[フレーム]
このページの本文に移動
2025年11月4日

マタニティマークを見かけたら...。妊産婦さんと赤ちゃんへの思いやり

[画像:妊産婦さんと赤ちゃんをベビーカーに乗せている母親のイラスト]

POINT

皆さんは「マタニティマーク」を見かけたことはありますか。これは妊産婦さんに対する配慮を周囲の皆さんにお願いするためのマークです。妊娠中の女性は、つわりなどのつらい症状が現れることもあり、また、出産後も心身のバランスを崩すことがあります。電車やバス、公共の場、飲食店などでマタニティマークをつけた妊産婦さんを見かけたら、近くでの喫煙を控えたり、つらそうな様子のときは声をかけたりするなどのご配慮をお願いします。

1「マタニティマーク」ってなに?

マタニティマークは、妊婦又は出産後間もない産婦であることを周囲の人に知ってもらい、周囲の人が配慮しやすくするためのマークです。

マタニティマークは、母子保健分野の国民運動計画である「健やか親子21」の取組の一環としてデザインを公募し、平成18年(2006年)に決定されました。
また、令和6年(2024年)には、多胎児版マタニティマークが発表されました。

[画像:マタニティマーク]

マタニティマークの大きな役割は二つあります。
一つは妊産婦さんが外出する際にマタニティマークを身につけて、周囲の人に妊婦又は出産後間もない産婦であることを分かりやすく示せるようにすることです。それにより、急病や事故、災害など、もしものときにも適切な対応が可能となります。
もう一つは、交通機関や職場、飲食店、その他の公共機関などにおいて、マタニティマークに呼びかけ文などを添えたポスターなどを掲示し、妊婦さんや、赤ちゃん連れのお母さんなど妊産婦さんにやさしい環境づくりを推進することです。
公共交通機関や公共施設、飲食店などでマタニティマークをつけた妊産婦さんを見かけたら、妊産婦さんへのご配慮をお願いします。

2妊産婦さんへの配慮はなぜ大切なの?

妊娠中には、つわりや貧血といった症状が出ることもあります。また、妊産婦さんの健康が、赤ちゃんの健康や発育などにも影響することも。

電車やバスの中で、手すりを頼りにつらそうに立つ女性を見かけたことはありませんか。商業施設や街中の雑踏や階段などで、お腹をかばいながら歩く女性を見かけたことはありませんか。その女性は、もしかしたら妊婦さんかもしれません。
妊娠中は、いつもの身体の状態とは異なり、だるさや疲れやすさなどの様々な症状が現れることもあります。また、交通機関の混雑などによる負担は、それらの症状の悪化や流産・早産などにつながるおそれもあります。しかし、女性が妊娠中であるかどうかは、外見から判断することは難しい場合があり、特に妊娠初期にはお腹のふくらみが目立たないため、気づかないことがあります。

さらに、出産後についても十分に体力が回復しない場合もあり、お母さん自身の健康はもとより子育てに影響することもあります。そのため、周囲の人たちも、妊産婦さんに起こりやすい様々な症状などを理解し、体調を気づかうことが大切です。

妊産婦さんに現れやすい症状の例

【妊娠中】

つわり

妊娠初期に現れる食欲不振、吐き気、胃の不快感、胃痛、嘔吐などの症状。つわりが重くなると「妊娠悪阻にんしんおそ」になり、食べ物を摂ることができなくなり、嘔吐が激しく全身の栄養状態が悪化し、入院が必要な状態になることがあります。

貧血

妊娠中は、胎児や胎盤の発育のため、血液中の鉄の必要量が増加するため、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。軽い貧血では自覚症状はありませんが、重い場合は、動悸や息切れ、疲れやすい、脱力感、立ちくらみなどの症状が起こることがあります。

お腹の張りや痛み

妊娠中のお腹の張りや痛みには注意が必要です。横になって体を休めるなどして痛みがおさまるようなら、大きな問題はないと考えられますが、張りや痛みが強くなったり、出血を伴ったりする場合は流産や早産の危険があります。

【出産後】

[画像:出産後に現れる、つわり、貧血、お腹の張りや痛みの症状を示したイラスト]

妊娠や出産による身体や生活スタイルの変化などにより、不安を感じることがあります。特に、出産後に気持ちが落ち込んだり、涙もろくなったり、不安になったりすることがあり、多くの場合は一時的なものと言われていますが、気持ちの落ち込みや焦り、育児に対する不安などが2週間以上続く場合もあります。 「産後うつ」は、産後のお母さんの10%から15%に起こるとされています。

3マタニティマークをつけた妊産婦さんを見かけたら?

