VOL.197 OCTOBER 2024
JAPAN’S HEALING FORESTS (PART 2)
Autumn Forests with Colorful Leaves
紅葉と青く澄んだ川がつくる絶景を堪能できる付知峡
日本列島の本州ほぼ中心に位置する岐阜県。その岐阜県東南端に位置する中津川市には、「付知峡」という渓谷がある。別名「青川」とも呼ばれる清流・付知川の流域に広がり、特に秋は、紅葉とその川の流れの美しさを一緒に堪能できる。中津川市商工観光部観光課の担当者に、付知峡の紅葉の時期の魅力について話を聴いた。
「付知峡は木曽川の支流にあたる付知川の流れに沿って広がっています。付知川は水が澄み、青く見えるのが特徴で、その色は「エメラルドグリーン」とも表現される美しさを持っています。特に紅葉の季節は、この川のエメラルドグリーン色に、紅や黄色に色づいた木々が相まった稀有な自然景観が出現します」と担当者は説明する。
付知峡の紅葉は、11月中旬に見ごろを迎えるという。
付知峡でおすすめの紅葉スポットは付知川源流にかかる橋、攻橋や本谷橋、それに不動公園だ。
付知川源流にかかる橋、攻橋を秋の紅葉時に渡ると、付知峡の深い渓谷の壮大な紅葉が眼下に広がる。モミジ*、ミズナラ、ブナなどが例年、10月下旬ごろから色づき始め、紅葉を楽しむために多くの観光客が訪れる。一方、同じく付知川にかかる本谷橋は静かな渓谷にかかる橋で、紅葉の繊細で優雅な色合いが格別だ。
また、不動公園は付知峡を代表する紅葉スポット。見ごろは少し遅めで、11月上旬から中旬ごろという。「公園といっても都市公園ではなく、深山幽谷の趣のある山地の公園です。整備されている遊歩道が通っていますが、高低差がある山道で、滝を見ながらの紅葉散策は格別です。1周860メートルほどのコースで、40分程度で歩けます。観音滝や不動滝など三つの滝を巡るコースになっていて、コースから階段を降りて滝を間近に感じながらの森林浴は素晴らしい体験となるでしょう」
このように、秋の付知峡は変化に富んだ紅葉を存分に堪能できる場所だ。ぜひ旅の計画に付知峡を加えていただき、日本の秋の美しさの極致を楽しんではいかがだろうか。
* カエデ属に分類される落葉高木の総称。海外ではmapleと呼ばれ、モミジは英語ではJapanese mapleと表現される。日本で代表されるカエデ属植物はイロハモミジ。
By TANAKA Nozomi
Photo: Nakatsugawa City; PIXTA