放置したままの口座はありませんか?10年たつと「休眠預金」に。
長い間、引き出しや預け入れなどの取引がされていない預金口座はありませんか?10年間取引がない預金は毎年1,200億円(その後、500億円程度は払い戻し)程度発生していました。そこで、その10年間取引のない「休眠預金」を、民間公益活動のために活用する休眠預金等活用法が始まりました。ただし、休眠預金になっても手続きをすれば、預金を引き出すことができます。
1休眠預金ってどんな預金?10年間、取引がない預金
何年も使っていない預金口座はありませんか?
例えば、こどものころに親が作った口座、学生時代やかつての転勤先で作った口座など、思い当たる節はありませんか?
10年以上取引がない預金は、過去の実績をみると、毎年1,200億円程度発生していました。
こうしたお金を社会のために役立てられるように、「休眠預金等活用法(正式名称「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」)」が、平成28年(2016年)12月に国会で成立し、平成30年(2018年)1月に施行されました。この法律は、10年間取引がない預金を「休眠預金」として、平成31年(2019年)1月以降に発生する「休眠預金」を、民間での公益的な活動の支援に活用するものです。
休眠預金の対象になるのは、銀行の普通預金や定期預金をはじめ、郵便局(ゆうちょ銀行)の通常貯金や定期貯金、定額貯金、信用金庫の普通預金や定期積金などが該当します。外貨預金や仕組預金、財形貯蓄などは対象外です。(図表1参照)
対象になる | 対象にならない |
---|---|
普通預金、通常貯金 | 外貨預貯金 |
定期預貯金、定額貯金、定期預金 | 仕組預貯金 |
当座預貯金 | 財形貯蓄 |
貯蓄預貯金 |
2休眠預金になりそうな場合、何か通知は来るの?残高1万円以上で、登録した住所に住んでいれば通知が届きます
最後の異動(注1)から9年が経過し、近い将来、休眠預金になりそうな預金があると、預けてある各金融機関のウェブサイトで公告が行われます。
また預金残高が1万円以上の場合は、預け先の金融機関から登録されている住所に通知が郵送されます。通知が届けば、その預金は休眠預金にはなりません。この通知は郵送に代えて電子メールで届く場合もあります。電子メールの場合は宛先不明にならずに受信できれば休眠預金にはならず、引き続き通常どおりの預金として取り扱われます。
ただし、通知されるのは預金残高が1万円以上の場合ですので、1万円未満だと通知は送付されません。また、残高が1万円以上でも、金融機関に登録をしている住所が現住所と異なると通知が届かず、何もしないと休眠預金になります。電子メールのアドレスについても同様です。
住所や電子メールが変わった人は、注意が必要です。通知が届かず、知らない間に休眠預金になる可能性があります。
また、次のような「異動」を10年以内に行っていれば、休眠預金にはなりません。「異動」とは、預金者が今後も預金を利用する意思を表示したものとして認められるような取引などです。入出金などは、全金融機関共通で「異動」になります。他方で、例えば通帳への「記帳」が「異動」と見なされない金融機関もあります。金融機関ごとに「異動」の定義は異なっていますので、詳細は、取引のある金融機関にお問い合わせください。
(注1)【異動に該当するもの】
- 入出金(金融機関による利子の支払を除く)
- 手形または小切手の提示等による第三者からの支払請求(金融機関が把握できる場合に限る)
- 公告された預金等に対する情報提供の求め
※(注記)1.から3.は全金融機関共通、4.以下は金融機関によって異なります。 - 預金者等による通帳や証書の発行、記帳、繰越
- 預金者等による残高照会
- 預金者等の申出による契約内容・顧客情報の変更
- 預金者等による口座を借入金返済に利用する旨の申出
- 預金者等による預金等に係る情報の受領
- 総合口座等に含まれる他の預金等の異動
なお、休眠預金になったとしても、取引のある金融機関で手続きをすれば、いつでも「元本+利息」が引き出せます。必要な手続きは取引のある金融機関にお問い合わせください。
3休眠預金になると、どうなるの?預金保険機構に移管され、民間公益活動のために活用されます
10年間、取引などがなく休眠預金となったお金は、金融機関から預金保険機構に移管されます。その後、民間団体を通じて、子ども若者支援、生活困難者支援、地域活性化等支援の3分野において、社会課題の解決に取り組むNPO法人などの民間団体への支援に活用されます。最新情報は、「一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)」のウェブサイトをご確認ください。
なお、休眠預金になった後でも、預けていた預金は引き出すことができます。取引のあった金融機関に、通帳や取引印、本人確認書類等を持参して手続きをしてください。具体的な手続きについては、取引のあった金融機関にお問い合わせください。
休眠預金についてもっと詳しく知りたいかたは、金融庁及び内閣府のウェブサイトをご覧ください。
(取材協力:金融庁、内閣府 文責:政府広報オンライン)