つらそうな様子に見えたら、手伝えることがあるかどうか声をかけるなどのご配慮を。

妊産婦さんに対して、周囲の人は具体的にどのような配慮をしたらよいのでしょうか。

(1)電車やバスなどで妊婦さんに「席を譲りましょう」

多くの妊婦さんは、妊娠初期は特有の吐き気やおう吐などのつわりに悩み、その後はお腹の赤ちゃんを含めて数キログラム以上も増えた体重を抱えて、体の重さ、不眠、トイレの近さなどを感じています。

(2)妊婦さんの近くでは「喫煙をやめましょう」

たばこにはニコチンや一酸化炭素などの有害な物質が数多く含まれています。妊娠中にたばこを吸ったり、受動喫煙でたばこの煙にさらされたりすると、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼし、赤ちゃんが小さく生まれたり、早産が起こりやすくなったりします。
妊婦さんが喫煙を避けるのはもちろんですが、妊娠中の女性や赤ちゃんが近くにいることに気づいたら、喫煙をやめましょう。

4マタニティマークの活用(1)妊産婦さんへ

周囲の人に妊娠中又は出産後間もないことを知ってもらうために、マタニティマークを活用しましょう。

[画像:マタニティマークをカバンにつけて歩く妊産婦のイラスト]

多くの市区町村ではマタニティマーク入りのグッズを作成しており、地域の妊娠した女性に、母子健康手帳の交付時や母親学級などの際に配布しています。グッズは市区町村によって異なりますが、その多くはキーホルダーやストラップ、バッジなど、手軽に身につけられるものです。周囲の人に妊娠中又は出産後間もないことを分かりやすく示すための方法の一つとして、マタニティマークをご活用ください。それにより、急病や事故、災害など、もしものときにも適切な対応が可能となります。

妊産婦さんは赤ちゃんをかばったり手荷物が多かったりするために、どうしても行動がゆっくりになります。自らを守るためにも、外出する際はあらかじめ時間に余裕をもって行動したり、なるべく混雑した場所や時間帯を避けたりするように心がけましょう。

公共交通機関や公共施設、多くの人が集まる大規模商業施設などでは、エレベーターやエスカレーター、おむつ交換ができる多目的トイレや授乳スペースなどの情報を公開しています。このような情報は、地図やパンフレットが用意されていたり、ウェブサイト上で公開されていたりしていますので、よくお出かけになる施設については事前に確認することをお勧めします。

5マタニティマークの活用(2)地方公共団体や事業者のかたへ

「妊産婦さんにやさしい環境づくり」のためにご活用ください。

令和5年度(2023年度)には、「マタニティマークに関する取組として、妊産婦個人が使用するグッズ等の配布を実施している」市町村は、1,689市町村となっています。(令和5年度母子保健事業の実施状況)
こうした地方公共団体のほか、公共交通機関や商業施設、企業、飲食店などでもマタニティマークのポスターなどを掲示して、周囲の人に妊産婦さんへの配慮を呼びかける取組を行っているところもあります。

こども家庭庁「ポスター(健やか親子21:妊娠・出産・子育て期の健康に関する情報サイト)」

マタニティマークは、「営利を主な目的としない」「マタニティマークの趣旨に反しない」「商品等の品質や安全性の保証を目的としない」といった使用に当たってのルールを守れば、どなたでも無料で使用することができます。
なお、マタニティマークを使用した場合は、使用後速やかにマタニティマーク使用報告書、使用物品等の写真、コピー等を「健やか親子21」事務局へ報告する必要があります。

(注)ポスターに関しては、各自でダウンロード後、印刷したものを掲示・配布することについての使用報告書の提出は必要ありません。

詳しくは、こども家庭庁「マタニティマーク公式サイト(健やか親子21:妊娠・出産・子育て期の健康に関する情報サイト)」 をご覧ください。

マタニティマークのデザインは、妊婦さんにやさしい環境づくりを促す取組においてご利用いただくことができます。
マタニティマークを使用される場合は、マークの趣旨を正しくご理解いただいた上で、普及啓発にご協力をよろしくお願いいたします。

マタニティマークの使用例

  • 公共交通機関のポスターに掲載
  • 医療機関の駐車場の看板に使用
  • マタニティマークグッズ・商品の作成・配布(注1)
  • 妊産婦さんへの配慮や、妊産婦さんにやさしい環境づくりを促す呼びかけ文の掲載(注2)

(注1)営利を主たる目的とした場合や、マタニティマークの作成趣旨に反するなど著しく不適当と認められる場合、商品等の品質や安全性を保証する目的での使用はできません。

(注2)「呼びかけ文」の例としては、以下のようなものがあります。

  • 交通機関などでの取組例:「座席は譲り合っておかけください」
  • 受動喫煙の防止対策例:「禁煙にご協力ください」「禁煙席があります」
  • エレベーターなどの乗降、段差のある場所での配慮の例:「妊婦さんやお子さんを連れている方に配慮を」

(取材協力:こども家庭庁 文責:内閣府政府広報室)

このコンテンツは役に立ちましたか?
このコンテンツは分かりやすかったですか?
このコンテンツで取り上げたテーマについて関心が深まりましたか?

ご意見・ご感想

送信中です

ランキング

関連サイト

外部のウェブサイトに移動しますが、よろしいですか。
よろしければ以下をクリックしてください。

Link
ご注意
  • リンク先のウェブサイトは、内閣府政府広報室のサイトではありません。
  • この告知で掲載しているウェブサイトのURLについては、2023年11月21日時点のものです。
  • ウェブサイトのURLについては廃止や変更されることがあります。最新のURLについては、ご自身でご確認ください。
Top

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /