量の作業方法及び精度管理の基準を定め、測量成果の精度を確保す
ることを目的とする。
(定義)
第2条 磁気点(基準磁気点、一等磁気点及び二等磁気点をいう。以下同じ。
)とは、
当該地点における地磁気の絶対値を有する測量標をいう。
2 地磁気測量とは、磁気点における地磁気の方向及び大きさを決定する測量をいう。
3 地磁気三成分とは、全磁力、偏角及び伏角をいう。
(運用基準等)
第3条 この規程に定めるもののほか、この規程の運用に関し必要な事項については、
測地部長が別に定める次の各号に掲げるものを適用する。
一 地磁気測量作業規程運用基準(以下「運用基準」という。)二 地磁気測量計算式
三 地磁気測量作業規程記載要領
(地磁気測量の方式)
第4条 地磁気測量は、絶対観測及び変化観測による方式とする。
2 絶対観測とは、地磁気三成分の絶対値を求める観測をいう。
3 変化観測とは、水平分力、鉛直分力及び偏角の時間変化量を求める観測をいう。
(磁気点の名称等)
第5条 磁気点には、名称及び固有の番号を付す。
(各種法令の遵守)
第6条 地磁気測量に従事する者(以下「作業従事者」という。
)は、作業の実施に当
たり、各種法令を遵守するとともに、これらに関する社会的慣行を尊重しなければな 2らない。
2 この規程において使用する用語のうち、法令の定めのあるものは法令の定めによ
る。
(安全管理)
第7条 作業従事者は、作業の実施に当たり、安全の確保について適切な措置を講じな
ければならない。
(工程管理)
第8条 作業従事者は、作業計画に基づき、測量作業の進捗管理を行わなければならな
い。
(精度管理)
第9条 作業従事者は、測量の正確さを確保するため、適切な精度管理を行わなければ
ならない。
第2章 地磁気測量
第1節 作業の準備
(作業の準備)
第10条 作業従事者は、作業を円滑に実施して必要な精度を確保するため、作業着手
に当たり、関係法令に基づく諸手続等の必要な準備を行う。
第2節 現況調査及び選点
(既設磁気点の現況調査)
第11条 作業従事者は、当該作業に使用する既設の磁気点の現況を調査し、異常の有
無を確認する。
(磁気点の選点)
第12条 磁気点を設置する場合は、地盤が安定し、保全に適切で、人為的な磁気擾乱
の影響を受けることなく、自然の磁場を観測するための条件を満たし、将来もその条
件が維持されると判断できる場所に選定する。 3第3節 磁気点の設置
(磁気点の設置)
第13条 磁気点を設置しようとするときは、測量法施行規則(昭和24年建設省令第
16号)で定める形状の永久標識を設置し、保全及び管理のため適切な措置を講じな
ければならない。
(敷地使用の承諾)
第14条 磁気点を設置しようとするときは、あらかじめ、設置する土地の所有者又は
管理者の承諾を得なければならない。
(作業の管理)
第15条 作業従事者は、磁気点の設置作業等の管理に必要な資料を作成する。
(点の記の作成)
第16条 作業従事者は、使用した全ての磁気点について点の記を作成する。
第4節 観 測
(主要機器の性能等)
第17条 観測に使用する主要機器は、運用基準に示す性能以上とする。
(主要機器の検定等)
第18条 観測に使用する主要機器は、運用基準に基づき検定及び点検を行う。
(観測)
第19条 観測は、磁気点に観測機器を整置し、基準磁気点においては絶対観測を実施
し、一等磁気点及び二等磁気点においては絶対観測及び変化観測を実施する。
2 作業従事者は、作業地域において人為的な磁気擾乱源の有無を確認する。
3 作業従事者は、観測の結果が所定の許容範囲を超えたときは、再測を行う。
第5節 計算整理
(計算)
第20条 地磁気の水平分力、鉛直分力及び偏角は、磁気点上において観測された地磁
気三成分の日平均値に、所定の補正を施した値とする。
2 地磁気測量の計算は、地磁気測量計算式に基づき行う。ただし、これと同等の精度
又はこれを上回る精度を有する計算式は、使用することができる。 4第6節 成果等の整理
(測量成果)
第21条 磁気点の測量成果は、地磁気測量作業規程記載要領の様式に従って、明瞭に
記載しなければならない。
(測量記録の整理)
第22条 測量記録は、観測手簿、観測記簿、計算簿、日変化グラフ、点の記等に区分
して整理する。
附 則
1 この達は、令和2年9月18日から施行する。
2 一等磁気測量作業規程(平成13年国地達第25号)は廃止する。